Re:フラグから始める攻略生活   作:律乃

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メリークリスマスです♪読者の皆様!
読者の皆様はどの様なクリスマスを過ごされていましたか?
作者はごくごく普通……、といいますか、文章に追われるクリスマスでした(苦笑)

そんなクリスマスですが、あと少しで終わりなんですね…早いなぁ〜としみじみと感じているところで、今回の話を簡単に説明したいと思います。
スバルを子犬の呪いから守ったハルイトは、その呪いによって亡くなってしまいます。そんなハルイトが発見されるのが、今回の話となってます。
オリジナル展開で不十分な所だけだと思いますが、ご覧頂ければと思います。
個人的に注目してほしい所は、ラムさんの言動です。彼女がハルイトをどう思っているのか?ハルイトの為に泣いてくれたのか?とか、読者の皆様も気になってウズウズしていたのではないでしょうか?
読者の皆様のご期待に添える話となっていることをお願いして、前書きを終わりにします。


※お気に入り登録・646人!評価者・46人!
そして、感想を新たに三件も頂きました!!本当にありがとうございます!!
これからはオリジナル展開で拙い文章が続くと思われますが、飽きず、どうか最後まで応援よろしくお願いします!


十七話『乗り越えた朝と乗り越えなくてはいけない死』

「ッ!?」

 

黒髪を上へ持ち上げるような髪型をした少年・スバルはハッとしたように目を見開くと、苦虫を噛んだような顔をした。

 

「チッ。何やってんだ、俺……死ぬかもしれねぇのに寝落ちって……ってあれ?」

 

スバルは身体をペタペタと触れて、安堵する。それと同時に眉を顰める。

 

“俺は一回目を忠実に再現した筈だ……なのに、なぜ……?”

 

所々、一回目と違った展開があったのは否めないがこうも簡単にループが抜けられるようなものなんだろうか?

 

“一回目と何が違ったっていうんだ?そこに何かヒントが……”

 

スバルが一回目と今回を照らし合わせようとした時、渡り廊下から足音が聞こえたかと思ったら、ギィーと重々しいドアの音が聞こえて、見慣れた顔が入ってきた。

双子の妹より研ぎ澄まされた刃のように鋭い雰囲気と視線を兼ね備えた桃色の髪を肩当たりで切り揃えられている少女・ラムだ。ラムにしては珍しい大きな声でスバルを呼ぶと、ベッドの脇でへたり込んでいるスバルにズカズカと近づいてきた。

 

「バルスッ!バルスは起きてる!?」

 

ラムから漂う雰囲気に慄きながら、右手を上げて挨拶をするスバルにラムは端正な顔を近づけると、ジャージの襟首を掴み上げた。

 

「やぁ、姉様、おはよ…がぁ…」

 

「……」

 

薄く赤い色が浮かんでいる目元からは、スバルを品定めするような鋭い視線が送り続けられている。しかし、それも一瞬でジャージを離すと文句を言うスバルを一瞥して、部屋を出ていく。

 

「イテェよ、姉様。流石にこれは俺もーー」

 

「ーーいいから、黙ってきなさい」

 

「……」

 

ラムの凄みにスバルは押し黙ると、ラムに連れられてある部屋へと入っていく。スバルの部屋を出て、右へ二つ部屋を通り過ぎたその部屋の主は、スバルが女だとずっと誤解していた使用人が暮らしていたはずだ。なのに何故、こんなーー

 

「兄さまぁああああーーっ!!!」

 

“ーーこんな悲鳴が聞こえるんだよ…”

 

「……」

 

無言のラムに続き、部屋を覗いたスバルは目を丸くする。崩れ落ちそうになる両脚へと力を入れて、目の前の光景を受け入れようと努力する。

しかし、その光景はどうしても受け入れられなくて……

 

「……なんで…」

 

ぽつりとそんな疑問符が口から零れた。そんな疑問をこの場にいる者たちが答えられるはずが無かった……

 

スバルは机に伏せて、青髪のメイド・レムに抱きつかれながら、息を引き取っている癖っ毛の多い少年・ハルイトだったもの。そう、だったもの。そこには、既にもう魂はないのだ。

 

スバルはくしゃくしゃと頭を掻き毟る。

 

“意味がわかんねぇ…意味がわかんねぇよ。なんで…、なんで……”

 

「ハルが……、死んじまってるんだよ……」

 

 

τ

 

 

スバルは傍らで長い藍色の髪を持つ青年・ロズワールとクリーム色の縦巻きロールの少女・ベアトリスがハルイトの死因について話し合っているのを放心状態で聞いていた。

そんなスバルにラムは手に持っていた紙とメモ帳を押し付ける。

 

「ハルが握っていたこのメモはバルスへそうよ。それとこのメモ帳もバルスへと書いてあったわ」

 

「あぁ……、ありがとう、ラム」

 

そんな放心状態だったスバルはラムの小さな異変に気付くことが出来なかったーー

 

「……ラムをこんな思いにさせるなんて。生きていたら、ラム直々に手を下すところだったわ、バカハル」

 

ーーそう呟いたラムの瞼が赤く腫れ上がっていることに。鋭い視線がさらに鋭くなることに。

 

ラムから受け取ったメッセージとメモ帳を呆然と見ていたスバルは、ゆっくりとハルの書いたメッセージへと視線を落とす。

辛うじて読める程に歪んだひらがなをゆっくりと呼んでいくスバルの頬が次第と濡れていく。ポタポタとメモへと広がる染みで掠れていく文字ごと、抱き締めたスバルはその場に崩れ落ちる。

 

「そんなこと言われたって……、俺…ッ。……なに、勝手に死んでるだよ……ッ、ハル……」

 

スバルは顔をくしゃくしゃにして、泣き続けた……




次回の回はハルイトが書いたメッセージとフラグメモ帳を書こうと思います。

※ご指摘により、表記を変更させていただきます。ご不快な思いをさせてしまい、本当にすいませんでした……

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