ハイスクールD×D ゴースト×デビルマン HAMELN大戦番外地   作:赤土

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Will36. ほんとの私はどれでしょう?
https://syosetu.org/novel/185653/102.html

今回本編を読まれる前に、最低限こちらをお読みください。


物語の結末を決めるもの
Will Final A. 人類「は」平和になりました


突如として、シャドウから提案された

 

――兵藤一誠の殺害。

 

いくら俺が兵藤に撃たれたからと言って、俺がこいつを殺す理由には…………

 

 

…………理由には…………

 

 

「どうした? 即断しないという事は、お前自身がこいつの死を望んでいるという事だぞ?

 こいつを消せば、後顧の憂いは断てる。人類に敵対する要素の一つを消し去れるという事だ。

 サーゼクスは、こんな奴に希望を見出しているんだ。

 その希望を断てば、脆弱な悪魔など瓦解する……

 いや、不平が噴出して内側から崩れ去るだろう。その時こそ、冥界は今以上の地獄になる」

 

『……俺が手を下すまでもないって事かよ』

 

シャドウの物言いに、アモンはどこか腑に落ちない様子で呟く。

アモンは、サーゼクスへの意趣返しが出来ればよいと言った部分もあった。

それが、自ら手を下すまでもなく悪魔は滅びるという可能性を突き付けられたのだ。

複雑な心境なのだろう。俺も悪魔を人間に置き換えて考えれば、複雑だ。

 

……そこまで悪魔は脆弱なのか、と疑問に思いもしたが

そもそも奴ら悪魔がモデルケースと称している人間が……だ。

人間を模倣すれば、結末も人間に準えることになったって、然程おかしな話でもない。

 

「順番が前後するだけだ。片づけられるものから片づけていく。

 何もおかしなことはあるまい?

 

 …………さあ、どうする?」

 

シャドウの言う事は、確かに尤もらしく聞こえる。

今は、少しでも人類を脅かす要因は取り除かなければならない。

 

それに、そもそもこいつは法の裁きを下そうとしても通じなかったじゃないか。

こいつが裁かれない選択肢など、あるはずがない。

だとしたら…………

 

……今のこいつが、そこまで大きな存在だとは思えない。

だが、ゆくゆく大きな存在になるのだとしたら

根を張り巡らせていないうちに間引くことも必要なのかもしれない。

 

 

 

……俺の心の揺れ動きは、一向に止まることを知らない。

未来を考えれば確かにこいつを殺すことは一つの解決策だろう。

だが、本当にそれでいいのか?

サーゼクスならまだしも、まだ何の影響も及ぼしていないこいつを、か?

 

……しかし、この敵だらけの現状。敵を減らすことが出来るのならば……

 

 

 

――人類を守るために、何をしてもいいのか?

 

――そこまでしなければ、人類は守れないのか?

 

 

アモンも、フリッケンもこのことに関しては何も言わない。

 

…………俺の、答えは…………

 

 

 

 

 

 

 

――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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..

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――

 

 

 

 

 

 

 

…………あれから、もう一週間が過ぎた。

 

あの時兵藤を抱えたシャドウは突如として岩戸山の洞窟を飛び出し

それを追った俺の前には、クロスゲートの淵に立つ兵藤の姿があった。

 

その時の兵藤の言葉が、たった一週間とは言え俺の胸に深く刻み込まれていた。

 

 

「お前の選択は確かに聞いたさ。これで人類は平和になるんだろ?

 だが忘れるなよ、お前は人類の平和と引き換えに

 たった一人の夢を奪い去ったんだ!」

 

 

そう言い残し、金色の瞳の邪悪な笑みと共に兵藤はクロスゲートへと落ちて行った。

そこから先の記憶はない。聞いた話では、クロスゲートは今までにない反応を示し

それに伴う影響で各地のアインストやラマリスが活動を停止したらしいこと。

 

そしてそれ以降一週間しか経っていないが、クロスゲートは再び休止状態に陥ったことだ。

 

 

アインストが活動を停止したという事は

必然的にアインストが首魁である禍の団(カオス・ブリゲート)の活動も止まる。

アインストと戦っていたフューラーの部隊も、突如として姿を消す。

アインストが活動を停止したことで、これ以上関与するつもりは無いと言わんばかりだった。

 

 

兵藤がクロスゲートに落ちて以降、暫くは混乱が続いていたが

災害と呼べるほどの被害は、意外なほどに起きていなかった。

珠閒瑠(すまる)市のJOKERや、沢芽(ざわめ)市に発生したインベスに関してはまだいくらか残っているようだが

意外なことに、駒王町を始めとして悪魔や堕天使の行動が一切見られなくなったのだ。

 

何が起きたのか、俺にはわからない。検索しても出ないのだ。

まるで、悪魔の――三大勢力の存在そのものが、この世界から消え失せてしまったかのように。

当然、オカルト研究部の面々も必然的にいなくなった。

 

火が消えたようだと表現するのが適切なほどに、駒王町は平和になったのだ。

 

 

 

――――

 

 

 

…………三大勢力も、アインストも現れなくなった事で世界は平和になった。

それはつまり、超特捜課の解散も意味していた。

 

元々、あの時すでに公安絡みで指揮系統が滅茶苦茶になっていたが

あの後公安のお偉いさんに汚職が発覚して、公安による超特捜課の接収の話そのものが

宙に浮いてしまっていた。それ以降、なし崩し的にその話は無くなったようだ。

 

蔵王丸(ざおうまる)警部も奈良県警に戻り、テリー警視も左遷先でとは言え警視に返り咲いたらしい。

氷上巡査は香川県警に、霧島巡査は交通課にそれぞれ異動。

安玖(あんく)巡査は警察を退職し、神器(セイクリッド・ギア)の封印に関して調べるべくどこかの財団が抱えている

調査団体に所属することになったようだ。

俺もそれについて行こうと思ったが、生憎まだ駒王学園を卒業していない。

そこに所属するには、タイミングが合わなかった。

 

 

……と言うかその駒王学園なのだが。

驚くべきことに、廃校となってしまったのだ。

俺達が三年に進級した、そのタイミングであった。

(俺の進級はかなり際どいものであったがそれは置いておく)

 

なんでも、理事長の不正献金疑惑が発覚したことで責任を取る形で辞職。

その後、誰も後釜が来ないまま……という事らしい。

なので俺は大那美(だいなみ)高校に転校することになったのだが……

 

……こっちに来た俺の知っている元駒王学園の生徒は、どうやら誰もいなかったようだ。

オカ研――リアス・グレモリー関係者はそもそも駒王学園廃校の前に既にいなくなっている。

松田も元浜も、進級と同時に別の高校に行ったらしい。出素斗炉異(ですとろい)金座(かねざ)で無い事を祈る。

まあ、超エリート校の金座は違う意味で無理だろうけれど。

 

甲次郎(こうじろう)らと久々にチームを組みながらも、どうにも心のどこかに隙間風を感じてならない。

そう思いながらも駒王学園の前を通りかかってみると、早いことに既に解体工事が行われていた。

 

建物は取り壊されているが、工事現場を目を凝らしてみるといつぞや出土した二つの石は

取り壊されること無く、未だ校庭にあったのだ。

 

ただ、どうも比麗文(ひれもん)石に関しては状態が悪かったのか、亀裂が入った事で

シートで覆われているとのことらしい。

この石に関しては、動かすこともできないのでこの場で石碑としてそのまま飾られるらしい。

その場合も鳴羅門(なるらと)石のみで、比麗文石に関してはその予定は無いようだ。

それ位、状態が悪いとのことだ。

 

 

そう言えば、俺はあの日以来フィレモンに会っていなければ

ベルベットルームにも入っていない。

まるで俺の、俺達の戦いなど無かったかのように、ここ最近は時が流れている。

少々うるさくも愛おしい、あの白猫と黒猫も……いつの間にか出て行ってしまったのだ。

 

 

…………これに関しては、一言言ってから行ってくれと本気で思っていたりする。

また、俺の知らない間に愛しい女性が姿を消したという事なのだ。

 

つまり、この感情が妹か姉のどちらに向いたものかは終ぞわからなかったが

姉さんの……お姉ちゃんに近いくらいには

あの猫どもの存在は俺の中で大きくなっていたって事だ。

 

……もう少し、まともな接し方を心がければよかったな。

結局、俺も何も変わっちゃいなかった。

 

 

 

俺は民俗学を専攻する大学に進むことにした。

民俗学の観点から、日本の妖怪や神仏について調べる魂胆だ。

あの日以来だんまりを決め込んでいるフリッケンとアモン。

こいつらの手掛かりが見つかるとは思えないが、それでも神仏同盟に関して調べることは

俺にとっていくらか有意義である気がしてならない。

 

……それに、もしかしたらあの猫どもに会えるかもしれないし。

あの時あれだけお姉ちゃんに拘っていた俺が、今は別の異性に執着している。

何も変わっていない自分に辟易とするが、同じ轍を踏まないように注意すればいい。

 

そしてわかった事なのだが、各地の神社仏閣の注連縄が不自然に千切れていたり

仏像が不自然に砕けていたりと言ったケースが各地の神社仏閣で起きており

社会問題になっているそうだ。

 

何かよくない気も感じられるので、パオフゥさんの紹介でその道に詳しい葛葉(くずのは)を訪ねてみると。

 

 

 

…………とんでもない事がわかったのだ。

 

 

 

――神仏同盟が、各地の神話体系と協力してその身を賭して全世界のクロスゲートを封印した。

 

 

 

そして、その封印の余波で人間界にいる怪異は表立って動くことは

一切できなくなった、とのことらしい。

それで俺の神器も動かなくなったし、アモンもフリッケンもだんまりを決め込んだのか。

この世界全体を覆った封印。それを施さなければならない程

あの時クロスゲートから発せられたエネルギーは膨大なものであったらしいのだ。

 

噂レベルではあるが、冥界ではクーデターが勃発。

悪魔の戦争に呼応する形で堕天使が自衛のために戦争に参加。

人間界から力を得られなくなった天界が

彼らにとっての脅威である冥界を滅ぼそうと狙っている。

 

人間界と言う油田を止められたことで、彼らは不毛な戦いを繰り広げていたのだ。

封印の影響で、その余波が人間界に来ることは無い。

 

 

 

…………人間界「は」、平和になったのだ。

 

 

 

確かに、俺は人間界の平和を望んだ。

これで明日も、明後日も、これから先も人間界はひとまず脅威にさらされることは無いだろう。

 

だが、そうであるとどうして言い切れる?

いくら脅威が去ったからって、また前と同じに戻ってはまた元の木阿弥ではないのか?

前は悪魔などの地下勢力ともいえる存在だったが、今度は宇宙から脅威が迫ったりしないのか?

あるいは、人間そのものが新たな脅威にならないと、どうして言い切れる?

 

それに備えるには、今の俺はあまりにも無力である。

そうならないことを祈るしか、今の封印を維持していくしか方法はないのかもしれない。

 

脅威を杞憂として生きていくのか、全てを忘れ安穏と生きるのか。

解決はしたが、解決はしていない。

 

 

 

 

帰り道、バイクを走らせながら眺める夕日は

どことなく翳って見えているような気がした…………




今までのご声援ありがとうございました。
「同級生のゴースト」から続く宮本成二の物語はここに完結いたしました。















嘘です。
最終話を番外地に載せている時点で嘘だとお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、嘘です。

今回は女神異聞録ペルソナや同4のバッドエンド意識してます。

こうなった理由は……
・兵藤一誠の全てを否定したこと
・一足飛びで問題を解決しようとした、つまり問題に対して横着な態度をとったこと
・自身も抱えている問題を棚上げしたこと

そしてこの世界の問題点は
・JOKERも、インベスもまだいくらか残っている
・臭いものにふたをしただけで、臭いものがまたいつあふれ出るかわからない
・そのふたが壊れかけている
・超特捜課絡みで起きたブレイクスルーが放置されてる(=人類同士の戦争にその技術が使われる可能性)
・同上、ユグドラシルの研究もストップしてない(ディアボロス×クロニクルェ……)
・セージ自身も散々露呈させた問題を解決してないどころか、また同じことしてる

悪魔とか人外勢力がいなくなったってだけで、世界そのものは何も変わってないので
ふとした拍子に悪魔とかが流れ込んできたり、人間が悪魔化するような事件が起きたら
その時こそこの世界滅ぶんじゃね……?
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