問題児たちが異世界から来るそうですよ? ~無形物を統べるもの~ 作:biwanosin
難産すぎてまだ完成していません。ですが、自分を追い込む意味合いでも投稿します。
では、本編へどうぞ!
邂逅
「んー・・・ま、ここならいいかな?」
「ええ、ここまでこれば大きな被害が出ることもないでしょうし、許可も出ています。問題ないと思いますよ。」
一樹とすれイブの二人がそんな会話を交わすのは、森の中。箱庭の外壁の外側の、『この辺りの木ならどれだけ切り倒しても問題ない。誰かいても罪人だから気にしなくていい』と珍しく前もって階層支配者の許可を取ってからきているその場所。こんな周りに木しかない場所で何をしようといているのか。
二人は場所の確認が済むとどちらからともなく手をつなぎ。
「んじゃ、やるか。キツかったら言ってくれ」
「あまりに懐かしく気にならないかもしれませんが・・・わかりました、兄様」
そして、行動を開始する。
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「・・・なあ、これってどういう状況なんだろうな」
「僕に聞かれてもわからんで・・・」
「だよな・・・」
とはいえ何も考えないわけにはいかないから、状況を自分の中で整理してみる。
町を歩いてたら目の前に場違いな鳥居があった。
二人でマナー通り端を通ってくぐった。
なんか森の中にいた。
うん、わかんねえ。何一つわかんねえ。
「せやから僕言ったやん、神道の類なんか関わるだけ損なんやからやめとこ、って」
「いやこれ神道関係ないだろ・・・」
「そっち系のやつの主催者権限に巻き込まれたとか」
「だとしたら契約書類がどこかにあるはずだし・・・」
いくら考えても答えは出てきそうにない。しかしこんなわけのわからん状況で何も考えずに行動するのは避けたいし、蛟劉も階層支配者の仕事上こんなわけのわからんものを見過ごすわけにもいかない。何かないかと考えて・・・
「来るッ」
「わかってる!」
反射的にこれまでつないでいた手を放して、それぞれ左右に跳ぶ。一瞬遅れて俺たちが立っていたところに巨木が倒れてきた。誰がやりやがったのかと根元のほうを確認するが、そこにあるのは恐ろしいほどになめらかな断面のみ。
「次くるで!」
蛟劉の言うとおり、別方向からどんどん巨木が倒れてくる。その数、合計四本。最初の一本も合わせれば計五本のまったく別の場所に生えてた巨木が倒れてきたことになる。姿の見えない何者かの手によって切断されて。
「そっち、誰かいたか!?」
「おらんで!そっちは!?」
「こっちもだ!」
二人で固まるかどうか考えて、すぐにやめる。固まらずに広い範囲を気にしたほうがよっぽどいいだろう。なにせ、固まってると二人まとめてつぶされかねない。
しかし、なら犯人はどこにいる・・・
「--流剣術、面の型六番」
と、その時。
最初のほうは聞こえなかったが、後ろから厳かな声でそう聞こえてくる。そちらを見るとそこにも巨木があり、陰に隠れて相手の顔は見えないが、両手剣と思われる剣先が・・・
「千本針!」
「ヴァーくん!」
その名前と面の型というフレーズに嫌な予感を覚え反射的にヴァーくんを元の大きさに戻す。次の瞬間名前の通り巨木が大量の針になってとんできたが、すべて燃え尽きる。その間に相手の姿を確認しようとするが、すでにそこにはいない。
つまり、あれか?こいつは巨木をでかい両手剣で切って縫い針くらいの木の針を大量生産。全部こっちに放ってからみられる前に移動した?
「面倒なギフトもってそうだな・・・」
「せやね」
「いいのかよ、こっちに来て」
「今のでわかったけど、こっちがどう動いてもまとめて倒せるやん。せやったらかわらへんよ」
まあ、確かにその通りだ。というか、この敵間違いなく強い。これだけ無茶苦茶な剣技が使えるんだから、普通に直接戦っても強いはず。大概の相手とは一対一で戦っても勝てる自信があったこと、このバカに戦っても問題ないことを証明するとか考えたりしたのは間違いなく早計だった。
「それで、どうする?」
「せやね・・・とりあえず、この邪魔な木を一掃しよか」
蛟劉がすでに二本の棍を持ってるのを見てグローブをつける。
それで木を片っ端からへし折るつもりなのかと思ったが、多分そんな面倒なことじゃなくて・・・
「さっさと出てこいや!」
予想通り、水を操って周りの木を次々と切り倒した。
一本一本倒していくのでは相手はその間に次から次へと移動すればいいだけ。だが、一気に倒してしまえば移動できる範囲から移動先を奪えるはず。
で、そうなれば相手の取る行動としてはこっちに向かってくる・・・!
「ッ!?」
と、その可能性をもとに考えていたら俺達に向けて水が飛んでくる。それも、ただ飛んでくるのではなく明らかに操られて・・・
「一人目、っと」
その一瞬。つい一瞬前に蛟劉が操っていた水が敵に回った一瞬の間に、蛟劉が首元に刃を押し付け、地面に倒されるという状況に。それを見て、それ以上される前に倒そうと殴りかかり・・・
「・・・って、あれ?オマエ・・・」
「いや、それはこっちのセリフだから・・・」
相手の顔を見て、踏みとどまった。まあつまり、うん。
「こんなところで何やってんだ、夜子?」
「こっちとしてはここがどこなのか教えてほしいんだが、一輝」
思いっきり知り合いだった。
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「ふぅん、つまりなんか鳥居があったからくぐってみたらこっちにいた、と」
「そういうことだ。よくあることなのか?」
「そうでもないんじゃねえか?俺もまだ一回しか経験ねえし」
「・・・ちなみに、その時も別の箱庭に?」
「ああ、別の箱庭にいたな」
さすが一輝というべきか、そこに誰かいたら殺してもいいといわれていたから思いっきり殺しにかかったのに、知り合いだとわかったとたんにこれである。ここまでの間に一切謝っていないというのだからいっそすごい。そしてその状況でこうして普通に話しながら歩けてしまっている辺り夜子もおかしい。
「えっと・・・つまり、二人は元々知り合いってことなん?」
「あー・・・二度あることは三度ある、の二度目」
「なるほど納得」
この説明で理解できてしまったらしい。というかこのたとえになるってどんだけ別世界の人が来たのだろうか。
「因みにだが、俺が鳥居をくぐって別の世界に行ったときは勝手に戻るのを待つしかなかったな」
「今回もそれだと?」
「俺の時と同じ現象ならそうなる。・・・ひとまずこっちの“ノーネーム”に来るか?前世話になったわけだしそれくらいの提供はさせてもらうが」
「あー・・・悪いけど頼む」
「あいよー。二部屋準備しとくよう連絡しておく」
一輝がそう言いながらDフォンを取り出して電話を始めると、夜子の目が見開かれた。箱庭で電話出来ていることが驚きなのだろう。そして、その気配を察したのか一輝の腰に吊るされている剣がしゃべりだす。
「念のために言っておくと、あれは白夜叉に作らせたギフトだ」
「あ、そうなのか・・・ってか、しゃべれるんだな」
「ん・・・?あ、戻ってなかったか」
と、そう言いながら人型になるスレイブ。しかしまあ無機物の類が人型になる程度のことは箱庭では珍しくもなんともないので特に驚いた様子はない。
「あれは隷属の契約用でな。私を始め兄様に隷属している全員が持っていて相互連絡が可能だ」
「何それ超便利」
「なあ、その技術教えてもらえへんかな?いつでも十六夜ちゃんと連絡取れるとかかなり魅力的なんやけど」
「隷属の契約を利用している、ということしか知らん」
バッサリと切り捨てるスレイブ。おそらく、この二人に興味がかけらほどもないのだろう。
「よし、二部屋準備するようにはいったからこれで大丈夫だろ」
「・・・なあ、いいのか?別に俺としては蛟劉と相部屋でもいいんだが・・・」
「カップル同じ部屋にしていちゃつかれても迷惑だからな。言っとくが、マジで迷惑になるから極力控えるように」
「お前は俺を何だと思ってんだよ!?」
「何かあったら蛟劉が思いっきりイチャつきだしてそれに流されるタイプのやつだと思ってる」
「あ、うん・・・」
思い当たる節がないわけではないのだろう。若干納得した様子の夜子はそのまま黙ってしまった。そう言うわけでなのか、代わりに蛟劉が話に参加してくる。
「それにしても、まあ何度経験してもおかしな体験やなぁ・・・別の箱庭なんて、本来あるはずないんやけど」
「つっても、今まさに別の箱庭にいて別の箱庭の住人が目の前にいるわけだからな」
「なんでそんなもんがあると思う?」
「知らん。が、ある以上はあるんだろ。こんなもん、物理の証明と同じ扱いでいいんだよ」
物理という分野において、なんでそうなるのかが示せなくても実際にそうなっている状況を見せることが出来れば証明になるのです。
「なんや、テキトーに生きとんなぁ・・・」
「分からないことに対して考える必要もないのに考えても、って話だろ」
「たしかにそやな。なら、別のこと質問してもええかな?」
「いいけどそろそろ外壁の中に入るからそんな時間ないぞ。あと、この辺のどれか被って顔隠せ。階層支配者が外から帰ってくるとか無駄に騒ぎになるんだよ」
一輝がそう言いながら空間倉庫を開けて色々と取り出す。狐面や般若面などのお面もあったのだがそれを全て当然のように避けて、最終的にフード付きのオーバーコートを着る蛟劉。その状況に一輝は一つ舌打ちをする。
「で?質問ってのは?」
「その子、なんなん?人型になれるってことは何かしら凄い武器やと思うんやけども」
「だとさ、スレイブ」
「はぁ・・・ダーインスレイヴだ」
蛟劉、若干の絶句。しかしまあ夜子はある程度一輝について覗いたためかそこまで驚きではないのか、入れ替わりで参加してきた。
「魔剣がこんな可愛い女の子になるんだな・・・ってか、なんで猫耳メイド?」
「白夜叉特製のメイド服を渡したらそうなってた。にあってるからそのままにしてる」
「確かに似あってはいるが・・・」
スレイブ、もう慣れてしまったのかそんな夜子の視線にも反応なしである。なれって怖いね。
と、そんなどーでもいい会話をしているうちに“ノーネーム”の本拠にたどり着き・・・
「ん、ああマスターか。なんか知らん者どもがいたから捕まえてみたが、知り合いだったりするか?」
「知らないやつら?」
「ああ。『俺達はノーネームのメンバーだよ!』とうるさかったので渡されていたガムテープで口を封じて縛り上げて物置に放り込んでおいたんだが」
と、褐色のイケメンにそう伝えられる一輝。すぐ後ろにお客様がいる状況でどうしたものかと考えた一輝なのだが、ふととある可能性に気付き。
「どの倉庫に放り込んだのか、案内してくれ」
「うむ、こっちだ」
と、その男性に案内をさせる。一輝は何の説明もせずにお客様二人にもついてくるように身振りで示してから男の後についていく。そして、その物置にたどり着くと戸を開けて・・・
「あ・・・」
「やっぱり、オマエのところの知り合いか?」
「うん、まあ、そうだな、うん。・・・なんかスマン」
「気にすんな。急に異世界に放り出されたらこうもなる」
一人は、緑の髪に水色のYシャツ、白衣の男性。
一人は、黒い短髪に狼の耳としっぽを持つ青年。
一人は、青黒い髪に水色の瞳の青年。
とかまあ書き上げてはみたが、要するに、だ。
夜子の世界の“ノーネーム”の同士たちであった。
と、いうわけで。オシロイバナさんとのコラボです。
どうしてこんなことになったのか。それは自分が『歪んでるけど一輝に怒れる完成の持ち主いないかな』と思ったらなんか思いついたんです、夜子ちゃん。で、ですね。
biwa「コラボさせてくだせえ(低頭)」
オシロイ神「うむ、よかろう」
biwa「ははぁ。ありがたき幸せ」
みたいな会話の後に許可をいただけました。え、簡略化しすぎだって?
・・・オシロイバナさんに怒られないといいなぁ。