ラブライブ!サンシャイン!!夢の守り人   作:自由の魔弾

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本編復活〜!はい、自由の魔弾です。
今回からまた本編を動かしていきたいと思いますわ!
そして、忘れちゃいけないCSMファイズアクセルです!
そろそろ手元に届くはずですね。ギアボックスは準備できてるよ!


第17話 舞い戻る戦士達

巧は目の前に立っているデルタを見据える。少なくとも自分の知る人物とは言い切れないからだ。

不意に巧は静かに問いかけた。

 

「お前・・・誰だ?」

 

巧の問いかけに対し、なんの返答もせずにただ立ちすくんでいるデルタ。数秒ほど経っただろうか、巧の問いかけに対する返答が思わぬ形で返ってくることになった。

 

“Error”

 

「・・・グッ!?ウグゥ・・・ガアアアアッ!!!」

 

突如、ベルトから発せられた音声と同時にデルタの身体を電撃が襲ったのだ。その場にはデルタの苦悶の声、悲痛な叫びが響き渡る。

 

「な、何なんだよ・・・一体」

 

巧の隣で見ていた青木が疑問をこぼした。デルタのもがき苦しむ様の原因を知っていた巧は、青木の問いに答えた。

 

「不適合者だったんだ・・・。ベルトに適合できなかった奴は、ああやって苦しんで・・・最後に死が待っているんだ」

 

「・・・!?」

 

次の瞬間、苦しんでいたデルタは一瞬で灰と化してしまった。青木は思わず青ざめた表情を浮かべ、デルタだったものから目をそらす。当然、それは見ていて気持ちのいいものではなかった。

しかし、巧にはもう一つ別の疑問が渦巻いていた。

 

(デルタギアは誰でも変身出来たはずだ。なのに、何であんな風に・・・ベルトごと消えちまうなんて)

 

巧の疑問に答えてくれる者はいない。正真正銘、灰となってその場から消えてしまったからだ。

 

「・・・乾さん!無事でしたか」

 

その場で立ちすくんでいた巧たちのもとに沙希が遅れてやってきた。巧たちの安否を確認した沙希は、安堵の表情を浮かべほっと胸を撫で下ろした。

 

「すみません・・・私が乾さんのサポートをする立場なのに」

 

沙希は自分の失態を詫びた。記号を取り戻したとはいえ、未だ本調子ではない事くらい分かっていたからだ。実際に隙を狙ってオルフェノクが巧たちを襲ったのは事実だ。

 

「別に・・・。それよりも気になることが出来た。悪いが先に帰っててくれ」

 

青木にそれだけを伝えると、巧は覚束ない足取りで歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《以上!がんばるびー!こと、黒澤ルビィがお伝えしました!》

 

動画を編集した翌日、Aqoursは早速動画を鞠莉に提出していた。お世辞にも魅力的とは言えない動画だが、それでも自分たちなりに考えて作り上げたものだ。自然とその表情が強張るのも無理はないだろう。

 

「・・・どうでしょうか?」

 

動画が終わりいざ鞠莉の答えを待つ。沈黙を守っている鞠莉の様子から、思わず息を呑んでしまう。OKなのか、はたまたダメなのか。返ってきた答えは意外なものだった。

 

「・・・ハッ!!」

 

こいつ、寝てやがった。

あまりの真剣味のない鞠莉の行動に、反発の声を上げる。

 

「もう!本気なのに・・・ちゃんと見て下さい!」

 

千歌の“本気”という言葉に思わず反応する鞠莉。

 

「本気?それでこのテイタラークでーすか?」

 

流石の鞠莉の言葉に耐えきれなくなったのか、曜と梨子からも反発の声が上がる。

 

「それは、さすがに酷いんじゃ・・・」

 

「そうです!これだけ作るのがどれだけ大変だったと・・・」

 

要するにAqoursの言い分はこうだ。自分たちは努力したんだから、頑張ったから乏しい結果でも認めてくれ。

その言い分だけは絶対に鞠莉が許さなかった。

 

「努力の量と結果は比例しません!!大切なのは、このタウンやスクールの魅力を、ちゃんと理解しているかでーす!」

 

鞠莉の一喝によってその場が支配される。迷いのないくらいの正論だということは、Aqoursにもすぐに理解できた。同時に、鞠莉には自分たちには見えていない本当の町の魅力が分かっていることが十分すぎるほど痛感させられたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここか・・・」

 

青木と沙希から離れた巧は、とある場所に来ていた。最も因縁深く、最も重要な人のいる場所に。

巧は一息入れてから、その店の扉を開ける。

 

「いらっしゃいませ」

 

巧が店内に入ると、ベテランの風格を感じさせる女性店員が接客に応じる。

 

「本日ご予約のお客様ですか?」

 

店員の質問に対して、巧は別件で来たことを伝える。

 

「ここで働いている園田っていう店員に会いたいんだが・・・」

 

それを聞いた店員は「少々お待ちください」と言って、店の奥に下がっていった。そして、しばらくするとその人物が巧の前に現れた。

 

「やっぱり、巧だったんだ!」

 

「あぁ、久しぶり・・・真理」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、コーヒー」

 

近くの公園に場所を変え、ベンチに腰掛ける巧と真理。途中、自動販売機で買った飲み物を手渡される。

 

「あぁ・・・って、これホットじゃねぇか!嫌がらせかよ!?」

 

巧の変わらない反応に思わず吹き出してしまう真理。せっかく女性らしくなったと思ったのも束の間、中身の方は変わりないようだ。流石にそれは冗談として、もう一本の冷たいお茶と交換する事でその場を収拾させる。

 

「もう二年になるんだ・・・巧は今何やってるの?」

 

巧はどう答えていいものかを考える。またファイズになったなどと言おうものなら、真理の性格を知っている巧にはどうなるかぐらいは分かっていた。

真理は夢を実現させている。ようやく掴み取った夢を自分たちの事情で手放して欲しくはないのが実情だ。

それ故、巧の答えは決まっていた。

 

「今は、静岡でクリーニング事業の展開を啓太郎とってところだな。それより・・・お前、三原と連絡取れないか?」

 

巧は本題である三原の所在を確認する。先ほどのデルタが三原でないことは分かっていたが、現に今も連絡が取れないのだ。

 

「三原くん?最近はあんまり連絡取ってないから分からないけど・・・あとで里奈に聞いてみようか?」

 

「あぁ、頼む。なんか分かったら連絡してくれ・・・じゃあ、行くな」

 

巧はそれだけを頼み、腰掛けていたベンチから立ち上がる。時間が経ったおかげで普通に歩けるようになり、つい先ほどまで覚束ない足取りだったことなんか微塵も感じさせなくなっていた。

 

「巧!」

 

急に真理に呼び止められる。巧は振り返って真理を見据える。

 

「頑張って!私も、頑張るから」

 

思ってもいなかった真理の激励の言葉を受けた巧だったが、自然と笑みがこぼれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の朝、千歌たちは地域で恒例の海開きのため近くの砂浜に集まっていた。早朝にもかかわらず、浦の星女学院の生徒だけでなく近隣住民から全てが集合していた。

 

「・・・これなんじゃないかな?この街や、学校の良いところって」

 

初めてその様子を見た梨子がポツリとそう呟いた。それを聞いた千歌が何かを思い出したように、近くの高台に登って宣言した。

 

「あのー!みなさん!私達、浦の星女学院でスクールアイドルをやっているApoursです!!学校を残すために・・・生徒を沢山集めるために・・・皆さんに協力をしてほしいことがあります!」

 

千歌の宣言を聞いていた内浦の住民たちの視線が一点に集中する。そんな中でも千歌には昨日のダイヤの言葉がずっと頭の中で渦巻いていた。

 

(残念ですけど・・・ただ、あなた達のその気持ちは嬉しく思いますわ)

 

ダイヤのあのもの哀しそうな目を見た時からずっと考えていた。自分たちだけではどうしても限界がある。しかし、梨子の言葉でようやく気がついた。この町はこんなにもたくさんの人の温かさで溢れていることに。直接でなくてもいい、みんなで少しずつ力を合わせて作り上げたものだからこそ価値があることを。

 

「みんなの気持ちを形にするために!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クッ・・・アハハハハハ!!よくもまぁくだらない事言ってんなぁ!」

 

突如としてその場に不穏な空気が流れる。明らかに浮いている男たちの発言を取り消すように求める。

 

「な、何ですか!?くだらなくなんかありません!取り消して下さい!」

 

千歌が抗議の言葉を上げたが、それに対する男たちの返答は意外なものだった。

 

「取り消すわけないでしょ・・・だって君達は死ぬんだから」

 

そう言って、男たちはその身をオルフェノクに変化させた。

サボテンの特質を備えた“カクタスオルフェノク”とフクロウの特質を備えた“オウルオルフェノク”だ。

 

「さぁて、何人死ぬかな?」

 

オルフェノクの姿を見た途端、浜辺に集まっていた人々が逃げ惑う。うごめく人の波に押され、Aqoursはもちろん集まった人々すらまともに逃げられない状況だった。

状況は絶望的と思われた最中、オルフェノクに抵抗するものが現れた。

 

「ハアアッ!!」

 

突然、背後からオルフェノクを蹴り飛ばす男が現れたのだ。千歌がその人物の顔を確認した瞬間、その名を叫んだ。

 

「巧くん!!」

 

オルフェノクを退けた人物はやはり巧だった。Aqoursの存在に気づいた巧は、安否を確認する。

 

「お前ら・・・何やってんだ!?早く逃げろ!」

 

巧の問いかけに対して、梨子が答える。

 

「駄目なんです!私たち、やる事があるんです!それには町のみなさんの力が必要なんです!」

 

よく見ると、千歌たちよりも奥に逃げ惑う人々がいる事に気づいた。巧はこの状況を打開するにはオルフェノクを倒すほかないことを痛感させられる。

 

「んなこと言ったって・・・ベルトだベルト!!」

 

尚も向かってくるオルフェノクに素手で立ち向かう巧。しかし、二体のオルフェノクによる攻撃に耐えきれず、体ごと地面に強く叩きつけられる。

 

「誰だか知らないけど、お前から殺してやるよ」

 

「恨まないでよね」

 

カクタスオルフェノクとオウルオルフェノクが巧ににじり寄る。

しかし、ここでようやく待っていたものが巧の手に。

 

「乾くん!」

 

背後からかけられた木場の声に振り向くと、少し遅れてカイザギアが投げ渡された。

 

「待ってたぜ・・・木場!」

 

巧はそれを掴み取り、装着してすぐさまカイザフォンに変身コードを入力する。

 

“9・1・3 Enter Standing By"

 

カイザフォンを閉じて天高く掲げ、流れる動作でバックルに装填した。

 

「変身ッ!!」

 

“Complete”

 

音声と同時に黄色いラインが全身に伸びていき、黄色い閃光が薄暗い浜辺を強く照らす。

光が止んだのと同時に、カイザへの変身が完了する。

巧は攻撃を受けた箇所に手を当てながら、憮然とした様子で自分を鼓舞する。

 

「いってぇな・・・だが、やっと本調子になれたぜ。今度はこっちの番だ!」

 

カイザは軽く手首をスナップさせると、オルフェノクに向かって走り出したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダァアア!遅刻だ遅刻!なんで木場の奴起こしてくれねぇんだよ・・・んあ?」

 

その頃、海堂は砂浜から少し離れた道を走っていた。あの後巧の計らいで二人は再会し、過去のことは水に流すことで和解して、今もまた同じ屋根の下で住んでいるのだ。

人間を守るという信念は変わらずに。

 

「やぁ・・・久しぶり。薄汚いオルフェノク君」

 

この男が現れたことで事態は一変することとなる。

 

 




Open your eyes for the next φ’s

「なんかさ・・・このままいったら、ラブライブ優勝できちゃうかも」

「Aqoursの皆さん・・・東京スクールアイドルワールド運営委員会・・・って書いてあります」

「私達の乗り越えられなかった壁を、乗り越えてくれることを」

「彼女たちを守れるのは、君だけじゃないんだよ・・・変身ッ!!」

第18話 暗躍する狂気
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