――― 火星・木星間小惑星帯 ―――
「此方巡洋艦ルイージ・ディ・ザヴォイア・ドゥーカ・デッリ・アブルッツィ以下第三艦隊、指定されたガミラス潜水カ級群を撃破、殲滅!」
「此方巡洋艦ゴリーツィア率いる第二艦隊、カ級を多数撃破したわよ。
見なさい、ガミ公どもがゴミの様ですよ!!」
ヤマト達が火星を経つ数刻前、戦艦ローマを総旗艦……否、独断出撃だったので主犯者としたイタリア艦隊はと言うと、既に潜宙艦隊との交戦状態に入っていて……アクィラとスバスヴィエロの2人の空母娘の航空支援下の攻撃で早くも潜水カ級を10隻前後を沈めて、小惑星帯の内部に進入していた。
「うむ! 余達の艦隊の独壇場だな!
ど、く、だ、ん、じょう、だな!!」
「…よしよし、流石はドイツと言った処かしら?」
ここ近年は地球に常に圧倒していたガミラスの潜宙艦隊にほぼ一方的に勝っている戦局の原動力となっている亜空間ソナーに、妖艶的且つ開放的な赤いドレスを纏う金髪少女の戦艦コンテ・ディ・カブールが、僚艦の空母スバスヴィエロと共に航空支援を行っている空母アクィラと共に振り向いて微笑した。
「いやぁ、ドイツが良い仕事をしたのは確かだが、此の亜空間ソナーを扱っているダ・ヴィンチちゃんが凄いのよ!!」
亜空間ソナーを搭載している戦艦レオナルド・ダ・ヴィンチ……名画モナリザを思わせる容姿である眼鏡を掛けた戦艦娘が高笑いをしている通り、彼女は運用実績が全くない亜空間ソナーを理解しての使いこなして、潜伏している潜水カ級群を次々に見つけてはアクィラ&スバスヴィエロの航空隊で炙り出す、完璧な戦闘管制がなによりのモノであった。
レオナルド・ダ・ヴィンチにこんな事が出来たのは、彼女は工作艦としての側面を持っていた事からなんだが、変に調子に乗りやすい処(旧日本海軍で言えば夕張と比叡を足した様な存在)があり…
「敵を侮るな!」
…此の為、3人の姉達と共に戦艦娘達を護衛する駆逐艦シロッコに小突かれた。
「此の辺りは小惑星が密集しているから敵が潜みやすいんだ。
只でさえ相手は姿を見せない潜宙艦なんだから、気を抜くな」
「そうです。
油断は大敵です」
木星艦隊に所属していた経験から小惑星群をある程度知っているシロッコの指摘に、金の月桂冠を被ったふくよかな容姿の戦艦ジュリオ・チュザーレが頷いた。
「ですけど、此れで本当に良かったのでしょうか?」
「何をいまさら、もうウチ等はとっくの昔にルビコン(川)を渡ってもうたわ」
陽気な性格が多いイタリア艦娘には珍しいネガティブな性格をしている“茶髪の長髪の
「もう無理な話や。
ウチ等はとっくにルビコン(川)を渡ってもうたわ!!」
「なに、非難されたら無敵の魔法の言葉“それがどうした”って言ってやればいいさ!」
そんなアンドレア・ドーリアを、彼女の姉である何故か関西弁で喋る金髪ツインテールの幼女戦艦カイオ・ドゥイリオが笑い、巡洋艦ジュゼッペ・ガリバルディが続いた。
「ヤマトが信用出来ない以上、私達がレムレースを倒すしかないのよ」
戦艦ローマが2度の退却をしたヤマトへ毒を吐いたが、此れは自分自身の手で次姉イタリアの仇を取りたい事の表れであった。
元々イタリアンマフィアに見られる通り、イタリア人は家族間の絆が世界的に強い方なのだが、ヴィットリオ・ヴェネト級二番艦イタリアは四番艦(厳密に言ったら改ヴィットリオ・ヴェネト級二番艦、旧日本海軍で言えば三隈と熊野との関係に近い?)である彼女を可愛がっていて、そんな愛するイタリアを沈めたレムレースの首を他人に取られる事など我慢出来る訳がなかった。
そんなローマの思いを察する事が出来たから、コンテ・ディ・カブール達は、ローマが1人でも出撃しかねなかった事もあって、彼女に同調したのだ。
因みに、イタリア艦隊も日本艦隊と同様に、主力の艦娘達の殆どをガミラス戦で戦没していた事から、今の艦隊の構成要員の大半が練習艦隊の所属であり、現に艦隊最古参のコンテ・ディ・カブールは、2人の妹達と共に大規模近代化改装を受けていたものの、ロシアのガングートとほぼ同世代の旧式であった。
「出てこい、レムレース!!!
私が沈めてあげるわ!!!」
少なくとも現時点でのイタリア艦隊は、常敗不勝の軍隊ヘタリアではなく、欧米が憧れる古代国家ローマ帝国の末裔達に相応しい武勇を見せており、レムレースを誘き寄せるには十分な状態であった。
「3分間だけ待ってやるぞ!」
「乗るな!!!」
……ローマの叫びに、ゴリーツィアがふざけて乗っかった事で次姉の巡洋艦フィウメに怒られたのは無視しよう…
「…っ! 航空隊が!?」
どうやらローマの叫びが言霊となって実現したらしく、周辺宙域を哨戒していたアクィラのコスモパンサー隊が突然一斉に爆発し…
「…獲物ガ、獲物ガ
…ローマの要望通りにレムレースが出現したらしく、今度は第二艦隊が一斉に爆発した。
「なんとぉぉー!!!」
「第二艦隊が…」
目の前の第二艦隊の全員が一斉にヤられた光景に、ジュリオ・チュザーレが絶叫し、駆逐艦マエストラーレが絶句して、残りの者達は硬直してしまった。
「フィウメ姉さん、大丈夫ですか!?」
「…目がぁ~…目がぁぁぁー!!!…っ!?」
否、第二艦隊所属の駆逐艦娘達が全滅したのに反してフィウメ、ゴリーツィア、ポーラのザラ級巡洋艦の姉妹3人のみは一様無事だった様だが、見るからに重傷の身で失神しているフィウメはポーラの右肩に抱えられながら退避して、ゴリーツィアはヤられた両目を押さえながら右往左往していた処に、直ぐ脇から飛んできた空間魚雷を複数被雷して、そのまま轟沈した。
「…お客さん、ご来店って処か」
「…第四艦隊、突撃!!!」
第二艦隊がレムレースが殺られたのは間違いなく、その事にジュゼッペ・ガリバルディが顔を引き吊らせ、コンテ・ディ・カブールが第四艦隊に空間魚雷が飛んできた方角への突撃を命令した。
「ダ・ヴィンチ、アンタ何やってたのよ!!?」
「それが、亜空間ソナーに何も反応が無かったんじゃ!」
「無かった?
アンタ、寝惚けてたんじゃないでしょうね!!?」
「そんな訳あるか!!!」
「じゃあ、何で反応しなかったのよ!?
亜空間ソナーは玩具だったって言いたいの!?」
直ぐにレムレースの出現を事前察知出来なかったレオナルド・ダ・ヴィンチにローマが怒鳴ったが、当の本人は亜空間ソナーに何も反応が出なかった事に戸惑っていた。
「ああ、第三艦隊が!!!」
「姉貴ぃぃぃー!!!」
ローマとレオナルド・ダ・ヴィンチが思わず口論をしていたが、此の間にもガミラスの攻撃が続いていて、今度は第三艦隊が
「…っ! 2時の方向、上下角プラス45度の方角に潜宙艦反応多数!!!」
あっと言う間に戦局がひっくり返った状況下で、レオナルド・ダ・ヴィンチが見つけて叫んだ直後に、その方向から空間魚雷が多数飛んできた。
「迎撃!!!」
「此れ以上、イタリア艦隊をやらせる訳には行かないぞ!!!」
だが今回のは、事前に察知出来た事からカイオ・ドゥイリオの号令下の迎撃の砲火で全てを撃ち落とす事が出来るだけでなく、シロッコを先頭にマエストラーレ級四姉妹が突撃をして爆雷を至る所にばらまいた。
「…っ! いました!!!」
「撃て撃て!!!」
爆雷群の爆発の中から何者かの悲鳴をアンドレア・ドーリアが聞き、ローマの号令下に戦艦娘達6人の一斉射撃が次々に飛んだ。
「どうや、ガミ公!!!」
ローマ達が幾つか手応えを感じた事からレムレースに手傷を追わせたと思い、カイオ・ドゥイリオが思わず叫んだ。
「っ!? 潜水ヨ級!!?」
だが実際に爆煙から出てきたのはレムレースではなく潜水ヨ級であり、此の現状からして他に潜水ヨ級はいたとしてもレムレースがいた気配は全く無かった。
「しまった、囮だ!!!」
ほんの少し間を置いて、レオナルド・ダ・ヴィンチがレムレースが潜水ヨ級群を囮にしたのに気づくもその直後、マエストラーレ級四姉妹が向かったのとは無関係の多方向の近距離から空間魚雷が多数飛んできて、次々に戦艦娘達(+α)に襲いかかった。
「ああ!!! 火が、艤装に火が、っ!!?」
「嘘じゃろ!!?」
「チュザーレ姉ちゃん、しっかり!!!
目を開けて!!!」
流石は戦艦娘と言うべきか、ローマ達の殆どはなんとか小破ですんだが、空母スバスヴィエロは艤装に点いた火を慌てて叩いて消そうとするも大爆発を起こし、コンテ・ディ・カブールとレオナルド・ダ・ヴィンチが2人揃って悲鳴を上げながら吐血しながら横に倒れているジュリオ・チュザーレを揺すっていた。
「ローマさぁーん、また来ますよ!!!」
だがガミラス潜宙艦隊は戦果不十分だと判断しての空間魚雷の第2斉射を放ってきたが、今回のは次姉フィウメを安全そうな小惑星の影に退避させての看病をしていたポーラが気づいたお陰で、マエストラーレ級四姉妹を戻しての迎撃体勢を整える事が出来た。
「…っ!? 主砲、動け!!!
何で動かない!!!…っ!!?」
だが迎撃の砲火を上げる中で、シロッコの主砲が壊れてしまい、慌てて直そうとしていた処にシロッコの胸部に空間魚雷が直撃、何故か不発だったがそのまま押されてローマ達の脇を過ぎて……小惑星の1つに背中から激突して、空間魚雷に押し潰されたシロッコの胸部が血で真っ赤に染まった。
「う、うおおぉぉぉー!!!」
「「「シロッコ!!!」」」
ムンク著の名画“叫び”を思わせる表情で絶叫したシロッコの壮絶すぎる光景に、急ぎ戻った姉達3人が揃って悲鳴を上げた。
「シロッコ、今助けます!!!」
「止めて、グレカーノちゃん!!!」
マエストラーレとリベッチオが硬直したのに反して、無意識の内に動いた駆逐艦グレカーノがシロッコを助けようと彼女の所に駆け寄ったが、嫌な予感を感じたアクィラが叫んで止めようとするも、グレカーノがシロッコの胸部の空間魚雷を引き抜こうとして触った直後、空間魚雷が爆発してグレカーレが吹き飛ばされてシロッコが爆散した。
「…何で、亜空間ソナーに反応しないのよ?」
グレカーレ大破とシロッコ爆死で既にそうなりかけていたが、モタモタしている間に奇襲攻撃下の友軍艦隊群に驚き戸惑っていた第四艦隊が全員揃って爆発、更に又しても亜空間ソナーが反応しなかった事にローマが唖然としていた。
「……なんて面白い……私の計算を越えていった。
いや、ガミラスの計算は、とっくの昔に私のを遥かに越えていたのか」
「…ううむ……此れは少し不味い戦局かもしれん、な」
戦局が一瞬の内にひっくり返った事から改めてガミラスの強大さを認知して、レオナルド・ダ・ヴィンチとコンテ・ディ・カブールの姉妹が顔を引き吊らせて微笑した。
そんな2人に反するレムレースのと思われる高笑いが、至る所から聞こえていた。
感想・御意見お待ちしています。
今回殺られ今後も殺られる予定のイタリア艦隊の未実装の艦娘は、殆どはセリフ無しですが、セリフ付きは全員思い付きに近い形でキャラ設定をしており、こんなんですから“設定 艦娘”に掲載しないかもしれません。
只、ローマ、アクィラ、ポーラ、リベッチオ、そして先のイベントで実装したてのマエストラーレの計5人はちゃんと掲載する予定ですし、少なくとも此の5人は今回は撃沈はしません。
…後日、『アリゾナ』の立ち位置と言う貧乏クジは引くかも知れませんがねぇ~
マエストラーレ&リベッチオ
「「何で、シロッコがパプテマスの人になってるんですか!!!」」
ザラ&ポーラ
「「ゴリーツィアは飛行戦艦『ゴリアテ』でもなければ、滅びの呪文を目視した大佐じゃありません!!!」」
ローマ
「某シリーズのキャラ3人を元に、コンテ・ディ・カブール級戦艦に何やってるんですか!!?
百歩退いて、レオナルド・ダ・ヴィンチとジュリオ・チュザーレはまだ分かりますが、コンテ・ディ・カブールは掠りもしてないじゃないですか!!!」
イタリア
「と言うより、貴方あのシリーズは1作目のオリジナル版しかやっていないのに、なんで危険な橋を渡ろうとしているのですか!!?」
…言っておきますが、ジュリオ・チュザーレの外見は兎も角として、中身は赤城にしています。
因みに、カイオ・ドゥイリオ級戦艦の姉妹は、最初にアンドレア・ドリアの中身を聖剣3版ドリアードに、その流れでカイオ・ドゥイリオの中身は聖剣3版ウンディーネに設定しました。
ローマ
「……よりにもよって、あのバージョンのウンディーネですか…」
自分もそうでしたが、最初に「絶体“なんでやねん”と言うぞ」と注意した後に、友達の何人かに新訳聖剣伝説のウンディーネのイベントを見せたら、全員「なんでやねん」と笑いながら言いました。
イタリア
「どうして、聖剣2ではおしとやかだった水の精霊が、聖剣3から関西の女になったんでしょうね?」
後、カイオ・ドゥイリオ級の姉妹各々の外見は“國崎出雲の事情”の白浪五人男編であった“演じ替わり”から、性格が近い日本艦娘の龍驤と羽黒の色違いにしました。
マエストラーレ
「それにしても、シロッコのネタの前置きは比較的丁寧に蒔きましたね」
だって、10年以上前のアーケードゲームでの出来事をよく覚えていたら、頭から離れませんでしたから…
「何か来るぞ、注意しろ!」→「凡人がこの私に勝とうとは、愚かな!」(注:PS2版だと「これ以上、ティターンズの艦隊をやらせる訳にはいかん!」)→「敵を侮ったのだよ!」→2、3回ゲームオーバー→「よし、作戦成k『う、うおおぉぉぉー!!!』」
…初見したゲームセンターで笑いながら画面に頭ぶつけたをよく覚えてますが、此れ等一連を棺桶に入る時までに忘れる自信がありません。
そんなんですから、wikiでマエストラーレ級駆逐艦四番艦の艦名は『シロッコ』だと知ったら、選択肢は強制的に1つになりますよ。
リベッチオ
「なんか、シロッコを襲った空間魚雷はCV飛田展男とか言われそうな気がする」
……それやると昔懐かしい“ボボボーボ・ボーボボ”になる……かじりレベルでしか読んでないけど…
磯風
「
…さ、最後に、本編に生かす予定は皆無ですけど、何かの出来事で酷い目にあった為にイソカゼはコンテ・ディ・カブールに苦手意識があるとの裏設定があります。
本作でのヤマトの最後はどうしてほしい?
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実写版通りに、特攻
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なんとしてでも、地球に帰還