SPACEBATTLEGIRLヤマト   作:サイレント・レイ

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 今回の投稿前に“設定 ガミラス”を新しいモノと取り換えました。
 更に第11話での回想に出たヒリュウをタイホウに代えて此方に出しました。





 それでは本編をどうぞ。


第45話 回想:第一次木星沖海戦(前編)

――― 木星軌道 ―――

 

 

 数多の大小問わずに大量の光群が飛び交う光景の中……疲労からなのか、興奮からなのかは自分自身でも分からないが、ショウカクは抑えきれない程に息が乱していた。

 飛び交う光群全ては文字通りの生命の光であり、それ等が一瞬か火を吹いてから爆発して消えていっている事に、怒りと悲しみの反する2つの感情が同時に涌き出ていた。

 

「ガミラス艦隊への砲戦距離まで、あと何秒!!?」

 

「主砲射程圏内まで、あと30秒!!!」

 

 1秒が数分とも数時間とも思える程の、煩わしく長い時の中での艦隊戦の中に身を置いている事をショウカクは、自分の隣にいるズイカクの叫びながらの質問で思い出し、後方の艦隊にいるオオヨドが妹の質問に“もう少し耐えて”との意味を込めて大声で返した。

 

『ショウカク、空母艦隊を退避させろ』

 

「了解!! 離脱します!」

 

 現在、此所木星軌道では地球とガミラスの両陣営が揃って大規模艦隊を繰り出しての、後日“第一次木星沖海戦”と命名される事になる一大艦隊決戦が行われていて、その前半戦と言うべき空母部隊による航空戦が行われていたが、後続の主力艦隊が戦闘宙域に前進してきた事もあって、艦隊の総指揮を取る沖田は空母艦隊に後退を命令し、空母艦隊の旗艦ショウカクは直ぐに了解して全員に通信と信号弾の2つを使って、ズイカク以下の従属艦達にコスモパンサー隊共々の退却命令を出した。

 で、前半戦の結果を言うと、地球側の戦術的敗北。

 地球とガミラス、双方が戦闘機掃討戦(ファイター・スウィープ)を狙って戦闘機型を大多数を展開した為に両艦隊に撃沈した者はいなかったが、空母ヲ級4隻(旗艦を務めている個体のみエリート)と軽母ヌ級6隻(内2隻はエリート)を主体に編成されたガミラスの空母艦隊の全員が無傷であるのに反して、地球側のコスモパンサーが殆どを撃墜されてテルヅキの左肩に担がれているアキヅキの右上半身が血で真っ赤になっている通りに負傷した艦娘達が多数いたからだ。

 但し、ガミラス艦隊も艦載機隊のほぼ半数を失った事から、ショウカク達が後退したのに合わせて後続の艦隊に合流しようとしていたので、まぁ取り敢えずは地球側の狙い通りに厄介な空母艦隊を退ける事にギリギリ成功していた。

 

「沖田提督、意見具申!

第二次攻撃の要を認めます!」

 

『却下だ』

 

 尤もショウカク級姉妹の師匠分の空母ヒリュウは、退却に反対だったので航空攻撃の続投を求めたが、沖田に却下された為にブウ垂れていたので、ズイカクが苦笑しながら彼女の肩を叩いていた。

 

「Hay ショウカク!!!

頑張ってくれました!」

 

 戦線離脱に入ったショウカク達空母部隊に代わって前進してきたのは、先頭で進んでいるキリシマを旗艦(総旗艦兼任)とした直轄隊、後続にはアシガラを筆頭とした巡洋艦隊に上下左右にユラ達巡洋艦娘達が各々に率いる水雷戦隊が展開する日本艦隊を主軸として、その後ろには中国以下の東アジア各国の艦隊、更に後ろに北欧各国の艦隊群、そして殿としロシア艦隊で構成された打撃艦隊であり、キリシマの直ぐ後ろのコンゴウが両腕を振り上げながらショウカクにしていた様に、他の者達も空母艦隊に「後は任せろ!」等の労いの言葉を掛けていた。

 

「両舷前進全速、黒15!!」

 

「新たな敵艦隊が見えました!

艦影多数、右舷4時より近づいてきます!」

 

「艦種識別、戦艦ル級3、重巡リ級7で内エリートが3、雷巡チ級14で内エリートが6、軽巡ホ級とヘ級合わせて22で内エリートが10、駆逐艦4種……多数で内エリートが多分半数!!!」

 

 キリシマが全艦に増速を命じた直後に直轄の水雷戦隊の1人である駆逐艦ユキカゼが接近してくるガミラスの打撃艦隊を双眼鏡で確認して、更に直轄隊のオオヨドがガミラス艦隊の構成を解析(駆逐艦のみは多すぎて匙を投げていたが…)して報告した。

 

『全艦戦闘配置。

面舵30、砲雷撃戦用意』

 

「了解、おもぉ―か~じ!!」

 

 更にガミラス艦隊の位置と進路から沖田が進路を指令して、キリシマが了解しながら海軍独特の発音をしながら転蛇した。

 

「…来よったな」

 

「はい、Devil(悪魔)達が来ましたヨ!」

 

 その直後、ユキカゼの言った通りの方角からガミラスの打撃艦隊が前進してきて、他の者達もそうである様にウラカゼとコンゴウが強張った笑みを見せあっていた。

 

「…っ! 不味いですよ。

打撃艦隊の後方に先程の空母艦隊がいます!」

 

 更にキリシマ達の左後方にいる巡洋艦ユラが気づいた通りに、ショウカク達と交戦した空母艦隊が、打撃艦隊から距離を置いているも、恐らく予備戦力として後続していた。

 でガミラス艦隊はキリシマ達の転蛇に合わせて取舵を取ったので、前後からの反航戦が行われようとしていた。

 

「距離7500、相対速度変わらず」

 

「全艦、左舷一斉射撃用意!」

 

「測敵開始、仰角調整開始して下さぁぁーい!」

 

 オオヨドの観測情報の元にキリシマが命じ、コンゴウが他の艦隊にキリシマの指示を伝えていた。

 

『キリシマ、ギリギリまで引き付けるんだ』

 

「分かってますよ」

 

 現在の地球はと言うと、ガミラスに対して有効な兵器を次々に無力化されていて、生半可な攻撃では返り討ちにされるのは目に見えていた。

 況してや、まもなく交戦しようとするガミラス艦隊はエリートを多数投入した大規模主力艦隊である事であれば、尚更であった。

 その為にキリシマ達は事前に念入りな打ち合わせを重ねた結果、駆逐艦までもを動員した一斉射撃からの水雷戦に全てを賭けていた。

 その計画はと言うと、ギリギリまでガミラス艦隊に接近して、全艦隊による一斉射撃でガミラス艦隊に混乱を生じさせて隙を作り、此の間に急接近をして乱戦に持ち込んでからの空間魚雷や実弾を用いた接近戦(インファイト)で勝利を掴もうと言うのだ。

 此の為に、ガミラスに先手を取られながらになるだろう初弾は、敢えて戦艦ル級や重巡リ級を無視して軽巡2種や駆逐艦群を狙う事にしていた。

 

「どうしました、キリシマ?」

 

「あ、いえ…」

 

「旗艦がそんな顔じゃあ、貴女だけでなく、日本艦隊そのものの面目が立ちませんヨ!」

 

 だが此の作戦には懸念材料があり、戦艦ル級や重巡リ級を無視する者達が、駆逐艦娘達を中心に反対意見が多数あり、更に根本的に日本艦隊が主軸になる事を露中韓の3国が現在までも反発していたのだ。

 特に中国は、呆れる位に延々と続いてる反日感情に加えて、自国から防衛艦隊司令長官(藤堂の前任者)を輩出した事からの変なプライドもあって、沖田やキリシマ達に矢鱈めったら反論(但し、少数だが理解者は存在)ばかりしていた。

 此の為にキリシマが不安から呆然としてしまったので、コンゴウに注意された。

 まぁ、尤もそれ等は実に細やかな問題であった事がまもなく分かるのだが…

 

「砲撃開始予定距離まで、あと15秒!!!」

 

「…っ! 皆、準備はいい!?」

 

 砲撃開始まであと僅かである事がオオヨドの大声での報告で分かり、更にキリシマの目に入る他の者達は既に準備を終えて、なのに自分だけがやっていない事をコンゴウ以外の周囲の者達の心配そうな目線にハッとして、慌てて準備をしながら最終確認を求めた。

 

「ユラ達、砲撃準備よし!!」

 

「クマ達も準備いいクマ!!!」

 

「アガノ達も準備OK!!!」

 

「巡洋戦隊、いつでもいいわよ!!!」

 

「私達もいいデース!!!」

 

「各国の艦隊全て、射撃準備完了や!!!」

 

 日本艦隊各員だけでなく他の艦隊全てが射撃準備を終えているのが分かった後、普段なら既に撃ってくる筈のガミラス艦隊が何故か攻撃してこない事が気にはなったが…

 

「撃ってきました!!!」

 

…どうやらガミラス・戦艦ル級の戦術書には“我慢”が掲載されていないらしく、ユキカゼが叫びながらの報告後に3隻揃って主砲を放った。

 

「っ! ユウギリが殺られたクマ!!!」

 

「クラマさん被弾、中破!!!」

 

 此の砲撃で日本艦隊から駆逐艦ユウギリが撃沈して、巡洋艦クラマが武装の一部が消し飛んだが、砲撃した戦艦ル級3隻を取り抑えようと重巡リ級と雷巡チ級の複数係りで取り付いていた事で、ガミラス艦隊に変な混乱が起こっていた。

 

「畜生、撃ってきた!!!」

 

「アシガラ、落ち着きなさい!」

 

 更に日本艦隊でもアシガラが変に興奮して砲撃しようとした為に長姉のミョウコウに怒鳴られた通り、至る所で混乱が生じかけていたが、此の直後に沖田の『狼狽えるな!!!』との一喝もあって、直ぐに治まった。

 更に戦艦ル級3隻が取り抑えながらも明後日の方角に砲撃していたが、此れは地球艦隊の面々を落ち着かせる要因になってしまった。

 

「あと5秒……4……3……2……1!!」

 

「距離、速度、良し!!!」

 

『全艦、主砲斉射!!!』

 

「全門斉射!!!」

 

 オオヨドの秒読み後、キリシマが最終確認を行って沖田の号令下に、変な混乱下で好機を見せているガミラス艦隊目掛けての射撃を一斉に行った。

 明らかに衝撃砲の何条かが戦艦ル級に向かってはいたが、大半は作戦通りに軽巡か駆逐艦に向かっていた。

 

だぁーん、ちゃく(弾着)、デース!!!」

 

 コンゴウの腕時計を確認しながらの報告で、地球艦隊の衝撃砲が一斉にガミラス艦隊各自に着弾して撃沈する……筈だったが、戦艦ル級は兎も角として、無発光体の駆逐艦4種までもが、衝撃砲を弾いてしまった。

 結果を言えば、被弾したガミラス全艦は撃沈や大破しない処か、小破すらしていないほぼ無傷であった。

 

「そんな馬鹿な!!?」

 

「ガミラス全艦、無傷!!?」

 

「Whaaaat!!?」

 

「何が起こったクマァァー!!?」

 

「オオヨド、何がどうなってんの!!?」

 

 斉射が無意味に終わった事で日本艦隊だけでなく、地球艦隊の全体で驚きと戸惑いでの混乱が起きてしまい、更に言うと沖田でさえもが愕然としていたので混乱を治める手立ては無かった。

 

「ガミラスのディフェンスデータが、以前と異なってます!!!」

 

「以前たって、つい此の間の海戦ではなんともなかったのよ!!

そんなに早く、どうやって強化出来たのよ!!?」

 

 オオヨドの解析報告にキリシマが喚き散らしていたが、不意にガミラス艦隊を見ると、いつの間にかに混乱が治まっているだけでなく、戦艦ル級3隻が取り抑えようとしていた重巡リ級と雷巡チ級達と揃ってニッと笑っていた事で、全てを察した。

 

「ガミラス艦隊、斉射!!!」

 

「全艦退避!!!」

 

 先程とは真逆で、混乱下の地球艦隊目掛けてガミラス艦隊が一斉射撃をして、ユキカゼが悲鳴に近い報告をして、キリシマが遅すぎる退避令を出した直後、艦娘達が次々に被弾していき……キリシマもが、第二主砲を消滅させられる被害を出した。

 

「キリシマ、しっかりするデェェース!!」

 

「…大丈夫……私は大丈夫です。

第二主砲がやられた以外は大丈夫です」

 

「シノノメェェー!!!

ウスグモォォー!!!」

 

「シラツユ姉さん、足が、スズカゼの足がぁぁー!!!」

 

「カスミ姉さん、助けて!!!

火が、火がぁぁー!!!」

 

「イブキさんが、殺られた!!!」

 

「ナツグモ、死ぬなぁぁー!!!」

 

「しっかりして下さい、タツタさぁぁーん!!!」

 

「ハヤシオ、ナツシオ、ハツカゼ、何所に行ったぁぁー!!?」

 

 直轄隊はキリシマのみが被弾したのみだったが、他の日本艦隊では撃沈や大破が大量に出て、阿鼻叫喚が至る所で響いていたが、多国の艦隊も似たような被害を多数出していた。

 

「……唯の、一撃で…」

 

「…やられた!」

 

 唯1度の一斉射で死傷者が多数出た現状に、巡洋艦ハグロが呆然として直ぐにアシガラに正気に戻す為に殴られていて、オオヨドは自分達がガミラスに嵌められた事を察した。

 

「キリシマ、後ろを取られるぞ!!!」

 

「第2射が来ます!!!」

 

 だが戦闘はまだ始まったばかりであり、現に巡洋艦トネとユキカゼが叫んだ通りに、ガミラス艦隊はいつの間にか転舵をして地球艦隊の背後を横切る形での“逆丁字(東郷ターン)”状態での絶好の体勢て第2斉射を放って、今回は日本艦隊に被害が出なかったが、地球艦隊の後方を中心にまたしても大量の死傷者が出ていた。

 

「…っ、不味い!!!」

 

 更にガミラス艦隊は後続の空母艦隊までが砲撃を開始して、打撃艦隊は2分して戦艦ル級や重巡リ級を主体とした砲撃隊はそのまま好位置を維持しながら砲撃を続け、軽巡2種のどちらかが雷巡チ級や駆逐艦4種を従えた水雷戦隊の多数が転舵して地球艦隊目掛けて突進を開始し……多頭の毒蛇の如くに地球艦隊へガミラスお得意の突撃砲雷撃戦を仕掛けてきた。

 早々とガミラスが絶対的な優勢を築きつつ、自分達は地獄とほぼ同じの絶望的な状況下に入りつつある事を察したキリシマが顔面蒼白になっていた。

 だが先にも書いたが、第一次木星沖海戦はまだまだ始まったばかり、つまり万に一つの希望の無い地獄は此れから始まるのであった…




 感想または御意見をお待ちしています。

 地獄はまだまだ続きますぞ~

本作でのヤマトの最後はどうしてほしい?

  • 実写版通りに、特攻
  • なんとしてでも、地球に帰還
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