問題児たちが異世界から来るそうですよ?  ~無形物を統べるもの~   作:biwanosin

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どうも皆さん、お久しぶり=デス


交流 ②

「・・・・・・何もしないのって、案外暇だね」

「骨でも投げてあげよっか?」

「あれ、今思いっきり犬扱いされた!?」

「狼でしょ?なら犬と同じだよ、ワンお兄さん」

「あー、なるほど。同じイヌ科だね!」

「そうそう、ワンワンお兄さん。私もよく使い魔っぽい立場の狼召喚してフリスビーとか骨とか投げて遊んでるし」

「狼に何やらせてるのさ!?」

 

ちょっと会話が長めに続いたが、場所も人も変わってヤシロとフェンリル、場所はノーネームの無駄に広い庭っぽいところ。面白くなる気配を感じて仕事をとっとと終わらせたヤシロが散歩していたら見つけて、そのまま一緒にいる、という流れだ。

 

「って、あれ?やっぱ狼にやらせるのおかしいよね!?」

「気が付くの遅いねー、ワンちゃんお兄さん」

「バカにされてた!?というか現在進行形でバカにされてる!?」

「うん」

「うわぁあんっ!幼女がいじめるー!!」

 

あ、フェンリル泣き出した。これが北欧神話においてあの主神であり知識大好き変神(へんじん)であり軍神であり嵐の神でもあるオーディンを喰ったというのだから、北欧神話大丈夫だったのだろうか。・・・・・・あ、各家を『信仰してくれー』って言いながら回ってたことになってる時点で手遅れでしたねハイ。

 

「とまあワンチャン弄りはおいといて」

「もはや、もはやお兄さんという敬称っぽいものすら消えた・・・なに?」

「んー、情報収集みたいなものかな?なにかこっちに来る時、感じたものとかない?」

 

と、ヤシロはどこからか取り出したメモ帳を片手にそう尋ねる。今の状況としては結構サラッとしているのだが、原因不明なうえに帰り方すら分からない異世界転移、その上主催者権限が絡んでいるのだ。今後何かあった時のためにも、情報を集めておきたいのだろう。だが、

 

「んー」

「ほらほら、なんでもいいよ?」

「確か、鳥居をくぐって」

「くぐって?」

「ぴかっとなって」

「なって?」

「こっちにいた」

 

まあ、うん。つまり、ですね。

 

「使えないなー、このワンワン」

「バカにしてるよね、それ!?ねえ!!」

 

涙目になってるこのワンコ、ちょっとおバカかもしれない。

 

「あ、暇なら農園手伝って来たら?」

「うぅ・・・そうする・・・」

 

満面の笑顔で「バイバーイ」と手を振る金髪幼女と、背を曲げてちょっと肩を落とし、トボトボ歩く黒髪犬耳青年の姿が、そこにあった。

・・・・・・あ、狼耳か。

 

 

 

 ========

 

 

 

「うーん・・・異世界のノーネームといわれても、結局ふだんみてるものとかわらないんだよなぁ・・・」

 

と、そんなことをボヤきながら廊下を歩く男が一人。

基本自由にしてていいといわれたが、なにやら部屋に向かった夜子の方へ行くわけにはいかず、蛟劉と一緒に行動とかケンカして迷惑をかける可能性しかない。さすがにアジさん相手にする気にはならないので(当然である)どうしたものかと考えているうちに一人になり、ならもういいかと散歩中なわけだ。

 

と、そんな感じで意味もなく歩き回っていると前方に人を見つける。はてどうしたものかと考え、自分の世界にいない人と関わるのも面白そうだという判断に。

 

「やっほー、猫耳メイドさん!?」

「・・・・・・」

「ちょ、いきなり切りかかっておいて何も言わずに仕事する!?」

 

『さ』のあたりで手刀をふるわれ、髪がはらり、と少し落ちる。そしてそれから誰だったのかを確認したその猫耳メイドさんことスレイブはしれっと仕事に戻った。

 

「するだろう。ゴミが増えたんだからな」

「や、増やしたの君・・・や、うん。もういいや」

 

スレイブにいっても無駄、と言うことを察したようだ。

 

「で、何か用か?迷ったなら誰か案内を呼ぶが」

 

そして、このまま無視していても無駄なのではないか、と何かを察したスレイブはスレイブで抱えていた野菜入りの箱を下し問いかける。

 

「あ、うん。暇だから、でどうせなら女の子とって何もなかったかのように立ち去らないでね!?」

 

スレイブ、即決である。とことん一輝意外には興味がない子なのだ。

 

「はぁ・・・黙れ、それ以上下らないことで仕事の邪魔をするなら、首を落とすぞ」

「おーっと、それは勘弁。でも俺鴆だよ?希少種だよ?」

「希少種の変態など絶滅すべきだろう」

「自分で言うのもあれだけど全員が全員ではないと思うよ!?」

 

頑張れ天夜。スレイブはボケじゃないけど、天然でずれてるんだ。

 

「それにほら、毒あるから気を付けた方がいいって。全身毒だよ、ぶっちゃけ」

「そうか、だが私は無機物だ。金属の塊が毒死とか、それはただのギャグだろう」

「・・・・・・あ、うん。そだね」

 

見た目人だけど、実態は別のもの。そう言う例を他に知っているのか、天夜は案外サラッと受け入れた。箱庭では珍しくない、というのも理由の一つだろう(二度目)。

 

「あ、でもほら。君の主さん?のお客さんだよ、一応。さすがに殺すのはマズいんじゃない?」

 

そして、どういう理由ならば引っ込むのかという好奇心がわいてしまった。その為、色々と探ってみる。今回のはそこそこ本命で、『主に迷惑がかかる』というネタだ。

が、

 

「たとえ客塵であっても、セクハラでもしてきそうな害鳥だ。に、一輝様はまず何も言わん」

「ちょっとまって、それはさすがに待って」

 

はっきりとした断言にさすがに慌てた。というか色んな意味での危機感を感じた。

 

「え、そう言う系?殺しオッケー?」

「さすがに親しい相手は怒られるでは済まないだろうし、あとが面倒な相手は「えー」と言われる」

「・・・ちなみに、俺の評価は?」

「異世界人だし、どうとでもなるだろう」

「・・・・・・」

 

敵対しないようにしよう、極力。それをはっきりと学んだ。

 

「しかし、無機物、無機物か・・・」

「だからなんだ。まだ下らないことを言うようなら斬るぞ」

「あ、うん。たぶんマジで斬られるだろうなー、ってのは分かったから」

 

大人しく切られることはないだろうが、かといって殺し合いを自分からしようとは思わない。と言うか人間そんなことは普通考えない。よっぽどのマゾか戦闘狂いくらいである。

さて、そうであれば何をしようとしているのかと言うと・・・まあ、うん。

 

「それにしては、結構感情豊かじゃない?」

「・・・なんのことだ?」

「その主くん・・・一輝、だっけ?のこと、好きでしょ」

「な、ななななななななななななななななななななななな!?」

 

一瞬で赤面。それをみた天夜は、面白くなってきたと内心喜んでいる。

 

「ふむ、なるほど。図星か」

「な、にゃにをいっている!」

「喋れてない喋れてない。やっぱりあれだね、無機物って言う割には感情しっかりしてるよね」

「う、ぐ、それは」

「やー、うん。どう見ても恋愛感情だよねー、それ。無機物って言う割には」

「口を閉じろ害鳥がー!」

「え、ちょ!?」

 

と、スレイブの許容量を超えてしまったようだ。手刀を構え、素足になって足も構える。ここで思い出してもらいたいのは、スレイブの本質は剣である、ということ。それはつまり、その体は見た目を変えても剣であり・・・

意図的に真似ることで、それを引き出すことが出来るのだ。

 

「や、ちょ、待って!?悪かったとは思う、思ってるから、その手足をとめて!?」

「口、息の根ごと止めて・・・!」

「やめて!?あ、切れてる!硬そうな壺がキレイに切れちゃってるから!ってかあれ結構するんじゃ!?」

 

それから三十分後くらい。

面白がって眺めていた一輝と夜子の二人がとめて、それから一時間正座させられていたとかなんとか。

 

 

 

 ========

 

 

 

「あーあー、きれいに斬っていきやがったなスレイブのやつ。いっそほれぼれとするじゃねえか」

「なんか気軽そうに言って、ますけど・・・いいん、ですか?」

「あー、別に口調とか気にしなくていいぞ。性別違うつってもあれと俺似てるし、色々面倒なんだろ」

「・・・はぁ、んじゃえんりょなく、これくらいで。で、それ高くは?」

「俺が暇つぶしに高そうに見えるようにやすい材料使って作ったやつだから問題ない」

「色々やってるなぁ・・・」

 

実は暇つぶしでもなく一輝によって下された修行の一環ということになっているのだが、言われないでそれに気付くことはまず無理だ。

 

「さて、うん。一番聞きたかったこと聞いてもいい?」

「なんだ?」

「その格好、なに?」

 

と、そう十六夜(男)に尋ねる真哉。指さされた十六夜は一瞬何のことかとと考えて、もう慣れてしまっていた自分の着ているものだと把握する。

それが・・・真っ黒なロングコート、腰につけた黒い仮面、をさしているのだと。

 

「えっと、厨二趣味?」

「ちげえよ・・・や、そう思われても仕方ねえけどな、これ」

 

うん、ぶっちゃけそうとしか見えない。特に仮面。

 

「あー・・・これに馴れる、ってのが今後のために必要でな。基本、着てる」

「必要、って・・・何かの修行?」

「そうなる、な・・・」

「因みに、師事してる人とかは・・・」

「・・・・・・一輝」

「・・・それ、面白がって遊んでない?」

「・・・・・・最近、俺もそう思い始めた」

 

ちょっと面倒な師を持った者同士、どこか通じ合うものが出来上がってしまっていた。

 

なお、この件についての一輝の回答は・・・・・・「え、遊んでる」である。この邂逅が終わってからこれを聞いた十六夜はブチギレたとか何とか。

 




ネタが・・・尽きた・・・ッ(後書きの)!
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