ラブライブ!サンシャイン!!夢の守り人   作:自由の魔弾

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いつの間にか草加にジェラシー感じてた時のたっくんに戻ってる気がします。Aqoursのお兄さん的ポジションだったはずなのに・・・何故だ?(お前が書いてるんだろうが)
P.S.今更ですが、クウガTシャツ(黒、白)を買いました。次はアークルだ!(10万)


第22話 亀裂 〜Χの苦悩〜

巧と別れたAqoursは帰りの電車内で自分たちのライブ、投票数0について各々が話していた。そしてその中には当然、巧の謎めいた行動について話題が上がらない訳がなかった。

 

「ラブライブを馬鹿にしないで・・・か。でも、そう見えたのかも」

 

曜の呟きに便乗し、善子が募らせた怒りを爆発させる。その怒りの矛先は当然、乾 巧だ。

 

「東京まで来て投票数0だし、あんな嫌味言われるし、それもこれもあの人のせいじゃない!普通だったら私たちに投票するはずでしょ!?あんな事・・・言ってたけど、本当は私たちのこと応援する気なんてないんじゃないの!?」

 

「善子ちゃん、少し落ち着くずら」

 

「乾さんに限って、そんなことないと思うけど」

 

それに対して即刻否定する花丸と梨子の気迫に圧倒され押し黙る善子。あまりの速さに恐怖すら感じてしまう善子だった。

Aqours内に異様な雰囲気を感じた千歌が、話題を切り替える。

 

「あの、私は良かったと思うけどな。努力して頑張って東京に呼ばれたんだよ?それだけで凄いことだと思う」

 

千歌は悟られないように視線を逸らして呟いた。

 

「胸張って良いと思う。今の私達の精一杯が出来たんだから!」

 

そんな千歌の言葉に違和感を感じたのか、曜が揺さぶりをかける。

 

「千歌ちゃんは・・・悔しくないの?」

 

「えっ・・・?」

 

曜の言葉に一瞬の静寂がAqoursを包み込む。千歌も一瞬返答に困ったが、すぐに明るく振舞ってみせた。

 

「それは・・・ちょっとはね。でも満足だよ!皆であそこに立てて、私は嬉しかったから」

 

曜の中で違和感は確信に変わった。

 

「・・・そっか」

 

しかし、あくまで気持ちを隠し通している千歌に対して、これ以上の追及は出来なかった。曜は千歌との間に初めて確執が生まれたように思えてしまった仕方がなかった。幼馴染で親友であるはずなのに、思いの丈一つですら打ち明けてくれないなんて・・・私は必要じゃないの?と。

一体いつから心のすれ違いが生まれてしまったのだろうか。そんな曜の心は、沼津に続く電車と共に揺れ動くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お〜い!おかえりー!』

 

沼津に帰って来たAqoursを出迎えたのは、浦の星の生徒たちだった。Aqoursの姿を見るや否や、早速取り囲んで歌詞は間違えなかったか、緊張しなかったかと言ったこたを矢継ぎ早に質問する。

その質問に一瞬でも緊張したAqoursの空気を察したのか、千歌が慌てて取り繕う。

 

「あ、あのね、今までで一番のパフォーマンスだったねって、皆で話してたとこだったんだー」

 

千歌のその言葉を受けて、さらに盛り上がる生徒たち。

 

「もしかして本気でラブライブ狙えちゃう!?」

「わざわざ東京に呼ばれるくらいだもんね!」

 

生徒たちは口々にAqoursへの期待の言葉を口にする。そんな言葉を受けたAqoursの空気は次第に重くなっていくばかりだった。東京まで行って投票数0だったなんて、Aqoursを応援して送り出してくれた人たちに申し訳がなくて、一体どんな顔をすればいいのか。もちろん、その中には巧も入っていた。今思えば、Aqoursに一番期待していたのは、ずっと近くで見てきた巧だったのかもしれないと。

千歌たちはAqoursへの期待の重圧と自分たちの無力さを感じずにはいられなかった。

そんな時、彼女たちの前に意外な人物が現れる。

 

「おかえりなさい」

 

現れたのは浦女の生徒会長である黒澤ダイヤだった。スクールアイドルの活動をよく思っていないはずのダイヤがなぜここにいるのか。気になる千歌たちだったが、姉であるダイヤの姿を見たルビィは堪らず抱きついてその悲しみをぶつけた。

 

「・・・お姉ちゃんッ!!」

 

堪えきれず涙を流すルビィ。期待して送り出してくれた人たちに恥じる結果で帰ってきてしまったことが、よほどこたえたようだった。特にスクールアイドルが好きなルビィには、この結果が何を意味するのかが、痛いほどわかっているのだ。ルビィを抱きとめたダイヤは特に責める事もなく、ただ一言「よく頑張ったわね」と労いの言葉をかけた。その言葉一つですら、ルビィにはもちろんAqours全員にとっても言葉に出来ないほど胸にしみるものであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ただいま〜」

 

同じ頃、巧は一足早く十千万に帰ってきていた。が、その顔に覇気はなく何処か問題を引きずっているといった様子だ。

巧の声に反応したのか、奥からパタパタと小走りで出迎える人物がいた。

 

「おかえりなさい〜って、あれぇ?巧くんだけかな?てっきり千歌も一緒だと思ったんだけど・・・あれ、巧くん・・・なんか老けたかな?」

 

「小学生みたいな見た目のあんたに言われると、嫌味でしかねぇな。久しぶり、小母さん」

 

その人物とは高海家の母にして、千歌以上に小柄な上に千歌の妹と疑われてもおかしくないほどの童顔の持ち主でありながら三人もの娘を身籠っているトンデモママ。 通称「千歌ママ」である。

 

「小母さんがここに居るなんて珍しいな。何かあったのか?」

 

巧は荷物を居間に置くと座り込んで千歌ママにこの場にいる理由を聞く。そう、この千歌ママは普段は十千万に住んでいない。確かに月に何度かは帰ってくることはあったが、少なくとも連絡はあった。しかし、今回は完全にお忍びだ。

 

「んーっとね、うちの娘たちと巧くんがちゃんと仲良くしてるかな〜って思って・・・心配で見に来ちゃった♪」

 

「まぁ今日中に戻るんだけどね」と言って、巧に可愛らしくウインクする千歌ママ。見た目は子供でもその仕草と感性は何処か昭和チックで、背伸びをした平成っ子にしか見えなくて面白い。

 

「そうか。まぁ、千歌たちとは問題・・・なくやってるよ」

 

巧は言葉の途中で今日のことを思い出し、一瞬言葉に詰まりかける。そんな巧の異変を千歌ママは見逃さなかった。

千歌ママは何も言わずに、巧の頭に手を伸ばす。

 

「えいっ・・・くっ!と、届かない・・・」

 

が、巧と千歌ママの身長差からその手が巧の頭に届くことはなく、ギリギリ肩に届く程度だった。別段今回が初めてじゃないので、巧は黙って千歌ママの手が問題なく届く高さまでしゃがみこむ。

 

「よいしょ・・・っと。えへへー、しゃがんでくれてありがとー。でも、どうしたの?」

 

千歌ママは巧の頭をなでながら、巧の隣に座って何があったのか話を聞く。普段はおっとりしているせいか、時折見せる真剣な表情に魅せられる巧。気づけば今日のことを話していた。

千歌たちに訳あって投票しなかったこと。スクールアイドルである千歌たちが命を狙われているにも関わらず、喧嘩別れのようになってしまったこと。かと言って、自分だけに非があるわけでもないので変に意固地になっていることなどなど。

その全てを聞いた千歌ママは、巧を優しく抱きしめてふと呟いた。

 

「不器用なんだね、巧くんは。辛くないの?」

 

千歌ママの腕の中にすっぽりと巧の頭だけが埋まる。巧はこれ以上の甘えは自身を滅ぼすと考え、名残惜しいと思うもゆっくりと千歌ママの腕を離しながら答えた。

 

「いいんだよ。俺が受け止めれば済む話だ」

 

「んぇ?な、何かな?」

 

逆に千歌ママの頭を少し乱雑に撫でる巧。普段の巧を知っている千歌ママでさえ、今の巧の行動は予想外で驚くべきことだったが、巧の出生について以前に聞いたことがあることを思い出し、すぐに納得した。

巧は幼き頃、事故で命を失いかけた。その後も一人で生き抜くために職を転々とし紆余曲折を経て啓太郎と出会い、今に至るということを。

それ故に巧は幼き頃受けるはずだった、母親からの愛に飢えていると。

 

「何かあったらいつでも頼っていいんだからね?こう見えても、三人の娘をもつお母さんなんだから!」

 

えっへんといった様子で胸を張る千歌ママ。容姿に似合わず一部が強調されていたが、巧にはちゃんとその意思は伝わったようだ。

 

「調子狂うな・・・ありがとな、小母さん。少し楽になった」

 

ここで初めて巧の笑みを見た千歌ママは満足したのか、おもむろに立ち上がって奥の部屋に入っていく。しばらくして戻ってきた千歌ママだったが、その手には何やらこの家の雰囲気に似合わないものが握られていた。

 

「そういえばさっき、男の人がこれを届けに来たんだけど・・・巧くん、これ何か分かるかな?私、機械ってあんまり得意じゃなくて・・・って、巧くん?お〜い」

 

千歌ママの持って来たものを見て、思わず硬直してしまう巧。巧がそうなるのも無理はなかった。千歌ママの手に握られていたものは、ファイズやカイザと同系列の青いラインのベルト“サイガドライバー”だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そろそろかしら、あの子たち。ちゃんと歌えたかしら?私たちみたいにならなければいいんだけれど・・・あなたはどう思う?ユージ」

 

夜の内浦の風を受けているのは小原鞠莉と木場勇治だ。もともと親交があった二人は時々時間を合わせてあったりしている。今日はとある人物と待ち合わせをしていたのだ。

 

「どうですかね?でも、例え上手くいかなくても大丈夫ですよ」

 

「どうして、そう言い切れるの?」

 

そう明言する木場にその根拠を問いかける鞠莉。

木場は確信を持って答えた。

 

「生きるって失敗や後悔の連続だと思うんです。上手くいかないことや心のすれ違いだって多くあると思います。でも、それって結局は意志の持ちようですよ。だから、自分を強く持っていれば大丈夫です」

 

自分の経験上、人間を信じきれず誤った選択をしてしまったことが、今でも脳裏に焼き付いている。もし、あの時の自分を止められるならば、迷わずに自分を殴るだろう。

木場の言葉を受け鞠莉は思わず言葉を呑む。

その時、待ち合わせをしていた人物が二人の前に現れた。

 

「ダイヤから聞いた。千歌達のこと。スクールアイドルを復活させるなんて・・・あの時言ったはずだよ。もう私たち、もうダメかもしれないねって。この意味、分かってるはずでしょ?」

 

鞠莉と木場の前に現れたのは、かつての同胞で共に同じ未来を夢見た親友の松浦果南だった。

 

 

 

 

 

 

 

 




Open your eyes for the next φ’s

「7236・・・なんの数字か分かりますか?」

「何が悪かったの?街の人も学校の人も、スクールアイドルだと応援してくれたじゃない」

「このベルトは・・・一体何だってんだよ!?」

「12年ぶり・・・俺の故郷」

第23話 正体不明の希望
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