やはり俺がドキドキ!させられるのはまちがっている   作:トマト嫌い8マン

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こちらの作品ごぶさたですね

今回八幡達がとんでもないことに!?

では、どうぞ


その姿こそが———

影により、妖精学校の空を照らす太陽から光が奪われてしまい、夜のように錯覚してしまう。

 

暗い影が落ちる森の中を、グレルとエンエンを肩に乗せたハートを先頭に、俺たちは走っている。

 

涙を堪え、しっかりと前を見つめるエンエン、おもちゃの剣を強く握りしめるグレル。強い決意の表情をしている二人。

 

『この後どうなるかは、あなた達がどうしたいか、それが大切よ』

『わたくし達は先輩プリキュア達を助けたいと思っています。それに、妖精学校のことも』

『あなた達は、どうしたい?』

 

『大丈夫だよ。あたし達がついてるから』

 

どうしたいか問いかけられた二人は、差し出されたハート達の手を取ったのだった。

 

「俺の影は、プリキュアの妖精や変身アイテムを、まとめて捕まえてた。きっと何処かに居るはずだ」

「プリキュアのみんなは、影の技で結晶みたいなもので固められちゃってるんだ。何とかしてそれを解かないと」

 

メインミッションは二つ。

 

妖精達の救出と、プリキュア達の解放。

 

それを影の妨害を切り抜けてやらなければならない。

 

「みんな!メップル先輩たちと連絡が取れたケル!」

「どうやら、滝から檻ごと落とされたらしいでランス〜」

「滝?」

 

辺りを見渡すと、森の奥の方に滝があるのが見える。しかしそこに行くには、妖精学校のそばを通らなければならない。

 

「行こう!」

 

ハートの後を追うように走る。激しく揺らされることになっているはずだが、腕の中のアイちゃんは寧ろ楽しそうにしている。

 

無邪気って強いなぁ〜

 

「あの影に見つからないようにしないといけませんわ」

「それなら、私たちで引き付けたら?」

「そっか!私たちが影と戦ってその間に、」

「うん!八幡君、グレルとエンエン連れて行って!」

 

「見つけた!ドキドキ!プリキュア!」

 

ハートの肩からグレルとエンエンを受け取った直後、あの影が再び現れた。すぐさまソードとダイヤモンドが迎え撃つ。一瞬だけ、二人と視線が交わる。笑みを浮かべ、小さくうなずく二人。視線を外すと、ハートとロゼッタも俺のことを見ている。同じように、笑顔とうなずき。なんだこれ。俺に任せて先に行け!ってやつかよ。それって普通死亡フラグなのに、こいつらがやるとなんでこんなに頼もしいんだか。

 

「行くぞ」

「はい!」「おおっ!」「きゅぴ~」

 

腕の中の三人がそれぞれ答える。目指す先は学校を過ぎた滝。全速力で、駆け抜けるしかない!

 

背後に戦闘の音を残しながら、俺はひたすら滝をめがけて走り出した。それにしても……日ごろから自転車を愛用していてよかったと本気で思う。出なかったらもう完全にバテて終わってただろうな……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

side ハート

 

影の繰り出す拳を受け止め、蹴り飛ばす。一歩下がると、背中が何かにぶつかる。

 

「キュアハート、大丈夫?」

「うん。キュアソードは?」

「ええ」

 

視界の端では、キュアダイヤモンドとキュアロゼッタもいつの間にか背中合わせになっているのが見える。

 

「めんどくさいなぁ……ならもっと増えるか!」

 

1人から4人に増え、そして今もまた4人から12人へと増える。元々が影ということもあって、太陽がどんどん暗くなっていくにつれて、影たちの力もより強く、より大きくなってきている。

 

「ただでさえ強いのに、厄介ね……」

「大丈夫だよ。きっとグレルとエンエンが、それに八幡君がなんとかしてくれるから」

「その自信、本当にどこから来てるのかわからない時があるんだけどね」

「でも、それがキュアハートですもの。それに、わたくしも信じていますから」

「うん。私も」

「ええ」

 

私たちのするべきこと、それは影たちの注意を引き付け、八幡君たちが他の妖精とプリキュアを助けるまでの時間稼ぎをすること。あの三人なら絶対に大丈夫。だから、

 

「あたしたちも、絶対に負けないよ!」

 

足に力を込め、大地を蹴る。拳と拳が激突する。

 

パワーもスピードもあたしたちと同じ、ううん、それ以上かもしれない。

 

でも、みんなで協力したら、負けない!

 

 

 

 

そうだよね、八幡君?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

森を抜け、崖を登る。滝へ続く道はこれしかないというのだから厄介にもほどがある。ちょうど人の足分の幅しかない道をひたすら歩く。流石に腕の中にグレルたちがいてはバランスを取ることができないため、滝への道案内もかねて、グレルとエンエンが先を歩いている。というかこの道って大丈夫なのか?今にも崩れ落ちそうな気が……

 

「っ!」

「うわぁっ!」

「グレル!」

 

ピシリ━━━

 

なんとも嫌な音を立て、グレルの立っている場所が崩れ落ちる。慌てて元来た道を戻ろうとするグレル。エンエンもそんなグレルに向かって手を伸ばす。と、

 

「わっ、わわっ!?」

「なっ!?おわっ!」

 

やはり都合よく俺たちの足場だけ無事、なんてことはなく、三人の立っていた場所にもひびが走る。とっさのことで驚いたものの、流石に何度も修羅場をくぐったせいか、いやにはっきりと取るべき行動を模索している自分がいる。

 

エンエンとグレルを抱き寄せ、必死に崩れる足場を蹴る。

 

落下しながらもジャンプし、反対側の道を目指す。

 

飛び移ることは不可能、しかし向こう側をつかむことができれば……

 

必死に右手を伸ばす……もう少し、あとちょっと……

 

「は、八幡!」

「八幡さん!」

「っ!」

 

グキッ、なんて音が聞こえたような気がする。これ、俺の腕やっちゃったんじゃないだろうか……がしかし、火事場の馬鹿力というべきなのだろうか、俺の右手はしっかりと滝へと続く道の崖っぷちを掴んでいた。

 

「おい、大丈夫か?」

「ぐぅっ……な、なんとか」

 

本当になんとか、としか言いようがないほどギリギリだ。いや鉄棒とかやっててもわかると思うが、実際人一人の体重を手だけで支えてぶら下がるのって相当きつい。いいとこもって数分ってところじゃないだろうか。ましてや今は腕の中には3人の妖精がいるわけで……

 

「っ、アイちゃん……悪いっ、ちょっと上まで飛んでくれるか?」

「きゅぴ?あい!」

「グレルとエンエンも……俺の腕、上っていけるか?」

「えっ、お、おう」

「わかった」

 

ふよふよと効果音付きで飛んでいくアイちゃん。腕の中から肩、頭、そして掴まっているほうの腕へと上っていくグレルたち。これで腕の中は軽くなったし、両手が使えるようになる。3人が無事に登り終えたら、後は自分が上っていけばいい。

 

「上ったぜ!」

「八幡さんも早く!」

「おう……っとわ!?」

 

3人が無事なのを確認し、空いていた片手で崖っぷちを掴み登ろうとしたその時、まさに手をかけた部分が崩れ落ちた。体重を手にかけていたため、ガクンと体が浮遊感に襲われ、心臓が強く跳ねる。

 

ガシッと崖を掴んでいた手を何かが掴む。見ると、落ちないようにグレルとエンエンが手を掴んでいる。

 

「な、にしてんだ……っ、先行ってろ」

「だって、だって!」

「このままじゃ、お前落ちちまうだろ!」

 

必死に引っ張り上げようとする2人だったが、小さな妖精では大の人間を持ち上げることができるはずもない。更に言えば、先ほど道の一部が更に崩れてしまい、2人の立っているところ、そして俺の掴んでいるところも不安定になっている。

 

「っ、早く行け!このままじゃ、3人とも落ちんぞ!」

「やだ……」

「お前らが行けば、プリキュアを助けられるだろ。いいから、先行け!」

「嫌だ!」

 

大きな声を張り上げ、まるで俺の声をかき消すかのように叫んだのは、エンエンだった。目深に被っていたはずのフードも外れ、涙を流していながらも、強い意志を感じ取れる目と目が合う。

 

「僕、嫌だよ!僕を助けるために、また誰かが……そんなの、ダメだよ!」

「俺だって……俺だって!本当は、プリキュアを助ける妖精に憧れてた!守ってもらうだけじゃなくて、一緒に戦えるようになりたかった!」

 

それはきっと、そいつらの心の叫びだったのだろう。涙を流しながら、鼻水垂らしながら、みっともない姿のまま発した叫びは、それでも———こんな状況で何をと思われるかもしれないが———それでも、嬉しかった。

 

ぶつけてくれたその本音で、知ることができたと。

 

必死なその姿で、裏がないとわかったと。

 

ああきっと、その姿勢が、その姿が———

 

———俺の求める、本物、なのだと

 

 

そう思った瞬間、俺の掴んでいた岩場が崩れる。襲うのは果てしないほどの浮遊感。きっと俺の手に捕まったままの2人も感じてるのだろう。

 

俺たちは、下の暗い森めがけて、落ちていった。

 




どうでもいいけど、クロスオーバーとかでたまにツンデレの子が八幡の名前呼ぶのって、なんだか良くないですか?

個人的に一番ツボなのは真◯ちゃん可愛いかきくけこぉ〜!
なんか声のタイプがまこぴーに似てる気が……ふむ……
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