ラブライブ!サンシャイン!!夢の守り人   作:自由の魔弾

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未だに5話しか進んでいない自由の魔弾です。
もしかして、ペース遅れてるのかな?
それはそうと、今回の話は恐らく色々な意味で原点となるかと思います。
詳しくは本編を見てご確認下さい。では、よろしくお願いします!


第14話 死者の叫び

「鞠莉さん、少し痛みますわよ。我慢してくださいね?」

 

生徒会室に残ったダイヤは、倒れた際に怪我をしてしまった鞠莉の傷の手当てをしていた。腕を少し擦りむいてしまったようで、傷口に消毒を染み込ませたガーゼを当てる。

 

「痛ったァーーー!!」

 

案の定、生徒会室に鞠莉の悲鳴が響き渡った。ダイヤはその声に我慢しながら、急いで包帯を巻いて手当てを終わらせた。

 

「まったく・・・一体どこからそんな元気が出て来るのでしょう?あんな事があったというのに」

 

姿こそ見ていないものの怪物に命を狙われたというのに、鞠莉は驚くどころか普段と変わりない様子だった。

ダイヤにはそれが不思議でならないのだ。

 

「別にィ?全然驚いてない訳じゃないわ。ただ、信じてるから」

 

鞠莉の言葉に違和感を感じるダイヤ。この口振りはもしや、鞠莉は既に巧の正体を知っているのではないか?と。

 

「一目見た瞬間からビビッと感じたの。彼ならあの子たちも・・・私たちも照らしてくれるってね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウアアァァァァッ!!?」

 

一方で、カイザとホースオルフェノクの戦いは激しさを増していた。ホースオルフェノクが渾身の力で振り下ろした剣を、辛うじてカイザブレイガンで防ぐカイザ。

その攻撃に迷いは無く、必然的にカイザは防戦一方となっていた。

 

「ぐっ・・・。木場ァ!やっぱり駄目なのか!?」

 

巧の悲痛な叫びもホースオルフェノクには通じることはない。剣を防ぐ事でガラ空きになったカイザの腹部を躊躇無く蹴り飛ばす。

 

「グゥアアッ!!」

 

その勢いを殺すことは出来ず、転がりながら地面に倒れこむカイザ。衝撃によってカイザブレイガンも手元から離れてしまう。

 

「ウゥウウウウウッ・・・!!」

 

ゆっくりとカイザに歩み寄るホースオルフェノク。その手に剣を持ち、その剣先をカイザに向けながら。

 

「おい木場ァ!・・・お前は、オルフェノクの力に飲み込まれちまう様な奴だったのか!?人間を守るんじゃなかったのか!?お前の理想は、オルフェノクの力に負けちまうくらいのものだったのかよ!?」

 

「・・・!?ッグゥゥ・・・」

 

巧の言葉に一瞬、ホースオルフェノクの動きが鈍る。それを見て巧はまだ木場の心が、オルフェノクの中で生きていると確信に変わった。

 

「負けんじゃねぇ!!お前は、人間を守るために自分を犠牲に出来るくらいの強い奴だろ!!だから・・・オルフェノクなんかに負けんじゃねぇ、木場ァァァッ!!」

 

尚も巧の言葉を受け、どこか苦しんでいる様子のホースオルフェノク。やがて、自分に纏わりつく何かを振り切るように、剣を振り上げ、巧めがけて全力で振り下ろした。

 

「・・・ッ!!ウアアァァァァッ!!?」

 

「木場ァァァッ!!!」

 

巧は覚悟を決め目を閉じる。振り下ろされた剣が巧の体を切り裂く・・・ことはなかった。カイザの頭上数センチのところで止まっていたのだ。

やがて、目を開けた巧はいつまで経っても痛みが体を襲ってこないことを確認して、一言呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ったく、遅ぇんだよ。おかえり・・・木場」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やがて、巧と木場は変身を解いた。空白の二年間、はたから見たらそれ程長い時間とは言えないが、2人にとっては悠久ともいえる。

一度は死んだ身、もう二度と会うことはないと思っていた。そんな彼らが再び出会ったのだ。

その場には変な空気が流れる。

 

「とにかく、礼を言わせてほしいな。俺を取り戻す事が出来たのは、君のおかげだと思うし」

 

「良いって、そんなの・・・柄じゃないんだ」

 

巧は気恥ずかしいのか顔を背ける。そんな巧を見て、木場は思わず笑ってしまう。

 

「なんだか懐かしいね。君とは色々あったけど、結局は互いに引き寄せられてるのかもしれない」

 

木場の言葉の真意を理解した巧は、静かに頷く。

 

「あぁ、俺もそう思う。前に俺がオルフェノクとしてあんたと戦った時、あんたは俺を倒すことはしなかった。だから俺は今も生きている」

 

巧は一旦言葉を止め、一息ついてから言葉を続けた。

 

「だから、今度は俺があんたを助ける。たとえオルフェノクの力に飲まれようが、今みたいに絶対なんとかしてみせる。それが俺の背負った罪だ」

 

木場は巧の強さを改めて感じる。力だけじゃなく心の強さを。

 

「分かってる。君とは同じ理想を持つ仲間だから。君と話せて良かった・・・俺が、俺でなくなる前に」

 

木場はそう言って、巧に微笑んで見せた。巧はその笑顔を懐かしく思いながらも、絶対に守ると心に決めた。

 

「乾さん!」

 

声のする方へ視線を移すと、ダイヤと鞠莉の姿があった。戦いが終わったのを見計らって、降りてきたのだろう。

 

「あぁ、あんたたちか。もう心配する事はない、怪物はもういなくなった。とりあえずは大丈夫だろう」

 

巧はあえて木場の存在を伏せて、この場が安全である事を知らせる。

 

「そうですか、それは何よりで・・・あの、その方は?」

 

安全が保証された事で安心して胸を撫で下ろすダイヤ。そして、巧の横にいる木場の存在に気づいた。

 

「あ、俺は木場勇治です。乾くんの古い友達で、今日会う約束をしていたんですよ。ね、乾くん?」

 

木場に話を振られ、すかさず話に乗っかる。

 

「ん、あぁ・・・そうなんだ。あんたたちも木場に自己紹介してやってくれないか?」

 

巧に促され、ダイヤたちも自己紹介をする。

 

「そうですわね・・・生徒会長の黒澤ダイヤです。よろしくお願い致しますわ」

 

「Hello!理事長の小原鞠莉よ!シャイニー☆」

 

巧はやけにテンションの高い奴だと思ったが、木場はどうやら違う事を考えたようだ。

 

「小原・・・鞠莉?そうか、君が・・・」

 

木場の意味深な言葉に、巧は疑問に思った。それを察したのか、木場は巧にある場所に向かえと言った。

 

「乾くん、なるべく早く東京に行くんだ。君の体はもうすぐ限界を迎えてしまう。手遅れになるその前に」

 

木場はやはり分かっていたのだ。巧がオルフェノクとして先が無いことが。

どういう訳か理解できないダイヤが、巧に変わって詳細を尋ねる。

 

「一体どういう事ですの?乾さんの体が限界?私、もう何がなんだか・・・」

 

そう言い終えたところで、ダイヤはある事を思い出した。

 

《早くしないとファイズが死ぬ》

 

過去に鞠莉から言われた言葉だ。そして全てを理解する。

 

「なるほど・・・乾さん!至急、東京へ向かう準備をしましょう!私もお手伝い致しますわ!」

 

ダイヤは巧の手を引っ張り、サイドバッシャーへ乗り込む。戸惑っていた巧だが、諦めたのかダイヤに従ってサイドバッシャーに乗り込み、十千万に向けて走り出した。

 

「ダイヤったら大胆ね♪よっぽどファイズがお気に入りなのかしら?」

 

鞠莉の言葉に苦笑する木場。自分が言えたことではないが、巧はそういった事には鈍いのかもしれない。

 

「じゃあ、俺はもう行きますね。乾くんによろしく言っておいて下さい。あと、あなたのシェフにも」

 

「オッケー!勇治くん、good-by♪」

 

木場はそう言って、その場を立ち去った。

一人残された鞠莉は、ある人物へ連絡を取った。

 

「あ、もしもし〜?あなたに頼まれたファイズ、見つかったわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ダイヤに手厳しい言葉を受けたAqoursは、改めて現実の厳しさを痛感する。確かに一見珍しいもので人気を集め、順位は上がったがすぐに下がってしまう。

特に今回の事で責任を感じているのが、津島善子だった。

自分の堕天使キャラに乗っかったせいで、彼女らに辛い思いをさせてしまったと。

 

「少しの間だけど、堕天使に付き合ってくれてありがとね」

 

善子はそれだけを言って、その場を立ち去った。残された彼女達の中に、ふとこんな疑問が浮かんできた。

 

「どうして、堕天使だったんだろ・・・?」

 

その言葉に反応したのは花丸だった。そして、花丸は過去に善子がどんな子どもであったか、普通とは何なのか?を話し始めた。

人間にはいつか必ず今の自分が、本当の自分ではないのではないかと考えてしまうものだという。

本当はもっと輝けるのではないかと。

 

それを聞いた千歌は、ある事を思いつき実行する事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、善子は自分の堕天使キャラを卒業するため、それらに関する全てのものを段ボールにしまっていた。今回の事で踏ん切りがついて、ある意味良かったのかもしれないと自分を納得させるために。

そんな彼女の前に、立ちはだかる者たちが現れた。

 

「堕天使ヨハネちゃん!スクールアイドルに入りませんか?」

 

現れたのはもちろんAqoursだった。困惑する善子に対して千歌が言い放った。

 

「良いんだよ、堕天使で!!自分が好きならそれで良いんだよ!」

 

「駄目よッ!!」

 

耐えきれなくなったのかその場から走り出す善子。しかし、今度はAqoursがしっかりと追いかける。

生徒会長に怒られた、堕天使は受け入れられないなど理屈をこねるが、千歌がそれらを一蹴する。悪いのは自分たちで、善子はそのままでいいと。

やがて、走り疲れたところで千歌は憧れであるμ’sが何で輝く事が出来たのかを善子に語る。

 

「自分が一番好きな姿を・・・輝いてる姿を見せることなんだよ!!」

 

千歌の言葉を受け、善子は自分の堕天使が迷惑を掛ける、儀式もする、リトルデーモンになれと言うかもしれない、それでもいいのかと尋ねる。

千歌たちは気にしないし、嫌だったら嫌と言う。そこまではっきりと受け入れてくれた彼女たちに、もはや逃げる事は考えられなかった。

 

「よ、よろしくお願いします・・・」

 

堕天使ヨハネ・・・もとい、津島善子は堕天使を卒業する事なく、晴れてAqoursに加入した。

しかし、彼女たちはまだ知らなかった。浦の星女学院に新たな問題が起ころうとは。

 




Open your eyes for the next φ’s

「沼津の高校と統合して、浦の星女学院は廃校になる」

『統廃合!?』

「だからスクールアイドルが必要なの」

「木場が言ってたのって、あんただったのか・・・」

第15話 廃れる体
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