問題児たちが異世界から来るそうですよ?  ~無形物を統べるもの~   作:biwanosin

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えー、コラボじゃなくてスイマセン。でも、我慢できなかったんや・・・今日は、妹の日やったんや・・・許してくれ・・・


ついでに、この話ともう一つ一緒に投稿したりしてるんや・・・


ifストーリー

「やったねぇ、兄さん」

「ああ、まあかなりやらかしたって感じなんだけどな」

 

 どこまでも荒野が広がるその場所。草木の一本も生えてはおらず、二人を除けば生命は存在していないその場所、その世界で。

 この上なく歪んだその兄妹は、互いの手をかさねてそこに座っていた。

 

「それにしても、あの時は驚いたなー。まさか兄さんに勝てるだなんて」

「オイオイ、勝てると思ってもなかったのに喧嘩を売ってきたのか、湖札は?」

「それはないんだけどね。一応、ちゃんと勝つつもりではいたよ」

 

 呆れたように問いかけた一輝に対して、湖札は軽く笑ってそう返す。

 二人にとって初めての兄妹喧嘩。その最後の一撃、一輝の頬に打ち込んだ湖札の一撃が一輝より一瞬早くきまったことで彼女の勝利に終わったその喧嘩。いま二人が共通して思い出しているのは、その時の光景である。

 

「ただそれでも、兄さんは私の予想をかなり飛び越えてくると思ってたから」

「お互いにお互いの予想なんて裏切ってただろ」

「それはそうなんだけど、ほら。兄さんって兄さんだし」

「なんだよそれは」

 

 くくっ、と堪えられなかったように小さく笑いをもらす一輝。この世の誰よりも愛おしい彼のそんな姿を見て、湖札はその肩に少しよりかかる。

 

「でも、実際に兄さんは兄さんだった。私の予想なんてどこかに消えちゃったみたいに」

「なんだよ、急に。ってか今はお前が俺の主なんだから、従僕に予想を超えられたらダメだろ」

「あんなことをしておいてよく言えたものだね、この口は」

 

 少しだけ力を入れて、一輝の頬をつねる湖札。いひゃいいひゃいとか言ってる一輝であるが、いたいはずがない。湖札はそんなところにムッと来て、少しだけ力を強めた。本当に痛いくらいに。

 

「ちょ、湖札。ホントに痛い」

「痛くしてるんですよーだ」

「え、えー・・・」

 

 もうどう反応していいのか分からなくなってしまい、一輝はそのまま抓られたままになる。だが、ここまでやってもただやられるだけになっている一輝を見て、湖札は一つため息をついて手を放した。

 

「はぁ・・・こんな兄さんだから好きなんだけど、それでもあそこまでされるともう何も言えないよ」

「あそこまで、ってーと?」

「身内だけ全員箱庭の外に放り出して、箱庭蹂躙」

 

 簡略化されているのにとても分かりやすい。今二人の前に広がっている光景は、一輝がそれを実行したことによってできた光景だ。

 元々の魔王連盟の目的である太陽の主権戦争。だが一輝はそんなもの無視して行動を始めたのだ。真っ先に行ったのは、自分にとって大切である者たちを外界に飛ばすこと。そのために必要なギフトを主催者権限によるギフトゲームで奪い取り、反対する声を聴きもしないで全員テキトーに飛ばした。

 そして、そのまま一族の主催者権限を箱庭にいる全員を対象に発動。後は流れのままに向かってくる全てのものを殺し、全てのコミュニティを滅ぼし、全ての階層を破壊しつくした。今壊れきった箱庭の世界にいるのは、もう彼ら魔王連盟の者たちだけである。

 

「はぁ・・・にしても、ホントにすぐに全部終わっちゃったなぁ・・・なんで兄さん、一桁から来ても勝てちゃうの?」

俺達(鬼道)がそういう存在だからだろ。何を分かりきったことを」

「それはそうだけど、あれにはみんな驚いてたんだよ?」

「二桁三人相手にしてかったやつが何を言ってるんだか」

「・・・それを言われると、ちょっと言い返せそうにない」

 

 すっと目を逸らす湖札。彼女もまた何してんだコイツ、な状態だ。なんだこの規格外兄妹は。どこまでできるんだこの二人は。

 

「・・・それで?これからはどうするの?」

「あー、他のみんなはどうするって?」

「みんなバラバラ。ただ、こんなところにとどまる人はいないみたい」

「まあ、こんなところにとどまろうとは思わないだろうなぁ・・・」

 

 自分が残した爪跡を、苦笑しながら見つめる一輝。多少の自覚はあったようだ。

 

「・・・でも、俺はここに残りたい」

「奇遇だね、兄・・・お兄ちゃん。私も、このまま兄さんとずっと二人でいたい」

 

 その会話が終わると、二人の手に込められている力が少し強くなった。もう放さないと、もう二度と放れないと、そう主張しているかのように。そして。

 

「大好きだぞ、湖札」

「うん、私も大好き。愛してるよ、兄さん」

 

 紡がれた、愛を語る一言。

 それはなにもなく、ただ広がるだけのその世界にとけていった。

 

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