魔法苦手なんで殴ります   作:マッキー

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まず、注意書きとして、ギャグによるキャラ崩壊がちょいちょい出てきます。ですが、あまりそうはならないように頑張ります。あと、小説投稿は素人です。

もう一つ、タグの(∴)は気になるでしょうが、気にしないでください。

それでも構わない、という方は少しでも暇つぶしになればと思います。


では一つ、皆様、私の歌劇をご観覧あれ。その筋書きは在り来たりだが、役者が良い、至高と信ずる。故に、面白くなると思うよ。

さあ、今宵の恐怖劇を始めよう。


入学編
入学式


 

 

 

ここは、国立魔法大学付属第一高校。魔法師が、魔法師を育てる為の、魔法技術を育成させる為の機関。

 

そして今日、第一高校は入学式が行われるのだが、開会二時間前にして、開場たる講堂に、はやくも俺は来ていた。否、俺だけではない。その他に二人いる。

 

「納得できません!」

 

「まだ言ってるのか?」

 

納得できません!と言葉を発した少女。名は司波深雪。通称、お姉ちゃん。理由、お姉ちゃんだから。

 

代わって、まだ言っているのか?と言った少年。名は司波達也。通称お兄ちゃん。理由、お兄ちゃんだから。

 

「何故、お兄様が補欠なのですか?入試の成績はトップでしたのに、総代だって、本来ならお兄様が務めるべきです!」

 

鬼気迫る、とはこのことだろう。凄まじい剣幕である。その視線だけで、百戦錬磨の兵士が心を折られるのではと錯覚してしまう程の。これが我が姉、司波深雪だ。喧嘩を売るなどと阿保な考えは捨て置け。

 

「その辺にしとけよお姉ちゃん。これもう何回目だよ。俺としては那由多は繰り返した気がするぞ」

 

「刀夜は黙ってて!」

 

「あい」

 

これである。だから言ったろう?喧嘩を売るなどと阿保な考えは捨て置け、と。俺はそれを、己が身体を張って証明して見せたのだ。誰にでも出来ることではない。と思う。

 

あ、刀夜ってのが俺の名前だ。いいか、決して字を反対して読もうとか、血迷っても思うなよ?絶対だからな?

 

「はっ、私は刀夜になんて酷い事を!ごめん刀夜。そんなつもりじゃなかったの」

 

そして、俺を相手にすると、情緒不安定なのも俺の姉の特徴である。

 

「いや、大丈夫だから。むしろお姉ちゃんが大丈夫?」

 

「え、あ、うん。大丈夫。それより納得できません!」

 

うわっ、強引。魔法師とは魔法を使って事象を改変する者だが、姉に関しては素で事象改変してるんじゃないか?

 

「刀夜も言ったが、何度目だ。魔法科高校なんだから実技が優先されるのは当然だろう?むしろ、受かった事が奇跡だと思っているよ」

 

「そんな!勉学でお兄様に勝てる者などいませんし、体術だって、刀夜という例外を除けば、お兄様がナンバーワンです!それに、魔法だって本当は」

 

「深雪!」

 

一喝。お姉ちゃんが紡ごうとした言葉は、お兄ちゃんの一喝で最後までは続かなかった。

 

「申し訳……ございません」

 

謝罪したお姉ちゃんに、先ほどまでの剣幕はない。むしろその真逆。どこか切なさを感じる程に、意気消沈としている。

 

「お前の気持ちは嬉しいよ、深雪。事実、お前が俺の事をおもっているように、俺もお前の事を思ってるよ」

 

「そんな、想って(・・・)いるだなんて……!」

 

お兄ちゃんの言葉を受けた瞬間、お姉ちゃんの顔が赤くなっていった。故、その事実に気づいてからの俺の行動は速かった。お姉ちゃんの顔が赤くなっていると気づいた瞬間に、俺の手はお姉ちゃんの額に触れる。

 

「と、刀夜?」

 

お姉ちゃんの言葉を無視し、俺は額を触り続ける。

 

熱。お姉ちゃんの額から伝わってくるのは唯それのみ。熱、熱、熱。お姉ちゃんの額は凄まじいほどの熱を有していた。やはり、俺の予想は間違えではなかった。

 

「お兄ちゃん、お姉ちゃん熱あるよ!」

 

マジでやばいって!四十度はあるんじゃない?

 

「お兄ちゃんと呼ぶな。てかマジで?」

 

「マジで」

 

「違います!」

 

怒号。お姉ちゃんが発した怒号により、未だお姉ちゃんの額に触れている俺の手に、さらなる熱が伝わって来た。

 

「また熱が上がった⁉︎」

 

「なんだと⁉︎」

 

「だから、違いますって!」

 

そして、お姉ちゃんには少々過保護な俺とお兄ちゃんであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局、お姉ちゃんの熱は直ぐに収まり、何事もなったようにお姉ちゃんは入学式のリハーサルに向かった。

 

あの熱はなんだったのだろうか?

 

「んで、これからどうする、お兄ちゃん?」

 

「お兄ちゃんと呼ぶな」

 

明らかに嫌がっているお兄ちゃん。しかし、お兄ちゃんをお兄ちゃんと呼ばない訳にはいかない。

 

「なんで?お前は俺のお兄ちゃん(・・・・・)。だろ?達也(・・)

 

「……そうだな。だが、他の呼び方があるだろ?」

 

「例えば?」

 

「兄貴とか、兄さんとか」

 

兄貴……兄さんか。

 

「うん、わかったお兄ちゃん」

 

「おい」

 

やっぱり、お兄ちゃんだよなぁ。慣れちゃったし。兄貴とか兄さんとか柄じゃないし。

 

「んで、実際どうすんの?あと二時間」

 

「そうだな、適当にベンチに座って時間を潰そう」

 

「おK」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベンチに座って時間を潰し、既に開会の30分前となった。それは同時に、開場の時間でもある為、移動しようとした矢先

 

「新入生ですか?開場の時間ですよ」

 

ふと掛かった声。その声の主を見た瞬間、時間が止まった。否、止まればいいと思った。今が永遠に続けばいいと、切に思う。この刹那が永劫続けばいいと。彼女と出会ったこの瞬間を、何よりも尊く思う。故に、俺は願う。渇望する。

 

時よ止まれ、お前は美しい。

 

「ここで何をしていたんですか?」

 

彼女の言葉で我に帰る。いや、彼女の声がだからこそ、我に帰れたのかもしれない。

 

「いえ、高校の初日という事もあって、少しばかりはしゃいでしまい、朝早くに来てしまったものですから、読書をして時間を潰していたところです」

 

こ、言葉を!俺は今、彼女と言葉を交わしたぞ!

 

「動画ではなく読書ですか?珍しいですね。それに、見たところ仮想型ではなく、スクリーン型を使っているんですね。少し気が合いますね」

 

気が合う、なんともったいなきお言葉。貴女は俺の女神だ。永劫護り抜くと誓いましょう。

 

「あ、申し訳遅れました。私、生徒会長の七草真由美といいます。『ななくさ』と書いて『さえぐさ』です。よろしくね?」

 

……七草。オーケイ。七草ね。うん大丈夫。大丈夫。大丈夫。七草でも大丈夫。問題ない。俺には関係ない。『あの二人』の事なんて、俺には関係ないんだ!

 

「司波刀夜といいます。以後、お見知りおきを」

 

「司波達也です」

 

俺とお兄ちゃんはそれぞれ自己紹介をする。

 

「そう、貴方達があの司波兄弟ね」

 

あの、という事は知っている?彼女は俺の事を知っているのか?彼女の中で俺は、既知の存在であったと?

 

「先生方の間では、貴方達の話題で持ちきりよ。三人でペーパー試験の一位、二位、三位を独占する天才兄妹ってね」

 

順位的には、お兄ちゃん、お姉ちゃん、俺の順番かな?あの二人に勝った試しがないし。

 

「っと、そろそろ時間も押しているので、失礼します」

 

言い捨てるようにお兄ちゃんが断りをいれて、その場から早足で立ち去った。

 

「え?待てよ、お兄ちゃん。置いて行くなよ……あ、それとお聞きしたい事があるのですが、よろしいですか?」

 

立ち去る達也を呼び止めるが、俺は一つ、彼女に尋ねた。

 

「なんですか?」

 

「お聞きしたい、というか、お願いに近いでしょうが、真由美先輩と呼んでもよろしいでしょうか?」

 

すると彼女はにっこりと笑った。なんとも抱擁力があり、そして美しい。形容するなら慈愛の女神とも言うべきか。その慈悲を持って彼女は首を縦にふる。

 

「ええ、構いませんよ」

 

「ありがとうございます」

 

これより、俺は彼女を真由美先輩と呼び、未来永劫、変らぬ愛を貴女に捧げると誓いを立てよう。例え、貴女がそれを望まぬとしても、俺は貴女に恋をしたから。

 

「早くしろ刀夜」

 

「今行く。では、失礼します」

 

それして、俺とお兄ちゃんはその場を後にした。真由美先輩の笑顔を背に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

講堂内に入った俺はとりあえず、周りに空席がないか確認する。そして、運良く一番前に空席があった。

 

「お兄ちゃん、あそこ空いてるよ。座ろうぜ」

 

「は?お前はこの状況で前に座ろうと思うのか?」

 

この状況?仰ってる意味が良く分かりませんが?まあ、敢えて言うなら人が多いから早く席に座った方がいいだろうという事かな?

 

「じゃあなに、お兄ちゃんは後ろに座るの?あそう、お姉ちゃんのありがたい総代をなるべく近くで見たいとは思わないんだ。あーそう」

 

「嫌な言い方をするな。なら、お前だけ前に座ればいい。俺は後ろに座る」

 

あっそ。あとでお姉ちゃんに言付けてやる。

 

俺は冷たいお兄ちゃんを放置して、先程見つけた座席に向かう。その途中で周りの生徒からジロジロと粘り着くような視線を浴びた。一体なんだというんだ。小賢しいぞ。俺の顔にご飯粒でも付いているのか?今日の朝食はパンだったというのに。

 

それらを全て無視して、俺は一番前の席に座った。右が通路、左に座席という、通路側の席だ。隣には誰もいない。が、一番近くの生徒からまるで汚物を見るような目で見られては不快というもの。居心地が悪いな。

 

「君、根性あるね」

 

突如として掛かった声。それは通路から聞こえて来た為、俺は右を向いた。それしてそこは、偶々……偶々、声の主の胸であった。そして俺は思う。

 

あ、まな板だ。このまな板を使えば綺麗に食材が切れそうだ。

 

「今、まな板って思った?」

 

読心術。これをまさか、そのままの意味で使う者がいようとは、全く、末恐ろしい女子だことよ。

 

「全然思ってないよ。むしろ、そう君が感じたのは、君の心の中に、胸に対する劣等感があるからでは?それにな、それはステータスだと、俺は思う。劣等を抱くな。君のソレは希少価値なのだ。誇りに思え。私のこれこそが至高だと」

 

「希少価値、至高……理解ある人だね。隣、座っていい?」

 

「ああ、構わない。その後ろの子も含め、二人かな?丁度いいな。左隣りが二つ、空いている」

 

ふっ、なんとか危機は脱したようだ。

 

俺の許しを得て、二人の少女は席に着く。俺の隣がまな板、もとい属性値の高い少女。その隣が、後ろに隠れていた少女。彼女は属性値の高い少女と対極に、とても抱擁力のある胸をしている。

 

あ、やばい。俺、変態じゃん。

 

「それで、先程君が言っていた、根性がある、とはどういう意味で?」

 

「周りを見て気づかない?前半分が一科生。後ろ半分が二科生って」

 

言われて気づく。確かに前半分の生徒の左胸には、八枚花弁のエンブレムがあり、後ろ半分の生徒にはそれがない。

 

更に気づく、お兄ちゃんの言葉の意味を。この席に向かう途中で感じた、粘り着く視線の意味を。

 

–––––は?お前はこの状況で前に座ろうと思うのか?

 

要はそういうことであろう。二科生なのだから、後ろに座れ、と。

 

「なるほど。確かに、俺は根性があるな」

 

「自分で言っちゃうんだ」

 

「事実、間違えではないだろう?君もそう言った。故、俺は根性がある。それと、そちらの君も何か言ってはどうだろう?何時までも黙りでは、こちらも少々気まずいというもの。そういえば、自己紹介がまだだったな。司波刀夜だ。隣の少女曰く、俺の長所は根性がある事だ。刀夜で構わない。宜しく頼む」

 

うーん、どうも今日の俺の喋り方ウザいな。言い回し方が面倒くさいというか、厨二というか。初対面だからかな?意図せぬところで気が張っているのだろう。

 

「あ、えっと、光井ほのかです。こちらこそ、宜しくお願いします」

 

「北山雫。隣の少年曰く、至高の胸。よろしく」

 

やめろ。やめてくれ。俺の変態度が増していく!狙ってるのか⁉︎狙ってるんだな!

 

「あ、うん。よろしく。それで、なんと呼べば?」

 

「雫でいいよ。君は理解ある人だからね」

 

たがらやめろって。

 

「私も、ほのかで結構です」

 

ふむ、最初から名前で呼ぶ事を許すとは、なかなか心優しいではないか。友達付き合いが苦手というようでも無いようだし、入学早々、良き出会いである。

 

「わかった。ところで二人は、どういった関係で?」

 

「私とほのかは小学校からの幼馴染」

 

「へえ、それはそれは長い時間を共に過ごしてきた事だろう。羨ましいよ。俺にも親友と呼べる友が、一人でもいればと思う。友達がいないという訳では無いがね、これといって親しき友がいるという訳でもないのだよ」

 

「まず、喋り方を直したら?」

 

ぐはっ!おのれ、北山雫!この俺に、精神的ダメージを与えるだと⁉︎俺だって自分の意思でこんな喋り方をしてるわけじゃないんだ!なんか、勝手にこんな喋り方になるんだよ!

 

「でも、私はその喋り方好きだから変えなくていいよ。理解ある人には理解ある解答を」

 

「え、うん。ありがとう。では、君の前では、この口調を貫くとしよう」

 

まさか至高の胸のツケがこんなところで回って来るとは。ていうか、結局ほのかあんまり喋ってないよね。まあ、いいけど。

 

「さて、頃合いだ。俺達を祝福する式が始まる。それとな、総代がなかなかに見ものだ。刮目し、傾注せよ」

 

これにて、俺達の出会いは幕を降ろす。

 

「喋り方、意識しすぎ」

 

「すいません」

 

 

 




主人公、変態ですが、気にするだけ無駄です。ウザいって?雫が許したから良いのではないでしょうか?

これを許容するか否か、それは貴方次第です!(ドヤッ
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