問題児たちが異世界から来るそうですよ?  ~無形物を統べるもの~   作:biwanosin

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乙のサーカス編の始まりです。

今日中には終わらせます。
では、本編へどうぞ!


乙 ①

ノーネーム本拠、農園。

黒ウサギやメイド、ちびっ子達は農作業にいそしんでいた。

 

「黒ウサギのお姉ちゃーん!」

「はーい!何でございましょうかー?」

 

桑を持って畑を耕していた黒ウサギは、リリに呼ばれて手を止める。

 

「そろそろお腹がすくころかな、と思っておにぎり作ってきたよ!皆疲れてるだろうし、ちょっと休憩したらどうかな?」

「わぁ、有難うございますリリ!」

 

黒ウサギが喜んでいると、近くにいた音央と鳴央も近づいてきて、リリの持っているバスケットを覗き込む。

 

「美味しそうなおにぎりね。ちょうどお腹がすいていたのよ。」

「そうですね。皆で一緒に、太陽の下で食べるご飯というのも楽しそうですし。でも、少し多くないですか?」

「あ、それは・・・ちょっと張り切りすぎちゃって・・・」

 

リリが少ししょんぼりすると、黒ウサギがフォローに入る。

 

「御心配には及びませんよ!今日はあの四人も手伝ってくれるという約束ですし、余ることはありません!」

「えっそうなの?」

 

リリが首をかしげる横で音央と鳴央は顔を見合わせ、Dフォンを取り出す。

 

「YES!ちゃんと指切りをしましたから、もうそろそろ来るころかと・・・」

「大変でーす!!」

 

黒ウサギの言葉を遮り、ジンが慌てて走ってくる。

その手には一枚の紙が握られていた。

 

「えっと・・・ジン君。その手に持ってるのって、問題児達から?」

「は、はい!今朝から四人の姿が見えないので・・・まあ、一輝さんはいつものことですけど、残りの三人は珍しいなと思って探していたら、広間にこんな書置きが・・・」

 

ジンは手に持っていた紙を黒ウサギに渡す。

そこには、こう書かれていた。

 

『そうだ、町行こう。3人より』

 

数秒の沈黙。そして・・・

 

「あ・・・あ・・・あの問題児達はまったくもーっ!!!」

 

黒ウサギの絶叫が、響き渡った。

 

「あ、でも!ここには三人と書かれていますし、一輝さんはどこかにいるはずです!」

「あ、それなんだけど黒ウサギ・・・」

「実は数時間前に、一輝さんからメールが・・・」

 

鳴央が持っていたDフォンを黒ウサギに渡す。

そこには・・・

 

『十六夜たちに捕まった。なんか面白そうだから着いてく。黒ウサギには気付かれるまで伝えないで』

 

「あんの問題児どもー!!!」

 

ついには、黒ウサギの口調が乱れた。

 

 

 

     ===========

 

 

 

「行けども行けども知らない町並。相変わらずムダに広いなこの箱庭ってヤツは。」

「まあいいじゃん。おかげでいくら散歩しても飽きが来ない。」

「そういえば、一輝君は毎朝散歩をしているのだったわね。もう二、三ヶ月にもなるけれど、まだ飽きないものなの?」

「あ、でも飽きないのは分かる。まだ見たことのない物だらけで、中々慣れないし。」

「まあいいさ。すぐに飽きちまうようなところじゃ来た意味がねえ!」

 

問題児四人は、そんな話をしながら町を歩いていた。

ちなみに、十六夜は片手で買った食べ物を食べ、一輝は両手いっぱい・・・ではなく、倉庫いっぱいに食べ物を買って食べている。

 

「なんだかずいぶんと楽しんでるみたいね、貴方たちは。」

「おー。さっき買ったこの食い物もわりと美味い。」

「こっちのも中々だよ。サーカスが来てるみたいで屋台が出てたから、ゲームしてたくさん貰ってきた。二人も食べるか?」

「食べる!」

 

一輝が倉庫を開くと、耀が手を突っ込んで頬張り始める。

 

余談だが、一輝は一切お金を支払っていないし、ゲームもしていない。

普段からの人助けの結果、屋台の人が快くくれたものばかりだからだ。

 

「ねーねーそこ行くかわいいお二人!よければウチのコミュニティに入らないー??」

 

そして、そんな事をしながら歩いていたら、飛鳥と耀の二人が分かりやすくナンパにあった。

そして、次の瞬間にはそのナンパ野郎の肩を一輝がつかんでいた。

 

「すいませんが、ウチのコミュニティのものにちょっかいかけないでもらえます?殺すぞ?」

「ん?何言ってんの?」

 

どうやらナンパ野郎は一輝との格の違いに気づけていないようで、一輝を挑発しにかかる。

が、一輝からしてみれば全然怖くない。始めてあったころの豊の方が怖かったなぁ・・・すぐのしたけど、とか考えている。

 

「まあまあ、ちょっとあっちで肉体言語(おはなし)しましょう?」

 

そして一輝はそいつを連れて行き・・・いつぞやのように雷を落としてから三人に合流した。

 

「お待たせ。悪い悪い、ちょっと被害が少なくなる場所を探してたら遅くなった。」

「一応お礼は言っておくけど、別にあの程度、私達でもどうとでもなったわよ?」

「うん。何の問題もない。」

「それは悪かった。まあ、ちょっとしたうさ晴らしだと考えてくれ。」

 

一輝としては、元の世界にいたころのマヤの一件のときのやつらを思い出しただけで、二人を助けようとかは一切ないのだ。

 

「うさ晴らし?何かいやなことでも」

「どいてどいてー!」

 

耀が一輝に聞こうとしたタイミングで、一人の少女が四人の間を走りぬけた。

 

「な・・・何なの!?」

「待てやクソガキーッ!!」

 

そして、その少女をエプロンをした、肉叩きを持ったおっさんが追いかけている。

そのまま二人は口論になるが、十六夜が投げた紙くずによって強制終了させられる。

 

「ああすまん。ゴミ箱と間違えた」

「ちょっと十六夜君。ゴミにゴミをぶつけてどうするのよ。ちゃんとゴミ箱に入れなさい。」

「そうだよ。箱庭でもマナーは守らなきゃゴミがかわいそう。」

「いや、きっとゴミはゴミ同士仲良くやっていけるさ。」

「それはないだろ。紙くずはリサイクルできるんだぞ。」

 

そして、ピクピクしているおっさんを放置して四人は歩き出す。

 

「それに早く逃げないと・・・」

「うん、背後に何かいるよな・・・」

「見ーつーけーまーしーたー」

 

が、背後に鬼の形相で立っていた黒ウサギから逃げることは出来なかった。

結局、黒ウサギの説教が始まる。

 

「まったく、どうして皆さんはそうじっとしていられないんですか!!?音央さんに鳴央さんも一輝さんに順応してきて『別にいいんじゃない?』『そうですね。』って言ってきますし!!毎度肝を冷やす黒ウサギの身にもなってくださいよ!!!」

 

あの二人の一輝への順応度がかなり高いレベルに達している。

 

「実は俺『じっとしていると髪が逆立ってしまう病』なんだ。」

「じゃあ私は『じっとしているとリボンが本体になってしまう病』。」

「じゃあ私は『じっとしているとスライムになってしまう病』。」

「なら俺は『じっとしていると檻の中の存在全てが支配下から離れてしまう病』。」

「反省の色なしということは把握しました!というか、一輝さんのは冗談になりませんよ!?」

 

かなりの大惨事が予想される。

 

「まったくもう。皆さんはコミュニティ“ノーネーム”の一員なのですよ!?あまり軽率な行動をして仲間に心配をかけないでください!!」

 

そのあともクドクドと黒ウサギの説教が続けられるのだが・・・

 

「あのさぁ、黒ウサギ。」

「実はもう、揉めちゃってたりする」

「!!!??」

 

怒りの形相で立っているおっさんをみて、説教は終わりを迎えた。

 




こんな感じになりました。

では、感想、意見、誤字脱字待ってます。
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