問題児たちが異世界から来るそうですよ?  ~無形物を統べるもの~   作:biwanosin

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第二話です。

まあ、そこまで内容は進まないのですが。

では、本編へどうぞ!


短編 畑の天狗、今に至るまで ②

二人の勝負は、少し長くはなったものの一輝の圧勝に終わった。

ちなみに、一輝は自分のギフトを一切使っていない。鬼道の一族に伝わる対術だけだ。

 

「あー、負けた!それも体術で負けた!」

「の割には嬉しそうだな。」

 

一輝の言う通り、求道丸は笑っていた。

 

「ああ!何かしらの陰陽術の類を使ってきたら悔しかったが、体術で負けちゃあ何も言えねえ!完璧な敗北だ!」

「・・・そんなつもりであんな戦い方をしたわけじゃないんだけどな・・・」

 

一輝がギフトを使わなかったのは、気分三割に仕事の都合が七割だ。

そんな清々しさをプレゼントするためでは、決してない。

 

「さあ、殺せ!負けて死ぬ覚悟はとうに出来てる!」

「いや、殺さねえよ・・・ってか、殺しづれえよ・・・」

 

一輝はため息をつきながら求道丸に近づき、その腕をつかんで引っ張りあげる。

 

「とりあえず、立て。行くぞ。」

「は?どこに・・・」

「いいから、さっさと行くぞ。そうだな・・・お前の場合、ビャクみたいな仕事は向かないし・・・出来そうもないしな。畑でいいか。」

「畑!?俺に何をさせる気だ!!?」

「あ、その前にメシだった。これだけは外せない。他のやつらのときもそうだったしな。ちょうどこの時間なら、じいばあ食堂も開いてるし。」

「だから、説明をしろー!ってか、さっきのおっさんがお前の事呼んでるぞ!?」

 

一輝は始めて立ち止まって振り返り、またすぐに歩き出す。

 

「気にすんな、あんな教師。別に教師の言うこと聞く必要ないし。」

「いや、お前何者(なにもん)だよ!?」

 

求道丸の叫びは一輝にスルーされ、仕方なくついていくのだった。

 

 

 

         ===========

 

 

 

「あら、一輝君じゃない。いらっしゃい。この間はありがとうねぇ。学校はどうしたんだい?」

「諸事情により、サボった。(とき)じいの野菜づくし定食、二つお願い。」

「はいはい。少々お待ちください。」

 

注文を受けた定食屋のおばちゃん、(とよ)ばあは台所に立ち、調理を始める。

 

「なあ、俺には今の状況が一切理解できないんだが・・・」

「今の状況?大したことないだろ。じいばあ食堂に来て、時じいの野菜づくし定食を頼んだんだよ。」

「いや、そうじゃなくてだな・・・なんで俺はまだ生かされてるのか、だよ!!」

 

まあ、妖怪からしてみれば当然の疑問だろう。

 

「ああ、そこか。そういや、ビャクもそんな質問してきたな。悟はいっそ何にも言わなかったけど。」

「この反応をしなかったヤツもいるのかよ・・・」

「まあ、聞かなくても分かってたからな。で、理由だが・・・まあ、単純なことだ。」

 

一輝が二人分の水を汲んで空いている席に座るので、求道丸もその隣に座る。

 

「その単純なこととやらを聞いてるんだよ、俺は。」

「なら、答えてやる。それは、俺は必要でない殺しをするつもりはないからだ。つっても、妖怪との共存を主張する狂者みたいに、一切殺すなとは言わないけどな。殺したやつらの方が圧倒的に多いし、その金で生活してるし。」

「・・・必要ない殺しってのは?」

「お前が知ってるかは知らないけど、」

 

一輝はそう言いながら携帯を弄り、陰陽師課のホームページ、妖怪と人間の共存についてのページを開く。

 

「もう一部の妖怪は人間と一緒に暮らしてるし、別で生活してるやつらの中にも、人間との取引を公に行ってるやつらもいる。」

「それについては知ってる。河童村がそうだよな?」

「ああ。あそこのキュウリはかなり美味い。高級食材として取引されてるな。」

 

まあ、俺は知り合いのよしみでタダで貰ってるんだけど、と一輝は一言挟んだ。

 

「で、そんな世の中だから更生の余地があるやつらについては、チャンスをやることにしてるんだ。まあ、やり方はたくさんあるけど。」

 

ついでに言えば、一輝はこんな感じのために妖怪撲滅派にも妖怪共存派にも余りいい目で見られていない。

いや、正確には正体不明の第三席『型破り』が、だが。

まあ、それ以前に卵の立場で席組みに入っているので、その時点で余りいい目で見られていないのだが。

 

「・・・なんでそんなことしてんだ?」

「暇だから。」

 

そんなくだらない話をしていると、定食が運ばれてきて二人の前におかれる。

 

「こ、これは・・・」

「ん?どうした?」

 

一輝が既に食べている横で、求道丸の表情が驚きに染まる。

そして、

 

「乗ってるもん、米以外全部野菜じゃねえか!」

 

そう、言い放った。

そう、二人の前にある定食には、肉や魚は一切使われていない、野菜と白米だけのものだったのだ。

野菜のてんぷら、かき揚げ、ほうれん草のおひたし、野菜炒め(肉無し)、サラダ、たくあん、etc・・・品数はかなり豪華な、ベジタリアンにも食べられる仕様になっている。

 

「定食の名前、聞いてなかったのか?」

「・・・ああ。そういや・・・」

 

求道丸も思い出したところで、箸をすすめる。

まず、てんぷらをつゆにつけて一口。

 

「・・・・・・」

 

求道丸は目を見開いて固まり、そのまま二口、三口と食い進めた。

 

「うめえ・・・」

「だろ?野菜ばっかりで学生としては食い足りなくはあるんだけど、美味いからたまに食いに来るんだ。ついでに、お前みたいに更生対象にした妖怪にも、食わせてる。」

 

一輝がそう言っている間にも、求道丸は求道丸は箸を進め、料理を食していく。

木の葉天狗も天狗の一種、食材そのものの味を感じ取れるだけの舌を持っている。

それゆえ、使われている食材そのものの質、料理人の腕も感じ取っているのだろう。

 

そして二人が全て食べ終わると、一輝が会計をして定食屋を出る。

 

「さて、もう分かっただろ?俺がお前に何をさせたいか。」

「ああ、分かった。負けた以上は、やるつもりだ。」

「そうか。じゃあ、さっさと市役所に行って登録してくるか。その後、ホームセンターに行って必要なものを買い揃えるぞ。」

 

一輝はそう言って、市役所に向けて歩き出した。

 




こんな感じになりました。

次回、この短編とは一切関わりのない新キャラが登場します。

それと、結構前にまた性懲りもなく新作を始めました。
『ハイスクールD×D』が原作で、題名は、『ハイスクールF×L』です。
この題名にある『F×L』は『folklore』・・・『フォークロア』の略です。
・・・と、ここまで言えば分かりますかね?そう、メインには『101番目の百物語』を持ってきています!

よろしければ、ご覧くださいませ!

それと、いまやっているアンケートの結果によっては、『トリニティセブン』『聖剣と魔竜の世界』『椎名町先輩の安全日』などキャラも登場します!
こちらも、どうぞご参加のほどを!


では、感想、意見、誤字脱字待ってます!
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