そして、いつの間にかアマゾンズS2も終わっていた事実。テレビで放送してほしいですが、また規制かかって色々カット(パニッシュ)されるんだろうなぁ。
それはそうと、皆様にお願いがあります。不定期更新の分際で生意気言わせていただきますと、ご感想のほどをよろしくお願いいたします。やっぱり反応が返ってくると面白いですし、励みになるので!
それでは、どうぞ!
「鞠莉・・・本気で千歌たちにスクールアイドルをさせるつもりなの?あの時のこと、まさか忘れたなんて言わないよね」
鞠莉と勇治の前に現れた松浦果南は、早速千歌たちの活動について言及する。
しかし、鞠莉は特に悪びれる様子もなく答えた。
「もちろん忘れてなんかないし、それに何が悪かったの?街の人も学校の人も、スクールアイドルだと応援してくれたじゃない」
鞠莉の言葉に思わず言葉を飲む果南。二人の異様な空気を感じ取ったのか、勇治が強引に話に加わる。
「えっと、自己紹介が遅れました。僕は木場勇治です。最近、こちらに越して来たばかりでろくにご挨拶もせず申し訳ありません。あの・・・松浦さんですよね?」
木場の物腰柔らかい対応に、怒りを露わにしていた果南も次第に落ち着きを取り戻した。
それでも、鞠莉に対する不満と憤りが無くなったわけではなかった。
「・・・はい、松浦果南です。失礼ですけど、鞠莉とはどういう関係で?」
明らかにその心情は勇治にこの話から遠ざかってもらいたいと言わんばかりのものだった。関係のない人間は口を出すなと。
勇治の立場を危惧した果南に対して、慌てて鞠莉がフォローを入れる。
「ユージは、パパが経営してるホテルの関係者のお友達で、次のプロジェクトの関係でここの魅力を調査しに来てもらったの!さぁ、ユージ!明日も早いから家に帰らなきゃ!ほら、早く!」
「えっ、ちょっと小原さん!?」
鞠莉によって強引に背中を押し出される勇治。鞠莉の突然の行動に困惑する勇治だったが、振り返り際に一瞬だけ見えた鞠莉の悲しみに溢れた瞳によって、それ以上の言葉は出てこなかった。
「得票、0ですか・・・やっぱりそういうことになってしまったのですね」
駅から少し離れた場所でAqoursと合流したダイヤが東京での結果の報告を受けていた。しかし、その様子は何処か変であたかも最初から分かっていたというような口ぶりだった。
「先に言っておきますけど、あなた達は決してダメだったわけではないのです」
ダイヤはそう言って泣き疲れて寝てしまったルビィの頭を撫でながら、その敗因について話し始めた。
彼女の見解では、Aqoursはスクールアイドルとして十分練習を積み、見てくれる人を楽しませるに足りるだけのパフォーマンスもしている。それにも関わらず、彼女たちにはある重大な部分が欠けているという。
そんな中、不意にダイヤはある事を問いかけた。
「7236・・・なんの数字か分かります?」
身に覚えのない数字に困惑するAqours。善子が自分のリトルデーモンの数だと言いかけるも、すぐさま花丸に却下されて結局のところ、その答えにたどり着くことはできなかったため、ダイヤがその答えを教えた。
「去年エントリーした、スクールアイドルの数ですわ。第一回大会の10倍以上」
彼女の言い分をまとめるとこうだ。
ラブライブの大会の開催によって、スクールアイドルの存在は爆発的に浸透していき、特にA-RISEとμ’sによって、その人気は揺るぎないものになりアキバドームで決勝が行われるまでになった。全国的に注目を集め少女たちの夢ともいうべきものになっていき、その副産物として多くのライバルを生み、結果としてレベルの向上を生んだのだという。
「あなた達が“実力で”誰にも支持されなかったのも、私達が歌えなかったのも、仕方ないことなのです。2年前・・・既に浦の星には統合になるかも、という噂がありましてね・・・あれは!?」
ダイヤが過去の存在である浦の星のスクールアイドルについて語ろうとしたその時、ふと目線の先に苦しそうにうずくまる男に気づき急いで駆け寄る。少し遅れてAqoursも駆け寄ってその容態を確認すると、彼女たちにとって見覚えのある症状だった。
「あなた、この手は・・・だ、大丈夫ですか!?あなた達は下がっていなさい!」
ダイヤがうずくまる男の両腕が黒ずんだ灰色に染まっている事に気がついて、Aqoursの視界に入らないように制止の声をあげる。幸いにも一年生組はルビィの介抱に集中していたため視界に入らなかったようだが、事情を知っている二年生組は既に巧に連絡をしていた。
その時、男が苦しみながら必死に声をあげる。
「頼、む・・・ベルトを外して・・・グゥウアアッ!!」
ダイヤは男の言葉に反応し、腹部に巻かれている銀色のベルトの存在に気がつく。過去の記憶を遡るも、巧が持っていた二本のベルトとも形状が似つかないもの(携帯電話をセットする部分がない、ベルトの片側が帯状に変わっているなど)と判断した。
その言葉の通りベルトを外そうと試みるダイヤ達だったが、彼女たちの力ではベルトが外れることはなかった。そんな最中痛みにもがき苦しむ男に、遂に終わりの時が訪れる。
「そんな・・・頼む、助け・・・ッ!?」
男の声が聞こえなくなると同時に、その体は灰となって崩れ落ちてしまった。その様子にAqoursのメンバーは悲鳴をあげてしまうが、ただ一人ダイヤだけは最後まで目を離さなかった。全てが消えてしまった瞬間、遅れて巧も合流する。
「どうした!オルフェノクか!?」
Aqoursのもとに駆けつけた巧は一瞬だけ自分に向けられる冷たい目線が気になるも、消えた何かを見つめるダイヤに声をかける。
「黒澤!あんたも来てたのか・・・」
巧に声をかけられたことで、ベルトに意識を向けていたダイヤが我にかえる。
「乾さん。あなたはこのベルトのこと、何かご存知なのでは?」
ダイヤはそう言って、持っていたベルトを巧に手渡す。巧はそのベルトを見て、自分がよく知るものだと気づき驚いた。
「このベルトは・・・一体何だってんだよ!?」
昂ぶる感情を抑えきれず、地面にベルトを叩きつける巧。突然の行動に困惑するAqoursだったが、ダイヤだけはその様子に疑問を持たなかった。彼女の中で疑惑が確信に変わったのだ。
「教えていただけますね?そのベルトについて」
ダイヤの問いかけに対して黙り込む巧。が、次の瞬間巧たちに向かって何者かの衝撃弾が襲いかかった。
「・・・ッ!?危ない!!」
咄嗟に庇うように前に出て、衝撃弾から彼女たちを守る巧。一瞬の差で間に合ったものの、ベルトは巧から離れ、体の至る所から出血が止まらないほど攻撃をモロを受けてしまい、地面に膝をついてしまった。
「乾さん!私たちを庇って、こんな・・・」
梨子が巧の容態を確認して、急いで傷の手当てをする。しかし、巧はそれを拒んでAqoursとダイヤをこの場から逃すため突き放した。
衝撃弾を放った存在を知っているからだ。
「そんな事は後でいい!それより早く逃げろ!」
巧の鬼気迫る表情が事態の深刻さを物語っていた。そう感じ取ったダイヤはAqoursを連れてこの場から離れるよう誘導する。
「皆さん!今は乾さんの指示に従いましょう。私たちがいたところで足手まといになるだけです。さぁ早く立ち上がって!」
ダイヤの誘導もあって、動揺していたAqoursも何とか落ち着きを取り戻して、その場から離れることができた。しかし、問題はこれから起こると巧には分かっていた。
「隠れてないで出てこい!いるのは分かってんだ」
巧がそう叫ぶと、物陰からスーツに身を包んだ男性が静かに近づいて来た。この場にあまりにも不釣り合いな格好をしていたが、その言動によって理由が証明される。
「今回は3回目でアウトでしたか・・・やはり、人間というものは脆く弱い。そうは思いませんか?乾 巧さん。いや、ファイズというべきですか」
男はデータに記録しながら、地面に落ちているベルトを回収して巧に問いかける。初対面にも関わらず巧がファイズであったことを知っている時点で、この男がスマートブレインの差し金・・・しかも、相当実力のあるオルフェノクであると本能的に感じとっていた。
「お前、何者だ?何でデルタのベルトなんか持ってやがる」
そう、灰となって消えた男性が装着していたのはデルタギアによく似たベルトだったのだ。デルタフォンとデルタムーバが既に一体になっていることやミッションメモリーの色が白から黒ずんだ色に変更されているなど見た目だけで変化が分かるほどだ。
「あなたが気にする事はありません。今日はご挨拶に伺ったまでです。それにあなたという人物に興味があったので。お手合わせはまた今度にしましょうか。それでは」
男は巧に向かって再び衝撃弾を放った。しかし、先ほどとは違いあくまで目くらましの意味を込めたもので、巧に直撃する事はなかった。
「あいつ・・・デルタのベルトで何するつもりなんだ」
巧の問いかけに答えが返ってくることはなかった。ここへ来て事態が明らかに進み始めている事に気づき焦る巧。2年前の戦いに決着をつける必要があると自分を奮い立たせ、ある決心をするほどだった。
そして、同じ頃この内浦にもう一つの新たな風が吹き込もうとしていた。
「12年ぶり・・・俺の故郷」
その人物を僕たちはまだ知らない。
Open your eyes for the next φ’s
「私は・・・諦めない!必ず取り戻すの!あの時を!」
「うん。少し考えてみるね」
「このベルトはお前に持っていてほしいんだ」
「千歌・・・君のために帰って来たんだ」
第24話 0からRe:Start