SPACEBATTLEGIRLヤマト   作:サイレント・レイ

84 / 88
 今回の投稿前に第12話でハルナが言っていた護衛艦はるなの事は第十雄洋丸事件である事を明確に表記しました。





 それでは本編をどうぞ!


第81話 ガミラスの海豹猟

――― 冥王星・氷海 ―――

 

 

 ヤマト生存を確認したガミラスは、よりによって至高の存在へ事実上の虚偽報告をした事による粛清の恐怖もあって対応は極めて早かった。

 ヤマトがいる海域へ次々に殺到するガミラス水雷戦隊は、先ずは単横陣を編成すると艦砲の連射によって邪魔な氷を破壊、ヤマトが潜航しているだろう海域の上方に達すると爆雷や対潜仕様の魚雷を大量投下する一撃離脱の攻撃を繰り返していて、暫く経過して氷海の氷が大量に無くなった時(と言っても極寒環境故に直ぐ再氷結しているが…)に飛行場姫の航空隊や集積地棲姫の地対潜ミサイルも大量に殺到してきた。

 どうもガミラス水雷戦隊は全員水中ソナー類を一切未搭載なのか、ソナーによる水中探索を行う気配が無かったが、それを必要としない物量頼みの力押しが行われていて、端から見たら氷海そのものを消滅させそうな勢いと量であった。

 だがその下で攻撃に晒されれているヤマトはどうかと言うと、海底の突起物群を彼女なりに上手く使っての海底すれすれの回避行動を行っていたので、稀に至近弾がで驚きながら多少の傷を負う事があったが、その殆どを避けていた。

 

「……本当に艦隊戦ってのは、何が起こるか分からないものねぇ~…」

 

 まぁ稀に判断や行動ミスで対潜兵器群の爆発範囲に入ってしまう事があったが、潜水艦娘ではないヤマトがそれなりの潜水航行が出来ていたのは深海棲艦戦時に読んだ潜水艦の基本戦術書を断片的にもなんとか思い出していた上、先日の潜宙棲鬼率いる潜水艦隊の動きを参考にしていたからだ。

 此の為か、ヤマトは色んな意味を含めての苦笑をしていたが、そんな彼女に反してガミラスのは極めて拙かった。

 なにせ、対潜兵器群が検討違いな所に行っているのが多々有るだけでなく、爆発深度の設定を間違えてヤマトの上方で起爆して(多分まともな)他の対潜兵器群に誘爆を引き起こしているのまでがあったからだ。

 勿論、ガミラスの醜態の原因は山間部での海戦と同様に研究や訓練の怠惰が原因であり、その事をヤマトはしっかり見抜いていた。

 此の為、今回攻撃してきた水雷戦隊があまりに無防備な艦隊行動を取っていたので、ヤマトは若干不安になりながらも煙突ミサイルを発射………前方の水中から飛び出した(煙突)ミサイル群に驚き戸惑ったガミラス水雷戦隊がまともな回避行動を取らないままに3隻が被雷して轟沈した。

 しかもガミラス水雷戦隊群が無様に慌てふためいていて、此れにはヤマトも呆れて溜め息を吐いた。

 

「Was machst du!!?」

(訳:何をやっている!!?)

 

 だがとある増援が到着すると、醜態を晒すガミラス水雷戦隊群を怒鳴って落ち着かせた。

 

「……ん?」

 

 海底すれすれを航行していたので、爆雷が減少して魚雷攻撃が止んだ2つの事(但し航空爆雷と地対潜ミサイルは変わらず、どうやら牽制として続けさせているらしい)に疑問を感じて思わず頭上を向いたが、同時に戦いの流れが変わろうとしているのを本能で感じ取った。

 そしてその予感が当たった証としてアクティブ・ソナーの発信音とその反射音が聞こえだし、ヤマトは思わず舌打ちをした。

 蛇足ながら、アクティブソナーとは“active(アクティブ)(積極的)”の言葉通り、発信主の存在や居場所が相手に知られるのを代償に自らが音波を発信して観測する観測機(要するに基本的にレーダーと同じ)であり、対極的な存在であるパッシブソナーは基本的に静止状態にならない為に微速か停船(当然だが攻撃は絶対禁止)して水中の音を拾う物である。

 まぁ兎にも角にも言えるのは、ガミラス水雷戦隊のソナー観測でヤマトがまだ生きているだけでなく、何所でどの向きに進んでいるのかが判明されたのが分かった。

 

「……くっ!」

 

 ヤマトは思わず歯軋りをしてそのまま砕けてない氷の下へと進んでいたが、実は此の時に直ぐに停止して海底の地形を利用して潜んでしまえば探知から逃れられる事が出来た(筈)だったが、ヤマトには潜水艦の知識(此れは合ったかもしれないが…)や経験が無かった為に愚行と言える行為を仕出かしていた。

 案の定、ガミラス水雷戦隊はソナー観測でヤマトの居場所と進路を突き止めたらしく、鳴り響くソナー音が時を過ぎる度に周期を縮まっていて、更に航空爆雷に続けて対潜ミサイルが止んだ為、ヤマトは何かを企んでいるだろうガミラス水雷戦隊のを察しながら頭上を見上げて続けた。

 

「……っ、え?」

 

 だからこそ、上に気を取られていたヤマトは真右から自分目掛けて向かってくる魚雷群に直前まで気づかなかった。

 

「あ、不味!!!」

 

 しかも直ぐに回避行動を取るべき処を、ほぼ反射的に右舷を晒してパルスレーザーで迎撃しようとするも、水中なので使用不可であるのを思い出して慌てた為、無防備に魚雷を複数本も被雷した。

 

「…潜水、カ級とヨ級!?」

 

 ヤマトは魚雷群が向かってきた方に振り向いたら、いつの間にか潜水カ級と同ヨ級の潜水艦隊(厳密に言えば潜水艦隊でなく潜宙艦隊、ヤマト達を散々苦しめたステルスフィールドは水中では展開出来ないらしい)が横並びでいた。

 此の艦隊の存在にヤマトは驚いたが、直ぐに彼女達は火星・木星間小惑星帯の生き残りである事を察した。

 因みにヤマトは粛清された事が知る訳がないので潜宙棲鬼撃沈後に逃げた者達の一部だと思っていたが、実際の彼女達は海戦当時ドック入りしていて粛清をしるやそのまま冥王棲鬼に匿われて今に至った艦隊であった。

 まあ此の潜水艦隊がどうであれ、彼女達の揃ってヤマトへ怒気を放っていて、ヤマトはその理由を簡単に察していた。

 

『Der tod von LATENTER DAEMON!!!』

(訳:潜宙棲鬼様の仇ぃぃぃー!!!)

 

 ガミラス潜水艦隊は“ヤマトに敗死した潜宙棲鬼”“その為に粛清された同僚達”の2つ事からの憎悪を極限まで込めた魚雷を一斉に多数を放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――― 地球 ―――

 

 

「チョウカイ経由の映像が届きます!!!」

 

 此の時、チョウカイが偵察に放ったコスモタイガーが、ガミラス水雷戦隊の1つの後をこっそり尾行した上に、対潜攻撃による水柱が大量に上がっていた為、容易に発見されたヤマトがいる(だろう)海域に到着し、防衛司令部へ上空映像が送られた。

 

「チョウカイめ、何を勝手な事を…」

 

 但し、芹沢を初めとした一部はチョウカイの勝手な行為に嫌そうにしていたが…

 

「…映像を切り替えて、海中の映せないか?」

 

「……やってみます…」

 

 藤堂はそんな芹沢達に意味ありげな目線を向けた後、オペレーターに命じてガミラス水雷戦隊の攻撃目標が映るようにさせた。

 オペレーター達は当初は自信無かったものの、拡大と解析を数度続け、海中でヤマトが潜水艦隊と戦っているのを映す事に成功した。

 当然ながら防衛司令部の面々は各々の形で「ヤマト!!!」と叫んでいて、藤堂は驚きと喜びを交えたモノを発した後に芹沢が気づかれない様に歯軋りを一瞬だけした事を見逃さなかった。

 

「ヤマトと通信は取れないのか!?」

 

「…駄目です!!!

どうやっても繋がりません!」

 

「おそらくヤマトの通信アンテナが損傷したか、通信機その物が駄目な為だと思わせます!」

 

 ヤマトの生存に思わず喜んだのもつかの間、ヤマトが明らかに潜水艦隊相手の水中戦に苦戦しているのが見てとれた。

 しかもヤマトはそれなりにガミラス潜水艦を沈めてはいるもやたらと被雷しての焦りもあって、時折水中で唯一使用可の煙突ミサイルと取り違えて使用不可の主砲やパルスレーザーを使おうとして間違えに気づいて更に慌てる悪循環を起こしていて、藤堂は直ぐにでも助けが必要と判断してヤマトと通信を取ろうと命じたが、オペレーター達はどうしても出来ない事を伝えた。

 

「誰か潜水艦の指揮が取れる士官や提督はいないのか!!?」

 

「そんな絶滅種(潜水艦)を知ってる物好きがいるか!!!」

 

 更に藤堂のとは別に、若い士官の1人が水中戦に不馴れなヤマトを思ってそれ向けの提督を探し求めたが、直ぐに芹沢に怒鳴られ却下された。

 

「長官、どうするのですか!!?」

 

「あのままだと、ヤマトがもちません!!!」

 

 防衛司令部までもを焦せらせる悪手として、ヤマトは自棄糞(ヤケクソ)の開き直りとして、“肉を切らせて骨を断つ”の文字通りに自分の強靭さを信じて下手な回避運動を止め、更にガミラス水雷戦隊の支援攻撃までが始まった為に若い士官達が藤堂に詰め寄って、当の藤堂は分かってはいても有効な手を考えられずにいた。

 だが最悪の事態として、ヤマトが魚雷1本に被雷した直後に彼女の艤装から大量の泡が吹き出し、ヤマト自身もギョッとながら気泡噴出箇所に振り向いていたが、防衛司令部は更に騒然とさせた。

 

「ヤマトに何が起きたんだ!!?」

 

「状況から見て、水中用酸素変換器が損傷した模様です!!」

 

 藤堂の問いへの返しを示す様に、上空映像だと分かりにくいが、ヤマトは息苦しさから鼻と口を両手で押さえた。

 不味い事に、ガミラスもヤマトの現状を見抜いたらしく、意図的にヤマトが上に逃げる様な攻撃趣向を変えた。

 そしてヤマトは息苦しさと攻撃回避の為にガミラスの狙い通りに上昇を開始した。

 

「止めろ、ヤマトォォォー!!!」

 

 防衛司令部の誰かが叫んだが、ガミラスの次の1手を読もにもヤマトにはそれ以外の手段は無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――― 冥王星・前線基地 ―――

 

 

「YAMATO tauchte auf!!!」

(訳:ヤマト浮上!!!)

 

「Was ist die letzte Vorbereitung fuer Reflektierter Satellit?」

(訳:反射衛星砲の最終準備は?)

 

「In Kuerze!!!」

(訳:間もなく!!!)

 

「Beciehl der Flotte,YAMATO voruebergeherd zu verlassen!!」

(訳:艦隊にヤマトからの一時離脱を命令!!)

 

 映像を見つめる冥王棲鬼は、ヤマトが浮上して下へ咳き込み続けたまま動かない事から好機と判断して、(彼女にとっては)最終攻撃として反射衛星砲の準備をその他諸々に命じ、数分後には命令通りに反射衛星砲が発射された。

 処が、ヤマトへの最後の反射要塞に光線が曲げられた直後、ヤマトは顔を上げながら緊急用の小型酸素ボンベ付きマスクを口元に着けると直ぐに急速潜航してまたしても空振りに終わった。

 

「……Ich habe zu viel Reflektierter Satellit verwendet…」

(訳:……反射衛星砲を使い過ぎたわね…)

 

 悔しさが有った事から歯軋りをしたものの、冥王棲鬼は時間経過で冷静になった事から、ヤマトが回避出来たのは反射衛星砲の何かを察した為だと判断していた。

 実際は当たりであり、ヤマトは先の回避したモノからの推定到来時間を元にし、しかもガミラス艦隊の退避もあって出来たのだった。

 

「Reflektierter Satellit naechstes Laden!!!

Benachrichtigen Sie die Flotte ueber einen erneuten Angriff und fahren Sie YAMATO an die Oberflaeche!」

(訳:反射衛星砲、次弾装填!!!

艦隊に再攻撃を通達、またヤマトを浮上に追い詰めさなさい!)

 

 冥王棲鬼はヤマトが長時間潜航が出来ない事を見抜いていた事もあって、再攻撃を次々に命じて部下達が「Ja(了解)!!!」と返して各々に動いている中、笑みを浮かべながら画面を見詰めていた。

 

「Ich sehe,das ist die Jagd auf Eidechsen auf der Erde」

(訳:なるほど、此れが地球での海豹(アザラシ)猟と言うものか)

 

 冥王棲鬼は深海棲艦の先人達………厳密に言えば目と鼻の先のダッチハーバーに寄生していた北方棲姫が残した資料の1つに有る北米イヌイット族が行う、砕いた氷から出てきた海豹を狙い撃つ狩猟を思い浮かべていたが、確かに現在のヤマト攻撃の現状は海豹猟と色々と共通点が多かった。

 

「…Ich habe mir eine gute Sache ausgedacht.

Lernen wir aus dem Favoriten FLUGZEUGTRAEGER WO LLASSE anstelle von GEPANARTE PRINZSSIN und machen ein abgestriftes Stueck aus YAMATOs Koerper als Trophaee」

(訳:…いい事を思い付いた。

装甲空母姫の所にいる物好きな空母ヲ級に習って、トロフィーとしてヤマトの遺体で剥製を作るとしよう!)

 

 冥王棲鬼はヤマトが逃げれない上に装甲空母姫(達)が戻る前に仕留められると判断した。

 しかも集積地棲姫と飛行場姫が各々に戦っている艦隊がヤマト救出に早期に来れないとの予想からも尚更であった。

 だからこそ、見ていた映像が画面から消えるだけでなく、照明が十数秒間切れた事には部下達共々驚き戸惑うしかなかった。

 

「Was ist der aktuelle Stromausfall!!?

Was ist passiert!!?」

(訳:今の停電は何なの!!?

何が起きたと言うのよ!!?)

 

 冥王棲鬼の独り言に近い問いに、部下達が直ぐに原因を調べ始めたが、原因を突き止めた1人は少しの間ギョッとしながら硬直した。

 

「Es ist schwer!!!

AGGLOMERIRTE PRINZSSIN warde getoetet!」

(訳:た、大変です!!!

集積地棲姫様が御討ち死になされました!)

 

 冥王棲鬼に集積地棲姫がハルナ達に敗死したのが伝えられて部下達共々驚きの声を上げた。

 

「Ist es nicht Fehler zu melden,dass die feindliche Flotte zerstoert wurde!!?」

(訳:敵艦隊を撃滅したとの報告の間違いじゃないの!!?)

 

「Nein,ich bin sicher,ichwerde sterben!

Es wird gesagt,dass die Raketenbasis auch in Flammen steht!」

(訳:いえ、討ち死で確かです!!!

ミサイル基地も誘爆炎上中との事です!)

 

「Es schein,dass die YAMATO-Angriffsflotte auch die Explosion das Feuer der Raketenbasis bestaetigt hat!」

(訳:ヤマト攻撃艦隊からもミサイル基地の爆発と火災を確認したそうです!)

 

「……Es war falsch,die Unterstuetzungsflotte von ihm zu ueberteragen…」

(訳:……アイツから支援艦隊を転進させたは間違ってた…)

 

 冥王棲鬼は自分の過ちを認めて悔いていて、此の事が珍しい事だったので部下達はギョッとしていた。

 だが此れ以降は…




 感想か御意見、両方でもいいので宜しくお願いします。

 今回のサブタイトルですが、“宇宙戦艦ヤマトNext STARBLAZERSΛ”の第5話と第6話での“マリナ・フレーザーが潜宙艦(?)を海豹猟の要領で引きずり出す”を見て、本編に若干の微調整を施してそうしました。
 此の影響で、今回の話の表紙(か扉絵)が有ったら“冥王棲鬼が反射衛星砲で狙う先に、海豹の着ぐるみを着た大和がデフォルメ仏頂面で胸から上を海面から出している”にしたいです。

大和
「貴方、あの作品は合わないとか言ってたわよね?」

……それはそれ、此れは此れ…

 それと、本編で海豹猟を連想するのは冥王棲鬼ですが、現時点では艦これ原作でカナダ艦娘が未実装なので、代わりにアメリ艦娘の誰か(思い浮かべたのはサラトガかフレッチャー)をアラスカのイヌイット出身として連想させたかったと思ってます。
 最近“アメリカ乱入の日本国召喚”を読んで、アイツ等は政府方針を無視してフロンティア精神(スピリット)でイスカンダル遠征に参加するのでは、と思うようにもなりました。

 最後に今回には没案で“水中戦に苦戦するヤマトを見かねた沖田の指示で、司令代行として恵がヤマトを指揮して潜水艦隊を殲滅する”がありました。

大和
「没の理由は、潜水艦隊殲滅を全く生かせられなかった為だそうです」

本作でのヤマトの最後はどうしてほしい?

  • 実写版通りに、特攻
  • なんとしてでも、地球に帰還
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。