SPACEBATTLEGIRLヤマト   作:サイレント・レイ

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 今回の投稿前に第6話の終盤に少し書き加えを行いました。





 それでは本編をどうぞ


第37話 レムレース(影の艦隊)の猛威(前編)

――― 火星・木星間小惑星帯 ―――

 

 

「オイテが殺られた!!!」

 

「ヤヨイちゃんが、ヤヨイちゃんの胸がぁぁー!!!」

 

「助けて、ウヅキのエンジンに火が、火が、っ!!!」

 

「アサナギ、何所に行ったのぉぉー!!?

っ、今助けに行きます!!!」

 

「来るな、ユウナギ、っ!!?

ああ、ユウナギィィー、っ!!?」

 

「嘘だろ、キクヅキ!!!

返事をしろ!!!」

 

 ローマが日本艦隊にレムレース襲来を伝えた直後、当の日本艦隊が備える暇を与える事なく、レムレースが攻撃を開始して、その標的になったのはヤマトやキリシマ達の実戦部隊ではなく、カミカゼ級やムツキ級の救助部隊が負傷して動けないイタリア艦娘達共々殺られてしまい、ヤマト達実戦部隊一瞬で出来た殺戮光景を呆然と見つめていた。

 

「…っ、何で事前に察知出来なかったの!?」

 

「そ、それが、レムレースは突然現れたんです」

 

 ヤマトは我に返ると、直ぐにキリシマとカモイに半ば怒鳴って訊ねたが、カモイは慌てふためいて、キリシマはインカムを右耳に押し当てながら唸り声を出していた。

 更に接近してきたローマ達イタリア艦隊の主力の攻撃が始まると、キリシマは鬼の形相をした。

 

「ヘタリアども、静かにしろ!!!

全く聞こえなくなったじゃない!!!」

 

 どうやら亜空間ソナーがイタリア艦隊の爆雷攻撃でレムレース処か、潜宙艦2種の所在すら掴めなくなってしまった様で、キリシマがヘッドホンを外して艤装に叩きつけていた。

 まぁ、此の事はイタリア側も同じ様なのか、レオナルド・ダ・ヴィンチがローマの胸ぐらを掴んで前後に揺すっていた。

 

「魚雷が来るぅぅー!!!」

 

 だが、此の地球側の混乱からの好機を見せているのをガミラスが見逃す訳がなく、今度は多方向からの一斉雷撃を行い、負傷者を担いでいたサツキが叫んで伝えた時には大量の魚雷が直ぐ近くまでに迫っていた。

 日本艦娘達は小惑星群を楯にして、怪我を負う者が少々出るも全員がなんとか回避が出来たが、イタリア艦娘の負傷者達は次々に被雷していった。

 

「ああ、小惑星がぁー!!!」

 

 更にムツキが振り向くと、無事にいると思われた小惑星の影にいたイタリア艦娘達に、魚雷が直撃した事で動いた大型小惑星が、負傷者達を押し付けながら小惑星に激突し、2つの小惑星は揃って爆発した。

 

「彼処に誰かいたぞ!!!」

 

 2つの小惑星による圧死をしただろう艦娘達を思ってナガツキが悲鳴をあげたが…

 

「くおらぁぁぁー!!!

勝手に殺すなぁぁぁー!!!」

 

「でも死ぬかと思いました~」

 

…その爆発煙の中からジュンヨウと、いつの間にかに一緒だったポーラが2人係りで、小惑星の影にいた負傷者達を全員担いで出てきた。

 

「は~…良かった…」

 

 自分達の所に来たジュンヨウとポーラに安堵の息を吐き、ムツキが負傷者共々ポーラを安全圏に誘導し、ナガツキがジュンヨウがジュンヨウから負傷者達を受け取っていた。

 

「やるじゃないか、ジュンヨウ。

アンタ、装甲が薄くて鈍足なのにな」

 

「はぁ!?」

 

「え、ちょ!!?」

 

 ナガツキは彼女なりの冗談を言ったつもりだったが、ジュンヨウにはカンに触ったらしく、カーゴ召喚の為の護符をナガツキ目掛けて身構えた。

 ナガツキはジュンヨウが怒って自分を攻撃するのではと思ったが、ジュンヨウが召喚(発艦)したカーゴはナガツキの顔の直ぐ右脇を通過して、ナガツキの後ろで漂流していた負傷者に取りついた

 ナガツキが納得の意味で変な溜め息をはいたが、カーゴは負傷者と共にジュンヨウの所に戻ってきた。

 

「もういっぺん言ってみろ!!!」

 

「分かった分かった!

ジュンヨウは凄いって!」

 

「当然だ!!

私は“修羅場のジュンヨウ”様だぞ!」

 

 ナガツキの言う通り、ジュンヨウは確かに自分で自虐する程の“低速”“低装甲”だったが、そんな身でも最前線から負傷者達と共に帰還し続けた実力と度胸がある事を、ナガツキは苦笑しながら改めて認知した。

 

「ほらほら、助けを求めてる奴は山の様にいるぞ!」

 

「……ジュンヨウさんは、よく知ってますね」

 

「何を、ですか?」

 

 マミヤがナガツキを引き連れて別の負傷者達の救助に向かったジュンヨウへの言葉を掛けていたが、その意味をタイゲイは理解出来ずにいた。

 

「戦闘要員は派手に戦場で命を懸けて戦いますが、此所はそれ以上の修羅場である事をです」

 

 戦場での戦いとは別で、しかもより苛酷なのが有る。

 マミヤの言葉を納得しているタイゲイの2人のやり取りから見ると、少なくとも現在の日本艦隊では中毒症状に近かった旧日本海軍の艦隊決戦至上主義を反省している様だった。

 

「ジュンヨウ、此方は大丈夫です!!!

もっと支援が欲しかったら、増援を送りますよ!」

 

「心配無用だ!!!」

 

 マミヤとジュンヨウ達は気を引き締めて負傷者救助を再開していた。

 で、此の時のヤマト達実戦部隊はと言うと、負傷者達の前方に出て彼女達の楯になろうとしていたが、当のガミラス(と言うよりほぼレムレース)は、多分通常型の潜宙艦群は幸い機能していたカモイの対潜管制だけでなく、偶然に近い形でのイタリア艦隊の主力群との協力でなんとか牽制していたが、そんなヤマト達を無視して負傷者達や彼女達を救助している救助艦隊を狙い続けていた。

 

「ああ、ハヤテちゃんが!!?」

 

「…あ、ああー!!!」

 

「馬鹿!!!

逃げるな、キソ!!!」

 

 味方が次々に殺られる現状にキサラギが悲鳴を上げ、キソが土星陥落時に自分に親しかった子供達が避難船諸共沈められたトラウマを思い出して逃げようとした処をナガラが背後から取り押さえていた。

 

「今度はミナヅキが!!!」

 

「マミヤさん、もう危険です!

此処は後退しましょう!」

 

 潜宙艦隊の波状攻撃で“ミイラ取りがミイラになる”の言葉通り、ハタカゼがマミヤに後退を意見したが、当のマミヤは暫く周囲を見渡していた。

 

「…沖田提督や藤堂長官の命令が無い事から、救助を続けます」

 

 だがマミヤはハタカゼの意見を取り下げ、更にハタカゼがカミカゼに抗議の意見で睨まれた事もあって苦笑した。

 しかし現状は苛酷であり、現にレムレースは負傷者達への攻撃を続けていた。

 

「…見境、なしですか」

 

「相変わらず、ガミ公は士道とかジュネーブ条約とかが無いわね!」

 

 そんなレムレースにアヤナミが嫌悪して、スズヤが怒鳴った。

 

「ジンツウ、藤堂長官、これ以上は危険です!!!

救助艦隊を下げてください!!!」

 

『キリシマさん、私もそうさせたいのですけど、救助活動を止める訳にはいけません』

 

「だけどね!!!」

 

『キリシマさん、此れは藤堂長官の命令です』

 

 マミヤやジュンヨウ達救助艦隊の状況を鑑みたキリシマは、藤堂か彼の秘書艦代理のジンツウに救助艦隊の退却を具申したが、それはジンツウに却下された。

 まぁ、キリシマは分かってはいるも心の片隅で思う事があった事から舌打ちをしてしまったが、ジンツウとの通信から怒号が色々聞こえている事から防衛司令部も救助艦隊退却の是非を巡って揉めている様だった。

 

「マミヤ、そう言う事なんで…」

 

「分かってますよ。

現宙域に留まって、可能な限り救助を続行します……っ!

彼処に誰かいますよ!」

 

 キリシマがマミヤに伝達しながらも思う事はあったが、マミヤはキリシマが言い終える前に了解してカミカゼ達を従えて救助に向かった。

 

「イタリア艦隊、左舷側から魚雷が来ます!!!」

 

Ebbene,che cose!!?(えっ、何!!?)

 

「La flotta giapponese,ce una flotta sattellitare in direzione delle 2!!!」

(訳:日本艦隊、2時の方角に潜宙艦隊がいる!!!)

 

「え、ドエェ!!?」

 

 一方のヤマト達実戦艦隊はと言うと、ハツシモ&コンテ・ディ・カブールとレオナルド・ダ・ヴィンチ&アブクマの言葉のやり取りから見られる通り、此処にきて言語の違いによる情報伝達の混乱が生じた事から、無駄な負傷者や敵の取り逃がしが起き始めていた。

 しかも煩わしい事に、そんな艦娘達を馬鹿にするかの様なレムレースの笑い声が至る所から聞こえていた。

 

「誰かイタリア語が話せる娘はいないんですか!?」

 

「無理ですよ!

私達日本艦隊はイタリアとの繋がりがありませんから、イタリア語を話せるのは行方不明(MIA)のカワカゼちゃんぐらいです!」

 

「だったら、翻訳装置が開発されたんでしょう!

それをだしてよ!!」

 

「有るけど、今回持ってきてないのよ!!!」

 

 不安要素となっているイタリア艦隊の事で、ヤマトがイタリア語の通訳係を求めるもサミダレがほぼ泣きながら該当者がいない事を伝え、代わりに翻訳装置を求めるが此方もキリシマに否定されたが、そのキリシマは急な出撃だったと言え、こう言う事態が想定出来たにも関わらずに翻訳装置を持ってこなかった事を、キリシマは歯軋りをしながら後悔していた。

 

Ritirate!!!(退いて!!!)

 

「っ、え!?」

 

 更に不味い事にリベッチオが小惑星を回避したら、周囲を警戒しながら爆雷をばら蒔いていたナトリに激突してしまった。

 ナトリとリベッチオ2人の艤装が中破して、リベッチオ本人は無傷でもナトリが彼女を咄嗟に庇った事で右肩を痛めたが、各々の先代がやらかした衝突事故を思い起こしたアブクマ(美保関事件(阿武隈&北上、衝突))とイナヅマ(済州島南方沖演習(電&深雪、衝突で深雪事故亡))の2人が顔を青くした。

 

「うぅ~…」

 

「ナトリさん、大丈夫ですか!?」

 

 直ぐにアヤナミが右肩を押さえながら呻いて動けないナトリを救助した日本艦隊は兎も角としても、リベッチオが表情から見ると罪悪感は有った様だが、ナトリに何も言わずにローマ達の所に逃げるように戻って、更にローマ達が日本艦隊を睨んだ事から、日本・イタリアの両艦隊に気まずい空気が濃厚になった事からキリシマが決断した。

 

「ジンツウ、そちらからイタリア艦隊になんとか出来ないの!?」

 

『駄目です!!!

イタリア艦隊の皆さんは頭に血が昇ってるらしく、藤堂長官の指令を無視し続けているんです!』

 

「だったら、私達は後退する!

通常型の潜宙艦隊はイタリア艦隊に任せて、私達はレムレースに専念するからね!!!」

 

『っ! そ、それは…』

 

「カモイの情報は提供させる!

此方にも限度があるのよ!!!」

 

 キリシマの通達にジンツウが何かを言おうとしたが、キリシマはその前にジンツウとの通信を切った。

 此れにヤマトが「流石に不味いんじゃ?」と言おうとしたが、当のキリシマは“責任は私が取る”と目線で訴えた。

 

「っ! 6時の方角に潜宙艦反応!!!」

 

「6時ぃ!!?」

 

 ローマが“ざまぁ見ろ”と言ってそうな笑みをしていた気がしたのは取り敢えず無視して、ヤマト達実戦部隊が後退して体勢を整えていたら、早速カモイが新たな潜宙艦の存在を報せたが、キリシマが変顔をした通りに問題だったのは潜宙艦の出現箇所は潜宙艦隊を殲滅した筈で、しかもその攻撃で小惑星群が吹き飛んだので隠れる物が一切無い広い空間だったからだ。

 

「分かりません。

いきなり現れたんです」

 

「ワープした、のでしょうか?」

 

「こんな宙域でワープなんか出来る訳がないでしょ!!!」

 

 カモイが疑問を感じ続け、イナヅマがワープかと疑うも、キリシマに否定された。

 

「キリシマ!!!」

 

「分かってますって!!!」

 

 だが、少なくともカモイが捉えたのはレムレースである公算が大であるのが分かる以上は何もしない訳がなく、現にヤマトがキリシマに何故か動こうとしないレムレースへのミサイル攻撃を要請した。

 

「「…っ!?」」

 

 だがキリシマがミサイル攻撃をしようとした直前に、レムレースと思われる反応が消えると同時にヤマトとキリシマの近くを影か風と思われる何かが過ぎ去ってローマ達が一斉に被弾と思われる爆発が起きていた。

 

「くそ!!! またかよ………?

ヤマト……キリシマもどした?」

 

 レムレースの理解不能な行為にアサシモが毒づいたが、ヤマトは何故か艤装左舷側の砲身が1門折れたパルスレーザー1基を見つめて硬直し、更にキリシマも同じ様に艤装の右舷最端部分を見つめていたのに気づいた。

 

(ヤマト、知っていると思いますが、ワープのお復習(サライ)をしますよ)

 

「……まさか…」

 

 どうやらヤマトはたった今自分の艤装にレムレースがほんの一瞬接触した事から、“零距離射撃”“亜空間ソナーや亜空間ソノブイで捉えられない”そして第2次木星沖海戦前のオオヨドのワープの説明を思い出して、レムレースの能力のカラクリを察したようだった。

 更にヤマトが見た処だと、キリシマも同様のようだった。

 

「「………」」

 

 それでヤマトが“そこにいたよね?”と前方を指差すと、キリシマは“それが一瞬で彼処に”とローマ達の方角を指差した。

 

「…ヤマト、感じ取れた?」

 

「微かに、勘違いしそうな程の微かに」

 

 ヤマトとキリシマは確信めいたモノを得たみたいだが、お互いの目線を合わせて硬直している処を見ると、それを否定したがっているようだった。

 

「……なんて者を生み出してくれるのよ、ガミラス…」

 

「キリシマさん、何か分かったのですか!?」

 

 ヤマトと共にローマ達の方に振り向いたキリシマに、カモイが察して直ぐにキリシマに大声で訊ねたが、当のキリシマは顔を青くして少しの間だけ硬直した。

 

「…種も仕掛けもなんにも無いわよ。

単純すぎて逆に分からなくなっていたのよ」

 

「単純?」

 

「…アレは………レムレースは速いんですよ。

それも、島風(シマカゼ)が霞む程の以上にです」

 

 カモイはキリシマの返事を理解出来なかったが、ヤマトの説明で、カモイだけでなく同様に分かったアブクマとハツシモの2人と共に“まさか!?”と顔に出していた。

 

「間違いなくレムレースは、通常推進型ワープ……光速を超える速度で動いてます」

 

 ヤマトの断言に近い言葉に、カモイは納得しようとするも脳内部からの拒絶反応が出た。

 

「ですけど、亜空間ソナーや亜空間ソノブイに捉えられない速度だなんて、そんな事は太陽系を1秒で横切る以上のスピードじゃない、と…」

 

 カモイの抵抗は残念ながら、キリシマがカモイから目線を逸らした事で否定され、全員がギョッとした。

 

「レムレースは太陽系処か、A銀河も1秒で横切れるかもしれませんよ」

 

 ヤマトの言葉に全員が「そんな…」と呻きながら顔面蒼白となった。

 

「超光速潜宙艦、それがレムレースの正体よ」

 

「此処まで来たら、もう笑うしかないけど………姿を見せずに超光速で動き回るなんて、反則でしょう…」

 

 ヤマトとキリシマはなんとか耐えてはいるが、他の者達は今までは“知らない幸せ”の中でいた事を知って、強烈な“冷酷な現実を知った故の絶望”に襲われており、何人かは立ち眩みを感じていた…




 感想あるいは御意見をお待ちしています。

 本編では書けませんでしたが、他にもいるかもしれませんが、少なくとも地球はレムレースをガミラス最速と認定します。

大和
「ちょっと、レムレースって第1面ボスみたいな存在でしたよね!?
その割りには、レベルが高すぎますよ!!!」

霧島
「アイツ、間違いなくギラヒム級のボスじゃない!!!」

 不幸中の幸いな事を教えましょう。
 ガミラスはレムレース(潜宙棲鬼)は“力に飲まれてる事から、思考と行動が単純で調子に乗りやすい(本編で書きますが、思考回路がほぼユウダチ)”“従属艦が配備出来ない”“実は速すぎて武装が制限されている”等の点から失敗作として、量産にいたっていません。

大和
「こんなの量産されたら、堪ったもんじゃありません!」

 まぁ此れでも、艦これ原作で言ったら、イオナ(イ401)と同等以上と設定しています。

霧島
「あ~…コラボキャラだけど、艦これ最強潜水艦と、ですか。
演習でイオナに酷い目にあった提督(プレイヤー)達の話はよく聞きますけど、作者はそうでもありませんでしたね。
その代わり、異世界の私(キリシマ)とハルナに酷い目にあいましたけど」

 レムレースの攻略のヒントは先述の欠点に加えて、“はじめの一歩”の一歩vs島袋での鷹村の言葉を少し変えて言うと「異次元にいれば勝てたが、実際にいるのは通常の宇宙」にあります。

本作でのヤマトの最後はどうしてほしい?

  • 実写版通りに、特攻
  • なんとしてでも、地球に帰還
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