俺が青春なんてして良いのだろうか   作:nasigorenn
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久々の投稿にスランプで書き方もすっかり忘れてしまった…………。でも萌えもみたい………(最近の作品に萌えが全くないため)


第70話 俺のお連れは疲れる奴しかいない

 職場の同僚二人が学園祭に来た理由、それは単純に面白そうだからの一言に尽きる。

単純にいじくりたいのだろう。止めたところでこの二人は必ず嗅ぎ付けてくるのだ。それを阻止することなどそれこそ彼等の上司しかあり得ない。

故に八幡はこの二人が来ると言ってきた際にもう考えることを止めて好きにしろと言った。

これがその結果である。

 

「ひ、比企谷、この人達は?」

 

現れた二人に対し沙希は若干物怖じする。何せ自分達よりも年上の男と正体不明の子供なのだ。それらと八幡との繋がりが見えないこともあって警戒してしまっているようだ。

そんな沙希に八幡は軽い溜息を吐きながら二人を紹介し始めた。

 

「こいつらは俺のバイト先の同僚。そっちのデカいのが雑賀 静州、それとそっちのどっちつかずの奴がアリスだ」

「よ、沙希ちゃん、おっひさ」

「どっちつかずじゃないよ~。アテはアテだっての」

 

八幡の紹介を受けて沙希に手をヒラヒラと振り二ヘラっと笑う静州。アリスは八幡に向かって頬を膨らませながらブーブーと文句を言っていた。

そんな二人を見て沙希は若干萎縮を緩めるが、静州の言葉に疑問を感じた。

 

「あの、私と会ったことってありましたっけ?」

 

沙希の反応に静州は残念そうに苦笑しながらおちゃらけた。

 

「あれ、覚えてない? あんなに熱い一夜を過ごしたのに」

「なッ!? そ、そんなことないから! 比企谷、絶対にないから!」

 

純情な沙希はそのからかいを直に受け止めてしまい顔を真っ赤にして否定する。そんな様子は普段の彼女を知っている者からすれば珍しく、可愛らしい。

そんな沙希を見て八幡は少しだけ笑みを浮かべつつ沙希を落ち着かせるべく静州にジト目を向ける。

 

「大丈夫だから落ち着け川崎。アレがお前がそうなるのを楽しんでるだけだから。そして静州、あまり川崎をからかうな。確かに会いはしたけど、あの時お前がしたのは酔っ払って川崎に絡んだだけだろ」

「え? え?」

 

八幡の言葉に沙希は戸惑い八幡と静州の二人を交互に見る。その様子を見ていたアリスは静州をみながらケラケラと笑っていた。

 

「ナンパ失敗してやんの~」

「うっせ」

 

馬鹿にされる静州を見つつ八幡は沙希に答えを告げた。

 

「ほら、少し前にバーで働いていたことがあっただろ。あの時に俺とアイツで顔を出した時があったの覚えてるか?」

「あ、あの時の………」

 

沙希はそのことでやっと思い出した。正確に言えば八幡と初めて会った時のことを思い出し、その時の八幡の姿を改めて思い出していた。

 

(あの時の比企谷………スーツ姿で格好良かったなぁ)

 

顔が火照るのを感じながら八幡に熱い視線を向けてしまう沙希。その記憶から静州のことはオマケ程度に思い出し、あっといった感じに呟く。

 

「あの時の酔っ払い………」

「そう、あの時の酔っ払いがこいつ。改めて悪かったな」

 

八幡の謝罪を聞いて沙希は少し慌てながら何とかフォローする。友人をそんな風に言う女の子では嫌われてしまうと思ったからだ。

そんな考えが直ぐに見て分かってしまう沙希はやはり可愛らしい女の子だろう。

八幡は苦笑しながら沙希に話しかける。

 

「別に川崎が謝る必要はない。こいつが酔っ払いなのはいつものことだからな。その度に尻ぬぐいする俺の身になって欲しいものだ」

「何となく分かるかも……」

 

八幡が苦労性なことは彼との付き合いで分かっているだけに今度は沙希が苦笑した。

 

「んで、アテがアリスだよ~。よろしくね、川崎沙希ちゃん」

 

今度はアリスがわざとらしいポーズを取りながら自己紹介を始める。それを聞いて沙希は若干警戒してしまった。何せ未だに自分は本名を言っていないのに言ってきたのだから。

それに対し八幡は疲れた顔をしながら沙希に答える。

 

「気にするな、こういう奴だ。こいつは調べ物が得意で大概のものは調べ上げる」

「何せお気に入りのハチマンの友達だからね~」

「お気に入り?」

 

その言葉に反応する沙希。目の前にいる『少女』なのかもしれない存在を警戒してのことだ。この言葉は場合によっては『自分の宿敵』になるかもしれないと。

それが分かっているからなのか、アリスはニコニコと笑った。

そんなアリスを見て八幡は呆れながら沙希に言う。

 

「言っておくがこいつはお『アテはアテさ!答えがどっちなのかはキミ次第、かな』」

 

その答えを言う途中にアリスによって止められてしまった。その答えが何であれ、沙希はアリスを見ながら火花を散らせ始めた。

そんな二人を見て溜息を吐きつつ八幡は歩き始め、静州はそんな八幡を実に愉快そうに笑う。

そしてその場の雰囲気が和やかになったことで改めて二人も交えて文化祭をまわることになった。

 

 

 

 活気が溢れる学校の校内にて、八幡は沙希と職場の同僚の二人を連れて歩く。

特に行く当てがあるわけではないが、祭りというのはただ眺めているだけでも楽しいものがある。だからなのか、普段はあまり喋ることの多くない八幡でも口数が多くなる………というか、同僚の二人によって無理矢理喋らされているといった方が正しいかもしれない。

 

「お、あの子スタイルかなりいいじゃねぇか! よし、今からナンパしてくる」

「やめろ、この駄目男。身内の恥にしかならない」

「あ、アテあの出店でライブしたい! ネットで人気が爆発するね~」

「何勝手にライブ会場にしようとしてるんだ、お前は。目立つな」

 

自由気ままな二人に振り回される八幡。

そんな八幡に苦笑しつつ沙希も二人に質問をする。それが余計に八幡を疲れさせた。

 

「あの、こいつってバイト先ではどんな感じなんですか?」

 

恋する乙女として学校での八幡以外も知りたいものである。故の質問に静州は相方として、また兄貴分としてニヤニヤと八幡を笑いつつ答える。

 

「こいつは普段からむっつりしててね~。真面目一辺倒で面白くないんだよなぁ。もう少し年上としては可愛げがないとね」

「ハチマンはアテ程じゃないけど仕事出来るからね~」

「逆に事務仕事で毎回悲鳴を上げてるお前に言われたくない。寧ろそれを助ける俺の方が大変だからな。それとアリス、お前とは部署が違うんだから比べるのがおかしい」

 

八幡の辛辣な対応に沙希が珍しい顔をした。

 

「比企谷って職場だと少し違うんだ?」

「違うか?」

「うん。だって私達が困ってるといつも進んで助けてくれるでしょ。でも職場の人だと違うのは、その………私達のこと、大切にしてるってことで………ごにょごにょ」

 

途中から顔を真っ赤にして声が小さくなっていく沙希。そんな沙希を静州はニヤニヤと笑いながらからかう。

 

「そうなんだよ。こいつ、沙希ちゃんみたいな可愛い女の子のお願いはすんなり聞くクセに俺等の願いとかは渋るんだよ。このムッツリめ」

「川崎達は別に自分の尻ぬぐいのためにお願いしたりしないからな。本当に助けて欲しいときにしかお願いしない。お前のは自分で招いた事ばかりだから助けたくなくなるんだよ」

「か、可愛い!?」

 

静州の言葉に八幡が沙希達のことを可愛いと思っていることが伝わり顔を赤らめる沙希。そんな沙希を見つつ八幡はしれっと答えた。

そんなやり取りをしつつどこかのクラスに行こうという話になる一同。

そこでまず普段は向わないであろう国際教養科のJ組に行こうという話を何故か部外者である静州が提案し、それがもっぱら可愛い女子見たさからだと思った八幡はジト目をしつつも雪乃がいるクラスということで行くことに。

彼女が実行委員で忙しいので会えないだろうと思うが一応の程度であった。

そしてJ組に向いその扉を開けると…………。

 

「いらっしゃいませ、ご主人様………って、比企谷君!?」

 

そこには可愛らしいメイド服を着た雪乃が立っていた。

彼女の顔は八幡に見られたことによって真っ赤になっており、そんな彼女を見て周りの皆が思った。

 

(((((可愛い!!))))

 

こうして部外者二人を交えた文化祭巡りが始まった。








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