大変、お待たせしてしまって…本当にすいません(汗)
本当に久しぶりの更新となってるので、本編はちくばくとなってやもしれません。
※お気に入り登録・862名!評価者・60名!また、UA9万越え、本当にありがとうございます!!
多くの方に読んで頂けていることに…本当に感謝です!!
「さて、それじゃあ…話し合いをしようか。レムちゃんも付き合わせるようなことしてごめんね」
ベッドへと腰掛ける癖っ毛の多い短い赤髪を持つ少年・ハルイトは、隣に腰掛ける青髪のショートボブの少女・レムへと視線を向けると申し訳なさそうな表情を浮かべると少し頭を下げる。そんなハルイトを見つめながら、首を横に振るレムは何処か嬉しそうな表情を浮かべると、ハルイトを慈愛に満ちた瞳で見つめている。そんなレムをハルイトもうっとりしたように見つめる。
「いえ、構いません。兄様のお役に立てることがレムの幸せですので」
「……」
しかし、そんな二人が作り出す甘い空気をジト目で見てくる者が居たーースバルだ。
黒い前髪を後ろへと持ち上げるような髪型をしているその少年の普段よりも鋭さを増す三白眼から発せられるただならぬオーラにハルイトも負けじと、ジト目でスバルを見返す。少し唇がとんがってるのは、愛する少女との幸せなひと時を邪魔させたことによるちょっとした鬱憤晴らしのようなものだろう。
「なんだよ、相棒」
「いや…、なんでもねぇよ。それより…話し合いっていっても」
そんなハルイトの顔を見て、呆れた表情を作ったスバルはハルイトの腕を掴んで、自分の方へと近づけると耳打ちする。ハルイトの視界の端ではキョトンとした可愛らしい表情を浮かべて、此方を見つめている青髪の少女の姿があった。
「……レムに言っていいことなのか?死に戻りとかさ」
「……言っちゃダメに決まってるだろ。もし、言ってみろよ。レムちゃんのことだから…俺の負担を減らすために、とか言ってってさ…。無茶しかねない…それだけは避ける」
「……んならどうするよ?今からレムを追い出すのか?」
「……そういうところは俺を任せろよ。そうさせたいために、言葉を選ぶんだろ?」
「……まぁ、レムに関しては。ハルに任せるわ」
「……了解」
短い会議の末、ハルイトがこの会議の進行を務めることになったらしい。近づけていた身体を離したハルイトとスバルは心配そうに此方を見てくるレムへと不自然な笑みを浮かべて、見事に同期した動きで横をブンブンと両手を振る。その動きは見事に怪しいものであったが、レムが口を開く前にハルイトの咳払いがその先を封じる。
「兄様?スバルくん?」
「なんでもないぜ、レム。な?ハル」
「ああ、ないでもない」
「?やっぱり、何かあっーー」
「ーーごほん。さて、それじゃあ始めようか?」
レムもハルイトの咳払いでその先を聞くことを躊躇ったらしい。大人しく引き下がると、ハルイトとスバルを交互に見て尋ねてくる。レムの問いかけに、ハルイトはあっけらかんとした様子で本題となるある動物をいきなり切り出す。
「はい、兄様。それで、兄様とスバルくんはどんな話をされていたんですか?」
「あぁ、村にね。可愛い子犬がいるんだってさ」
「子犬?」
薄青色の大きな瞳が?マークで埋め尽くされるのを見ながら、ハルイトはニコニコと笑いながら、子犬のサイズを両手で合わしてはレムへと問いかける。そんなハルイトの姿に冷や汗が止まらないスバルは、ハルイトの左手を掴むと顔を寄せる。そんなスバルに、ハルイトはまたしても顔を険しいものへと変える。
「うん、スバル曰くふわふわもふもふの超絶かわいい子犬らしい」
「ちょっ!?」
「……なんだよ、相棒」
「……俺は一言も子犬が可愛いとは言ってないんだが?」
「……それはそうだろ。俺の勝手な想像なんだから…。もしかして、あってなかった?」
「……まぁ、あってるけどな」
「……なら、いいじゃん」
「……言い訳あるかっ」
「兄様?スバルくん、どうされました?」
レムのその言葉に素早く元の状態に戻った二人は訝しむレムの気を剃らせようと、子犬の話をする。引きつった笑みを浮かべるハルイトは明らかにレムからしておかしいものであったが、問いかけられてしまえば…それを真摯に考えて、答えなくてはならないだろう。
「あぁ、うん。なんでもないよ、レムちゃん」
「…そうですか?」
「うん。さて、そんな子犬なんだけどね。レムちゃんは見たことないかな?」
「いえ、レムは見たことないです。お役に立てずすいません…」
考え込んだレムは暫くすると力無く首を横に振ると申し訳なそうに、ハルイトへと頭を下げる。そんなレムへ穏やかな笑顔を浮かべたハルイトは、聞きたかったことをレムへと質問する。
「うんうん、いいよ。そうだ、レムちゃん…もう一つ、聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
「はい、レムに答えれることでありましたら」
「レムちゃん、前に魔獣使い?って言うんだっけ…あの子」
曖昧な言葉で問いかけるハルイトのセリフの断片からある人物を思い描いたレムは、ハルイトへと問いかける。ハルイトはレムの言葉に頷くと、心の中に青髪をおさげにした少女を思い浮かべる。
「もしかして、あのお下げの子の事ですか?兄様」
「うん、あの子。あの子って今、この村の近くに来てるのかな?」
「ん〜、どうでしょうか?村の中で見つけたら、レムが見逃すわけないですし…兄様はどうですか?」
「あぁ、俺もあれ以降見てないよ。ん〜…」
腕を組んで悩む二人に、スバルは近くにいるハルイトへと問いかける。ハルイトはスバルへと頷くと、納得出来ようようで悩み続ける。しかし、答えは出なかった様子で諦めた様子で、次の議題を出そうとする。
「そのお下げの子って奴が…今回の?」
「あぁ、もしかしたら…その子かな…?と思ったけど…無理だもんな。んー、あの子のことはここまでにして…。他のことで意見を出し合おうか?」
「あぁ」
「はい」
その後も三人は意見を交わし合ったが、納得するものが出ずにその日は終わりを迎えた……
次回こそ、新しいフラグ…