やはり俺がドキドキ!させられるのはまちがっている 作:トマト嫌い8マン
しかも高校生が二人も増えるだと!?
お菓子のレシピ興味ありますね、作者は自分で作りまします笑
気が付いたら知らない天井を見ていた。ぼーっとする頭であたりを認識する。ここは、ソファの上?隣の机の上にはシャルルたち妖精が仲良くお昼寝をしていた。この壁の感じに天井の色、確かどこかで見たような・・・
「あっ、気が付いた?」
近くから声がした。頭をソファから離し、その方向を向いてみる。
「よかったぁ~気が付いたんだ」
「もう、心配かけないでよね」
「まぁまぁ六花ちゃん、こうして無事ならよいではないですか」
三人がちょうど部屋に戻ってきたところらしく、ドアのところに立っていた。そうか、どこかで見たことがあると思ったら、ここは剣崎の使っていた控室と似ているのだ。ってことはここはまだクローバーテレビってことだよな・・・
「大丈夫?気持ち悪いとかない?」
「ん、まぁ大丈夫だな・・・何があったんだ?」
「あの後、キュアソードが現れて、ジコチューを倒して行ったのよ」
「結局、真琴さんかどうかはわからずじまいでしたが」
「そうか・・・じゃあまた別の方法を考えるしかないな」
まぁ気を失っている間に一応一件落着とはなったわけか。しかし結局一番の目的だったキュアソードかどうかを確かめることには失敗してしまったわけで。さらに言えば相手にはあまりいい印象を与えることができなかったように思える。この先が少し不安だ・・・
そのあと俺たちはスタッフにあいさつして、ありすの家の車に乗って相田の家まで帰った。ちょうどお昼時になったため、相田が家においでよ!と言い出して結局そのままご飯を頂いてしまった。相田家マジいい人ばっかりだな~。
「さて、結局どうすればいいんだろうか」
「え?何が?」
「いや、お前あの後剣崎はすぐにどこかへ行っちまったんだろ?」
「うん、そうだったわね」
「真琴さんはアイドル、忙しい身ですから仕方ありませんわ」
「いや、なら謝るための時間とれなかったんじゃ」
「・・・そういえば、そうだった」
せめてちゃんと謝って関係をある程度修復できていたのなら、次の手というわけではないが、また機会はあるかもしれない。しかしながら印象が悪いままでは、次に何らかの方法で接触を試みてもうまくいかない可能性が高くなってしまう。
「何とかして会えないものかしら」
「そうですわね。でもまた今回のようにプライベートで会いに行くよりは、ちゃんとした場を設けて会うか、あるいはほかの人と同じように会いに行くかのどちらかですわね」
「イベントとかやってんだろ?そういうのに行けばいいんじゃないのか?」
「まこぴー人気だから全然チケット取れないんだよ~・・・あれ?今誰か来たような・・・」
がっくりと肩を落とした相田が何かに気付いたようだ。リビングから廊下へ出て玄関を見てみる。特に誰もいるようには見えないが・・・ん?床に置いてあった白いものが目に留まり拾ってみる。
「手紙・・・みたいだな。相田宛の」
「誰から?・・・DB?」
「確かその名前、真琴さんのマネージャーさんのお名前ですわ」
「なんだろう・・・あっ、これって、まこぴーのファン感謝デー握手会のチケット!それも二つ入ってる」
「ってことは、このイベントにきて伝えたいことを伝えろってことか」
「でもなんで二つ入ってるのかしら?」
「もう一枚、手紙が入っているみたいですわ」
「あ、ほんとだ・・・え~と何々?」
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「わ~流石ね」
「えぇ、これだけたくさんの方々が応援しているのですわね。さすが真琴さんですわ」
行列を遠くから眺めながら、菱川とありすはのんきに会話していた。まぁ正直その感想には同意せざるを得ない。ファン感謝デーの行列はそれこそあの日のクローバータワーのものを彷彿とさせるほどのものだった。たった一人のためにこれだけの人が来ている。そのことがどれだけすごいかをこの身をもって体感した。というか現在進行形でしている。なぜなら、
「あっ、もうあと一回折り返せばあたしたちの番だね。ワクワクしてきたな~」
「いいけど、ちゃんと伝えるべきことを忘れるなよ」
今回この行列に並んでいるのは俺と相田の二人だったからだ。別についてくることはやぶさかではなかったが、まさか自分がこういうイベントに参加することになるとは思わなかった。今回は特別、というか訳ありだ。
『このイベントで真琴に言いたいことを言ったらいいと思うわ。もう一枚は、真琴を助けてくれたあの男の子に渡してくれる?真琴がちゃんとお礼を言えてなかったこと、気にしているみたいだから』
などと手紙に書いてあったから来ることにしただけだ。それがなかったら多分小町に譲っていただろうな。というかそもそも俺は辞退したうえで相田が菱川と一緒に行こうとしたんじゃないだろうか。そもそも別にお礼を言われたくて行動したわけじゃない。あれだってほとんど無意識のようなものだ。それに対して剣崎が罪悪感や後ろめたさを覚える必要はないし、そもそも俺は大して気にしていない。ただ直接話すことで気が楽というのなら、俺が行けばいいだけのことだし、という考えで来たというだけだ。
そうこうしているうちに相田の番が回ってきた。
「あなた・・・」
「今日はファンとしてきました。この前は、ごめんなさい」
「も、もういいわよ」
「あたし気づいたんです。まこぴーにとって歌が大事なことであるように、あたしにもやらなきゃいけないステージがあるということに。まこぴーみたいに素敵なステージじゃないんですけど、それでも一生懸命やってみたいんです。」
「あなたのやりたいことって何?」
「みんなの笑顔を守ることです!」
そう言い切った相田の表情は今まで以上に自信にあふれていた。ちゃんと謝ることができて、そして自分の伝えたいことを伝えられて。きっとあいつは今、晴れ晴れとした気持ちなのだろう。
「握手してもらえますか?」
そういって差し出された相田の手を剣崎は少し戸惑った様子を見せながらも握った。ずっと差し伸べられていた手が、イベントの企画の一部とはいえ、ようやくつながれたのだ。
「ありがとうございます!これ、お父さんに作ってもらった、ももまんです!すっごくおいしいから、早めに食べてくださいね」
そう言って持ってきていた包みを渡すと、相田は一足先に菱川たちのもとへ戻っていった。
「次の方、どうぞ」
マネージャーの声を受けて、少し緊張しながら俺は剣崎の前に立った。って、なんで俺が緊張してるの?別に俺は何か伝えるわけでも、特別言いたいことがあるわけでもないし。そんなに俺は握手することを意識してるのん?
「あ、あなたは・・・」
「この間は、どうも・・・あいつの握手、受けてくれてありがとうございます」
「べ、別に。ファンを大事にするのは当たり前のことだし・・・その、あのときはありがとう」
「いや、あんま気にしないでください。大したこともなかったし」
「それでも、助かったから」
そういって今度は彼女のほうから手をさし伸ばしてきた。一瞬ためらったが、それでも受けない理由がない。そっと手を出してその手を握った。相田や小町には何度か手を握られたこともあったが、その二人とも違う感触に、鼓動が早くなるのを感じた。
「じゃあ、これからも頑張ってください。それじゃあ」
「あの、一つだけ聞かせて」
そのまま去ろうとした俺を再び呼び止める剣崎。今度は何なのだろうか。
「な、なんでしょう?」
「どうして、助けてくれたの?あれだけきついことを言って、友達もきっと傷ついていたと思うのに」
「・・・まぁ、特に考えてなかったですね。気が付けば勝手に・・・そんな感じだったと思います。まぁ、助けるのに理由なんてない!とか、相田ならいいそうですけどね」
「そう・・・ありがとうございました!」
納得いったのかいかなかったのかはわからない。ただ俺の答えを聞いた剣崎はすぐにアイドルとしての顔になり、次に並んでいたファンの対応をし始めた。少し前ならそれを欺瞞だと思っただろう。けれどもその裏にどれほどの覚悟があるのかを、少しだけとはいえわかった俺はもうそんなことを思うことなんてできなかった。最後にちらりと後ろを向いてから、俺は相田たちの待っているほうへ歩いて行った。
初夢、覚えてないので意味がない!
みなさんはどんな夢見ましたか?