問題児たちが異世界から来るそうですよ? ~無形物を統べるもの~ 作:biwanosin
とりあえず、この短編では求道丸が捕まった理由。それに、どうしてそのまま畑にいるのかをやっていこうかと思います。
では、本編へどうぞ!
“ノーネーム”の畑で、今日も子供達は土いじりをしていた。
「おーい!そろそろ休憩入れるぞー!!」
「「「はーい!!!!!」」」
そして、そんな子供達を仕切っているのは、一輝の倉庫の畑にいる、求道丸だった。
一輝たちがギフトゲームに出て稼いでいる間などに本拠が狙われる危険があることと、畑仕事に慣れていることからこうして手伝うことが多いのだ。
「そういえば、求道丸さんって一輝さんの倉庫の中で暮らしているんですよね?どうしてプレイヤーの皆さんみたいに、自分の部屋を貰わないんですか?」
「あー・・・俺、もう兄貴の倉庫の中で暮らして一年半くらいになりそうだから・・・あっちのほうが落ち着くんだよ。」
ちなみに、求道丸はこんな話し方も出来る。
子供達の前では、基本こんな感じだ。
求道丸がそう言うと、子供達はその話に興味を持ち出した。
「求道丸さんと一輝さんって、どうやって知り合いになったんですか!?」
「あー・・・ちょっとヤンチャしてたころがあったんだけど、その時に兄貴にボッコボコにされて・・・そのまま捕まって、今に至る感じが・・・」
「どんな起承転結が!?」
「いや、俺もあの件について本当に細かいところまでは知らなくて・・・あ、兄貴!お疲れ様です!」
求道丸は話の途中で帰ってきた一輝を見つけ、立ち上がって一輝に向かってそう声をかけた。
子供達も、求道丸に続いて「おかえりなさい!!!」と返した。
「おう、ただいま。何の話をしてるんだ?」
「いえ、俺が兄貴に捕まったあの件について子供達に聞かれましたので!」
「あれか~。なつかしいな。確か、俺が光也から電話を受けたのが始まりだったか。」
「覚えていらっしゃるんですか?」
「まあ、俺が今まで観察責任者した中で一番大変だった一件だからな。なんで霊獣のビャクよりも大変だったのか・・・」
「いや、本当にあの件についてはスイマセンっした・・・」
求道丸もそれだけ言われる心当たりがあったようで、素直に頭を下げる。
「あの件については、一生頭が上がらないです・・・」
「まあ、実際にはオマエが一人で頑張っただけだ。俺がやったのは、ただの後始末。警察から地方公共団体、周辺陰陽師に手を回しただけだし。」
正確には権力によるもみ消しという表現がかなり近いことをしていたのだが、席組みに所属していた一輝からしてみれば大した手間ではない。
元々かなり広く知り合いの輪を広げていたため、新しく何かつながりを、とは行かなかったということもあるが。
「で、皆はそのことについて聞きたいの?」
「「「はい!!!」」」
「求道丸、休憩っていつまで?」
「まだ当分はこのまま休むつもりです!」
「じゃあ、その時間を使って話をしようか。と言っても、そんなに面白い話ではないけど。俺が知らないところは、求道丸がカバーしろよ?」
「了解です!」
そして、一輝はそのときのことについて話し始めた。
===============
「木の葉天狗の通り魔?」
中学三年の十一月、一輝は光也からの電話を受けていた。
『ええ、被害にあった陰陽師の中には意識を取り戻したものもいまして、その人たちからの情報です。』
「へえ・・・意識を取り戻したってことは、そいつらは命に別状はなかったのか?」
『ありませんでした・・・というか、被害者は皆、気絶するだけの攻撃しか受けていません。』
「それでも、意識を取り戻してないやつはいるのか・・・で?何で俺にそのことを?」
『いえね、出来ることなら討伐してもらえませんかね?と。』
一輝は本気でダルそうにしながら、食器を洗い始める。
「なんでそんなこと・・・まあ、偶然にも会えたりしたら、こっちで対処してやる。でも、急いでるなら学生に頼むのは間違ってないか?」
『いやまあ、そうなんですけどね。私としては、討伐といいつつ保護してもらえるのが一番理想的なんですよ。』
「ああ、そういう・・・」
陰陽師は妖怪を殺すことでお金を貰って生活しているため、野良の妖怪にあったら殺すのがほとんどだ。
一輝のように、頻繁に観察責任者になる人は少ないので、保護したい妖怪などがいるときには頼られやすいのだ。
『ただ純粋に強者を探す妖怪・・・そして、ただの一人も殺さないなんて、中々ありませんからね。』
「いいけど、俺が公正の余地無しと考えたら、何のためらいもなく殺すからな?」
『寺西さんがそう判断されたのなら、間違いないのでしょう。判断については一任します。』
「それなら、その依頼受けた。」
一輝は食器を倉庫にしまい、そのまま靴を履いて家を出た。
いつものごとく荷物は倉庫の中なので、特に準備はしていない。
===============
そのまま時間が過ぎて、今は三時間目の保健の授業。一輝はいつものごとく、窓から二列目の最前列で眠っていた。
そして、授業時間が半分ほど過ぎたところで、異変は起こった。
「だれか・・・強いヤツはいねーかー!!」
そう言いながら、窓ガラスを突き破って教室に人影が飛び込んできたのだ。
当然、教室は沈黙に包まれる。
「聞いてんのかー!誰か、強いやつは」
「ああもう、うるせえ!」
そして、快眠を邪魔された一輝は不機嫌になりながらその人影の腕をつかみ、片腕で飛び込んできたのとは別の窓に向けて投げ飛ばす。
一輝自身も、またその隣の窓を突き破ってグラウンドに出る。
現在の被害、授業の中断、窓ガラス三枚。
人の被害は出ていないので、大した問題はない。
「はあ・・・で?お前は何なの?人の快眠邪魔しやがって・・・」
「あ、俺か?俺は木の葉天狗の求道丸だ!」
「・・・また面倒ごとが自分から・・・!」
一輝はいっそ無視する気でいた案件が自分から飛び込んできて、かなりけだるそうにする。
だが、依頼を承諾したことには間違いないので、スイッチを切り替えて自然体で構える。
「まあいいや。で?強いやつと戦いたいのか?」
「ああ!より強いやつと戦えば、俺には生きてる意味が出来る!」
「生きてる意味、ね。まあ、その辺りは倒してからにしようか。」
「やれるもんなら、やってみろ!」
求道丸はそう言って一輝に殴りかかるが、一輝はそれを受け流し、地面にたたきつける。
そのまま軽く飛んで踵落としを放つが、求道丸はその場を転がって避ける。ちなみに、その場には小型のクレーターが出来ていた。威力高すぎだろ。
「へえ・・・強いんだな、オマエ!やっと全力が出せそうだ!」
「まあ、今までは全然全力じゃなかったみたいだしな。だからか?気絶させる程度の攻撃しかしなかったのは。」
「ああ!俺は人を傷つけたいわけじゃねえからな!ただ、強いやつと戦いたいだけだ!」
「で、期待はずれは最低限の攻撃だけで、轢かれたりしないように道路の端なり公園なりに運ぶのか。途中からは、自分の少ない妖力を放って近くの陰陽師に知らせて?」
一輝はここまでは問題なし、と判断して、再び求道丸と拳を交わす。
こんな感じになりました。
まあ、一輝と求道丸との出会いはこんな感じです。
出会いにそこまで深いストーリーがあったわけではないのです。
では、感想、意見、誤字脱字質問など、待ってます。