やはり俺がドキドキ!させられるのはまちがっている   作:トマト嫌い8マン

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どーでもいーんですけど、
風呂上がりのアイスって最高ですよね!

至極どうでもいい感想すんません

はい。じゃあ続きまーす


託された希望

「先輩プリキュアたちが、みんな捕まってしまったなんて……」

「プリキュア教科書、恐ろしいアイテムですわ」

「それに、この子の影が実体化したものだったなんて……」

 

少し落ち着いた様子のエンエンの話を聞いて見ると、やはり予想していた通り、他のプリキュアたちはみんな捕まってしまい、戦える状態どころではないらしい。

 

グレルの影から生まれたあの敵は、グレルのみんなを見返したいという感情、それを叶えるべく、プリキュアを捕まえるために罠を張ったとのことらしい。

 

しかし影はグレルの負の感情が形を持ったような存在。次第に暴走を始め、今はこの世界を破壊せんと、暴れている。

 

何より厄介なのは敵が所有しているというプリキュア教科書。妖精たちの教材であり、あらゆるプリキュアの特徴や戦い方が書かれているとのこと。つまり、簡単に言えばプリキュア攻略本である。

 

その教科書のために、他のプリキュアたちは攻撃が通じず、変身アイテムやサポートする妖精と引き離されてしまったとのこと。

 

攻略法が分かっている相手など、倒すことは造作もない。ゲームでも言えることだが、それがあるだけで簡単に俺TSUEEEEが出来てしまうわけだ。

 

にしても、そんな危険なものを取り扱っている妖精学校って……

 

「今動けるのは、私たちだけのようね」

 

まさかパーティーに参加するはずが、そんな大役を背負う戦いに挑むことになるとは、本人たちも思っていなかっただろう。それでもプリキュアである以上、いや、相田が相田である以上、助けに行かないわけがない。それに、

 

「キュアハッピーの言葉、ちゃんと受け止めたよ。だから、助っ人に行かないとね」

 

『ちょっとピンチ。助っ人求む』

 

それが最後にキュアハートに伝えて欲しいと、星空、キュアハッピーがエンエンにたくした言葉だそうだ。

 

そんな言葉を相田が無視するわけがない。だから、

 

「マナらしいわね。でも、賛成」

「そうですわね」

「ええ」

 

彼女たちが付いて行くのも、当然の流れだろう……まぁ、こうなると俺も行くしかないわけなんだが……

 

「うぅ……ぅぅ」

「な、なんだよ!俺を見るなよ!そうだよ!俺が悪いんだよ!分かってるよ、そんなこと!」

 

怒鳴り散らすグレルとボロボロと涙を流すエンエン、この2人をまずどうにかしなければならなさそうだ。

 

グレルは罪悪感を感じているが、それを素直に表すことができないのだろう。孤立して、除け者扱いされ、そんな中でも必死に、自分のプライドだけは守りたかったのだろう。1人でも平気だと。でもそれは、その行動や態度は、誰かに見て欲しいという気持ちの裏返しだ。周囲は変わらないし、自分を曲げたくもない。だからこそ自分を騙して、気持ちを偽って……その葛藤が、そして願望が、今回の事件につながってしまった。

 

エンエンの場合は罪悪感だけではなく、責任感にも押しつぶされそうになっているのだろう。友達を止めずにここまで見過ごしてきたこと、彼らに加担したことをキュアハッピーに許してもらい、願いを託されたこと。引っ込み思案で、自分なんかと思ってしまって、自分の意思で何かを行動に移すことができない、そんな自分の弱さが、この結果を招いたと、そう感じている。

 

二人の姿は……何処か自分を見ているような気持ちになる。

 

小学生の頃、まだ他人(ひと)に期待していた頃。何処か自分に自信を持てなくて、周りに流されるままになってしまった自分。そして人間関係を諦めたつもりで、だけれども諦めきれなかった故に、誰かに認めて欲しいと思っていた自分。

 

この件は、彼らの心に深いトラウマを植え付けることになるかもしれないな……

 

「はい、ストップ!」

 

と、二人の間に手が差し出される。手の主であるハートが、笑顔で彼らの目線を合わせるようにしゃがむ。

 

「泣くことも怒ることも、楽しくないでしょ?楽しくないことはやめちゃおう!ね?」

 

「ぅぅ」

「で、でも、もうどうしようもないし……」

 

俯くグレル。学校を襲い、この世界を破壊しているのが、自分の感情、自分の影だということが、重くのしかかっている。

 

みんなの敵になってしまった自分は、もうここにはいられない、もう誰の側にもいられない。

 

そんな姿に、自分を重ねてしまう。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

新しいクラス、最初の席でも、俺の隣は相田だった。その頃の俺は、小学校から続く様々な黒歴史やトラウマ的なものの所為で、極力人と関わらないようにしていた。

 

既に濁り始めていた目のおかげか、誰も積極的に俺と関わろうとしなかった。隣の席の相田を除いて。

 

一度、自分と関わろうとする相田の真意がわからなくて、向こうから辞めさせるためにひどいことを言ったことがある。

 

うざい、鬱陶しい、偽善者……あいつの行動を出来る限り否定する言葉考え、それらを投げつけた。それも、クラスメートがいる目の前で。あの時の相田の表情は、今でもよく覚えている。悲しそうで、悔しそうで、そして、それでもなお、俺を気遣うものだった……

 

それがきっかけで、クラスでの俺は完全な悪として、みんなの敵になった。クラスに俺の居場所なんてなくなる……いや、本当ならなくなるはずだった。

 

そんなことがあってもなお、相田は俺から離れようとしなかった。周りに止められようが、俺に無視されようが、それでも、あいつは声をかけ続けた。

 

どうしてそこまでするのだろうか。

 

ああ、そういえば、あの頃もそう思ってたな……

 

だからどうしてもわからなくて、本人に聞いたんだった。

 

『あたしが比企谷君と仲良くしたいから。それだけじゃ、ダメかな?』

 

初めてだった。心からの本心で、そんなことを言ってくれたのは。

 

『嫌いにならなかったのか、って?全然そんなことないよ。比企谷君は、本当はすごく優しいって、わかるから。むしろあたしの方こそ、比企谷君に、させたくもないこと、させちゃって、ごめんね』

 

長くない付き合いで、何が分かると言うのだろう。けれどもその時の俺はその言葉に何も返せなかった。その瞳が、あまりにもその発言に対して、自信に溢れていたから。

 

『みんなで、ドキドキ!プリキュアです!』

 

みんな……なんてものに自分が含まれたことなんてなかった。でも、迷いなくそう言ってのけるのが相田なのだろう。

 

 

今、あいつら四人の中に俺は必要なのか。この間から幾度となく考えたことだ。でも、まるでそれが当たり前かのように俺の腕を引いて、どんな時も俺を巻き込んで、俺があいつらといることを否定ことなんて微塵も考えていない姿を見て、

 

 

 

俺は、求めたいと思えたんだった……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「なぁ、グレル……だったよな?」

「っ、な、なんだよ!?」

 

俺が声をかけるとビクッと体を震わせるグレル。強がっているようだが、俺を見る目はどこか怯えている……いや、別に取って食うわけじゃないんだから、そこまで警戒しなくてもいいんじゃないかな?

 

目か?目がダメなのか?

 

「今回の件、確かにお前が引き起こしてしまったことかもしれない。どんな顔して他の妖精に会えばいいのかも分からない。だろ?」

「っ、そ、それは……」

「まぁ、確かに今回のことで周りから冷たくされる可能性もある、だが、「あの!」」

 

と、俺が続けようとすると、エンエンがグレルの隣に並ぶように立ち、俺を見上げてくる。ボロボロと涙を流していながらも、俺を見上げるエンエンは、何か覚悟が決まっているような目をしている。

 

「ぼ、僕も、悪いんです!だから、その、グレルばかり怒らないで下さい!」

 

涙を流しながら、でもしっかりと聞こえる大きな声で、エンエンは俺に言った。グレルはそんなエンエンを見てから、俯くように顔を背ける。

 

ああ……その行動の理由が、その裏にある考えが分からなくて、怖くて、それを受け入れられない。そんな所は、俺に似ている。

 

でも……

 

「……」

「あ、あの……その、」

「別に怒るつもりはない。そもそも怒ってるわけじゃないしな。まぁ、一先ずはこの状況をどうするかって感じだ」

 

少し語気を弱めて、出来るだけ優しく声をかける。キョトンとしているエンエン。

 

こいつらは、多分大丈夫だ。そう思える、思わせてくれる存在が、互いにいるのだから。

 

 

「それじゃあ早く助けに行こう!」

「ちょっと待って。そんないきなり突っ込んで行ける相手じゃないわよ。相手はプリキュアのことならなんでも書いてある本を持ってるのよ。もっと作戦を練らないと……」

「いや、それは多分大丈夫なんじゃないか?」

「えっ?」

 

この場にいる全員の視線が集まる。まぁしかしなんだ、注目されるのにも慣れて来たな〜なんて思ってしまう。いや、そんな場合ではなく、

 

「さっきの影。あいつはお前らのことを知らないみたいだった。そもそもパーティーがプリキュアを捕らえる目的で考えられた嘘だったことから考えても、少なくともお前らはイレギュラーな存在ってことじゃないか?」

「そうなの?」

「そういえば、ドキドキ!プリキュアって、教科書には載ってなかったよね?」

「あ、お、おう。そうだったかもしんねぇ」

 

エンエンに同意を求められ、直ぐにそっぽを向くグレル。なんだか急に声をかけられた自分のような姿に、なんだか余計な親近感まで湧いてしまう。なんだこれ。こいつもしかして俺の妖精としての生まれ変わりとかじゃねぇよな?ないよな?

 

「つまりあいつにとって、お前らは未知の相手ってことだ。攻略法がわからない、つまり実力で倒さなければならない相手ってことだ」

 

そして同時に、

 

「あいつを倒せる可能性があるのは、お前らが一番高いってことでもある」

 

こいつらが、最後の希望だ

 




と、いうわけで若干の解釈とか背景情報とか混ざってますけど、もしかしたら出会いとか、過去の振り返りとかもいずれするかもですね

同時に八幡の中に芽生えた葛藤に対する、
「一つの答え」
的なのも描きたかったので、入れちゃいました
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