「あ~疲れた。」
俺は今、屋敷の中を回り終わって、自室でアメリがお茶を入れるのを待ちながら休んでるところだ。
屋敷の中は想像よりも広く、回るのが大変だった。
広すぎだろこの屋敷。
ここに住むの俺とアメリだけだぞ。客を呼ぶこともほとんどないだろうし。
地下室の牢屋も、バカな転生者を入れとくぐらいしか使い道がない。
あと、庭も凄かった。
植木や花壇はきちんと手入れされてて、庭を見ながらお茶をするためだと思われるテーブルとイスがあり、真ん中には噴水。
ほんと、金持ちの家の庭!って感じだったな。
あのじじぃは何を考えて、こんなデカい屋敷を建てたんだろうな。
まぁどうせ何も考えず、ノリと勢いで建てたと思うが。
「どうぞ」
「サンキュ」
喉渇いてたから紅茶がうまいぜ。
まぁ、ちゃんとした味は分からんがな、庶民育ちだし。
でも、これからはこういうのも覚えないといけないんだよなぁ。
屋敷の中を回っている間、自分の身分について考えていたのだが、とりあえず最初に考えたとおり、親は海外で、俺だけこっちに住んでるってことにした。
そして、住んでいる家がこんなデカい屋敷だから、金持ちのお嬢様という設定も付けることにした。
あのじじぃ、殺す前にOHANASHIもしなきゃな。
金持ちのお嬢様を演じろなんて、庶民の俺にはキツ過ぎるっての。
「ところでアデラ様、力の事をまだ話していませんでしたね。」
紅茶を飲みつつあのクソじじぃの処罰を考えていたら、アメリがそんな事を言ってきた。
力ってあの、じじぃが俺に与えたチート能力だよな?フィクションの世界であれば何でも出来るっていう。
「あぁそうだな、じじぃはフィクションの世界であれば何でも出来るってことしか教えてくんなかったし、詳しい使い方とかは全く分からんな。」
「わかりました。それでは説明しますね。
まず、アデラ様が貰った力はフィクションの世界限定とはいえ、上位神と同じ力です。
ですが、本当なら人間に与えて良いような力ではありません。正直、アデラ様を疑っているわけではありませんが、かなり心配です。」
「大丈夫だ。それくらいは理解している。」
だからこそ、あれだけ心配したんだしな。
それに、上位神と同じ力を貰ったからって、世界征服とかをしようとは思わんしな。
「まぁ、それくらいは分かりますよね。
それで、上位神の力とは創造主の力と同義です。ですからその気になれば新しい世界を創りだすことも出来ます。」
「はっ?何でも出来るって、そこまでの規模なのか?」
うわ~、確かに新しい世界を創りだすことが出来るだけの力があれば、なんでも出来るわな。
あのじじぃ、俺に何させたいんだ?
「そして、創造主の力ですから、物理法則を書き換えたり、時間を操ったり、無から有を創ったりと、本当になんでも出来てしまいます。」
「言葉が出てこんな。チートを通り越して、もはやなんて言ったらいいか分からん。」
ここまで何でも出来ると、逆に何をしようか迷って何も出来なくなるな。
まぁ、俺は目的があるからいいけど。
「ですが、何でも出来るということは、一から全部自分で考えないといけないという事なので、想像力に自信がないとかなり大変です。
アデラ様は前以っていろいろと考えていたわけではありませんので、しばらくの間は、既存の魔法や能力などを真似るか改良するのが良いと思います。」
「つまり、何でも出来るではなく、フィクションに出てくる能力なら何でも使えると思っていれば良いんだな?」
なるほど、その方が良いな。いろいろと楽だし。
でもまぁ、一応考えて見るけどね。オリジナルの能力。
「そうです。一から全部創るというのはとても大変なことですからね。
最悪の場合、神自信が消滅してしまうこともありますし。」
そんな間抜けなことはしたくないな。あまり無茶はしないでおこう。
「力の説明については以上か?」
「えと、あと一つだけ。
今までながながといろいろ説明してきたんですが、実はその必要って無かったんですよね。」
「どういうことだ?」
「分かりませんか?アデラ様は今、何でも出来る力を持っているのですから、その力を使って疑問を解決すればよかったんですよ?」
「………」
………どっかに神を殺すアイテムってないか?今すぐ欲しいんだが?
恥ずい!!恥ず過ぎる!!!
ってか、じじぃと話していた時に、「現地で神の力を使えば、転生者の情報ぐらいすぐに分かるんじゃね?」とか思ったじゃねぇか!!!
俺はしばらくの間、愚痴りながら悶え続けた。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫だ。なんとか正気に戻れた。」
まぁ、心はずたずただがな。
「まぁ、読者の為ですし、あまり気にしないで下さい。」
「そうするよ…。」
早く忘れよう。この黒歴史。
「力の説明は以上ですが、何か質問は?」
「いや、無い。」
「それでは、あとはちゃんと練習して力を使う感覚を覚えて下さいね。
それと神の力は、天界では『ゴッドパワー』って呼ばれてますから、そう呼んで下さいね。」
「ゴッドパワーって……」
言いだしたの絶対あのじじぃだろ!
こいつもエンジェルパワーとか言ってたし。
「それじゃあ私はそろそろ夕食の準備をしますね。何かリクエストはありますか?」
「あぁ、もうそんな時間か。」
そういや、屋敷の中を回り終わった時にはもう日が傾いていたな。
夕食のリクエストといってもなぁ。別に好き嫌いとかないし…。
「任せるよ、パッと思い付かねぇし。」
「分かりました。それじゃあ、お嬢様生活に慣れるためにフルコースを用意しますね。
準備が出来きたら呼びに来ますので。」
「えっ、あっあぁ、頼むよ。」
フルコースって……。テーブルマナーってどうだったけ……?
夕食が出来るのを待っている間、俺は自室で今後について考えていた。
実は、アリシアを生き返らせることと、リインフォースを助けることしか考えていなかったのだ。
「とは言ったものの、何も決まらん。」
正確に言えば、上記の二つのこと以外は何をやってもやらなくてもどっちでもいいのだ。
つまり、何をやるのかと何をやらないのかの線引きが出来ないのだ。
「学校に通って早々になのは達と仲良くなるのもいいし、謎の存在として振る舞うのも面白いし、おもいきって敵になってみるのもありだな…。」
あ~迷うなぁ~……、いっそのことアメリに決めさせてみるか?
いやダメだ。あいつに決めさせたら俺が銀様になってしまう。
でも全く決められる気がしないしなぁ……。
「アデラ様、夕食の準備が出来ましたよ。」
おっ、夕食の準備が出来たか。仕様がない、アメリに意見を聞いてみるか。
俺はそう考えながら、呼びに来たアメリと一緒に食堂へと向かった。
食堂に着き、俺は椅子に座り、アメリは料理を運ぶため厨房へと向かった。
そして俺は、アメリが料理を運んでくるまでにやらなくてはならないことがある。
それは、テーブルマナーを調べて覚えることだ。
ぶっちゃけ全くわからん。フォークやナイフは使った事はあるが適当だったし、フルコースなんてものは食べる機会など全くなかったからなぁ。
だが、どうやって調べればいいんだ?
そういやぁゴッドパワーの使い方を聞くのを忘れていた。
確か、想像力がないと大変って言っていたから、使いたい能力を強くイメージすればいいのか?
でも、俺が知ってるフィクション作品のなかで、物事を調べる能力ってあったかなぁ……。
あぁ、あったなぁ特撮だけど。
それじゃあ、やってみますかね。
俺はその能力を強くイメージしながら目を瞑った。
すると、頭の中で辺り一面真っ白な空間が広がり、そこにたくさんの本棚が現れた。
某はんぶんこライダーの相棒が使う、
これは、アカシックレコードみたいなもので、地球の記憶にアクセスすることで、いろんなことを調べられるのだ。
よし、とりあえず成功したから、テーブルマナーについて調べてみますかね。
テーブルマナーと検索すると、本棚が減っていき情報が絞られていくが、いくつか残ってしまった。
(あれ?いくつか残ったな。……あっ!そういやテーブルマナーってキーワードだけじゃダメじゃん。)
そうだそうだ、テーブルマナーだけじゃ、起源やその後の歴史なんかも出てくるし、料理によっても違うよな。
確か、食堂に向かう時フレンチって言ってたよな?
(キーワード修正、フランス料理のテーブルマナーの内容。)
すると、今度は最後の一冊まで本が減っていった。
そして、目の前に残った本を手に取り中身を確認する。
(ほうほう、なるほどねぇ…。)
よし、覚えた。さすがゴッドボディ、記憶力がいいぜ。
「お待たせしました。すいません遅れて、盛り付けに納得がいかなくてやり直していたら時間が掛かってしまいました。」
「別にいいよ、そんなに待ってないから。」
むしろ、調べる時間が出来て好都合だったよ。
ゴッドパワーの使い方も分かったしな。
それにしても、イメージが大事とは、どっかのカードゲームみたいだな。
「すいませんホントに、それではこれが前菜の……」
そして俺は、調べたテーブルマナーを守りつつ食事を終わらせた。
フランス料理なんて初めて食べるから比べることは出来ないが、すごくおいしかったのは間違いなかった。
さて、さっき考えていた通り、アメリに今後の事について意見を聞いてみるか。
たぶん良い意見は返って来ないと思うが。
「なぁアメリ、今後の事についてちょっと意見を聞きたいんだが?
アリシアを生き返らせることと、リインフォースを助けること以外の事がうまく決められなくてな。」
俺の横で食後のお茶の準備をしているアメリにそう尋ねると、少しの間唸りながら考えた後、満面の笑みで口を開いた。
「私的にはまず、転生者の確認をしますね。
仲良くなれそうなら仲良くなって、うざかったら踏みますね。
原作キャラについては状況次第ですね。
この世界はアニメ版と映画版が混ざってますし、転生者の影響もありますから実際どんな状況になっているか全く分かりませんから。
あと本音を言うと、早く銀様口調になってほしいです。ってか早くなれ…。」
「おい!今なんか黒いモノが見えたぞ!」
「えっ?気のせいじゃないですか?♪お茶でも飲んで落ち着いて下さい。」
そう言ってアメリは俺の前に紅茶を置いた。
こいつ腹黒だったのか?うざい転生者なら踏むとか言ってたし……いや深く考えないでおこう、精神衛生的に。
それにしても、最後以外は意外とまともな内容が返って来たな。
「とりあえず、最後のは保留で。
転生者については俺も同意見だ。
仲良くなれたら状況次第では一緒に暮らすのもありだし、他人に迷惑をかけるような奴なら牢屋に放り込んでおけばいいしな。
原作キャラについては少し迷っている。
始めから接触するのか、途中からなのか。正体は、始めからばらすのか、途中でばらすのか。
でもまぁ、お前の言うとおり状況次第で決めるのが一番か…。
よし、まずは情報を集める事から始めるか。」
まぁ、さっきみたいにゴッドパワーを使えばすぐに終わるがな。
なんかすごい怠け者になってしまいそうだなぁw
「それがいいですね。何事も情報は大事ですから。
それでは私は洗い物を済ませてきますので、アデラ様はお風呂に入ってきて下さい。着替えはあとで出しておきますから。」
「了解。あっ、一つ言っておくが、変に派手な着替えを用意するなよ。」
「分かってますって。でも、お嬢様なんですから、ネグリジェぐらいは慣れて下さいよ?」
「うっ、…分かった…。」
イメージ的にはそうだが、パジャマでもいいと思うんだけどなぁ。
俺はそう思いながら浴室へと向かった。
浴室に着き、着ているワンピースを脱ごうとしたのだが、あることに気付いた。
「これ、どうやって脱ぐんだ?」
そう、脱ぎ方が分からんのだ。
女の服は複雑なものが多いと聞くがホントだな。
仕方ない、また地球の本棚で検索してみるか。
そして、検索が終わってワンピースと下着を脱ぎ、裸になった姿を鏡で見て、今度はへこんだ。
「今はまだ子供の姿だからなんとも思わんが、大人の姿になったらきつそうだなぁ。
いや、それよりも今は……」
俺は下半身へと視線をずらす。
「長年連れ添ったAIBOが突然消えた事のほうがショックだ。」
せめて別れの挨拶ぐらいはしたかったな。お前は今どうしてるんだろうなぁ……。
さて、感傷に浸るのはこれくらいにして、風呂に入るか。
そしてまた気づく。
「この長い髪はどう洗えばいいんだ?」
髪の洗い方を検索しこれで大丈夫だと思ったら、今度はタオルの巻き方が分からない。
そんな事を繰り返しながら入浴を終わらせ自室に戻ってみると、何故かアメリがネグリジェ姿でベッドにスタンバっていた。
「何してるんだ?お前?」
「えっ?一緒に寝ようとしてるんですが、何か?」
まさか昼間の予想が的中するとは…。さてどうする……。
「理由を聞いてもいいか?」
「アデラ様は抱き心地が良くて良く寝れると最高神様が。」
あのじじぃ、いったいどんだけ俺を怒らせれば気が済むんだ!
「なるほど。っでお前はスタンバってるってことは、乗り気なんだな?」
「はい。私もそうしたいと思ってましたから。ダメですか?」
ダメだと言いたいが、俺が寝ている間に勝って抱き着いているんだろうな。
「分かった。好きにしろ。」
「えっ?良いんですか?やったぁ♪」
くそ、良い笑顔しやがって。
こうして俺はアメリに抱き着かれながら寝る事になった。
正直きつかった。羨ましいと思うかもしれないが、当人として堪ったものではない。
特にアメリは意外と胸があり、それを俺の頭に押し付けてくるもんだから、気になってほとんど寝れなかった。
おはこんばんにちは、ガンダレです。
なんとか一週間以内に投稿することが出来ました。
ホント奇跡です。今までこんな頑張ったことないですよw
次回は原作に突入する予定です。
ではまた一週間以内に。…多分。