問題児たちが異世界から来るそうですよ? ~無形物を統べるもの~ 作:biwanosin
では、本編へどうぞ!
市役所では結局面倒で光也に電話して手続きを全て済ませ、さっさとホームセンターに来ていた。
「さて、とりあえず道具買うか。服とかはそれ用のいるか?」
「いや、別にどっちでもいいが・・・」
「じゃあ買うか。まずは形から、ってね。」
一輝はそう言いながら、長靴などの服装関連のものを買い揃えた。
余談だが、求道丸は今、一輝が倉庫の中から取り出した一輝の服を着ている。さすがに、半裸で町を歩かせたりはしていない。
「さて、次は道具関連を・・・」
一輝がそう言いながら方向転換すると、一輝の目の前に白く輝く文字が現れた。
その文章は、『お久しぶりです、かずさん。』というもの。一輝は心当たりがあったようで、文字が飛んで来たほうを向き、その人物を探す。
「どうしたんだ?それに、その文字・・・」
「ああ、多分これは知り合いが俺に向けて飛ばしたやつで・・・お、いたいた!」
一輝はそう言いながらそちらに歩いていき、その方向からも小学生が三人ほど歩いてくる。
「久しぶり、
『はい。学校の友達で、私から見て右の子が
「久留巳です!初めまして!」
「桐崎ココロと言います。寺西さんの話は静寂からかねがね。」
「うん、とりあえず呼び方は苗字以外でよろしく。」
一輝は対称的過ぎる二人に少し驚きながら、そういった。
ちなみに、静寂は一切喋っていない。全て、手に持っているペンで空中に文字を書き、一輝の前まで飛ばしたものだ。
『ところで、そちらの方は誰ですか?』
「ん?ああ、コイツか。俺が今日から担当することになった、」
「えっと・・・木の葉天狗の求道丸だ」
求道丸は求道丸なりに子供達を怖がらせないよう、頑張っている。
「へえ、かずやんはまだ卵なのに妖怪の監視なんてやってるの?」
「かずやん・・・まあいいか。ああ、ちょっと頼まれてな。」
「大変ですね。卵での監視はかなり大変だと思いますけど。」
「そうでもないぞ。今までも四人ほどやってたし。」
一輝はそう言いながら後ろでに静寂が持っているものと同じペンで文字を書き、静寂の元まで飛ばす。
『この二人、どこまで話した?』
『かずさんに助けてもらったことと、かずさんが卵だと言うこと、かずさんがどんな人か、と言ったところです。正体とかは話してませんよ。』
『そう。ならいい。』
一輝の文字数が少ないのは、ペンの使い方に慣れていないからである。
逆に普段から使っている静寂は、綺麗な文字を、それも文字数が多くても会話をするのと変わらないスピードで書いている。
「そういえば小学生の中には俺みたいに妖怪を人間社会に混ぜようとするヤツを否定するのが多いって聞いたけど・・・」
「まあ、確かに多いね~。バカな男子とかは、よく言ってる!」
「私達については、私が妖怪とのハーフなのでそういったことは少ないですね。」
「ああ、そうなんだ。確かに、言われて見れば・・・」
求道丸は会話に入れずにいたが、一輝がどんな人間なのか判断しようとしていた。
まあ、まだ全体像はつかめていないのだが。これまでの一輝と言う人間は、面倒がったと思ったら求道丸を圧倒し、さらには自分を更生させようとし、こうして小学生と談笑している。
つかめ、と言う方が無茶だろう。
「そういえば、三人とも学校はどうしたんだ?」
『運動会の代休ですよ。かずさんも来てくれたじゃないですか。』
「そういえば、そうだったな。」
「むしろ、かずやんの方がどうしてここにいるの?」
「ウチの兄は、まだ中学で授業を受けている時間ですが。」
「最近の小学生はしっかりしてるな~。」
一輝は自分の現状があまり誉められたものではないため、少し言いよどむが・・・
「まあ、必要があってサボった。」
『ダメじゃないですか。私には真面目に学校通えよ、って言ってたのに。』
「そうそう!ウチだって受けたくもない授業をちゃんと受けに行ってるのに!かずやんズルイ!」
「中学三年と聞いていましたが、入試は大丈夫なのですか?」
「いや、ココロちゃんはしっかりしすぎ・・・まあ、もう決まってるから。」
一輝はこのころには既に、今いる高校への入学が決まっていた。
ついでに、学校の生徒の安全を守る、学校在住陰陽師の次期トップになることも。
『じゃあ、私達はこれから遊びに行くので、もう行きますね!またお会いしましょう!』
余談だが、一輝たちがいるホームセンターは、スーパーマーケットの中の一店舗、他に遊び場はいくらでもある。
「うん、また食事にでも来いって彩夏にも言われてるからな。また行くよ。」
「次は一緒にあそぼーね、かずやん!」
「私にも、陰陽師関連で話を聞かせてください。」
「ははは・・・うん、分かった。」
その会話で、三人組は走り去っていった。
もちろん、求道丸にも挨拶をするのは忘れずに。
「さて、それじゃあ行くか。」
「・・・あの、さっきの子って・・・」
「ん?どの子?」
「静寂、って子。」
求道丸は、目的地までの道中にそんな話を始めた。
「ん?惚れでもしたのか?」
「ちげえよ!」
「冗談だ。で?静寂ちゃんがどうした?」
「ああ・・・喋れないのか?」
「そう、喋れないな。」
一輝は特に気にせずに話しをしていく。
先ほどの間に静寂から聞かれたら答えていいと言われているので、気にする必要もないのだ。
「全部話すのは大変だから止めとくけど、あの子は昔実験体にされててな。」
「実験?」
「ああ。人から言葉を奪い、我らが神々との感応力を挙げる、って言う。」
「それって、まさか・・・」
求道丸は一つの予想をし、一輝はそれに答える。
「ある家族の元から浚われて、声帯をつぶされた。」
「その家族ってのは・・・」
「皆殺しにされたよ。で、捕まってたところを俺が連れ出したって訳。あのペンも、俺がプレゼントしたやつでな。呪力を込めながら空中に文字を書くとそれが文字になって残り、視界の中の人になら、目的の人のところまで飛ばしてくれるんだ。」
ちなみに、実験自体は成功みたいな感じでかなり強い陰陽師、と最後に付け加えながら、一輝は必要そうな道具を見繕って求道丸に持たせていく。
選ぶ基準としては、①異常に丈夫。②普通異常の重さ。の二つだ。
それくらいでないと、求道丸が振るった際に壊れかねない。
「よし、こんなもんだな。後は・・・種。あそこなら土はあるし、他にも必要なものは・・・あ、木材がいるな。」
「木材?」
「ああ、木材。そう考えると他にも結構・・・オイ求道丸。この辺の荷物も全部持て。」
「ああ・・・って、おい!前が見えねえ!」
「それくらいは何とかしろ。さて、木はこれとこれと・・・」
「まだ増えるのかよ!」
一輝は求道丸の手の上にどんどん木材を載せていく。
途中で何度もふらつく求道丸だが、どうにか物を落とさずにバランスを取り、力を加える。
そして、そんな状態の二人にホームセンターの店員が近づき・・・
「あの、台車使います?」
単純な解決策を提案した。
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「さあ、ここが今日からお前がやる畑だ。やり方とかは天狗だし、分かるだろ。とりあえず、種植えたりしとけ。」
「いやその前に説明しろよ!なんなんだよこの空間!?」
一輝が家に帰らずに空間倉庫の一つを開き求道丸をつれて中に入って説明すると、求道丸はそう叫んだ。
まあ、入ったら畑が広がっていて、上を見上げれば空と太陽があるのだ。当然だろう。だが、
「知らん。ここについては俺にもよく分からん。ま、危険ではない。」
「んなテキトーな・・・まあ、畑とかかについては分かるからいいけどよ。」
求道丸はぶつくさ言いながらも道具の中から必要なものを取り、作業を始める。
「さて、俺も始めるか。家作り。」
そして、一輝も求道丸が住む家を作り始めるのだった。
こんな感じになりました。
次かその次辺りから、一輝はあんまり登場しません。
求道丸がメインに来ます。
では、感想、意見、誤字脱字待ってます。