問題児たちが異世界から来るそうですよ?  ~無形物を統べるもの~   作:biwanosin

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さて、七人ミサキはどうなったのか?


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乙 ⑫

「何というか・・・再確認出来るわね。」

「彼らもまた、一輝さん並みの問題児、ということが・・・」

「お兄さんも、こういうの好きそうだよね~。地下ダンジョン!みたいな感じの!」

 

ヤシロのセリフに二人は頷きながら、先を言っている一行の後を追う。

その途中で黒ウサギがものすごい勢いで追い抜いて行ったが、それには一切のリアクションなし。

そのまま、久しぶりにノーネームを外側から観察しながら下りていくと、その先には・・・

 

「ワシは今回のギフトゲームの進行役を務めさせて頂く、インディ・ハムーズっちゅーモンじゃ。」

 

ランタンを片手に持ってそう言う、ローブを被ったハムスターがいた。

さすがのヤシロも一瞬、言葉を失っている。

 

「大好きなのはヒマワリの種と芋焼酎。」

「くそどうでもいい。」

「ダメだよ十六夜お兄さん、そんなこと言っちゃ!はい、ヒマワリの種。食べる?」

 

が、そこは一輝のメイドの中で唯一問題児に分類できるヤシロ。

すぐに正気を取り戻し、どこからか取り出したヒマワリの種をあげながら撫でている。そんな様子を耀が羨ましそうに見ているのだが・・・

 

「ねえ、ヤシロ。私にも頂戴。」

「あ、うん!どうぞ~。」

 

 ・・・訂正。

 思い立ったらすぐにヤシロの隣に移動し、ヒマワリの種を受け取ってハムーズに渡している。

 まあ、耀なのだから仕方ない。

 

「それで?あの妙な契約書類を送りつけたのはあなたなの?」

「ケプッ・・・ああ、そうじゃよ。けど主催者はワシじゃねえぞ。」

 

そういうと、彼はその場にいる全員を視界に入れて、

 

「主催者は最深部にいる。そこにたどり着くことこそが本ゲームのクリア条件じゃ。」

 

そして、ゲーム内容の説明が始まった。

 

「もちろん道中、いくつかの難関は用意させてもらっとる。それを突破しプレイヤーのどいつか一人でも到達できればクリアとみなそう。」

「う~ん・・・ずいぶんとあれなゲーム内容なんだね?難易度も主催者の顔も名前も分からない。魔王のギフトゲームよりよっぽどあくどいんじゃないかな?」

「だとしても、ここまで来た時点でゲームに乗ったも当然じゃろ。」

 

ヤシロは挑発の意味も込めて言ってみたのだが、相手は一切とりあうつもりがない。

それが分かった時点でヤシロはすぐに挑発をやめ、いつもの笑顔へと戻った。

 

「何、安心せい。クリアした暁にはそれ相応の賞品を用意しておる。ガキどもにとって決してそんなゲームにならんことは保証しよう。ただし・・・クリアできなかった場合は、命をもらうことになるがの。」

 

その瞬間、その場に大量の水が流れ込んできた。

その後で告げられた言葉は、この水が落ちる前に扉の鍵を解き、部屋を脱出すること。

 

「これ・・・一輝がいれば楽勝じゃない。」

 

音央のつぶやきは、水音にかき消されて消えていった。

 

 

 

  ========

 

 

 

「ふぅ・・・さて、そろそろ話せるくらいになったか?」

「はい。もう大丈夫かと思います。なので、これを外していただけると。」

「はっはっは。そこまで敵意だらだらのやつらが、一体何言ってるんだか。」

 

一輝とスレイブの目の前には、ひとまとめに縛られている七人ミサキ。一輝とスレイブはもはや一切の敵意がない状態で彼女たちの前に立っているのだが、七人ミサキからは一切の敵意が消えていない。

むしろ敵意しかない、と言っても過言ではない勢いだ。一輝の言い分はもっともだろう。

 

「では、これを外すまで私たちは聞かれたことに一切お答えしません。いいんですか?」

「ああ、別にいいぜ?話させる手段はいくらでもあるし、なぁ?」

 

一輝はそう言いながら倉庫をあさり、色々な物を取り出していく。

それを見て、だんまりを決め込んでいた六人も代表として交渉をしていた一人も、恐怖から震えだした。

 

「・・・それで一体、何を?」

「ん?何だろうなぁ?さてはて、何だと思うスレイブ?」

「拷問・・・と言っても、中世ヨーロッパのように身体的な苦痛をメインに置いたものではないですね。精神的な・・・女性には辛いものかと。」

 

その瞬間、七人の震えが増してきた。

 

「あ、そうだそうだ。昔某国から俺の正体を探るために送られてきたスパイですら屈服したやつとかあるんだけど、どこにしまったかな・・・」

「やはり、それも?」

 

スレイブの質問に対し、一輝はその時のことを笑顔で話しだした。

それはもう、とびっきりの笑顔で。

 

「女の人だったな。謎の第三席、それが男だってことくらいは掴んでたみたいで、異性が送り込まれたんだけど。お、あったあった。これが予想以上にうまく決まってさ~。あれ以来一種のトラウマと変な癖になったらしくて、俺の名前さえ出せば何でもする、超ドМの世界トップクラススパイが誕生したんだよ。完全に日本に寝返ってくれてさ~。光也とか、それはもう助かってたんだよな~。いやはや、懐かしい懐かしい。」

「「「「「「「すいませんでした!何でも話しますのでどうかやめてください!!」」」」」」」

 

七人ミサキ、一瞬で手のひらを返した!

一輝はその様子に満足そうにうなずいてから、道具を一切しまわずに話を聞いていく。

 

「さて、と。じゃあまずは何でこんなところで暴れていたのかを聞かせてもらおうか?」

「神格を手に入れて。」

「そのまま自我を失って暴れておりました。」

「じきに私たちの体に神格がなじんだその時には。」

「私たちの自我を保つことも出来るようになるだろうと。」

「そう言う判断をお互いに交わした私たちは。」

「とりあえずこの場に来てから神格をギフトに同調させて。」

「そのまま暴れていた、という形になります。」

 

一輝は七人が順々にこたえたのを聞いて、どうにか現状を理解していった。

 

「なるほど。つまりは、お前たちに神格を与えたやつがいるんだな?」

「はい。いるにはいますけど・・・」

「あ、こんなところにお手軽拷問セットが、」

「本拠の場所から何まで、全て喋らせていただきます!むしろ喋らせてください!」

 

主への裏切りよりも拷問の方が恐いようだ。

一輝はその後に続けられた神格を与えた存在の名前を聞いて・・・

 

「ふぅん・・・ま、依頼のついでか。」

「あ、あの・・・私たちはどうするので、きゃー!」

 

一輝は何かを決め、七人ミサキをひとまとめにした束を片手で持ち上げて倉庫の一室に投げ込み、

 

「んじゃ、ちょっと行くぞスレイブ」

「はい、兄様」

 

スレイブを引き連れて、聞きだした場所へ向けて歩きだした。

あの一輝を見てもその忠誠心に一切の変化がないスレイブは、もう本気で尊敬できる。

 




こんな感じになりました。
一輝君は、別に正義の味方ではないのです。
むしろ、結構な問題児なのですから!


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