――― ????? ―――
「Was machst du,dieser ldiot!!!」
(訳:何をやってるのよ、あの馬鹿ども!!!)
海王星・冥王星間小惑星帯の海戦の中継映像を見ているミリューとその秘書艦たる戦艦タ級は友軍艦隊の醜態続きに呆れていた。
否、戦艦タ級に至ってはその元凶である戦艦ル級達に呆れる極みで怒り出していた。
此の為にミリューには、戦艦タ級が海王星・冥王星間小惑星帯へ飛び出しそうに感じられた。
「Fuehlen Sie sich im Asteroidenguertel YAMATO nicht unwohl?」
(訳:小惑星帯のヤマトに違和感を感じないか?)
「Ganz klar lustig.
Ans der Klugheit und Geschwindigkeit des Wolfs zuerraten,kann ich nur denken,dass es mehrere Faelschungen gibt」
(訳:明らかにおかしいです。
罠の巧妙さや動きの速さから推測するに、偽者が複数用意されてるとしか思えません)
ミリューの質問で若干冷静になった戦艦タ級の指摘に、ミリューは“やはりな”とした。
「Das heiβt,es gab einge seltsame Mitteilungen von der Erdflotte?」
(訳:そう言えば、地球艦隊から変な通信が幾つか有ったな?)
ミリューの質問に戦艦タ級は直ぐに指定された物を全て提示した。
「Der erste ist “Buckhoden,besser als Platzen”.
Der zweite ist “Davout beginnt abzufangen”.
Am Ende heutigen Tages,“Davout erfolgrecih abfaengt,schluepft Buckhoden in den Schlamm”………Platzen……Platzen,Plateau!」
(訳:1つ目は“ブクスホーデン、プラッツェンから前進”。
2つ目は“ダヴーは迎撃に入る”。
現時点での最後が“ダヴーは迎防戦成功の上、ブクスホーデンは泥にはまる”………プラッツェン……プラッツェン、高原、っ!)
「Was ist passiert?」
(訳:どうしました?)
ミリューは地球艦隊の3つの通信文を頭を抱えながら頭上を向いて考えていたが、少しして全てを察した様だった。
「Schnsuechte usw,zeichnen nicht eine der Landschlachten der Erde,“Die Sclhacht von Austerlitz”」
(訳:此れ等は地球の陸戦の1つ“アウステルリッツの戦い”を順に描いているな)
アウステルリッツの戦い……西暦1801年にフランス海軍がスペイン艦隊諸共に消滅したトラファルガー海戦後、プロイセン王国(後のドイツ)の対仏同盟参加を恐れた
此の会戦の大まかな流れはと言うと、フランスに謀られて重要拠点プラッツェン高原を占領したロシア軍からブクスホーデン元帥の軍が、急所と思われたフランス軍右翼のダヴー元帥(通称:不敗のダヴー)の軍を攻撃中の隙を突いて、スルト元帥の軍が奇襲によってプラッツェン高原を奪取し、直ぐ様ブクスホーデン軍が包囲殲滅されて露墺同盟軍は敗戦、此の結果7年に及ぶナポレオン体勢の成立を成し遂げる事になった。
「Warum sollte man den vergangenen Ladkrieg als Code verwenden……Oh!!!」
(訳:何故、過去の陸戦を暗号にして………あ!!!)
「Da Austerlitzs Spiel entschieden wurde,weil es einem Ueberraschung san griff der Sult-Armee die Platzen Platen eroberte,wide die “Sult beginnt voranzukommen”」
(訳:アウステルリッツはスルト軍の奇襲でプラッツェン高原を奪取した事で対局が決まった以上、次に“スルトは前進開始”辺りが来るだろうな)
一見すると“そんなの関係ないだろ”と思われるかもしれないが、アウステルリッツの戦いを地球艦隊の動きに当てはめると、地球の戦略的な狙いが分かる事が出来て、現に戦艦タ級は“はっ”とした。
「Sagt die Erde,dass sie Pluto ver wenden wird,um die Pluto-Verteidigungsflotte anzugreifen und Pluto inkurzer Zeit zu erobern!?」
(訳:地球は、囮を使って冥王星守備艦隊を誘い出した隙を突いて、冥王星を短期間で攻略すると言うのですか!?)
戦艦タ級の指摘にミリューは頷いた。
「Wenn nicht,muessen wir herausfinden,wo sich die YAMATO befindet oder wo sich die Eroberungsflotte von Pluto bewegt!?」
(訳:だとしたら、本物のヤマトの所在や、冥王星攻略艦隊が何所から動くのかを調べないと!?)
当然問題となるのは、アウステルリッツの戦いのスルト軍に該当する主力が何所から来るのかであり、ヤマトが小惑星帯の何所にいるのか、またはヤマトと無関係の艦隊(例えば地球発)が冥王星目指して動いているのか等が気掛かりだった。
「Wo ist YAMATO?
Pluto-Eroberungsflotte?」
(訳:ヤマトの所在?
冥王星攻略艦隊?)
だが戦艦タ級に反して、ミリューは全てを見抜いている様で、慌てている戦艦タ級を小馬鹿にした。
「Bist du dumm,oder?
Es gibt keine fluchtige Kraft oder Gelegenheit,Pluto ohne YAMATO auf der segenwaertigen Erde fallen lassen kann Was nicht」
(訳:馬鹿か、お前は?
今の地球に、ヤマト無しで冥王星を落とせる艦隊戦力やタマなんて無いわ)
「…Also,was weiβt du,welche echte YAMATO?」
(訳:…では貴方はどれが本物のヤマトだと分かるのですか?)
ミリューの言葉でムッとした戦艦タ級は小惑星帯の偽ヤマト達を示したが、それが益々ミリューに馬鹿にされる事になっていた。
「Sagen Sie der Pluto-Eroberungsflotte hinten Folgendes…」
(訳:後方にいる冥王星守備艦隊に以下の様に伝えろ…)
ミリューの伝える伝達文で、戦艦タ級は何故ヤマトを見抜いたのかがある程度分かった。
――― 冥王星沖 ―――
「…Was ist los?」
(訳:…どうなってるんだ?)
断片的に伝わってくる小惑星帯での友軍の苦戦と暴走に、予備戦力として冥王星沖に待機していた重巡リ級を主軸とした守備艦隊は周囲の者達と共に驚き戸惑っていた。
「Was soll ich tun?」
(訳:どうしようか?)
「Sollen wir nicht gehen?」
(訳:行くべきじゃない?)
「Ansonsten ist es beaengstigend」
(訳:じゃないと後が怖いよ)
此の為、残留艦隊での最上位艦種である重巡リ級達は輪になって集まり、自分達の行動………つまり“此の宙域に留まる”か“増援として小惑星帯に向かう”かを話し合っていて、戦艦ル級達への恐怖もあって後者が選ばれる空気になろうとしていた。
「Oh! Mitteilung von Millieu Admiral!!」
(訳:っ! ミリュー司令から通信だ!!)
「Von Millieu Admiral?」
(訳:ミリュー司令から?)
「Wo ist diese Person so?」
(訳:あの人が何でこんな所に?)
でいざ行こうとなっていた処に、ミリューからの通信が入ったので、重巡リ級達は軽めに驚いた。
此の事から、かの者を嫌っている冥王棲鬼達とは違って、少なくとも重巡リ級達は上官としての礼節を心得ている様だった。
「Nun,der lnhalt der Mitteilung lautet“Das gesamte Verhalten von YAMATO im Asteroidenguertel stimmt nicht mit dem Original ueberin”」
(訳:え~と、通信の内容は“小惑星帯で於けるヤマトの言動は全て本来のモノとは一致しない”だそうです)
「Mit andersen Worten,ist alle YAMATO im Asteroidenguertel gefaelscht?」
(訳:つまり、小惑星のヤマトは全員偽者って事?)
「Na dann ist ein echter YAMATO………!?」
(訳:じゃあ、本物のヤマトは………っ!!)
元々此の宙域にいる者達は、小惑星帯の戦局を客観的に見れた事から偽ヤマトが複数いる事を見抜いていたが、これに加えてミリューからの通信で答えへのピースが次々に合わさっていった。
「Obwohl uns ignorierten und Weltraum anstrebten,ist die Faehigkeit zu durchbrechen zu groβ」
(訳:我々を無視して外宇宙を目指していたのに、突破力が無さすぎる)
当初は地球艦隊は冥王星奪取不可と判断して艦隊戦を回避しようとしていたと思われたが、そのわりには振り切ろうとする気が感じられない。
見敵必戦主義が強いと思われるが、第二次木星沖海戦での行動を見る限り、ヤマトにはその気が少なく感じられた。
それにモタモタしていたら空母艦隊群が反転して包囲殲滅戦を仕掛けようとしているのが見抜かれてい気配がある以上は尚更だった。
更に“ヤマトの偽者が複数いるのだから本物もその中にいるだろう”との思い込みが今まであったのが、ミリューの通信で“本物のヤマトの居場所”等の全ての疑問が解けた。
「Verdammt!!!
YAMATO wurde nicht von Anfang an versandt!」
(訳:クソッタレ!!!
ヤマトは最初から出撃していないんだ!)
「Alle schiffsmaedchen im Asteroidenguertel sind eifersuechtig!!」
(訳:小惑星帯の艦娘どもは全員囮だ!!)
本物のヤマトは海王星にいる。
此れが分かったなら、ヤマトの狙いと次の一手は冥王星行動が否応なく分かった。
「YAMATO springt in einer Katte ueber den Asteroiden und kommt an einen Ort!!!」
(訳:ヤマトはワープで小惑星帯を飛び越えて此所に来るぞ!!!)
「Ist das Aufklaerungasschiff noch vor Neptun!!?
Lassen Sie uns Neptun weiter ueberwachen!!!」
(訳:偵察艦は海王星沖にまだいるか!!?
海王星を更に監視させろ!!!)
「Was machen Menschen im Asteroidenguertel!!?」
(訳:小惑星帯の奴等はどうするんだ!!?)
「In dieser Situation ist ein Rueckruf nicht moeglich」
(訳:あの状態じゃあ、呼び戻すのは無理だ)
「Wir muessen nur YAMATO abholen!」
(訳:私達だけでヤマトを迎え撃つしかない!)
「Ich werde mich bald fuer das Abfangen fertig machen!!!」
(訳:直ぐに迎撃準備に入るぞ!!!)
「…あ~…流石にツメが甘くないですね」
望遠鏡越しにガミラス艦隊の動向を偵察していたハツシモは、自分達が望む行為……つまり此の宙域から離脱して小惑星帯に向かう事であったが、それをせずに留まる事を選んだ事を察して、溜め息を吐いた。
「“クトゥーゾフが救援に下山”は打てませんね」
元々キリシマ達が立案した冥王星攻略作戦では、ズイカクを主軸にしたチトセ、ヤハギ、オオヨド、アサシモ、イソカゼ、丹陽、アキヅキ、テルヅキ、カスミの計10人の囮艦隊に冥王星沖の守備艦隊を小惑星帯に誘き出した隙に、ヤマト、ショウカク、イスズ、タマ、ハマカゼ、ハツヅキ、レシーテリヌイ、ヴェールヌイ、そして今此所にいるハツシモの計9人によって冥王星を奇襲しての奪取を目論んでいたが、ハツシモはそれが半分失敗したと判断した。
因みに、冥王星攻略作戦の人選はと言うと、殆どは波動砲による冥王星破壊を割り切れるかで選ばれていて、例外的にレシーテリヌイとヴェールヌイの2人はその重雷装は基地攻撃に必要との判断から編入された。
「通信“アレクサンドルが逃亡”っと」
ガミラス艦隊に諦めたハツシモは、直ぐにヤマト(達)へ“艦隊戦不可避”の意味である暗号を発信した。
「…それにしても、前進しそうだったのに、なんで急に止めたのかな?」
これまでステルス機能を遺憾無く発揮させるだけでなく、古参駆逐艦娘としての高い技能でガミラス艦隊を監視していたハツシモは、最後までガミラス艦隊に発見される事なく退却してのヤマト達との
当然ハツシモは知らないが、作戦経過を報せる暗号文……作戦がアウステルリッツの戦いに似ている事に気づいた丹陽の指摘から、完敗した国の後継国家所属のレシーテリヌイとヴェールヌイが嫌がっていたはいたが、アウステルリッツの戦い内容を暗号にしていた事が漏洩の原因となっていたのは先述の通りである。
大抵の日本人でも分からない薩摩弁の暗号文が解読される等の旧日本海軍と同じミスをしでかしていたが、まぁ地球側は“ガミラスが過去の地球での陸戦が知っていると思えない”との言い訳が後日でる事になる。
――― 海王星 ―――
「…計画通り、って事にはならないって事ね」
海王星で待機していたヤマト達9人の冥王星攻略艦隊の面々は、ハツシモからの通信で奇襲は不可能で強襲するしか選択肢がなくなかった事に苦笑いをするか溜め息を吐いていた。
「意外にガミラスは警戒心が強いんだな」
「やはりガミラスは侮れないのですよ」
「まぁ、此のおかげでアンタ達が冥王星攻略の最大のMVPになれるって事よ」
ヴェールヌイとハマカゼが少し残念がっていたが、見送りに来たキタガミの茶化しに2人揃って苦笑しながら頷いた。
「そうだったら、沖田提督は御馳走をしてくれるかしらね」
「ビフテキ辺りは手堅いんじゃないかニャ?」
「あ~…でも私はラーメンが欲しいですね」
イスズとタマが冥王星攻略後の戦勝祝いを思い浮かべていたが、ハマカゼの“ラーメン”発言にキョトンとした。
「あ、何でもアサシモの話ですと、ヤマトはラーメンを食べたがっていたらしいので、私もラーメンが食べたくなったんです」
アサシモ達がそうであった様に、イスズ達はラーメンを欲するヤマトが意外だった様で、アカシから潜宙棲鬼に壊された補助エンジン2基の最終確認を受けているヤマトの背を見つめた。
「しかもヤマトは庶民派らしく、食べたいラーメンは三食ラーメン堂のだそうです」
「え!!!
ヤマトは三食ラーメン堂のラーメンを食べた事があるの!!?」
ハマカゼの茶化し半分の言葉にイスズ達が「へぇ~」と小声を漏らし、レシーテリヌイが「レディらしくない」と小馬鹿にしたが、驚きながら食い付いたキタガミに全員が少し退いてしまった。
「そんなに凄いのかニャ?」
「凄いのなにも、三食ラーメン堂のラーメンは日本史上最強と称される代物なの!
食べれたのは、おおよそ深海棲艦戦役の最中までだったから、時期的にヤマトが食べれてもおかしくないな!」
元々筋金入りの偏食家のキタガミは基本的にラーメンかビフテキしか食べず……特にラーメンは本が数冊書ける程の愛と知識を持っていたので興奮しだして、その事をよく知っているタマは他共々呆れていた。
そんなタマ達など知らずに高々と三食ラーメン堂のラーメンを説明していたキタガミだったが、ある事に気付いて硬直した。
「おかしいな。
確か三食ラーメン堂は横須賀に有ったらしいけど、当時の横須賀に行った事がない筈のヤマトが何で知ってるの?」
キタガミの言った通り、現存する旧日本海軍の記録だとヤマト(大和)は横須賀に関わりを持っていないので、横須賀に有った(らしい)三食ラーメン堂に行った事は艤以外の何物でもなく、現に全員が“えっ?”とした。
「呉とかの、支店に行ったんじゃないの?」
「いや、三食ラーメン堂の店長はかなりの頑固者だったらしいから、弟子もいなければ、暖簾別けをした事がないから、食べに行くには横須賀に行くしかないよ。
しかも三食ラーメン堂は地元でも限られた一部の人間しか知らない、郊外の分かり難い場所にあったから偶然行けたとも思えない」
イスズの指摘を否定したキタガミの言葉から、ヤマトから妙な疑惑を感じずにいられなかった。
「ヤマトは戌一号作戦で横須賀に行ってますよ。
きっとその時に、地元出身の提督に連れてられて行ったのですよ」
此の場は、ショウカクの指摘で全員が各々に納得していたが、此れが後にヤマトを襲う出来事への火種の1つとなってしまった…
感想または御意見を御待ちしています。
大和
「60話目でやっと冥王星攻略が本格的に始まりますね」
こっからが長くて、もうしんどい!
前々から言ってますが、冥王星は色んなモノを大量に書かないと、特にガミラスサイドも多々書かないといけないので独語訳が面倒臭い!!!
大和
「…ガミラス語はガチの独語で書くって、貴方が自分自身で決めましたよね?」
…さ、さぁ、今回の最後で、第34話でも出た“三食ラーメン堂”……即ち、1000年女王の関連単語がでましたが、此れからの冥王星攻略(➕α)が終わった直後から1000年女王が徐々に出てくる予定です。
大和
「……第34話…」
…大和、まだ怒ってるの?
コスモゼロさんの所でも弄られてウケてた“パ(↑)フェ(↓)エエ”発言の事?
大和に取っては残念な事ですけど、コスモゼロさんの所でパフェネタをやられた影響で、ヤマト原作での赤道祭の該当回で瑞鶴にパフェネタを弄られるのが決定しました。
大和
「…あ"あ"!?」
本作でのヤマトの最後はどうしてほしい?
-
実写版通りに、特攻
-
なんとしてでも、地球に帰還