俺が青春なんてして良いのだろうか   作:nasigorenn
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久々の投稿でしかも超スランプです。いや、本当に申し訳ない。
マジで萌えが足りなさすぎる………。


第71話 俺は彼女達に餌付けされる

「どうして比企谷君がここに!?」

 

八幡にメイド服姿を見られて顔を真っ赤にして恥ずかしがる雪乃。その姿はとても可憐であり、恥じらっている姿はまさに魅惑的である。だからなのか八幡は勿論同性である沙希でさえ魅入ってしまった。

出来ればずっと見ていたくなる可愛らしさだが、それではどうしようもないので八幡は気を取り直し軽く咳払いをしながら雪乃に話しかけた。

 

「雪ノ下、どうしてここにいるんだ? 文化祭実行委員で忙しいはずだろ?」

 

その言葉に恥ずかしがっていた雪乃は何とか答える。

 

「そ、それがどうにも困ったことになったのよ。文実ではあるけれどこのクラスの所属でもあるから一応様子を見に来たの。そうしたら配膳役の一人が体調不良で保健室にいってしまったらしくて、それで次の交代役が来るまでの間の引き継ぎ役が必要だっていうことで急遽手伝うことになったのよ。次の交代まであと30分くらいだから文実の仕事に支障はないわ」

 

顔の赤みを残しつつも説明する雪乃。そんな彼女に八幡は関心して納得する。確かにそれは仕方ないのだろう。彼女は真面目で優しいから、きっとクラスメイト達が困っているのが放っておけなかったにちがいない。事実、周りにいるクラスメイト達は雪乃のお陰で通常運行出来ているようだ。

 

「そうか、それは仕方ないな」

 

そう返す八幡の瞳は濁っていながらも優しげであり、そんな視線を向けられた雪乃はこそばゆさと気恥ずかしさを感じて頬を紅くしながら顔を背けた。

そんな雪乃と八幡に若干の嫉妬を感じる沙希は目の鋭さが若干あがり、それを見ていた静州とアリスは後ろでニヤニヤと笑いながらヒソヒソと話し合う。

 

「修羅場ってるね~」

「ああ、修羅場ってますな~」

「お前等な………」

 

まさに面白がっている様子の二人。

そんな二人にジト目を向ける八幡。そこで雪乃はやっと二人の存在に気付き八幡に二人のことを聞いた。そこでまた自己紹介する二人なわけだが、ここで静州が雪乃に爆弾発言をかます。

 

「いや~それにしてもさっきのは傑作だったな」

「何がかしら?」

「雪乃ちゃんを見たこいつの反応がさ。こいつが可愛い女の子に見惚れてる姿なんて初めて見たから。いつも職場じゃ真面目一辺倒にムッツリと仕事してるこいつの姿からじゃ想像付かなかったもんでね。見てて滅茶苦茶笑えたよ」

「!?(比企谷君が、その………私に見惚れてたの!?)」

 

静州の発言に雪乃が八幡を見て目を見開きながら顔を一気に紅くした。

 

「その……どうなの、比企谷君?」

「いや、あの、その…………」

 

そう雪乃に問いかけられて八幡は気まずそうにそっぽを向く。その頬は赤くなりつつあり、それが雪乃にも伝わり気恥ずかしさが増してくる。

八幡は雪乃の期待の籠もった視線を向けられ悩み、そして観念したように答えた。

 

「あぁ、その………その格好があまりにも似合っていて可愛かったからな。つい魅入ってしまったんだ」

「そ、そう…………(可愛いって言ってもらえた……嬉しい………)」

 

八幡の反応が周りの存在によって証明されたことにより雪乃の中で嬉しさがわき上がる。好きな相手に可愛いと思ってもらえることこそが恋する乙女には何よりも嬉しいことなのだ。

そんなふうになり気恥ずかしいやらこそばゆいやらとピンク色の雰囲気が辺りを包みこみつつあり、それを感じ取った静州とアリスは更にニタニタと笑う。この二人、八幡を弄くれるネタが増えることに愉悦を感じているようだ。それが分かっているだけに八幡は気が気でない。

だから沙希がこれ以上機嫌が悪くならないようにするためにも八幡は雪乃に話しかけた。

 

「そうだ、来たんだし席に案内してくれないか。ここで立ち話していても客に悪いだろ」

「そ、そうね」

 

雪乃もジト目に睨んでくる沙希の怒気を感じてか慌てて八幡達を席に案内する雪乃。でもその足取りはどこか浮ついていており、それが周りのクラスメイトにはとても珍しく見えるようで注目を浴びていた。

 席に案内された八幡達であるが、席と言っても大層なものではなく勉強机を繋げて作られたテーブルに椅子という簡単に作られたものである。それに着くとメニューを見る一同。

 

「へぇ~、学校の文化祭程度だから大したもんじゃないと思っていたけど」

「これは中々に凝ってるにゃ~。だから内装がしょぼいんだね~」

 

メニューの内容を見て静州とアリスがそう呟き、その意見に八幡も同意した。

書かれているメニューは文化祭の出し物にしては本格的であり種類も多く、その辺の喫茶店と負けず劣らずのクオリティーを出している。

 

「美味しそうだね、これ」

 

沙希は周りの雰囲気もあってか若干はしゃぎつつ八幡にメニューを八幡に見せる。

その際に二人の顔が近づき、沙希の目の前には八幡の顔があった。その距離はかなり近く、八幡の独特的な濁った目は勿論その目の割に長いまつげや唇などが目に入る。

それまではしゃいでいた沙希であるが、流石にこれは意識してしまい顔が熱くなる。

 

(ち、ちかッ!?)

 

「ん、あぁ、そうだな……どうしたんだ、川崎? 顔が紅いぞ?」

「な、何でにゃい…………ぅぁ………」

 

八幡に間近でそう言われ慌てて顔を離す沙希だが途中で言葉を噛んでしまい恥ずかしくて顔が更に真っ赤になった。

八幡はそんな沙希の反応に落ち着くよう言うのだが、彼女はそれどころではない。

恥ずかしさで一杯になりどうしようもないのだ。

そんな彼女の羞恥をより仰ぐ存在がこの場にいるのがある意味最悪?なのかもしれない。

 

「なぁ、八幡。今の沙希ちゃんはどうよ?」

「どうってなにがだ?」

 

静州がニヤニヤと笑いながら八幡にそう問いかけるが、八幡はその意図が読めずにジト目を向けながら返す。ジト目の理由は相棒がこの顔をしている時は大概ロクでもないことを考えていることを身をもって知っているからだ。

 

「お前は相変わらずだねぇ~。いいか、よ~く聞けよ。普段はクールな女の子が恥ずかしがって更に言葉を噛んで羞恥で悶えているんだぜ。そりゃあもう可愛いだろう」

 

その言葉が聞こえたのか、沙希の顔の朱が増していく。

その質問に対し八幡は当たり前のような顔で答えた。

 

「別に川崎はいつも可愛いだろ」

「ッ!?」

 

その言葉にボンッと顔を真っ赤にする沙希。八幡はそれに気付くことなく、静州は沙希にパチリとウィンクを飛ばす。

それがより彼女の顔を紅くさせた。

 

(比企谷が可愛いって言ってくれた…………)

 

今までにかなり言われているはずなのに、未だに嬉しいらしい。恋する乙女はある意味お得でチョロいかもしれない。

 

「比企谷、その……さっき言ったことって……本当?」

 

真っ赤な顔に上目遣いでそう問いかける沙希に八幡は内心ドキっとしつつ何とか答える。

 

「あ、ああ。俺はその………そう思ってる」

「そ、そっか………」

 

八幡の返答を聞いて沙希は紅い顔で恥ずかしそうに頬を掻くが、その顔は嬉しそうに緩んでいた。

そんな彼女と八幡の間に流れる妙な雰囲気に静州とアリスの二人はニヤニヤが止まらない。

だが、それをよしとしないのがいた。

 

「さて、二人とも…………注文は決まったかしら?」

 

笑顔なのに目が笑っていない雪乃が二人の間に入るようにして話しかける。

 

「あ、ああ」

「そ、そうだね………(雪乃、ごめん~~~~~~)」

 

その言葉にお互い気まずそうにしていた二人はハッとして注文を頼むことにした。勿論静州とアリスもしれっと注文する。

そして頼んだものを各自食べ始めるのだが、皆その味のクオリティーに驚きを見せた。

 

「うわぁ、こりゃ中々のもんだな」

「確かにね~」

「文化祭のレベルを超えてるよ、これ……」

「美味いな」

 

出された品物の味に満足する一同。だが、何故か頼んでもいないスティック菓子が来ていた。

それが何なのか分からない八幡達であったが、その答えを雪乃が持ってきた。

 

「これはとあるサービスに使うものなの」

 

そう語る雪乃だが、その顔はかなり紅い。それもかなり恥ずかしがっているらしく、モジモジとしていた。

その気配に何かしら面白そうな予感を感じた静州とアリスの二人は雪乃の背後にこっそり回り込み、『やっちゃえやちゃえ』と彼女にだけ聞こえるように囁いた。ある種の暗示も込めて。

そしてその暗示の影響もあってなのか、覚悟を決めた雪乃が動いた。

スティック菓子を一本つまむと、それを前屈みになりつつ八幡の口元に差し出した。

 

「ご、ご主人様……はい、あーーん……………」

 

もう見ていて可哀想になるほどに顔を真っ赤にして潤んだ瞳で八幡を見つめる雪乃。その姿はメイド服と合わさってなにやら背徳的な魅力を醸し出していた。

そんな雪乃を見ていて八幡はドキドキする胸に疑問を感じつつも雪乃から目が離せなくなる。

正直可愛いと、愛おしさすら感じた。だから余計に見入ってしまう。

そして吸い込まれるようにそのスティック菓子を口に入れて囓った。

 

「ど、どう……かしら………」

「その…だな…………甘いな、菓子だから」

 

互いに顔の熱に茹だりそうになる二人。八幡はその菓子が本来以上に甘いと感じた。

そんなまさに青春状態に、今度は沙希も突入する。正直我慢できなかったのだ。

 

「ほら、比企谷。こっちも……はい、あーーん」

 

沙希も雪乃に負けず劣らずに顔を真っ赤にして潤んだ瞳を向けてきた。

雪乃と違い服装は制服なので異様なものは感じないが、甘えさせてくれる姉のような感じに八幡は素直に従った。

同じようにスティック菓子を囓る八幡。

 

「美味しい………?」

「さっきも言ったが、やっぱり甘い………」

 

再び本来以上に甘さを感じた八幡はそう返す。その胸はこの二本だけで妙に一杯一杯になっていた。

そんな八幡の様子に雪乃と沙希の二人は胸がときめいてしまう。八幡にはい、あーんをするということが妙にも母性本能がくすぐられるらしい。ぶっちゃけ八幡が普段と違い可愛く見えたのだ。

だからもっと………。

 

「はい、ご主人様…あ~ん」

「比企谷、もっとお菓子あるから。あーん」

 

こうして八幡に気付かれぬよう火花をちらつかせつつ雪乃と沙希の二人は八幡にお菓子を与え続けた。

その光景をアリスが内緒で録画し静州が皆にバラそうと画策していることに気付かずに。

 

 

 

 こうして雪乃がいるJ組の出し物を満喫した一同は他もまわるべく教室を出た。

その背中を雪乃は名残惜しそうに見続けていたのだが、この後クラスの皆に八幡との間柄について追求され赤面続きにさせられた。その魅力にクラスメイトもまた当てられたようだった。






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