今まで書いてきた短編とは別の設定となっています。
では、ご覧下さい。
「おい安斎!」
「どうした西住。
何を怒ってるんだ?」
「アンツィオからのスカウトを受けたというのは本当か!」
「あぁ、その話か。
本当だ、それがどうかしたか?」
「黒森峰に入るんじゃなかったのか!」
「あんなに頼まれたら仕方がないだろ。」
「そんな理由で!」
「それになぁ、西住。
わたしは試してみたいんだ。
安斎千代美という人間がどこまでやれるのか・・・な。」
「それでも私は!お前と・・・お前と戦車道を続けたかったんだ!
私の隣で一緒に戦って欲しかったんだ!
なのに・・・なのに・・・。」
「な・・・泣くな西住!
私だって悩んだんだ!
でも・・・もう決めたんだ。」
「安斎。」
「だから、約束だ西住。
またいつか、一緒に戦車道をやろう。」
「本当か?本当にいつかまた、一緒に戦ってくれるのか?」
「あぁ、約束だ。」
「・・・違えだら承知しないぞ。」
「あぁ、分かってる。」
「それともう一つ約束しろ。
どうせやるなら絶対にアンツィオの戦車道を立て直せ。」
「あぁ、分かってる。
だからほら、もう泣きやめ。」
「うぅ、安斎ぃ・・・」
「・・・ごめんな、西住。」
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「久しぶりだな安斎。」
「安斎じゃない、アンチョビだ。」
「なんだそれは、ふざけてるのか?」
「ふざけてない!ソウルネームだソウルネーム!」
「ソウルネーム・・・フフ。」
「笑うな!」
「すまん、おかしくてついな。」
「まったく。
それより今日はありがとうな、練習試合の申し出に応じてくれて。」
「他ならぬお前からの頼みだからな。
それにしても1年でここまで立て直すとはな。」
「お前との約束だからな。」
「・・・そうか。
だが私たちが相手というのはいささか厳しくないか?」
「あぁ、なにしろ能天気な連中だからな。
一度盛大に負ければ惜しさからやる気が出ると思ったんだ。」
「・・・その割りにはあまり気にしてないようだな。
むしろウチの生徒を巻き込んで盛り上がってるが」
「・・・あのやる気がもう少し戦車道に向けばなぁ。
まぁまだ時間はあるんだゆっくりやって行くさ。」
「そうか。」
「そういえばそっちの副隊長、お前の妹だったよな。
いい選手だが、現状に無理やり納得しているような感じだ。」
「そうだな、今のアイツにとって戦車道はただの足枷でしかないだろう。」
「やはりそうか。
なんだか昔のお前に似てるな。」
「あぁ、たしかにあれは昔の私だ。
だからいつか、アイツにも自分の戦車道を見つけて欲しい。
だから支えてやりたいんだ、昔お前がしてくれたように。」
「そうか、だがあまり無理するなよ、西住」
「わかってるさ、安斎。」
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「安斎・・・」
「ど・・・どうしたんだ西住。
わざわざこんなところまで。
ていうかなんで泣いてるんだ?」
「安斎・・・私は・・・私は・・・。」
「・・・とりあえず中に入れ、西住。」
「うん・・・」
・
・
・
「落ち着いたか?」
「あぁ、ありがとう安斎。」
「・・・なにがあったたんだ。」
「みほが・・・戦車道をやめた。」
「・・・」
「そして、黒森峰から大洗に転校した。」
「・・・家元か。」
「みほは何も間違ってない!間違ってないんだ!
なのに・・・なのに私は、何も出来なかった。
大切な妹が苦しんでるのをただ見ているしかできなかった。」
「・・・西住」
「私は・・・無力だ。」
「好きなだけ泣いていいぞ、私の胸の中でくらい、弱いお前いいんだ、西住。」
「ぐすっ、えぐ、安斎ぃ・・・。」
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「あの、安z・・・アンチョビさん。」
「なんだ、西住。」
「あの・・・お姉ちゃん、今どうしてますか?」
「どうしてるって・・・なんだ、連絡とってないのか?」
「・・・はい。」
「・・・泣いてたよ。」
「え?」
「お前のために何もしてやれなかったって、子供みたいに泣いてた。」
「・・・」
「でも今は違う。」
「え?」
「抽選会でお前の姿を見たって、戦車道をまた始めたって、自分の事のように喜んでたよ。」
「お姉ちゃん・・・。」
「なぁ、西住。」
「なんですか?」
「見つけられそうか?お前の戦車道。」
「・・・はい!」
「そうか・・・それじゃあ次のプラウダ戦、頑張れよ、西住。」
「はい!安斎さん!」
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「決勝戦、おつかれさま、西住。」
「あぁ、ありがとう、安斎。」
「・・・」
「・・・」
「負けたな。」
「あぁ、負けた。
正真正銘の一騎打ちでな。」
「その割には悔しそうに見えないな。」
「・・・みほが笑っていた。」
「・・・そうか。」
「自分の戦車道を見つけたって、幸せそうに笑っていたんだ・・・。」
「よかったな、西住。」
「あぁ、安斎。」
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「今日はお疲れ様だな、西住。」
「あぁ、お互いにな、安斎。」
「よかったな、妹の学校、廃校にならないで。」
「あぁ、それにしても、タンケッテでジェットコースターのレールの上にのるとはな」
「まさか真似をされるとは思ってなかったんだよ。」
「怖かっただろ。」
「すごくな。」
「・・・」
「・・・」
「なぁ、安斎。」「なぁ、西住」
「・・・お前から言え、西住。」
「いいのか?」
「あぁ。」
「・・・なぁ、安斎。
お前大学はどこに行くのか決めてるのか。」
「いや、まだだが。」
「そうか・・・」
「それがどうかしたのか?」
「・・・なぁ安斎!」
「うお!なんだ西住。」
「お前の都合があるのも重々承知だ!
だから無理強いはしないがその・・・。」
「なんだ?」
「わ・・・私と、同じ大学に行ってくれないだろうか!」
「え?」
「今回の戦いで、確信したんだ。
私はお前と共にもう一度戦いたい!
もう一度、お前と2人で戦車道をしたいんだ!
・・・だめだろうか。」
「・・・フッ、あはははは!」
「な・・・なぜ笑う!こっちは真剣に頼んでるのに!」
「いやぁ悪い悪い、
真剣に話すからついな。」
「むぅ・・・」
「私も同じことを言おうとしたんだ。」
「え?」
「ほら、約束しただろ?いつかまた一緒に戦車道をやろうって。」
「・・・覚えていたのか。」
「忘れるわけないだろう、お前との約束だぞ。」
「・・・」
「え!?おい!なんで泣くんだ!」
「すまん、お前の前だとつい涙腺が緩んでしまう。」
「それは嬉しいが、逸見に見られでもしたら私の身が危ないから我慢してくれ。」
「・・・正直不安だったんだ、アンツィオでのお前はすごく楽しそうで、ひょっとしたら私との約束なんて忘れているんじゃないかって。」
「バカだなぁ、そんなわけ無いだろ。」
「あぁ、そうだな。」
「だがその前に、一つだけをやっておくことがある、西住。」
「・・・あぁ、そうだな、安斎。」
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「なぁ西住。」
「なんだ、安斎。」
「本当にいいのか?戦車と生徒を借りて。」
「ああ、互いに対等でないと決戦とは言えないだろ。」
「だからってこんな馬鹿な事に他の生徒を巻き込んでよかったのか?」
「みんな案外乗り気だぞ。
お前の本気を見たいんだそうだ。」
「フフ、そうか。
・・・さて、そろそろ始めるか西住。
戦車道史上、最も無駄な戦いを。」
「ああ、今この瞬間だけは、隊長でも選手でもない。」
「苛烈に、貪欲に、ただただ勝利を求める、
ただ純粋な、」
「「戦士としての戦いを!」」
「行くぞ!西住!」
「来い!安斎!」
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「なぁ、安斎。」
「なんだ、西住。」
「・・・いよいよだな。」
「あぁ、たった3年なのに、こんなに長く感じるとはな。」
「やっと・・・やっとお前と共に戦える。」
「あぁ、一緒に暴れ回ろう!」
「あぁ、いくぞ、安斎!」
「あぁ、西住!」
まほ姉にもすべてを打ち明けられる、
仲間であり友でありライバルがいたらいいなぁと思って書きました。