やはり俺がドキドキ!させられるのはまちがっている   作:トマト嫌い8マン

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ココニオイテオイテ…… \(-_-;)ゞポリポリ





ε≡≡ヘ( ´Д`)ノ サラバ‼


光の使者たち

「ここを右クル!」

「おう。はっ、はっ」

 

両手いっぱいにスマイルパクトを抱え、キャンディの指示通りに走る。

キャンディが先導しようとしていたが、一刻も早く彼女たちの所にたどり着くのに効率がいいという判断から、俺の肩に彼女を乗せて走る。

 

「はっ、はっ。お前は変身するタイプのパートナーじゃないんだな」

「変身クル?」

「いや。うちのとこの妖精たちは変身アイテムに自分がなるタイプだったから」

「そうクル。みゆきたちはキャンディと一緒に変身しているわけじゃないクル」

「……きつくなかったか?一緒に戦えないのって」

「クル?」

「いや。なんつーの?あいつらは俺のことも同じチームの仲間みたいにお前らに話してたけどさ。俺には戦えるような力があるわけでもないし、生徒会やらお嬢様やらアイドルやら、そんなすごい役割があるわけでもない。あいつらが戦う時も、見てることくらいしかできない。いろいろ知ってしまったし、あいつらも俺とかかわり続けようとしてくれているから、見て見ぬ振りもできないし一緒にいる感じだけど……なんか、もどかしさっつーか」

 

きっとどこかで、思うところがあったのだろう。妖精と人間。その違いはあれど、実際に一緒に戦っていないという立場。それに対する考え方は、似ているのではないか、なんて。そんなこと、考えられるほど、俺は他のプリキュアのことなんて、知らないわけだけれども。

 

「キャンディ、難しいことはよくわからないクル。でも、キャンディもみんなの力になりたいって、思ってた時があったクル。助けてもらってばっかりみたいで、キャンディにも何かできることはないかって思ってたクル」

「そうか「でも!」?」

「戦えないキャンディを、みゆきたちは大切な仲間だから!っていつも一緒にいてくれたクル。そんなみんなと一緒にいて、みんなのためにって気持ちが大きくなって……そうしたら、キャンディだけにできること、キャンディがみんなのために出せる力。それがわかっていったクル」

 

「全く同じようにしていなくても、キャンディはみゆきたちと一緒に戦ってきたクル。だから、もしちみが見ているだけ、だなんて思っていたら、きっと違うクル。みんな、ちみといたいから、ちみを仲間だと思っているから、一緒にいるクル。そしてきっと、ちみにしかできないことがあるクル。今だって、離れていても、違うことをしていても、一緒に戦ってるクル」

 

こちらを見上げながら笑顔を向けてくるキャンディに、なんだか自分の中にあった変なくすぶりや毒気を抜かれた気分になる。

 

下っ足らずで、体も小さくて、どこか幼い印象のこの妖精。自分の周りにいつもいる妖精と比べると、アイちゃん未満とはいえ、もしかしたらランス以上の幼い印象を与えてくる、気が合ったあの妖精の妹。

 

とてもその羊のぬいぐるみみたいな容姿や言動からは想像もつかないが、危機的状況や修羅場の経験に関しては、俺が想像しているよりもずっとしてきたのだろう。痛い思いも、苦しい思いも、つらい思いも、寂しい思いも。きっと、たかだか10数年普通の人生を送ってきた俺とは、密度が違う。

 

だからかもしれない。その言葉はありきたりで、大人であればきっと言わないような――成長するとともになかなか言えなくなるような、そんな優しすぎるようなものだったにもかかわらず――妙に腑に落ちた。

 

「あ、もうすぐクル!あそこに見えてきたクル!」

 

肩から身を乗り出すようにキャンディが指さす方向を見る。紫色の結晶のようなものが5人の少女を覆っている。と、突然暗くなり続けていた周囲を突き刺すような、まぶしい光が背後から彼女たちを照らした。

 

「この光って」

「妖精学校の方からクル!」

「ってことは、あいつら上手くやってくれたみたいだな」

 

見覚えのある光。妖精たちを閉じ込めた檻を壊す時に見えた光。

でもその時よりも何倍も強く、眩しく世界を照らしている。

 

その光に照らされた少女たちの方に変化が起きていた。

 

結晶が割れ、徐々に彼女たちの体から消えていく。

 

「みゆき!みんな!」

 

キャンディの声に反応するように、少女たちが動くようになった手をこちらに伸ばす。

 

と、ガコン!というどこか嫌な音が頭上から聞こえてきた。思わず何事かと思い空を見上げると、黒く染まりきってしまったこの世界の太陽が、急速に巨大化して――

 

「クル!太陽が、落ちてきたクル!」

「っ、受け取れ!」

 

今からあそこまで走っても間に合わないかもしれない。もう十分近くまで来た、そう判断し抱えていたスマイルパクトを手に取り、一つずつ、彼女たちの方へと投げた。自分でもびっくりするほどうまく投げられたそれを彼女たちは掴み取り、

 

「「「「「プリキュア・スマイルチャージ!」」」」」

 

――眩しい五色の光が柱のように空へと飛びあがり、他の場所から上るようにしている光の柱と合流し、落ちてきた太陽へと向かっていった。

 

 

Side Heart

 

「ハート!あれ!」

 

影の攻撃を防ぎながら、ダイヤモンドが指さした方向に目を向ける。

 

と、落下してきていた太陽に向かってたくさんの光の柱が伸びていき、空へと押し返すのが見えた。

 

「あれはまさか!」

「なぜだ!?ちゃんと変身アイテムも妖精も捕まえていたはずなのに!」

 

動揺したのか、分裂していた影たちが一つにまとまっていく。

 

「どうやら上手く行ったみたいですわ」

「そうみたいね。学校の方も、プリキュアたちの方も」

「ハート」

「うん。八幡君たちが頑張ってくれたんだから、あたしたちもまだまだやらなきゃね!」

 

「だったら、もう一度捕まえるだけだ!」

 

一つになって体を大きくした影が腕を振りかぶってこっちに向かってくる。身構える私たちだったけど、

 

「はぁぁぁぁっ!」

 

背後から飛んできた別の女の子――ううん、プリキュアの攻撃が命中して、影は形を崩して消えた。

 

「助っ人ありがとうってすぐに伝えたくて、思わず来ちゃった」

 

振り返りながらそういうプリキュアの言葉で、すぐに誰かわかった。

 

「初めまして、キュアハッピー。今度は助けてくれて、ありがとう」

「初めまして、キュアハート。私たちの方こそ、助かっちゃった」

 

通信越しじゃなくて、こうしてちゃんとお話しできるの、やっぱり嬉しいし、すっごくキュンキュンする。でも、

 

「ゆっくりお話したいけど、みんなが待ってるから」

「そうだね。早く行こう!」

 

頷きあって、私たち5人は飛び出した。

 

太陽を押し返した際にできてしまった小さなクレーターの中心には、色とりどりの女の子たちがいた。

 

「まぁ。あんなにたくさん!」

「心強いわね」

「あれが、プリキュアの仲間たち!」

 

さぁ、妖精学校を――みんなを救おう!

 

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