Re:フラグから始める攻略生活   作:律乃

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遅くなりました、更新です。
今回の話は、スバルをハル、ラムとレムが捜索しているシーンです。作者が勝手に考えて書いたものなので、皆さんの想像と違うかもしれません。なので、クスリと笑って頂けるように面白く書いたので、読んでみてください、では。

※お気に入り登録・601人!評価者・40人!その多くが9という勿体無い、高評価に頭が下がる一方です。そして、感想を新たに一件頂きました!本当にありがとうございます!!そして、リクエストの方にも一件頂きました!!

リクエストの方は暫く、時間がかかると思います。なるべく、早く書こうと思いますので宜しくお願いします。


《新》十一話『捜索と驚愕』

紅いカーペットが敷かれている廊下を、人影が三つ慌ただしく駆け回っている。三人とも同じ服装で、肩や胸元が多く露出している改造メイド服を着用している。そんな三人は一旦広場に集まると、其々の情報を交換する。

 

「ラムさん、レムちゃん、そっちに居た?」

 

と赤く癖っ毛の多い髪を持つ少年・ハルイトが、集まった瓜二つの少女達に問う。最初にその問いに答えたのは、ハルイトの右側に立つ青い髪を肩のところで切り揃えている少女・レムで、力無く横に首を振ると申し訳なさそうにハルイトを見つめる。

ハルイトが何故、男なのにメイド服を着てるかは、この二人の悪戯心によるものと書いておこう。

 

「いえ、レムの方は……。お役に立てず、すいません、兄様」

 

「いや、レムちゃんは悪くないよ。よくしてくれてる、とても助かってるよ。俺も偉そうな事言えないし、ラムさんは?」

 

レムを労ったハルイトは、左側に立つ少女へと視線を向ける。すると、桃色の髪を肩までのところで切り揃えている少女・ラムは腕を組んで、首を横に振る。

 

「ラムの方もレムと一緒だわ。全く突然変な事を言ったかと思ったら逃げ出すなんて……。お客様じゃなかったら、こんな面倒なことまでしないのに……」

 

悪態をつくラムにハルイトはため息を着く。

 

「お客様であっても……そうするでしょう、ラムさんは……」

 

「流石、ハルね。ラムの事、よく分かってるわ」

 

「分かりたくて、分かったんじゃないけどね……。でも、早くお客様を探さないと。お客様、何か調子悪そうだったし」

 

ラムの言葉に苦笑を浮かべるハルイトは、黒髪を上に持ち上げた感じで髪型をセットしている少年を思い出す。その黒髪の少年とは数分前に廊下でぶつかって、何故かハルイトを見ると悲しそうな顔を浮かべていた。困惑するハルイトを置き去りにして、黒髪の少年は元来た廊下を駆け戻って、何処かに姿をくらましているという訳だ。そのあと、呆然と立ち尽くしたままだったハルイトは、後から追いかけてきたレムとラムからも事情を聞き、黒髪の少年が二人の時も同じだったことを知り、三人で大慌てで黒髪の少年を探し回っているというわけだ。しかし、その黒髪の少年の姿は三人が総力を挙げて探し回っても、髪の毛一本も見つからない。しかし、あんな状態の人を置いておくなんて、人としてダメな気がする。

ハルイトは二人の向き直ると指示を出す。

 

「まぁ、取り敢えず、まだ探してないところを中心にお客様を探そう」

 

「えぇ、分かったわ、ハル」

 

「はい、分かりました、兄様」

 

駆け出す二人の背中の見つめたハルイトは、黒髪の少年の頭の上に浮かんでいた見慣れた旗に眉を顰める。

“【黒い旗と白い旗が変わりばんこに並び、赤い矢印がその間にあり、その中央には2という文字がデカデカと聳え立っていた】”

 

「……不思議なフラグだったな」

 

ハルイトは駆け出しながら、考えをまとめる。

 

“黒い旗→白い旗→黒い旗→白い旗→黒い旗→白い旗→と並び、中央に2の文字か……。2ってことは、1があるって事だよな?……しかし、何が?何が、1なんだろうか?”

 

「ん〜、分かんねぇ〜。まぁ、いいか。それより、お客様を探さないと」

 

τ

 

俺らの努力虚しく、件のお客様は庭園で見つかった。それもエミリア様と楽しくお話中とは、流石の俺もドッと疲れが押し寄せてきた。そのあと、ロズワール様とベアトリス様を加えての食事会。そう、そこまでは良かったのだが……、本当どうしてこうなったのだろうか?あぁ、何度でも言おう、どうしてこうなったか、と。

 

「うんじゃ、先輩方、宜しくお願いしやすぜ!よぉーし、超頑張るぜ、粉骨アレしてな!」

 

「「「砕身」」」

 

「そう、それ!」

 

そう、本当にどうしてこうなったのか。黒髪の少年が一緒に働くことになった同僚として、あんな複雑そうな表情を浮かべていたのに、今見ればこのヤル気に溢れた表情……いったい、何が何だか。

呆れ顔の俺に近づいてくるニッコリ顔の黒髪の少年・スバルが話しかけてくる。

 

「ハルも宜しくな。俺、すげぇー足引っ張ると思うけど。まあ、呆れずに付き合ってくれ。俺、こう見えてもやれば出来る子だから!」

 

「えぇ、よろしくお願い致します、スバルさん。ハルはレム姉様のお手伝いで忙しいので出来れば、足を引っ張らないで頂けると嬉しいです。それに自分でやれば出来る子って自分でいう人って、殆ど方が出来ない方多いですよね。スバルさんも口先だけならないように頑張ってくださいね」

 

「あれぇええ、意外と辛辣!?」

 

オーバーリアクションを取るスバルに、俺は苦笑を浮かべる。チラリと上を見上げれば、あの不思議なフラグが浮かんでいた。そして、後ろを見れば、苛立ち顔をラムさんが……

 

「バルス、行くわよ」

 

「ほいほい、ラム姉様。うんじゃ、ハルちんとレムりん、また後で」

 

ラムさんに連れられて行くスバルの背中を俺とレムちゃんは見送った……




次回はスバルとハルイト視点で書きます。

※特別章〜リクエストされたものを更新いたしました。宜しければご覧ください。


※少しセリフを変えました!

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