やはり俺がドキドキ!させられるのはまちがっている   作:トマト嫌い8マン

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うーん、こっちはなかなか進められなくて、なんか、すみません

じゃあ、すっごい短いけど続ける意志があると示すためにも、どーぞー


お休み気分

「に、」

「「に?」」

「にゃぁぁぁあ!?」

 

朝っぱらから元気すぎる叫び声をあげて、小町はリビングを飛び出し、部屋へと戻っていった。おそらく着替えにいったのだろうが、今更すぎるんじゃないかね、妹よ。

 

「……なんか、妹がすまん」

「あははは……小町ちゃん、寝るときラフな格好なんだね」

「まぁ、本人曰く楽だから、らしいけどな。何度止めても聞いてくれない」

「そっかぁ」

 

やばい。相田のこんな気まずそうな表情初めて見た。まぁ流石に知り合いの男の子の家に行ったら、その妹があんな格好で出てくるとは思わないわな。というか俺の服なのは見たらわかるわけで……あれ?これあらぬ誤解かけられてない?

 

「あなた、妹がいたの?」

「あ、おう。二つ下のな」

「そう」

「あ」

「何?」

「あ、いや。あいつ剣崎のファンらしいからさ、サインとかしてやってくれないかなぁ、なんて」

「別にいいわよ」

 

リビングのCDとかがしまってある棚から、一つのCDを取り出す。剣崎真琴の最新シングル「song bird」、小町が発売当日に買いに行って、入手できたことを大喜びしていたのをよく覚えている。

 

「なら、これに頼むわ。宛名は小町で」

「ええ。これでいい?」

「サンキュー」

 

スラスラと書いて手渡してくれる剣崎。流石トップアイドル。先程の出来事にも全く動じていない。

 

と、また階段を駆け下りる足音が聞こえる。今度はちゃんと私服に着替えた小町が、息を切らせ、やや恥ずかしそうに下を向きながら、リビングに入ってくる。

 

「お、お騒がせしました……」

 

こんなにうるさくない、もといおとなしい小町は、ずいぶん久しぶりに見る。まぁ無理もない。

 

「あはは、おはよう小町ちゃん」

「マナさん、おはようございます」

「うん。1日の始まりは挨拶から。えらいえらい!」

 

褒めながら小町の頭を優しく撫でる相田。流石の手際の良さというか、手馴れているというか。どうやら小町も嬉しいらしく、少しは元気が出てきたようだ。

 

「でも、いくら家の中でもそろそろ中学生にもなるんだから、ちゃんとした格好しないとね」

「うう……マナさんにも言われたぁ。小町も、そろそろお兄ちゃんの服、卒業かなぁ」

 

いや卒業も何も、最初から着ることの方がおかしいっての。普通妹の方が嫌がるだろ、兄の服って。どうなんだよ、全国の妹持ちの兄貴たち!?まぁ、聞いたところで答えはないんですけどねぇ。

 

と、ここで「ふにゃぁ〜」って猫みたいな声を出していた小町が正気に戻った様子。人懐っこい笑みを浮かべ(アニメとかでよく見る目を閉じているような奴)部屋にいたもう一人の客に話しかける。

 

「こんにちは、兄の妹の小町です」

 

頭を下げながら、元気よく挨拶する。おや、確か小町は剣崎のファンだったからもっと喜ぶかと思っていたのだが……

 

「初めまして。剣崎真琴よ、よろしく」

「はい。いつも兄がお世話になっています……って、えっ!?」

 

目をパチクリさせ、顔を上げる小町。一応変装用のメガネをかけているとはいえ、あの至近距離で見間違えるはずもない。

 

二、三度瞬きをする小町。様子がおかしい。相田や剣崎と顔を見合わせ、首を傾げる。

 

「ま、」

「「「ま?」」」

「まこぴーだ〜!?」

 

本日既に2度目の大声をあげ、小町が剣崎の正面のソファに、後ずさるようにしながら座り込む。なんだ、そのアニメとかでよく見る謎のリアクション?そういう芸人を目指しているのだろうか。

 

「え、本物、ですよね?」

「え、ええ」

「何でまこぴーがリビングに!?」

 

ぐりん、と顔をこちらに向ける小町。朝からテンションが高すぎるんじゃないか、こいつ。

 

「あー、相田が連れてきたんだよ」

「何と!マナさん、まこぴーとお友達だったんですか?」

「そうだよ」

 

満面の笑みを浮かべる相田。一方剣崎の方は何だか照れくさそうだ。まぁ、なかなか慣れないよな、相田みたいにストレートにそういうこと言ってくれる奴って。

 

 

結局、この後小町が剣崎に握手を求めて、OKが出ると「ふぉぉ〜」、と何やら恍惚の表情を浮かべたり、相田によって剣崎がうちの学校に転校して来た事がバラされて小町に詰め寄られたりとバタバタしたため、当初の予定よりも少し遅い時間に家を出ることになった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「うーん、小町ちゃんいい子だね」

「まぁ俺がいうのも何だが、あいつはそういう交流スキルはやたらと高いからな」

「小町ちゃんみたいな妹、私も欲しいなぁ」

 

ソリティアについた俺たちは、用事があるとかでどこかに向かったあの怪しい男からアイちゃんを預かり、外のベンチに座っている。

 

妹がいるその様子を想像しているのだろうか、アイちゃんを抱きながら、相田が楽しそうにニヤニヤしている。しかし、男子がニヤニヤするとキモいとか言われるのに、相田のような美少女がすると、どうしてこう微笑ましい気持ちになるのだろうか。

 

「そういや、今日は菱川と一緒じゃないのか?」

「えっ、うん。後でソリティアで合流することになってるんだ」

「ほーん」

 

それもそうか。相田と菱川だって、いつも一緒にいるわけではないのだろう。しかし、俺の記憶している限りでは、相田と菱川が一緒にいないことなんて、片手で数えるほどしかない。そのためか、何か違和感に近いものを感じる。

 

「まこぴーも、抱っこしてみる?」

「えっ、でも」

「ほら」

 

相田からアイちゃんを渡される剣崎。アイちゃんが剣崎に笑いかけると、いつもの感じとは違う、少しデレっとしているような笑顔を剣崎も見せる。さすがは赤ちゃん。女の子には大人気の存在だな。

 

「ほら、ミルクをあげて」

「ええ」

 

ラビーズの力で召喚した哺乳瓶を手に取り、アイちゃんへと差し出す剣崎。哺乳瓶を口にし、アイちゃんが美味しそうに飲み始める。

 

おお〜、剣崎の表情が緩んでらっしゃる。やっぱり普段気を張っていても、女の子なんだよなぁ。可愛いもの好きなんですね、わかります。

 

「ほらほら〜、アイちゃん。パパ……は、八幡君だから、まこぴーは……お姉ちゃん?」

「おい、それ色々とおかしいだろ」

 

剣崎の立ち位置もだけど、何さらりと俺をパパ扱いしてるの?つーかそれ、ママがお前ってことは……いや、相田のことだ。多分何も考えていないんだろうな。

 

「もうママが四人ってことでいいんじゃねぇの。別におままごとやるわけじゃねぇんだし、役職にこだわる必要もないだろ。とりあえず、相田が保護者筆頭、みたいな感じで」

「そっか!じゃあママが四人で、パパが一人だね」

 

しまった、悪化した。というかこれはめんどくさい。何がって言ったらこの会話を学校の連中や、そうでなくてもご近所に聞かれたらまずい。

 

「ん?」

 

ふと辺りを見渡すと、菱川とありすが近くに立っているのが見えた。こちらに来るでもなく、何処かを見ている。取り敢えず様子を確認しがてら、声をかけてみることにする。

 

「……何してんだ、お前ら?」

「えっ、あ、八幡君。おはよう」

「おはようございます」

「うす。で、何してんの?」

「うん……その、さっきまでここにまこぴーの親衛隊の人がいたの」

「何やら八幡さんのことを見ていましたわ。そう、羨ましそうに、ですわね」

 

そう言ってチラリと、ありすは菱川の方を見た。そのことに、なんとなく納得してしまった。ああそうか。この前の菱川が少しおかしかったのも、そういうことかと。

 

「?何よ?」

「いや、まぁ。なんか納得したっていうか……まぁ、気にすんな」

「えっ?」

 

「ジコチュー!」

 

突然響くあの声。菱川たちが見ていた方向からだ。ということは、まさか、親衛隊の人が?

 

「八幡君は2人を呼んできて!私たちは先に行ってるから。ありす!」

「はい!」

 

走り出した菱川たち。俺も急いで相田たちの元に戻る。見ると2人とも既に立ち上がっている。

 

「相田!」

「うん、ジコチューだよね!」

「すぐ近くだ。菱川たちは先に向かってる」

「わかった。まこぴー、行こう!」

「ええ。この子をお願い」

 

そう言って剣崎がアイちゃんを俺に手渡す。落とさないようにしっかりと抱き抱えて、俺も2人の後を追って走り出した。




はい、ようやくバトルだよ………次が!

長い長いよ
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