そしてその視線に気付いた雪ノ下が
「そうなんですか…私はなにか物凄く嫌な予感がしましたから周期を聞いたのですけど周期と言われてもその言葉の意味を理解できませんでしたから…」
雪ノ下がそう説明すると
「そう言う事です、確かに貴女達の年令なら習っているはずの事でも比企谷さんは男子の保健を習って知っているため女子か知っているべき事を全く知らないはずです
ですが現状はいつ比企谷八幡君に戻るのかが不明である以上今すぐになすべきはそう言った知識の習得からなんだと思いますよ
症例数が少ないから断言できませんが命に関わる病気ではないが今の医学の力では治癒の可能性はない不治の病
と、そう言われてるそうですからある日突然TSが治まったとという話は聞いたことがありません」
その話を聞いたアタシが溜め息を吐くと
「比企谷、ご両親は今夜ご在宅か?ご在住なら一度今後の事を話し合わなくてはならないと感じたのだが…例えば修学旅行、現状での参加は難しいよな?」
そう深刻な表情で言われたので気持ちを楽にして貰うために
「八なら心配要りませんよ、八なら行かなくても良いと知ったら喜んで家でだらだらしてますよ
それに両親も元々八が寝たらTSする体質は知ってますし八はともかく私が男子の部屋で寝るとか親父が認めませんけどだからと言って女子の部屋に行ける訳もありませんからね
八はクラスに友達は居ませんし私に至っては知り合いは雪ノ下しか居ませんから…
いいえ、それ以前にアタシは家族以外の人間と初めてまともな会話をしてるってことに今さら気付きました
なので私も修学旅行に出席しなければいけない意義は見いだせません」
そう言って修学旅行の出席を拒否すると
「それに関しては未だ時間はあるから結論を急ぐ必要はあるまい?」
平塚先生は溜め息混じりにそう呟くのだった
③ 比企谷家の緊急会議
「うん、そんなわけで先生が親父と母ちゃんと話がしたいって…
え?自分の気持ちはどうなのって?
…アタシの気持ちは…わからない…一度くらいアタシの姿で普通に学校行ってみたい…比企谷八重として生きてみたいよ
でも、八を見てたら…普通じゃないアタシが受け入れられるのか?ってそう考えると怖くてたまらないんだよ…
行きたいけど行けないんだよ
ん、そーだね… わかった… 先生に来てもらう… ん、アリガトウ… 小町」
そう言って通話を切り
「 八時ちょっと過ぎくらいに帰ってこれるそうだからそれで良ければ先生と話し合いたいそうですが…」
アタシは小町が二人から聞いた話を伝えた
次話で前振りがやっと終わります