問題児たちが異世界から来るそうですよ?  ~無形物を統べるもの~   作:biwanosin

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まだ、ギフトゲームは続きます。


では、本編へどうぞ。


A CAPTIVE TITANIA ③

「いや~。頭が痛い。」

「先ほどの話を聞いた限りだと、その程度で済むとは思えないのですが・・・」

 

一輝と鳴央はどんどん燃えていく村を前にそんな話をしていた。

鳴央はもう、この程度の無茶苦茶は気にしないようだ。

 

「言ったでしょ。俺はもうこの程度ならなれてるって。きついって感じるのは、普段は固体のものかな。」

「あれ?形の無いものを操るのでは?」

「うん。そうだよ。」

「では、どうやって固体を?」

「?・・・。ああ、そういうことか。なに、どうやってかは簡単なことだよ。ある二つのものを同時に操るだけだよ?」

「二つのものですか?それは一体・・」

 

一輝はそろそろ燃え尽きそうな村に足を向けながら

 

「その固体の温度と溶けた状態のもの。溶けちゃえばそれに形はなくなるからな。」

 

ただ、そう答えた。

 

 

 

       ===============

 

 

 

一輝は火が完全に消えた村に向かって歩きながら、今更ながらこの村についての説明を鳴央から受けていた。

 

「この村は、神隠しにあい、迷い込んだ人が来る村というのはもう言いましたよね?」

「うん、聞いた。」

「そして、この村にいる村人は元々村人としていた抜け殻と、魂を生贄とされた人たち、皆死体のようなものです。」

「だから悲鳴も一切上げなかったのか。」

「魂がないため、一切の感情がありませんから。」

「じゃあ、村人の中にはギフト所有者もいるのか?」

「この箱庭に来てから神隠しにあった人は持っているでしょう。」

「ふ~ん。」

 

一輝の中から村人を殺すことに対する、ほんの少しあった躊躇いが消えた。

 

「あれ?じゃあ今さっき倒した人たちもじきに?」

「立ち上がるでしょう。」

「・・・少し手間がかかるが、仕方ないか。」

 

村人が来たら困る(面倒な)ので一輝は対処をとることにする。

 

「う~ん。十体もいれば足りるか。」

「?なにが十体なのですか?」

「うん?それはね・・・」

 

一輝は、湖に落ちるときに投げたのと似た紙を取り出すとそれを宙にほうった。

 

「式神。」

 

その一言と同時に、紙から煙が出て、煙の中から十体のひょうたんを持った狸が現れた。

 

「は~。ふ~。よし。」

 

一輝は深呼吸をして心を落ち着けた後、式神にいつもよりも低い声で命令を下した。

 

「我、寺西一輝は汝らに命ずる。汝、この村にありし屍をすべて封印せよ。」

 

その命令を受け、式神たちは村中にちった。

 

「よし。これであっちはどうにかなる。さ、神殿に向かうぞ。」

「えっ?あ、はい。」

 

鳴央は一輝の態度が急に変わったり戻ったりするのに戸惑いながら、前にいる一輝の背を追った。

 

 

 

       ===============

 

 

 

「お、あれが今回の目的地か。なんか門番っぽいのがいるな~。」

「いますね。ここまで捕まらずにこれた人はいなかったので、知りませんでした。」

 

《さて・・・どうするか・・・》

 

一輝は悩んだ末、とりあえず水の刃を放つことにした。

 

「3.2.1.発射!!」

「えっ!?」

 

一輝は躊躇いなく水の刃を放ち、鳴央はそんな躊躇いのなさに驚いた。

 

「あれ?」

「え?」

 

そして、二人はその体制のまま別の、今見えている光景に驚いた。その視界には・・

 

 

 

たった今攻撃をくらったはずの二人がそのまま立っていた。

 

 

 

 

       ===============

 

 

 

 

《これなら・・・少しは楽しめるかな?》

 

一輝は、この村に少しは手ごたえがあるやつがいることを喜んでいた。

 

「さて、相手が相応の相手なら武器を少し強いものにするか。」

 

と言うと、一輝は空間に穴を開け、中から日本刀と酸素ボンベ、水素ボンベ、チャッカマン、ガソリンの入った350mlのペットボトルを取り出した。

 

普通の武器が一個しかねえ。

ってかお前の場合ライターとチャッカマンは違いなくね?

 

 

「さて、鳴央はここにいて。ちょっと斬ってくる。」

「そんな散歩に行くような気軽さで!?」

 

鳴央は一輝の気軽さに驚いていたが、躊躇いがなくなった以上一輝の中には気軽さしかない。

 

 

 

「では、行くとしますか。」

一輝は刀を抜き、左手に火を、自分の背に水素と酸素をまとい門番たちに向かって行く。

 

「おらあ!!」

そのまま片方に斬りかかった。

 

だが門番は簡単によけた。

そしてもう片方の門番が一輝に襲い掛かる。

 

 

「よっと。へ~。これなら、少しは楽しめる!!」

 

一輝は二人の実力を測り、そのまま距離をとる。

 

 

そして距離をとった一輝の前で二人の門番は姿を変える。

 

 

片方は狼男に。

もう片方は鬼へと。

 

 

「へ~。人型の化物のギフトか!」

 

一輝は鬼にガソリンの槍をぶつけ、狼男に刀を向ける。

 

 

分担することに成功はしたが、どちらにも攻撃は当たらない。

ぎりぎりのところで身を引いている。

 

「ここまでよけられると・・・イラッと来るな。頭も痛いし。」

それは相手とは関係ない。

 

「じゃあ、これなら!」

 

そういうと一輝は刀には水素と酸素をまとわせ、ガソリンの槍には火をつけ、再び向かう。

 

相変わらず、先ほどまでと同じようによけるが、それでは駄目だった。

ぎりぎりのところでは、意味がない。

 

 

「鎌鼬!!」

 

一輝は刀の先から先ほどまとわせた空気を刃にして放ち、それが狼男に少し刺さると同時に

 

「ファイア!」

 

左手から炎を放つ。そして水素と酸素が混ざった気体に火がつき爆発し、爆発によって倒れたところを左手の火で止めを刺す。

 

「一人終了!」

 

そのまま鬼のほうに体を向け、残りのまとっているものを全て鬼に放つ。

 

鬼は、刃によって斬られ、爆発に巻き込まれ、ガソリンに燃え移り一気に燃える。

 

容赦ねえな、おい。

 

余談だが、二人を倒した瞬間さっきの式神二体がよってきて、その死体をひょうたんに吸い込んでいた。

 

「ふう~。終わった。お~い、鳴央~!終わったぞー!!」

 

呼ばれた鳴央はこっちによって来るなり一言、

 

「あなたは化物ですか?」

 

そんな失礼なことを言い放った。

 

「急にひどいな、俺はただの人間だよ?」

「何をどうしたらただの人間が鬼と狼男に圧勝して、後ろにひょうたんを持った人サイズの狸が控えることになるのですか?」

「あ、お前らいたのか。」

 

一輝は後ろをふりむくと一言、

 

「解。」

 

と一言、低い声でいい、式神を全て回収した。

 

そして再び鳴央の方を向くと、

 

「・・・偶然?」

 

と答えた。




戦闘描写が難しいです。


では、感想、意見、誤字脱字まってます。
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