問題児たちが異世界から来るそうですよ? ~無形物を統べるもの~ 作:biwanosin
ですが、どれだけ考えてもどう直すか思い浮かばなかったので、このまま投稿。
では、本編へどうぞ!
「なるほどなるほど、こっちの世界のノーネームはあんな感じのメンバーなのか」
「ああ、基本あんな感じの連中だ。そっちにはいないのか?」
「十六夜とか黒ウサギなんかはいるんだけどな・・・あの目が死んでる学ランとか、中途半端で吸血鬼にも人間にもなれなさそうなやつとか、ドーナツ吸血鬼とかはいない」
「いやその呼び方はどうなんだよ」
大騒ぎに終わった宴会の翌朝。
一人酒を飲んでおらず、またその後に起こったちょっとした騒ぎにも参加はしないで外から眺めていた一輝は早くに目が覚め、暇だったという理由で悟の案内&紹介のものとこの世界のノーネームを訪れた。今はその帰りである。
「何も間違っちゃいないだろ?」
「確かに間違ってはいないが・・・一人は結構な強さだぞ?」
「そりゃあの吸血鬼はちゃんとした状態なら強いだろうけどな・・・普段があれだろ?」
「それについてはそっちの執事さんもなかなかじゃないか?」
それもそうだな、と一輝は悟の言葉にうなずく。自分の世界にいるヤシロこと終末論『
「因みにだが、今日は不在だったがあと一人無茶苦茶なのがいる。
「それはすげえな・・・」
「だろ?」
「ああ。俺はまだ全能に片足突っ込んだくらいだしな・・・普通にすごいと思う」
「いやちょっと待て、もう今更かもだがオマエ今なんて言った?」
一輝のノリのせいで悟君が突っ込みにまわりそうな予感がする・・・迷惑をかけて申し訳ありません。
とはいえ、ネタバレはこれくらいで止めておくとして。今更感はあるもののちょっとした状況説明といこう。そこまで説明することがあるわけでもないのだが。
普通なら護衛の一人でもつく必要のある立場の悟。だが今はそんなものはついておらず、一輝と悟の二人だけだ。この二人がいれば護衛はいらないとかそういうことは言ってはいけない。それを言ってしまったらここからの説明が全部無駄になる。
ではなぜ他のものがここにはいないのか。その理由は大きく分けて三つほど。
まず一つ目に、さすがに酒を飲みすぎたやつら。二日連続なうえに普通ではありえないことが起こったからの宴会だ。酒を飲む速度も上がり、普段はそこそこにしか飲まないものも周りに流されて飲んでしまった。結果として、まだ本調子に戻っていなかったり昼時になった今でも寝ていたりしている。
そして二つ目に、ちょっとしたアクシデントの被害にあったやつら。前日あれだけ飲んでおいて言うのもあれなのだが、本来蛍は酒に弱い。酒瓶口に突っ込んだら倒れる程には弱かった。では前日アジさんとあの勢いで飲んでいたのは何なのか。言ってしまえば勢いである。青行燈という妖怪は、そもそもが観測者によってぶれてしまうような存在。一輝とアジさんという普通ではありえない二人組の存在によって少しばかりぶれてしまい、時間差で一輝のような酔い方をして、何人かがこの被害にあった。最終的にそれはアジさんの手によって止められたのだが。
で、最後に三つ目が、たった今行われているバカ騒ぎに参加しているやつら。バカ騒ぎの内容は、アジさんvs蛍。もちろん本気は出さない。参加している奴らは皐主催の賭けに大盛り上がりだ。本当にバカばっかりである。そんな馬鹿をやることを許容した一輝と悟、ぬらりひょんもあれなのだが。
「で、お前の予想だとどっちが勝つと思う?」
「そうだな・・・さすがに今の蛍がアジ=ダカーハとガチバトルしたら勝ち目はないけど、それはないんだろ?」
「さすがに、な。人間体までしか許可してないし、“アヴェスター”も“
「それならいい勝負するだろ。蛍の方もある程度抑えるよう言ってあるからわかんねえけど」
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「楽しいわねぇ、これは!」
「否定はしないが、この状況で笑っているというのはどうなのだ?」
「口の端上げてるあんたに言えたことじゃないでしょ?」
その発言に対して頷きを返すと、アジさんは龍影を繰り出し、蛍はそれを避ける。そのまま勢いで色々とはなってみるものの、アジさんはアジさんで防ぐか避けるか、あるいは当たってもびくともしない。互いに抑えているとはいえ、普通にやっていれば最終戦争クラスになりかねないレベルだ。
そんな戦いを普通に繰り広げられていては、さすがの観客も・・・
「ほたーる!もっとちゃんとやれー!」
「アジさんあんた全力でやれよ!?」
・・・そうでもなかった。結構強いのか、余波にびくともせずに観戦している。誰か止めろよと思うものの総大将であるぬらりひょんが笑ってみているのだから性質が悪い。数少ない真面目陣も、もはや手を出せないレベルになっている以上黙ってみているしかない。
結局、あの二人がバトって何も起こらないわけもなく、また止める者がおらず煽るものがいるのでは、本気でどうしようもないということだけだ。
なお、率先して蛍に精神攻撃を仕掛けていきそうな紅葉はと言えば、しっかりと悟の腕の中で爆睡中だ。なら二人きりじゃねえじゃねえか。
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「さて、それにしてもなにもねえな・・・」
「いや、色々とお前からすれば楽しいこともあっただろ?」
「楽しいというか新鮮なことだけどな。とはいえ、これまで異世界に跳ぶ=何か面倒事があるだったから、何かあるもんだと身構えてたんだよ」
何だその慣れ、と悟は若干呆れる。その中一輝は『まあ一応、夜子の時は何もなかったか』とこの特に何もない状況に納得しつつある。何かあるのなら大歓迎だし、そもそも戦うのが大好きな戦闘狂いではあるのだが、別に何もない平和というのが嫌いなわけではない。そもそも異世界の人間と会えたというだけでも結構な経験だから十分満足できる。
まあとはいえ、何もなく終わるわけもないが。
それは前触れもなく、その場に現れる。偽物ゆえかその存在は薄く、背後にいるそれに二人もすぐには気付くことが出来ない。それの存在に気付いた時には時すでに遅く、黄金に輝く剣を振り上げ得ていた。
「切り裂け・・・エクスカリバー!」
二人は反射的に後ろに跳んで刃を避けはするが、その余波に当てられダメージを負う。しかし二人はそんなものは気にせずに師子王を抜刀し、警戒を高める。
「あちゃぁ、避けられちった。せっかく護衛が減った隙を狙ったのに」
狂ったような笑い声をあげる騎士のような恰好をしたそれ。急に目の前に現れたよくわからないやつに対して二人はめんどくさそうな視線を向けるが、
「なあ、今アイツエクスカリバーっつったよな」
「間違いなく言ってたな。あの剣がそうだってことだろ」
「ついでにあの剣がぴったりおさまりそうな鞘もあるな」
「つまりはフル装備ってことだな。あれか?オマエのところのコミュニティ、アーサー王関連のとこに恨みでも買ってる?」
「さすがに、アーサー王に恨まれる覚えは・・・」
それでも、現状の理解には手を抜かない。
ひとまず信じがたいことではあるものの、目の前の騎士が持っている剣からはなかなか感じられないような威圧感が放たれているのだから、まあそうだと考えることにする。そうであるのなら、あの鞘が与えるのは不死だ。つまり普通に厄介な敵である。
「あー、アンタ、何かと間違ってないか?」
「いやぁ、何も間違っちゃいないぜ?オレが狙ってるのは百鬼夜行だからなぁ」
「ほら見ろ、やっぱりお前んとこじゃねえか」
一輝の言葉に対してお前はどっち側なんだと突っ込みたくなるのを抑え、記憶を探る。しかしいくら悩んでもアーサー王に恨まれるような記憶はなく、とはいえ結構な数のコミュニティを潰しているから確信は持てず。
「あー、まあ向かってくるなら潰せばいいか」
「いいのかよそれで」
「ウチのコミュニティじゃよくあることだしな。乗り掛かった舟だ、手伝えよ一輝」
「えー」
なんだか文句が言いたそうな返事にイラッとしつつ、それでもちゃんと武器を構えて警戒はしているので抑えることに。そのまま少しの間お互い口には出さずに作戦を決め。
「とりあえず殺す!細かいことはそれから!」
「物騒だがそれが一番楽そうだよな!」
もはやどうしてこうなっているのかは気にもしていないとでもいうような作戦。別に細かい事情が分からないままでもいいのだろうか?
まあなんにしても、二人はそう言う作戦であると宣言して、刀を片手に敵へと向かう。そして、
「唸れ、エクスカリバー!」
その一振りで、一気に後ろまで跳ぶ。木にぶつかったり地面を滑ったりと、結構後ろまでいき、見た目ボロボロになる。騎士はそれを見て笑みを深くすると、まず近くにいた一輝に切りかかる。
防ぐだけで攻撃に移らない一輝であったが、その分背後から悟が近づき、背後から切りかかる。一輝の足を踏むという手段によって行動を封じられた騎士はその攻撃をそのままくらい血を流すが、その傷はすぐに癒え、塞がり、剣を大きく振うことで範囲攻撃を繰り出す。
獅子王を自分の横で構えた一輝はそのまま引っ張られて、反対側にいた悟にぶつけられ、飛ばされる。まとめて吹っ飛んだ二人は木にぶつかって止まり、サンドイッチされた悟は大きくせき込んだ。彼が妖怪でなければ骨の多くが折れていただろう。
「ハハッ、ハハハハッ!なんだ、百鬼夜行の若頭も大したことないじゃないか!」
あまりにも簡単に二人を抑えられているため、その騎士は笑いをあげる。
「おーい、笑われてるぞ若頭」
「うるせえ陰陽師。ってか、まだこんなことしてないといけねえのか?」
「ハハハ、ハハハハ、ハハ・・・は?」
そして、その会話の内容は彼にしても聞き流すことはできないものだった。さらには目の前の二人がついさっきまで見せていた戦おうという意志のようなものも霧散しているのだから、ポカンとするしかない。
「あー、どうだろ。多分そろそろだと思う」
「その辺はっきりしてくれよ?この三文芝居がいつまで持つのか」
「・・・三文、芝居?」
「「あ、バレた」」
そして、何ともわざとらしく二人がネタばらしをしたので、騎士の方は狐につままれたかのような顔をし、一瞬後に青筋を立てる。
ピクピクと震えるその様子を見て一輝は満足したようにうなずいて、悟は妖怪より危ないなコイツと若干ひいて・・・そして、二人の周りに援軍が到着する。
「お、ようやくついたか。そろそろ引き伸ばしも限界だったんだぞ?」
『それは悪かったが、これでも人数を集めたのちに可能な限り早く来たのだ。文句を言われてもどうしようもない』
「いやまあ、ってかよくこれだけの人数でこれだけ早く来たよな」
三つ首蜥蜴の姿ではなく、人間の姿でもなく、三頭龍の姿でそこに現れたアジ=ダカーハ。龍影を広げてそこに多くの妖怪を乗せてきた彼を見て悟はついそう漏らす。
もうすでに、サトリの能力で相手の正体は知っている。それに対してぶつける戦力としては、過剰すぎると思ったのだ。だがまあ、それで躊躇するほど人間出来てもいないのだが。
目の前の騎士との戦闘を始める直前。一輝は霊的パスでつながっているアジさんに対して『なんか面倒なの出た。悟の名前でついてきそうなの連れてきて』と命令。ついでに檻の中にある彼のものをすべて与え、ここの場まで急がせる。軽くサポートをすることで龍影の上に人が乗れるようにする。
で、そんな命令を受けたアジ=ダカーハはとりあえず言われたとおりに声をかけていった。で、集まったのが。
鴉天狗の濡鴉。
がしゃどくろのがしゃ。
河童の河澄。
双子の雪女である粉雪と吹雪。
百目の伏目。
鎌鼬の鎌音。
猫又の夏歩。
茨木童子の茨。
鞭の風間。
土蜘蛛の土丸。
青行燈の蛍。
一反木綿の皐。
以上の、悟の百鬼と呼べるメンバーである。相手は一人だというのにこの人数。やることがえげつない。質も高いからなおさらえげつない。
「さて、と。これで今すぐに集められる戦力は全部か?」
「一輝の方で誰かいるなら別だな」
「ならこれで全員か。ま、十分だろ」
間違いなく十二分なその状況で一輝はそう言い、悟と肩を並べて先頭に立つ。そして同時に騎士に師子王を向け。
「さて、と。それじゃあ今度こそちゃんと始めますかね、騎士アコロン?」
「結局まだ事情は分かんねえけど、ウチのコミュニティの敵っぽいからな。ここでしっかりと潰すぜ?」
正体を見破られ、有利だと思っていたのは勘違いであり、さらには相手側に増援まで現れる。そこまで追い詰められた騎士アコロンは、それでもエクスカリバーを構えた。
こんな感じになりました。多分、あと一話で終わります。
では、感想、意見、誤字脱字待ってます!大学の授業中に書きあがったので更新しているbiwanoshinでした。テストに授業プリントを持ち込んでいい安心感がたまりませんね!