それでは本編をどうぞ。
――― 火星・木星間小惑星帯 ―――
「藤堂長官より、小惑星帯に生存する全艦娘の一切の行動停止の厳命が入りました!」
「いよいよ仕掛ける気か!」
アクィラが藤堂の命令を叫んで伝えると、コンテ・ディ・カブールの反応通りに、イタリア艦隊の全員がヤマトが動く事を察した。
「……嫌だ…嫌だ!!!」
「「ローマ!!!?」」
「ローマさん!!?」
だがローマは、その命令を拒絶してヤマトがいる宙域に突進しようとしたが、その直前にコンテ・ディ・カブール、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ポーラが3人係りで彼女に飛び付いて止めた。
「何をする気じゃあ!!!」
「姉さんの、イタリア姉さんの仇は私が取るんだ!!!」
「諦めろ!
もうお前では無理だ!」
「アンドレア・ドゥーリオ達が、私の我が儘に着いてきたみんなが犬死になるじゃない!!!」
コンテ・ディ・カブールとレオナルド・ダ・ヴィンチはローマの純粋な姉や死んだ仲間達への思いを察する事が出来たので、彼女に“諦めろ”の一言で黙らせる事は出来そうになかった。
「ローマの奴、暴走しかけてるな」
当然ながら、ジュンヨウが呆れている通りに日本艦隊もローマのに気づいて、彼女の思いと行動を察していた。
「どうするんですか?」
「…ミサイル、叩き込もうかしら?」
サミダレの質問に、キリシマが溜め息を吐いての物騒な事を言ったが、作戦の破綻が考えられる以上はそれもやむを得ないと思えた。
(…示しなさい!!)
「…っ!?」
(言葉ではなく、その行動で!)
「…っ!
カモイ、1つ教えてください」
「え、あ、はい」
だがそんな時に、ヤマトがカモイに訊ねた事で、キリシマ達がギョッとした、
「落ち着いてください!」
「離して!!!…っ!?」
騒いでいるローマがポーラを引き剥がそうとしたら、不意にヤマトの岩壁が回ったら……ヤマトが三式弾による主砲射撃でローマ達に近づこうとした潜水ヨ級を射ぬいた。
「……何やったのですか、あの人は?」
唖然としたアクィラに見られる通り、まさかのヤマトの砲撃でイタリア艦隊全員が硬直した。
更にヤマトがローマを睨んでいた事もあって、イタリア艦隊に嫌な予感を感じさせたが、当のローマはヤマトに睨み返していたものの、それ以外はなにも行動を起こそうとしなかった。
「……出来なかったら、レムレースより前に私がアイツを沈める」
「どう言う事じゃ?」
突然ローマがヤマトからの目線を外すと、大人しく引き返した為に、コンテ・ディ・カブールが他共々困惑した。
「…お見事」
ヤマトの行動だけでなく、彼女の“私が思いを持って討つ”との目線での訴えにキリシマが微笑していたが、当のヤマトは何の反応も示さなかった。
「…“示しなさい、言葉ではなくその行動で”」
只、ヤマトは突然自分に言った金髪の長髪の女性からの幻に戸惑いながらもそうした事を、うつむきながら幻が言った言葉を反復していた。
『ヤマト、スズヤ、準備しろ!』
「はい~い!!
スズヤ航空隊、発艦準備!」
「あ、はい!!
ヤマト、左補助エンジン始動準備!」
沖田は状況的から作戦可能と判断し、スズヤとヤマトに命令が入り、ヤマトが少し慌てて出遅れものの、直ぐにスズヤと共に準備を始めた。
「ヤマトさん、解析データをお渡しします」
「ヤマト、一言言わせてもらうぞ。
此のキソ様が解析に加わった以上は、万が一にも間違いはあり得ねぇ。
もしレムレースを沈めれなかった場合、その原因はお前がヘボだって事だ。
自信が無かったら、キリシマに代わるんだな」
キサラギがヤマトに激励を含めてのデータを送信したら、キソが水を指しかねない事を言ったので、全員がギョッとした。
「そう言うのは、ナガト(長門)か武蔵に言いなさい!!!」
「わりわりわりぃー!!!」
尤も、ナガラが直ぐにキソをプロレスの関節技で締め上げたので、キソがタップをしながら悲鳴を上げていたが、此れがヤマトにリラックスをさせた。
『ヤマト、スズヤ、準備は良いか?』
「何時でもけっこう!」
「オッケーよん!!」
現場の艦娘達が各々にヤマトに激励した後、沖田の最終確認へのヤマトとスズヤの返しに、沖田は「うむ」と頷いた。
『…レムレース……否、
「さぁヤマト、トッチメに行こう!!!」
沖田の作戦開始の通達だけでなく、それに乗っかったスズヤにも含めて、ヤマトが2人各々に頷いた後、第三主砲を左舷に旋回させると、左側の岸壁の一点にパルスレーザーを大量に浴びせた。
「あやつは、また何をやっとるのだ?」
「…あっ、そうか、熱エネルギーか!!」
「っ! 詰まりアレは、撒き餌か!」
コンテ・ディ・カブールがヤマトのパルスレーザーでの行動に首を傾げたが、レオナルド・ダ・ヴィンチはレムレースがエネルギー探知しか出来ない事を思い出してヤマトの行動を察し、コンテ・ディ・カブールと目線を合わせた。
そしてヤマトの狙い通り、レムレースはヤマトの行動からの熱エネルギーを探知したらしく、レムレースのと思われる影が蠢き始めた。
「スズヤ!!!」
「まっかせなさい!!!
スズヤ航空隊第二波発進!!!」
ヤマトもレムレースの気配を感じて、スズヤがヤマトの指示通りにコスモパンサー隊を滑空状態で発艦させ、ヤマトの周囲に展開させた。
(…良いですか、動きのパターンを読んで、その一手先に砲弾を落とすのですよ)
ヤマトはスズヤのコスモパンサー隊を見つめながら、先代鳥海の教えを思い起こしていた。
――― 深海棲艦戦時・呉 ―――
(あらゆる物質に動きの法則が各々にあり、人にもまた人各々の動きの法則があるんですよ。
それを読むんです)
「…どうしたんだろ、大和?
なんか大人しくね」
「やっぱり鳥海が悪知恵を教えたんだよ」
鳥海が大和の教導役に合流してから数日後、合流後から前兆があったものの、本日の演習では普段なら挑発や当たらない砲撃の現状から感情むき出しにする筈の大和が、腕を組んで砲撃をしながら妙に静かにして、伊勢と鈴谷の砲撃を避け続けている現状に、伊勢の鈴谷は各々に回避運動をしながら目線を合わせていた。
しかも大和は2人の挑発に全く反応しない処か、伊勢と鈴谷に、日向と一緒に埠頭にいる鳥海と共にニヤけていた事が、2人に戸惑わせていた。
「伊勢、鈴谷、気ぃ引き締めろ!!」
日向も大和の事に何か思う事があったらしく、直ぐに2人に檄を飛ばすと、伊勢と鈴谷は目線を合わせて同時に頷いた。
先ず鈴谷が巡洋艦ならではの高速をもって、回避しながら大和に砲雷撃を仕掛けようとしたが…
「…っ、ち!!!」
…ある程度接近した所で、大和の副砲4基の連射での牽制に阻まれた。
「…ヤバい!」
「鈴谷ぁ~、
大和の副砲群の砲撃に、鈴谷が距離を取ろうとして伊勢に笑われていたが、大和(級戦艦)の副砲こと15cm砲はと言うと、元々は鈴谷達最上級巡洋艦が軽巡時代(但し書類上は重巡への艦種変更が行われた形跡無し)の主砲は、近々竣工予定の秋月級駆逐艦の10cm砲が登場するまで日本海軍最良砲であり、過去に最上級の20cm砲への改装を否定する者達が多数いただけでなく、後に陸軍によって五式高射砲に改造される高性能砲だったから、その怖さを知っている鈴谷が必要以上に怯えたのは仕方がない事であった。
「さぁって、っ!?
ちっ!!!」
まぁ此の隙に伊勢が砲撃準備をしようとしたが、此方にも大和の主砲2基の砲撃が降り注ごうとしたので、舌打ちをしながら回避運動を行ったが、此の時に大和の右目が光った。
(人にも動きの法則が当てはまるなんて思えないでしょう?
ですけど、その人各々の“生まれ”や“育ち”、“教え”や“経験”、色々な要素から“癖”や“性格”とも言える動きの法則を各々に持っているのですよ)
鳥海の教え通り、此の数日間の負けながらの解析で、少なくとも伊勢には当てはまった。
“伊勢は
現に伊勢は大和の読み通りに取り舵を取ろうとしていた。
(読んだ一手先に砲弾を落とせれば…)
――― 火星・木星間小惑星帯 ―――
「いくよ、ヤマト!!!」
「頼みます!!!」
ヤマトの許可の下に、スズヤは先程と同じ様にコスモパンサー隊のエンジンを一斉に起動させた。
ヤマトは高速で各々に飛び回るコスモパンサー隊を、伊勢の顔を思い出した事もあって、笑いを堪えながら見つめていた。
で少しした後、コスモパンサー隊がレムレースの攻撃で一斉に撃墜された。
『…懸かった!!!』
『っ!?』
『ヒュ~!!!』
日本の艦娘達全員が心の中でそうであったが、沖田が珍しく叫んで反応したので、脇にいるホウショウが驚きながら彼に振り向いて、マヤが口笛を吹いていた。
「左補助エンジン、フル稼働!!!」
だが此の間に、ヤマトはキサラギ達のデータを一瞬の間に確認した後に左補助エンジンのみの片肺で前進を開始した。
「偽装解除!!!」
更にヤマトが艤装に何かの操作をしながらの号令下、樽型岸壁を構成していた岩群が一斉に分離してヤマトの外側に飛びんだ。
「…電磁誘導最大……高速回転、船体防御!
回れぇぇー!!!」
そしてヤマトが最後の操作を行うと、岩群は輪型に高速回転しながらヤマトの真横から真縦に移動した。
此のヤマトが行った、アステロイドシップからアステロイドリングに移行したを目撃して、沖田以外の誰もが驚きの声を出していた。
レムレースもまた、アステロイドシップは兎も角として、レムレース的には不意に近い形で現れたヤマトに慌てて反応したらしく、ヤマトから離れた宙域の小惑星群の幾つかが砕けた。
間違いなくレムレースがヤマトに向かった事を察して日本の艦娘達が思わず「ヤマト(さん)!!!」と一斉に叫んだが、当のヤマトはタイミングを見計らっているのか直ぐに動かなかった。
「……今だ、第三主砲発射!!!」
少し間を置いてヤマトは遂に主砲を撃ったが、驚くべき事にヤマトの射撃は衝撃砲ではなく三式弾によるモノだった。
(動きの法則を読むのですよ。
そしてその一手先に砲弾を落とすのです)
また先代鳥海の教えを思い起こしていたヤマトが放った砲弾3発は小惑星群の間を縫って飛翔を続けていた。
――― 深海棲艦戦時・呉 ―――
「…次は当てる!!!」
大和は伊勢の動きに合わせて、彼女に背を向けると第三主砲を直ぐに放った。
「っ、ヤバ!!!」
「
大和に動きを読まれるだけでなく、自分目掛けて飛んでくる砲弾3発が直撃コースを描いている事を察して、伊勢が顔を青くした。
思わず日向が伊勢に怒鳴ったが、当の伊勢は狙われたのが舵を戻す途中だった為に上手く動けないでいた。
(そうしたら、砲弾なんて意図も簡単に…)
――― 火星・木星間小惑星帯 ―――
「……そうすれば、意図も簡単に…」
先代鳥海の教えの一部を口に出していたヤマトが見つめる砲弾3発は飛翔途中で、誘導装置が作動して大型小惑星の1つに沿う形で進路を変えた。
此の間にヤマトの右手が軽く開いていた。
――― 深海棲艦戦時・呉 ―――
(…当たるモノですよ)
「うぎゃ!!!」
「「伊勢ぇぇー!!!」」
大和の放った砲弾の1発は、今までの御返しの思いを込めて、顔面蒼白の伊勢の顔のど真ん中にめり込み、伊勢が頭から後ろに倒れた事もあって、鈴谷と日向が同時に叫んだ。
「やったぁぁぁー!!!」
大和は思わず両腕を振り上げて歓喜の雄叫びを上げ、そんな大和に鳥海……だけでなく、物影で潜みながら観戦していた宇垣も、微笑んでいた。
――― 火星・木星間小惑星帯 ―――
『っ!?』
ヤマトが右手を振り上げながら強く握ったのとほぼ同時に、レムレースが小惑星群の物影から飛んできた砲弾3発にギョッとした直後にそれ等の砲弾が直撃して、左側に吹き飛ばされてその先の小惑星に衝撃した。
感想または御意見をお待ちしています。
補足情報として、今回までの回想では大和は伊勢&日向&鈴谷といい関係じゃないと思われるかもしれませんが、実際は回想に出なかった榛名共々仲が良いですし、色々な馬鹿を一緒にやったりもしてました。
特に日向は師匠分として相談相手として大和はかなり信頼していました。
ですので、サマール沖海戦で鈴谷と鳥海が同時に戦没した事は、大和にとって武蔵の戦没と同等かそれ以上の精神的ショックを受けています。
本作でのヤマトの最後はどうしてほしい?
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実写版通りに、特攻
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なんとしてでも、地球に帰還