問題児たちが異世界から来るそうですよ?  ~無形物を統べるもの~   作:biwanosin

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さて、biwanoshin。一つ分かったことがあります。
一つ区切りがついてから投稿した方が修正も効くし、待たせてしまうこともないし、いいんじゃないかな?って思って区切りがついてから投稿しよう、なんてやっていたのですが。
その結果一体何度途中まで書いてから消し飛ばしたことか。
一体何度設定へ習性が加わったことか。
最終的には若干名新たなチートを獲得する状況になってしまい、ああ、もうこれいつまでたっても完成しねえや、って。

というわけでもう、ジャンじゃか投稿していくことにしました。


外道討伐編
決意の瞬間


一輝の行ったことは、蛟劉を通して上層へと伝えられた。

外界における裁判をつかさどる女神の殺害。その結果発生する外界への影響が恐れられ代用品はすぐ召喚されたものの、元凶たる人間の裁定は別問題だ。真っ先に、それについての会議が行われた。

 

まず、一輝と友好的な停戦協定を結んだ神群は、不干渉を示した。神殺しの力を持っている以上戦闘は十割不利であるのだからというどうしようもない理由からだったが、どうしようもないのだから仕方ない。そも、神霊の一定数以上の死は外界へと多大な影響を及ぼす。

それに対し、一輝と友好的な関係を築けなかった・・・会合が思いっきり滅ぼしあいになった神群は、当然危険すぎるものだからと討伐を決定した。箱庭が魔王として認定していないのが問題であったが、それは無視して決行する。

 

討伐隊の規模だけで見れば、七天戦争と変わらない。いくつもの神群が討伐隊を結成して、連合軍で向かった。戦闘に長けた神霊、知に富んだ神霊、闘争に生きる英雄。一部の神群しか参加していないとはいえ、誰もが思っただろう。これが相手ではいかなる魔王も死あるのみだろう、と。長時間いることによる下層への影響?それは知らん。

 

が、しかし。その予想は安易に裏切られた。ゲーム開始から一時間。討伐隊はたった一人を残して全員倒れた。一切読み解くことのできないゲーム内容、アジ=ダカーハの神殺し。この二つの要素によって、蹂躙されるのは目に見えていただろうに。そしてここまでしてもなお、一輝の主催者権限は白黒のままであった。唯一無事であったものは、これらの事実を全ての神群へ伝えた。また、一輝からの伝言も伝える。

 

一つ。ユースティティアの天秤は返還する。

二つ。そちらから関わってこなければ戦闘の意志はない。

三つ。第一陣だけは見逃してやるから回収に来い。

四つ。それ以降に向かってきたやつは前の宣言通り殺す。

五つ。こっちの問題はこっちで何とかする。

 

以上である。これを聞き、神群は共通の結論を出した。

鬼道一輝は危険因子ではあるが魔王ではなく、一切関わらないものとする。コミュニティ・ノーネームへ戻った際も特別措置として罪に問わず放置する。

これは、彼には殺したものの魂を獲得、自由に操る能力がある故の決定。その気になれば箱庭の神霊を全滅させ全ての神群の権利を乗っ取ることすらできるという点に対する危険視である。

 

「とまあ、現状決定したことはそう言う感じなのかな?」

「あの人が持ってきたモノによるとそう言う感じらしいね。じゃあ、どうする?」

「んー・・・なにかしら一部神群が抱いてる不満をごまかせる手段を考えるか、十六夜たちに期待して待つか・・・」

 

と、そんな結論を出し。兄妹は大量に出た死体を処理していく。

長き時を箱庭と言う神々の遊び場(神の陰謀渦巻く戦場)で生きてきたのが神群である。であればこそ、当然のこととして。自分たちの手足として動かすことのできる足のつかないコミュニティはいくらでもあった。神殺しのギフトを持つ相手故に、用いる手段は神霊以外の者を。そして当然の結論として、皆殺しに会う。

箱庭よ。これが魔王の所業じゃなくて何だというのだ。

 

 

 

 ========

 

 

 

「黒ウサギ、ひとまずはあれで全部か?」

「イエス、先ほどの相手までで必要だった話し合いは終了なのですよ」

 

その言葉を聞き、十六夜は髪をかき乱しながら机に突っ伏す。リーダーが消え暫定のリーダーもいない今、その役割を担っているのが彼である。

 

「神霊本人が来たわけじゃないにしろ、神群の相手ってのもキツいもんだな」

「その神の代理に足るものとして神格を預かる存在ですから……少なからず、神を相手に渡り合うだけの力を持っているはずです」

「いいね、こんな状況じゃなきゃ是非行って!と願いたいもんだ」

 

そうぼやく十六夜へ黒ウサギは紅茶を差し出し、一気に飲み干される。思わぬ会合は、確かに十六夜を疲弊させていた。

 

「が、疲れただけの価値はあった。上層の方針、表向きのモノとはいえそれを知れたのは大きい」

 

水分を取り落ち着いたのか。少しずついつもの調子を取り戻して、不敵に笑う。

 

「ひとまず、一輝の討伐指令は完全に取り下げられた。あれが個人的に箱庭へ害を及ぼしすぎない限り、“ノーネーム”も一輝も放置だ」

 

装飾を取っ払って言ってしまえば、上層が下した結論はこれである。本来であれば神へたてついた者としてはありえない結果。しかし彼という存在はそれを下されるに足るモノを保有している。

 

「今回ばっかりは、神殺しと異形喰らいに感謝するしかねえな。害もなく、攻めるのも損と来た」

 

異形喰らい、と名付けられた存在。そのギフトに込められた意味も目的も不明ながら、その力だけは明らかだ。神を仕向けたとき、確実にその力が増す。一人で神群を形成することすら、ともすれば可能であろう。

 

「まあ、それも長くはないだろう。今はアイツの存在がブラックボックスだからいいが、そうじゃなくなった時どうなるかは火を見るよりも明らかだ」

 

人類最終試練、その正体が何であったのか。ハーメルンの笛吹き男、その事件の真相は何であったのか。人類種の最果てより来たりた吸血種の正体とは。

程度は違えど、それらと何も変わらない。正体が判明すればその霊格は丸裸になり、ギフトの理屈も判明し、滅ぼすことも可能となりうる。少なくとも、力によって滅ぼしていい存在なのかがはっきりする。

滅ぼしてよく、滅ぼせるのなら。その明確な脅威を、躊躇うことなく滅ぼすだろう。それが叶わずとも、

 

「だからその前に、俺達でアイツを倒すのがベストなわけだ」

「まあ、そうなりますが……倒せますか、一輝さんを?」

「考えなしにやった場合は、確実に無理」

 

十六夜、即答である。

 

「断言してしまうほど、ですか」

「別に、俺が言わなくても黒ウサギなら分かってるだろ。鬼道一輝、って人間が持ってるギフトと身体能力はそれだけのものだ」

 

返しながら、頭の中に彼のギフトを並べる。話の流れが確定しているため、黒ウサギも同様のことを行った。

 

「まず、身体能力。破壊力ならウチのコミュニティでは俺が一番上だし、単純な総合ステータスだけなら一輝にも勝てるだろうよ。一輝のそれは、人間としては最上クラスでもそこまでのものだ」

「ですが、彼はそれを補助できるだけのものを持っている」

「ああ。陰陽術による身体能力の総合的向上、あれの倍率は控えめに言っておかしいレベルだ。そして無理なドーピングかと思えば、それに耐えられるところまでは鍛えてるしな」

「もしそれがなかったとしても、檻の中にいる異形の力を自らに上書きすることもできれば、そのまま書き換えることもできます。人間が保有しているはずの身体能力という弱点は、つくことができませんね」

「オマケに耀のギフトでやれることだって、一輝はほぼ全部やれるだろ。接触によるサンプリングと封印による獲得って違いはあるが、結果は近似的なものになる」

 

保有する動物、幻獣のデータをサンプリングしていき、それらを自らの体へ模倣する。あるいはネックレスを媒介として武装へと変換する。ものすごく雑な纏めだが、これが春日部耀の保有するギフトである。もちろんこれも、最強種すら再現できる最高クラスのギフトではある。

しかし、外道・陰陽術に含まれる神成り、憑依、妖武装の三つもまたこれに近いことを行うことのできるギフトである。耀の保有するギフトとは違い檻の中にいる存在しか用いることはできないが、それでも蚩尤、アジ=ダカーハ、ユースティティアという三種類の神霊へなることが出来るのが現状だ。

 

「強いて言えば疑似神格を付与し軍勢を指揮する飛鳥のギフトは『強化する』って点において優位を獲れるだろう、が……」

「『言葉』を介した疑似神格の付与は長続きせず、そうでなくとも負担が大きすぎる。一輝さんを抑えうる軍勢、というのは難しいでしょうね……」

 

となれば、ギフトによって優位を獲得するという方針はそもそも取ることが出来ない。であるのならば、だ。

 

「取りうる方針はもう、そう多くない。ぱっと思いつくのは二つが精々だな」

「二つ、ですか」

「ああ。俺と、あともう一人同じだけの身体スペックを持ってるヤツとで一輝をぶちのめすか、あのギフトゲームを解き明かすか、だ」

 

即ち。多彩に過ぎる上に一個一個のレベルも高いギフトと馬鹿正直にぶつかるのではなく、接近戦に持ち込んで一気にすべて済ませてしまおう。あるいはギフトゲームを、鬼道という一族の霊格を解き明かしある種正攻法でクリアする。

現状立てられる対策はこんなものである。

 

「正直、やれるなら黒ウサギと俺とでやるのが一番じゃないか、とは思うが」

「黒ウサギのギフトゲームへの参加は難しいでしょうね。審判権限の影響で黒ウサギはギフトゲームへの参加権を保有していませんし」

「言えば一輝は参加を許可しそうなものだけどな。とはいえ、黒ウサギには緊急避難としての役割を任せたいから選択肢に入らないんだけどな」

「……審判権限、つかえるのでしょうか?」

「分からん。分からん、が‥…」

 

と、一輝の主催者権限、それによって生成される白黒の契約書類を取り出す。

 

「こうして半分が黒で形成されている以上、“そういうモノ”として扱うことができるはずだ。むしろ“そういうモノ”としての要素すらギフトゲームのギミックに関わっていると考えていい」

 

全ては推測だ。しかし、契約書類は手元にあるとはいえ未知のゲームへ挑戦するのが魔王のギフトゲームであり、その状況は普段のものと何ら変わりない。推測だけで動きだし、ゲームの中で正解をつかみ取る。それが魔王のギフトゲームへ挑戦するプレイヤーのやり方だ。

 

「よし、この内容で一旦主要メンバーに通して調整するぞ。主力総出で討伐に行く以上、本拠の守りをどうするかも決めないといけねぇしな」

「そう、ですね……」

 

と、軽くまとめた紙を持って立ち上がり、部屋の扉を目指す。そんな十六夜の背を見ながら、黒ウサギはしばらく黙り……

 

「……すいません、一つだけ」

「あん?」

「言わなければならないことだと判断したので、黒ウサギから言わせていただきます」

 

そして。彼女が最も言いたくない一言を。心を抉り、古傷を開き、回答によっては再び失意へと沈まなければならないであろうその言葉を、それでも最年長者として告げる。

 

「コミュニティ“ノーネーム”には、一輝さんをこのまま放置する、という選択肢もあります。魔王に襲撃されたわけではなく、こちらへの戦意を持っているわけでもない以上、考えなければならない選択肢です」

「あー……まあ、そうなんだけどな」

 

と、そういって。少し気まずそうな顔で頬をかき、めんどくさそうな顔で言葉にならない声を漏らし、いら立っているかのように髪をかき交ぜた後。

 

「勝手に一人で抱え込んでどっか行って、残した言葉は『じゃ、しばらく任せた』の一言のみ。その上俺は負けっぱなしと来た」

 

そう言いながら上げた顔は、彼が箱庭に来た当初から浮かべていた表情。

天上天下唯我独尊、天は俺の上に人を作らず。そんな心情を掲げる少年特有の、一輝に敗北してからはついぞ浮かべていなかった、『逆廻十六夜』の顔だった。

 

「そんなヤツ、横っ面ぶん殴って連れ戻す。そうでもしなきゃ、スッキリしねぇだろ」

「…………はぁ」

 

そして。黒ウサギは自分が惚れた相手がどれだけ面倒な相手なのかを再確認して。どれだけの問題児なのかを再認識して。そんな人間として欠陥だらけの姿へ失望して。

 

「そういうことなら、仕方ないのですヨ♪」

 

きっと残りの問題児二人も同じことを同じ表情で言うのだろう、と。自らの生きてきた時間に比べてほんの短い時間しか一緒にいない最愛の同士たち、その日常を取り戻さんと決意した。

 




……あ、書けたら投稿していく、ってスタンスなだけだから投稿頻度がそこまで上がるってわけじゃないよ?
普通に卒業研究に向けて実験とか論文とか忙しくてそれどころじゃないのはリアルなんだよね、って。
ラノベとかソシャゲとかアニメとかVtuberの動画を見るとかはワードをカタカタしながらやったり登下校の電車の中でやったりできますけど、小説書くのだけはそう言う場で出来ませんから。

そもそもワードファイルをカタカタしたり実験データをまとめたりするのにパソコンを使う以上、パソコンを使わないとできない小説書く作業ってできないんだよなぁ、って。ホント悲しい。泣きたい。泣くか。

もう、英語は嫌なんじゃ……
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