問題児たちが異世界から来るそうですよ?  ~無形物を統べるもの~   作:biwanosin

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この話でゲームは終了します。

では、本編へ、どうぞ。


The PIED PIPER of HAMERUN ⑥

「ところで一輝、ペストの居場所はわかるの?」

「それは、まあ問題ないんじゃないか?」

 

一輝の目は前方を向いている。

耀もつられて見ると・・・そこには黒い霧が広がっていた。

 

「これって・・・!」

「ペスト、だな。」

 

一度、同質のものを見た一輝は断言する。

 

「だけど・・・あれに込められた死は前とは比べ物にならんな。」

「そんなものが広がったら参加者が・・・」

「たぶん、こっちがクリアに近づいたから白夜叉だけを手にすることにしたんだろ。」

 

一輝は冷静な口調を保ちながらも、内心ではかなりあせっていた。

 

「さて・・・まずはあれを何とかするか。」

「だね。私は向こう側にいくよ。」

 

耀はグリフォンのギフトで飛んでいく。

 

そして、一輝は送り狼から下りてその場に立ち、お札を一枚だけ持つ。

 

「禍払いの札よ。我が命に従い眼前に広がりし死を喰らいつくさん!」

 

そして、前とは違い、一枚だけで自分のほうにきていたのを吸い尽くす。

 

逆側には風が吹き荒れているので、耀が何とかしているようだ、と判断するが、どうにも押されぎみだ。

 

「禍払いの札よ。彼方にありし死を喰らいつくさん!」

 

一輝はお札を放ち、その霧も吸い尽くす。

 

「一輝さん!それに耀さんも!こちらに来てください!」

 

二人は黒ウサギに呼ばれたので、そちらに向かう。

 

「まだ最終決戦は終わってないよな?」

「はい。今から開始です。」

 

一輝は対魔王戦がまだ終わってないことに安心する。

 

「へえ・・・まだお仲間がいたのね。でま、所詮は人間。星も砕けない分際では魔王は倒せない。」

 

近くにいた十六夜は、その言葉と同時に放たれた衝撃波で一輝たちのほうに落ちてくる。

 

「・・・星も砕けない分際だと?カッ、素敵な挑発をしてくれるじゃねえか斑ロリ。」

「だな。そういうなら砕いてやろうじゃねえか。」

 

十六夜が拳を構え、一輝はおのが内にいる妖怪を開放しようとするが・・・

 

「御二人とも、ちょっと待ってください!作戦がありますから、そちらを尊重してください!」

 

黒ウサギにあわてて止められ、一旦は拳を収める。

 

「別に作戦を実行するのはかまわねえが、どうする気だ?」

「今から魔王を討ち取ります。皆さんは魔王に隙を作ってください。」

「あの風はどうするんだ?俺がお札で吸い続けるとしても、絶対に取りこぼしが出るぞ?」

 

一輝の言葉に対して、黒ウサギは白黒のギフトカードを口元に当て、答える。

 

「ご安心を!今から魔王とここにいる主力―――まとめて月までご案内します♪」

 

次の瞬間、一輝たちは月の上に立っていた。

 

「確かに、ここなら犠牲者は出なくてすむな。」

「うん。でも月にくることになるとは思わなかった。」

 

いつの間にか、耀が一輝の横にいた。

 

「さて・・・いつものギフトは使えないけど、行きますか!」

 

一輝はサンドラの炎から出てきたペストにお札を放つ。

 

「禍払いの札よ!邪なるものを払いたまえ!」

 

お札はペストに向けて一直線に進むが、少しのダメージも与えずに朽ちる。

 

「死神たる私に、そんなものは効かないわ。」

「だよなあ・・・。」

 

一輝はそんなことを言いつつも、お札を投げ、ここにいる味方全員に一枚ずつつける。

 

「これは・・・」

「お守り代わり。一回なら防いでくれる。」

 

耀はその言葉を聞き、ペストのほうへつっこんでいき、ペストを殴る。

 

「無駄よ。あの男以下の打撃なんて、防ぐにも値しない。」

 

耀は霧にのまれるが、お札のおかげでなんともない。

 

「無茶するなあ・・・」

「私に出来ること、無いから。」

「なら、一つ協力してもらっても?」

「?」

 

耀は一輝の言葉に首を傾げる。

 

「黒ウサギは何か切り札があるみたいだけど、それを使うにはあいつの動きを止めないといけない。」

「うん。」

「俺の弓ならそれが可能だが、俺に弓の腕が無いから、上を狙って当てれる気がしない。」

「何、その変な自信・・・」

「今まで、本格的に練習したのは刀くらいだからな。弓は平面でしか狙えん。」

「そう・・・」

「って訳で、足場を作って欲しい。」

 

耀は自分の役目を理解した。

 

「解った。」

「後、出来たら矢を風で後押ししてもらえると・・・」

「それは自分で何とかする。」

「はい・・・」

 

どんだけ自信がないんだ。

《最後に使ったの、もう二年前だし・・・》

まあ、耀の言う通り自分で何とかしろ。

《は~い。》

よろしい、って、この状況でも割り込んでくるのか、オマエは!

 

「さて、不意打ちをするためにも、どっかに隠れてようか。」

「うん。」

 

二人は瓦礫の影に隠れようとするが・・・

 

「軍神に月神に太陽神・・・!護法十二天を三天までも操るなんて、この化物―――!!」

 

ペストの死の風が焼かれ、ペストの目が黒ウサギに集中するという絶好のチャンスが出来上がっていた。

 

「・・・耀!」

「っ!!」

 

一輝は耀がおこした風の上に立ち、弓を引き絞る。

すると、一輝の手に矢が表れるので、それに言霊を吹き込む。

 

「我が手に在りし機尋(はたひろ)の矢よ!その執念によりて我が敵を捕らえん!」

 

一輝は言霊を吹き込んだ矢を、ペストに向けて放つ。

運よく、矢はペストに向かって飛び、ペスウに当たったが・・・

 

「無駄よ。そんな矢では私を貫けない。」

「貫こうとはしてねえよ!」

 

ペストが眉を顰めた瞬間、矢が本来の妖怪としての姿、黒く細長い布になって、ペストに巻きつく。

ペストは無理やりそれをほどこうとするが・・・

 

「無駄だよ。機尋は邪念と執念の固まりで、その対象を絞め殺す妖怪。

 そして、この弓は相手を絞めるという属性を固めたものだ。絶対に放さないよ。」

 

そう。一輝の習得した奥義の一つ、“妖武装”はその妖怪の持つ属性の一つを固め、使用者の思い描く形にするもの。

それゆえ、捕まっているペストは抜け出すことが出来ない。

 

「と、言う訳で。やっちまえ、飛鳥!」

「ええ!撃ちなさい、ディーン!」

「DEEEEEEeeeEEEEEEEN!!」

 

ディーンが放った矢は一直線にペストに向かい、機尋ごと貫く。

機尋は、貫かれた瞬間に消えた。

 

「こ、この・・・程度、なんかで・・・!」

「無駄でございますよ。その槍は正真正銘、帝釈天の加護を持つ槍。太陽の鎧と引き換えた、勝利の運命を宿す槍なのですから。」

 

そう、一輝の矢が当たれば必ず対象を捕らえるように、インドラの槍は穿てば必ず勝利をもたらす槍。

 

当たった以上、ペストを待っているのは、敗北である。

 

「そんな・・・私は、まだ・・・!」

「―――さようなら、“黒死斑の魔王”」

 

飛鳥が別れの言葉を告げるのと同時に、激しい雷光が月面を満たし、軍神の槍は、魔王とともに爆ぜ、一輝たちの初の魔王とのゲームは幕を閉じた。

 




こんな感じで終わりました。
次回で二巻は終わる予定です。


では、感想、意見、誤字脱字待ってます。

あと、この妖怪はなんだ?というものも、答えられる範囲で答えさせていただきます。
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