SPACEBATTLEGIRLヤマト   作:サイレント・レイ

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第83話 欲望と悪手の果て

――― ????? ―――

 

 

「…いったい何が?」

 

 第一次木星沖海戦の裏で船団護衛艦隊の1人として戦って他共々捕虜になったノルウェー海軍の巡洋艦ゴトラントは、艤装没収の身での持ち運び式の檻の中で数秒間の照明が消えた天井を見上げていて、更に地震に近い揺れで天井の柵付き換気口から埃が落ちるのを確認した。

 

「うぎあゃぁぁー!!!!」

 

 だが正面から絶叫が響いたのでそちらに振り向いたら、金属ベッド上で大の字の仰向けで固定されたアメリカの戦艦コロラド目掛けて大型カッターが高速回転をしながらゆっくり下ろされていた。

 

「コニー(コロラドの渾名)姐さん、FIGHT!!」

 

「コロラド、頑張るんだ!!」

 

 ゴトラントと同じ様に檻に入っているアメリカ戦艦サウスダコタとロシア駆逐艦タシュケントは柵を掴みながら前によってコロラドを励ましていた。

 

「此れに何をどうやって頑張ればいいのよ!!?」

 

「確かにそうだけど…」

 

 だが、コロラドが叫んでの指摘通り、出来そうな事があるとは思えないので、アメリカ巡洋艦アトランタが思わず頷いた。

 

「Schneiden und hacken und mahlen♪

Schneiden und hacken und mahlen♪…」

(訳:切って刻んで磨り潰す♪

切って刻んで磨り潰す♪…)

 

 その為だろうか、研究解明班の主任と思われる雷巡チ級(個体差なのか、妙に背が低い)が歌いながら踊っていた。

 

「Was ist es zu einer solchen!?」

(訳:何なの、こんな時に!?)

 

 そんな時に呼び鈴が鳴り響いた為、雷巡チ級の1人が壁のモニター画面に駆け寄って対応しだした。

 

「Danke fuer deine harte Arbeit!!

Ich brachte ein Geschenk von meinem Vorgesetzten mit,der zu unserer Basis kam,um zu spielen!」

(訳:お務めご苦労様です!!

当基地に遊びに来た優しいぃ~…上官からの差し入れを御持ちしました!)

 

「Sie muessen es jetzt nicht mitbringen!」

(訳:別に今持ってこなくてもいいでしょうに!)

 

 主任以外の雷巡チ級が文句を言ってはいたが、その割には差し入れを受け取ろうと次々に入り口に詰め寄り出していた。

 処が入り口の扉を明けると、その先で雷巡チ級が1人只突っ立ていただけ、しかも妙な違和感を感じて揃って怪訝な顔で凝視した。

 

「ウラカゼ!!」

 

「おどりゃあぁぁー!!!」

 

 実は此の雷巡チ級は既に死んでいて、背後に潜んだヒヨウが巧く立たせていたが、彼女の指示でウラカゼが背中を蹴飛ばして突き飛ばした。

 自分達の所に吹っ飛んできた雷巡チ級(死体)に驚き戸惑っている隙を突いて、ヒヨウとウラカゼはビームマシンガンで、更に左右各々で潜んでいたスズツキ、ネノヒ、モチヅキ、マツカゼの4人はコスモガンを各々に連射、目に入る雷巡チ級達を次々に射殺した。

 だが奥にいて無事だった雷巡チ級は直ぐに銃火器を取ろう動き、一部はヒヨウ達の事を他に報せようとしたが…

 

「今!!!」

 

「しゃあ!!!」

 

…換気口の柵を叩き落として飛び降りたムラクモとナガナミのビーム拳銃で阻止、一瞬の間にヒヨウ達8人によって殲滅された。

 

「艤装があったからまさかと思ってたけど、アンタ達も捕まってたのね」

 

「同誌ムラクモ、何故此所に!?」

 

「ちょっとヘマして捕まってたけど、ついさっき脱走して報復の悪戯を色々としようとしていたのよ!」

 

「…何なの、それ?」

 

 タシュケント達が驚いているのを他所に、マツカゼとムラクモはコスモガンで檻の鍵を射抜いて彼女達を解放した。

 因みにムラクモとタシュケントが親しげにしていたのは、2人が秘書艦経験多数の駆逐艦娘と言うだけでなく、ムラクモと親しいヴェールヌイを通して知り合った為であった。

 

「どうでもいいから、早く此れを止めてえぇぇー!!!」

 

「はいはい、分かってます」

 

 まだカッターが動いている上、1番先に助けるべきなのに1番遅いのだったコロラドが怒鳴って抗議したが、直ぐ(?)にスズツキが操作盤を長10cm砲ちゃん(x2)をハッキングして接触直前の所で止めた。

 

「……酷い事をするのね…」

 

 スズツキに協力したモチヅキがガミラスの悪行に唖然としながら、カッターを退かしてコロラドの拘束具を次々に外した。

 

「あ"あ"あ"ぁ"ー!!!

()ぬ"がど(オ"モ")っだあ"ぁ"ー!!!」

 

「よしよし…」

 

 コロラドは解放されて直ぐにタマタマ近くに来ていたサウスダコタに抱き付いて泣き出し、サウスダコタは若干戸惑いながらもそんなコロラドを後頭部を撫でながら慰めた。

 

「さて、私達は別ん所に行くけど、皆はどうする?」

 

 ヒヨウの質問にタシュケント達4人は当然ながら同行を示した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――― 冥王星・前線基地 ―――

 

 

「Viele Explosinen und Braende ereigneten sich in den Raketenwerfern!!!」

(訳:ミサイル発射台多数に誘爆火災多数発生!!!)

 

「Loesche das Feuer schnell!!!

Die Basis wird schnell!!!」

(訳:早く火を消せ!!!

基地が吹っ飛ぶぞ!!!)

 

「Die Aviation Unit ist ausgeloescht!!!

Flugplatz,alles unbrauchbar!!!」

(訳:航空部隊全滅!!!

飛行場、全て使用不能!!!)

 

「Entfrnen Sie das Wrack!!!

Sie koennen so etwas nicht reparieren!!!」

(訳:早くどかせ!!!

あんなんじゃ、修理も何も出来ないわよ!!!)

 

「Mach kein Geraeusch!!!

Sie koennen diese Basis mit dieser Flotte nicht fallen lassen!!!」

(訳:騒ぐな!!!

あれぐらいの艦隊で此の基地は落ちないわよ!!!)

 

 チョウカイ達7人の攻撃でミサイル発射台区画と飛行場全てが壊滅しての炎上で大規模なパニックが起きていたが、そんな部下達に冥王棲鬼は怒鳴って無理矢理静めた。

 実際に冥王棲鬼の言う通り、此の後から砲台小鬼群が次々に起動してチョウカイ達への砲撃を開始、被弾していないものの上空での回避運動に追われるチョウカイ達は基地攻撃の機会を失って、少しづつ基地郊外へと逃れようとしていた。

 

「Was ist mit YAMATO passiert!!?」

(訳:それよりヤマトはどうなったの!!?)

 

「Die U-Boot-Flotte wurde zerstoert wird aber baid wieder auftauchen!」

(訳:潜水艦隊が壊滅しましたが、間も無く再浮上します!)

 

「REFLEKTIERTER SATELLIT,Feuer auf YAMATO,sobald es fertig ist!」

(訳:反射衛星砲、準備出来しだいヤマトへ向けて発射する!)

 

「Was ist mit dem Kreuzfahrt-Torpedo-Geschwader ueber der Basis!!?」

(訳:基地上空の巡洋水雷戦隊はどうするのですか!!?)

 

「Wenn Sie YAMATO versenken,koennen Sie sie alle sofort vernichten!!!」

(訳:あんな奴等、ヤマトさえ沈めれば他共々一瞬で殲滅出来るわよ!!!)

 

 部下達がギョッとしていたが、冥王棲鬼はチョウカイ達の攻撃に加えてもう少しでヤマトが沈むとの予想から軽く錯乱していた。

 

「YAMATO tauchte auf!!!」

(訳:ヤマト浮上!!!)

 

「REFLEKTIERTER SATELLIT ist!!?」

(訳:反射衛星砲は!!?)

 

「Sie koennen in 3 Minuten schieβen!」

(訳:あと3分で撃てます!)

 

「Erteilen Sie einen Evakuierungsbefbhl an die angreifende Flotte!」

(訳:攻撃艦隊に退避令を出します!)

 

「TU es nicht!!!

Die angreifende Flotte schieβt weiter auf YAMATO,wae hrend sie die Belagerung eiesetzt!!!

Beweg ihn niemals!!!」

(訳:するな!!!

攻撃艦隊は包囲陣を展開したままヤマトへ砲撃!!!

アイツを絶対動かすな!!!)

 

「Wenn Sie das tun,wird angreifende Flotte REFLEKTIERTER SATELLIT sien…」

(訳:そんな事をしたら攻撃艦隊が反射衛星砲で…)

 

 冥王棲鬼が攻撃艦隊諸共ヤマトを消し去ろうとするのを部下の1人が止めようとしたが、冥王棲鬼はその部下を射殺して怯えた他の者達を威圧した。

 

「Mach es ohne herumzupielen!!!」

(訳:グダグダ言わずにやりなさい!!!)

 

 此の冥王棲鬼の行為は逆効果をもたらして部下達は硬直してしまい、反射衛星砲の発射準備が整ってもまだだった為、冥王棲鬼は部下達を押し退けて自分自身で反射衛星砲の引き金を引いた。

 

「Waschbecken,YAMATO!!!」

(沈め、ヤマトォォォー!!!)

 

 放たれた反射衛星砲の光線は貯水池表面の氷を溶かしながら天井へと伸びていき、その先の衛星軌道上の反射要塞によって曲げられたが、此の一部始終をチョウカイとカコに見られていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――― 同・氷海 ―――

 

 

 此の時のヤマトは浮上を余儀なくされ、海面に出て直ぐに艤装内部への酸素の充填をしようとしたが、それ以外のも含めて阻止しようとするガミラス水雷戦隊の包囲下からの十字砲火を浴び続けていた。

 それでもヤマトは自棄糞か悪足掻きである事を自覚していたものの、主砲で応戦して駆逐艦の何隻かを沈めていた。

 

「Sie nicht veraergert!!」

(訳:狼狽えるな!!)

 

「Er kann sich bewegen,weil er in seinen Haender,ist!!!」

(訳:奴は手負いで動けないぞ!!!)

 

 だが対するガミラス水雷戦隊群(厳密に言えば、総指揮を取っている軽巡ツ級3隻)はヤマトが簡単には飛び立てない事を見抜いていて、随伴艦艇に的確な指示を出し続けていた。

 しかもヤマトが滑空出来ない様に破氷を必要最小限にしていた為、ヤマトが隙を見出せない事から歯軋りをしていた。

 

「……ビスマルクもこんな感じで戦ったのね…」

 

 ヤマトは悔しさや閉塞感を感じながら、自分の置かれた状態が行動不能状態で深海棲艦の大艦隊の包囲下で戦没した(先代)ビスマルクの最後に似ていた為に口元に笑みを浮かべた。

 

「…Was!?

Wurde REFLEKTIERTER SATELLIT geschossen!!?」

(訳:…え!?

反射衛星砲が射たれた!!?)

 

「Es wurde kein Evakuierungsbefehl erteilt!!」

(訳:退避令を出されてないのよ!!)

 

「Das kind,wir haben uns weggeworfen!!!」

(訳:あの餓鬼、私達を捨て艦にしたんだ!!!)

 

 突然ガミラス水雷戦隊が見て分かる程にざわついての混乱が生じたのを見て、ヤマトは味方を犠牲にして反射衛星砲が放たれ事を察した。

 逃げ出す者がそれなりに出ていた事から包囲網脱出を狙う好機が狙えるかもしれなかったが、ガミラス水雷戦隊の多くが半ば自棄糞で牽制しつつの砲撃を続投した為、それが完全に失われたと判断した。

 だがそれ以前に波動エンジンが全く起動出来ない上に補助エンジン2基までが出力が徐々に低下していて、その表れとして自分の腰下が水没していては氷海からの離脱が出来なかった。

 

「……糞…」

 

 そしてヤマトは時間的に反射衛星砲が来ると予想した歯軋りしながら目線を左に逸らした直後、彼女の遥か後方上空の衛星軌道で反射要塞の1人が反射板4枚を展開して反射衛星砲の光線をヤマトへの直撃コースに乗せるに適した角度に調整し終えた。

 

「アカギさん、御免なさい!」

 

 だが最後の反射要塞に反射衛星砲の光線が反射される直前にコスモパンサー1機が特攻して破壊、光線は弾道が変わる事なくそのまま真っ直ぐに飛ん上空を過ぎ去った。

 反射衛星砲が予想外の空振りをした為、ヤマトがガミラス水雷戦隊の全員と共に破壊された反射要塞のあった上空に思わず振り向いた。

 ヤマトだけはそれだけでなく、続けて後方上空から飛んできたロケットアンカー2基がヤマトの左右各々の主砲後部の艤装で、左舷側のはロケットアンカーの爪が巧く引っ掛かり、右舷側のは外れるも瞬時の軌道修正で鎖を絡めた後に爪が引っ掛かった。

 直ぐにヤマトは自分が鎖の軋む音多数と共に自分が浮上した事に驚き戸惑って硬直した。

 だがその間にもロケットアンカー2基の主であるハルナはヤマトを持ち上げながら彼女の上空をムーンサルトの要領で通過して、ヤマトの前方の海上氷原に着地した。

 

「ハルナ…」

 

「ハルナ、全力で牽引します!!!」

 

 ロケットアンカー2基各々の鎖を左右各々の手に持ったハルナは向かい合うヤマトに微笑みながら頷くと、遅れてきたイスズ達4人の雷撃で包囲網の南側が吹き飛ぶのを確認して直ぐに後進してヤマトを海から引き揚げてそのままの牽引状態でヤマトと共に離脱行動に入った。

 

「YAMATO rennt weg!!!」

(訳:ヤマトが逃げる!!!)

 

「Lass es nicht los!!!」

(訳:逃がすな!!!)

 

 ガミラス水雷戦隊は現実の拒絶からハルナのよるヤマトの牽引を茫然と見送っていたが、我に返った軽巡ツ級の1人の叫んでの指摘で次々に追撃しつつのヤマトへの再攻撃をしようとした。

 

「Eine REFLEKTIERTER SATELLIT kommt!!!」

(訳:反射衛星砲が来るぞ!!!)

 

 だが、その直前に代わりの反射要塞が展開されての反射衛星砲の第2射が飛来、退避がままならぬままに着弾して殆どが吹き飛ばされてしまった。

 此の時のハルナはヤマトを牽引して着弾影響範囲から離脱、合流したズイホウ達5人の護衛下に南部山脈の洞窟を目指して南進し続けていた。




 感想か御意見、質問も受け付けますので、宜しくお願いします。

 今回の投稿前に未だに改装工事中の“設定 艦娘”での“未所有故の登場不可”にて、現在の艦これイベントに合わせて“シェフィールド”“ワシントン”“????(判明次第修正)”を追加しました。
 尚、未所有のに投稿時点では“シロッコ”も有りますが、コイツは既に第35話でネタまみれで出していますので特別出演とし、“艦娘は戦没したが艤装は無事だったので次代に継承”との形で艦これ版原作のを後日出します。

 更に“設定 ガミラス”で“雷巡チ級陸戦型”“重巡リ級陸戦型”“戦艦タ級陸戦型”を若干暈しつつ追加掲載、“集積地棲姫”と“飛行場姫”の各々の捕捉で冥王星の個体が破壊されて起きる現状(艦これ原作で言う、ギミック内容)を追加しました。

 幻冬舎の“図鑑 銃だもの”2種は良いぞ!
 書き手には嘗てない程に頼もしい!

本作でのヤマトの最後はどうしてほしい?

  • 実写版通りに、特攻
  • なんとしてでも、地球に帰還
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