問題児たちが異世界から来るそうですよ?  ~無形物を統べるもの~   作:biwanosin

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さすがに九月六日が妹の日だからって、趣味全開で、思いっきり全力で、二話短編投稿して終わり、ってのはどうかなー、と思って。コラボの方も投稿。

次辺りから、動くかなー?動いてくれるかなー?動いてほしいなー?さすがにこの次の話で動いてくれないと泣いちゃうかなー?とか、そんな感じです。


命令権

「ふぁ・・・昨日は妙につかれた・・・」

 

と、来て早々に殺しにかかられたりバトルしたり各人で異世界交流したりした翌日。普通にあてがわれた部屋で平和に寝て、平和に起床した夜子は身軽に動けるタイプの普段着に着替えて見慣れた、しかし全く違う“ノーネーム”本拠の廊下を歩いている。向かう先としては食堂であり、まあ要するに朝食をいただこうというわけである。

余談だが、身軽に動けるものをチョイスした理由はただ一つ。初日に“ノーネーム”内の人物から色々聞いた結果の一輝対策だ。暇に暇を重ねて暇を重ね着するくらい暇している一輝のここ最近の行動を聞いたらついつい警戒するしかなくなってしまったのだ。

 

「ん、ああ夜子じゃん。おはよ」

「ああ、おはよう・・・他のやつらは?」

「ガキどもはもう全員分のメシを作って各々の仕事。アジさんが今日のガキどもの監督担当だからその他はみんなまだ寝てるよ」

 

そう言いながら自分の朝食に手をつけ、同時に準備されている朝食を指さす。そこに準備されているものを運びながら白米と汁物をよそって、他に誰もいないために一輝の前に座った。

 

「・・・あ、そうだ。さすがに帰れるまで全面的に世話になるわけにもいかないから手伝おうって話になった」

「マジか。前に俺が行ったとき世話になったから気にしなくていいのに」

「結局オマエ、一泊もしてないからな?人数もあるし、さすがに心が痛む」

「ふぅん・・・ま、いっか。そこまでいうならアジさんとレティシアに話は通しとくけど、お前はこっちに付き合え」

「何かするのか?」

「帰る手がかり探し」

「あー」

 

当然のことだが、そっちをまるっきり任せるというわけにもいかない。そんな点から夜子は即決し、そちらを手伝うと返す。

 

「さて、そうと決まればこっからの行動は確定だな。ちょうど動きやすそうな格好してるし、メシくって他のやつらが起きてきたら行くぞ」

「あいよ。・・・あ、そう言えば」

「うん?」

 

と、ずいぶんと前から来ていたのか既に食べ終えた一輝が茶を飲んでいると、何かを思い出したように夜子が声を上げる。

 

「なんかあったか?」

「や、そう言えば、結局命令権はお前にとられただろ?」

「あー、うん。取ったな」

「それ、どうすんの?」

「あー・・・」

 

一輝も考えていなかったようである。ぶっちゃけ、いっそ次に会った時に回してもいいくらいに何も考えていない。であればとネタ枠で何かエロ方向に使うことも(コラボサービス的に)なしではないのだが、一輝の心情的にそれがありえない。

なにせ、十六夜なのだ。同姓同名の別人というわけではなく、全く同じ人物。なまじ見た目も似ているせいでぶっちゃけ『唐突に知り合いが性転換した』という感覚に近い。さて男性諸君、質問だ。仲のいい同性の友人を思い浮かべてくれたまえ。で、そいつの性別を入れ替えてくれ。エロいことをしたいだとかもしくはエロい想像ができるか?無理だろう。というか気持ち悪いだろう、ぶっちゃけ。

つまり、そう言うことなのだ。であるため、どうしたものかと考えて・・・

 

「あ、十六夜ちゃん。先に起きてたんやな」

「おー、おはよう蛟劉。つってもついさっき起きたとこだけどな。・・・あ、手伝いの件はオーケーだってさ」

「そか。んじゃ、僕は本拠の中で出来る仕事でも手伝どうてようかなぁ」

「あ、そうだ」

 

ふと、一つのアイデアを思いついた。実用性もあり、そして同時に面白味もある。ぶっちゃけ想像するだけで楽しくなってきているレベルだ。即断即決、ギフトカードから命令権を取り出して、それに手を乗せながら。

 

「命令実行。この世界にいる間、夜子(・・)な」

「・・・・・・は?」

 

唐突に、彼氏と話していたら実行された命令権。しかも内容は意味不明。何をしてるんだコイツ、という目で一輝を見る夜子と蛟劉の二人。当然だろう。不服ではあるものの、この十六夜にしてみれば『夜子』と言うのは自らに着けられた愛称であり、自分自身なのだから。

そしてその中、先に口を開いたのは蛟劉であった。

 

「えっと、なにかおかしなところとかあらへん?夜子ちゃん(・・・・・)

「や、俺は別に何、も・・・蛟劉、もう一回俺のこと呼んで」

「へ?なんや、呼び方おかしかったか?夜子ちゃ、ん・・・!?」

 

と、夜子自身は一回目で、蛟劉は二回目でおかしな点に気付いた。そして、妙に楽しそうに問題児的笑みを浮かべている一輝の方をそろってみる。

 

「さて、それでは答え合わせといきましょう。異世界よりいらっしゃいました逆廻さま。お名前をいただいてもよろしいでしょうか?」

「・・・逆廻、夜子・・・。一輝テメエ!」

「アハハハハハハハハハハハハハハ!なにこれおもしれえ!」

 

そう、一輝がした命令は結果として、この世界にいる間目の前にいる『逆廻十六夜』という存在を『逆廻夜子』へと変換したのだ。そのため、普段から十六夜と呼んでいたものでも無意識的に夜子と呼んでしまうし、自分でもそう名乗ってしまう。根本の意識から書き換えられていないのは、一輝の心の中の思惑まで反映された結果だろう。南無南無。

 

念のために言っておくと、面白いという理由のほかに、十六夜呼びでは二人混ざるという心遣いもある。紛らわしいのだ、うん。

 

「ほらほら、とっとと飯食って調査行くぞ、逆廻夜子、ちゃん?」

「ぶっ殺す!」

「ふははははははははー!」

 

軽く走って食堂を出ていった一輝と、はしたなく残りの食事をかっ込んで茶で流し込み片づけを蛟劉に任せて追う夜子。一人その場に残された蛟劉は、そんな様子を見て・・・

 

「・・・頑張れ、夜子」

 

ぽつりと、そう漏らした。

 

 

 

 ========

 

 

 

「くそっ、なんでこんなことに・・・」

「面白かっただろ?」

「かけらほども面白くねえよ・・・実用的なのは理解したけど」

 

と、あの後。五、六回ほど夜子が本気で殴りかかり一輝が受け止めるという作業をして多少は発散されたのか、まじめに散策を開始している。場所としては今回夜子と一輝が邂逅した場でもある箱庭の外側。手がかりもないわけだからひとまず初心に帰ろうという考えからのものである。で、グチグチ言ったりそれを茶化してウガーってなったりしながら進み、出会ったあたりまで来て・・・

 

「・・・なんか、あるな」

「・・・これ、あったっけ?」

「やー、なかったと思うぞ。ってかあったら気付く、違和感で」

「だよなぁ・・・こんなあからさまに怪しい鳥居」

 

と、うん。何か示し合わせたかのように、その場にあったのだ。鳥居が。

 

「因みに、俺がまえに異世界に飛んだ時のとは見た目が違うんだけど、そっちはどうだ?」

「俺がここに来るのにくぐったのとも違うな。ってことは、関係ないのか?」

「まあ、鳥居とか俺の家にもあったくらいありふれたものだし、京都には千本鳥居とかあるし、全く関係ないって可能性もあるけど・・・」

「さすがに、来た場所にある、ってのは偶然とは違う可能性が高い、よなぁ・・・」

 

と、若干混乱している様子で会話をする二人。まさかの、この二人が弱レベルとはいえ混乱である。一輝と夜子が、だ。既にアジ=ダカーハとの戦闘も終えたレベルの二人ですらそうなってしまうくらいのインパクトが、そこにはあった。

 

「やー、うん。さすがにダメもとくらいのつもりだったんだけど、ここまであからさまだとなぁ」

「俺もそう思う。ってかあれ、契約書類(ギアスロール)じゃね?」

「え、マジで?」

 

と、さすがに怪しくて近づこうとしなかった二人なのだが、夜子が指さした先・・・鳥居の柱に貼りつけられている紙の存在から、さすがにこのまま見てみぬふりをするわけにもいかず近づいていく。そして、そこに貼りつけられていたものは確かに契約書類であった。

 

『ギフトゲーム名“カーニヴァル”

       ・プレイヤー一覧

             ・鳥居をくぐりし者

 

       ・ゲームルール詳細

             ・このゲームでは、ランダムに二人一組を作り、それぞれのゲーム盤にて参加。

             ・チーム数は5、すなわち十人が鳥居をくぐった時点でゲーム開始とし、人数に達するまではくぐったものは全員拘束される(現在カウント:0)。

             ・それぞれのゲーム盤では、何かしらの伝承、その解釈の一つにともなったストーリーがなされ、プレイヤーにはそれに参加していただきます。

             ・人食いがなされた時点で失敗となり、ループする(一部例外あり)。

             ・このゲームにおける『人』とは、言語による意思の疎通を図ることができるプレイヤー以外のものとする。

 

       ・プレイヤー側勝利条件

             ・人食い並びにそれを補助、教唆したものの殺害。可能であったなら、被害者を保護せよ。

       ・プレイヤー側敗北条件

             ・2度目のループで失敗したとき。

             ・死亡、並びに降参。

 

       ・主催者側勝利条件

             ・プレイヤーが一組でも敗北条件を満たしたとき。

       ・主催者側敗北条件

             ・全てのプレイヤーが勝利条件を満たしたとき。

 

  宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

       “カーニヴァル”印』

 

「「魔王のゲームじゃねえかこれ」」

 

読み終えた二人の感想がこれである。まあうん、内容的にも思いっきり魔王的だし、そもそも契約書類が黒い時点で確定なのだが。

 

「あー・・・見なかったことにする、か?ほら、今度俺達で何とかするし、これくらいなら」

「や、さすがにここまであからさまなのを見てそう言うわけにもいかねえだろ。さすがに手伝う」

「そうか。や、それはそれで助かるか・・・うーむ・・・」

 

さすがに、相手が魔王であるのだから多少は警戒もする。というか自分が規格外だからバトル系であれば何とかできる自信があるためにとっとと済ませるのだが、これはどちらかと言えば謎解き系。つまり、力技では済まない可能性が高い。

 

「・・・因みに、こういう伝承的なものの知識は?」

「まあ、なくはない。元々興味あったし、こんな世界だからその後も勉強したり」

「そうか。他のやつらは・・・蛟劉はあるだろうな」

「ちょっと抜けてるけどフェンリルも大丈夫だろ。残り二人もまあ、問題はない」

「あ、五人だすのな・・・んじゃ、こっちからも五人選ぶか・・・」

 

ちょっと面倒事になってきたなぁ、とか思いながら。一輝はDフォンを取り出して、残りの八人を連れてくるようにと湖札に電話をかける。

 




小話。ちょいネタバレあり
























biwa「ハナ様!二人組五つ作りたいんだけど組み合わせいかがいたしましょう!」
GOD・HANA「交流の組み合わせでいいんじゃね?」
biwa「・・・あ、いいんだ、それで・・・」
GOD・HANA「いけるいける、大丈夫大丈夫」
biwa「ふむ・・・主人公コンビはまあ決定してたし」
GOD・HANA「そらそうだろうな」
biwa「湖札と蛟劉・・・ありだな。天夜とスレイブは・・・頑張って天夜くんにスレイブを止めてもらうとして・・・」
GOD・HANA「うんうん」
biwa「ヤシロとフェンリル・・・頑張れフェンリル」
GOD・HANA「wwww」
biwa「残りの一ペア・・・面倒な師匠を持ってしまった弟子コンビかwww」
GOD・HANA「クソワロタwww」

・・・あれ、普通だぞ!?ネタにしてオシロイバナさんに怒られてたこれまでがウソのようだ!?
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