ん、じゃアタシはもういくから縁があったら又会おう…」
そう言うと
「もしよかったらなんだけど君名前とクラスを教えてもらえたら嬉しいんだけどな…」
上目使いで聞いてくる彼に八ならイチコロだな…と思いつつ
「アタシに関わるなって言ったよね?アンタが優しくて良い奴だからアタシが良いと判断したレベルまで話そう…
アタシはTS能力者、TS患者じゃなくてね…でも、その違いは部外者にはわからないだろう…場合によっては国家機密にさえなりかねない極秘事項なのだからね
TS患者自体数万人から数十万人に一人って珍しい病気なのにアタシはその中でも更にレアなTS能力者、意思で変われる訳じゃないけどコロコロ性別が変わる化け物…
特にアタシみたいにTSした時に人格が変わる者は更に少なくホンの数例しかないって医者共は興奮してた
いや、アイツからしたらアタシという化け物にとり憑かれたと言うべきかもしれなくって現状はアイツの身体を乗っ取っているとさえも言える
そして一番大切な事はアイツはナニも知らないって事…医者や家族にもアイツにはナニも知らせないでほしいと頼んであるのだから…
だからこれ以上の介入詮索は止めて欲しい、アンタはアタシとゆー寄生虫がいるとことだけでも十分すぎる程に迷惑を掛けているからこれ以上アイツを傷付けないで欲しい
多分アンタはアタシの本当の姿を知っている…はずだ、アンタがアイツに対してどんな感情を持ってるかは知らないけどね
だから…頼むよ…お願いだから…もう悲しむアイツはみたくないんだよ…」
無意識の内に土下座で頼んでいた…アタシはいつの間にか泣いていた…
「そっか…そんな事情があったんだね…君と彼には…
彼と同じ憂いに満ちた瞳とチャームポイントのアホ毛からもしかして彼の妹さんかな?
って、思ってたんだけど…まさかその本人だったなんてね…今度はいつ彼と変わるの?」
そう優しく聞かれて
「わからない、今まではアイツが眠るとアタシが現れアイツが目覚めるとアタシが引っ込みそのたんびに変体してるからアイツの寝起きはすこぶる悪いし授業中の居眠りもそのせいだった
そして今この現状を知る学校関係者は平塚先生と保健室の養護の先生に雪ノ下雪乃の三人でアンタが四人目だ…」
そう言うと八が小町によくやってるみたいにアタシの頭を撫でてくれてて
「僕、君達と友達になれないかな?」
その思いがけない言葉に慌てたアタシは
「八とは友達に…あ…」
「やっぱり比企谷君だったんだね?」
失言に気付いて口をつぐむアタシに優しく聞く彼に
「そうだ…TSしてるアタシに妹は八重って名付けてくれて八重お姉ちゃんって呼んでくれるし…
娘至上主義者のバカ親父は八には申し訳無いけど八の分まで可愛がってくれてる」
そう打ち明けた
もうしばらくは大きな変更はありません