問題児たちが異世界から来るそうですよ?  ~無形物を統べるもの~   作:biwanosin

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今回、一輝は登場しません。


では、本編へどうぞ。


破滅の抜け道 ③

時間は少し戻り、場所も変わる。

音央と鳴央は二人で破滅の物語と対峙していた。

一輝に言われた、ではなく、二人がこれが一番いいと判断しての行動である。

 

「さて、さっさと片付けるわよ、鳴央!」

「ええ、音央ちゃん!」

 

気合を入れる二人の前には、様々な破滅がいた。

 

まったく同じ姿をした大量の殺人鬼、“複製殺人鬼(クローン・マーダー)”。

悪魔のような容姿で生まれ、悪魔になってしまった少女、“13番目のリーズ(リーズ・サーティーン)”。

科学の力で現代に復活した肉食恐竜、“復活恐竜(ミュータントレックス)”。

ハロウィンの日に毒入りの菓子を配り、子供を殺す“お菓子配り(ハロウィン・サディスト)”。

 

音央は一番何も出来なさそうなお菓子配りを茨で縛り上げ、鳴央があけた穴に落とす。

お菓子配りが何の抵抗もせずに落ちていき、二人は固まるが、特に何か出来るやつではないので仕方がない。

 

「何か拍子抜けね・・・まあいいわ。私はあの人っぽいのを担当でいい?」

 

そのおかげでこんな冷静な判断が出来ているのだから、もうけものだろう。

 

「・・・あ、はい。それでいきましょう。」

 

どうするか決まったので、音央は殺人鬼の集団のほうに向かい、鳴央は恐竜と悪魔のほうを向く。

 

 

 

===================

 

 

 

「スリーピングビューティー!」

 

スパッ、ザクッ、タァン。

 

音央が茨を放つが、殺人鬼たちはそんな効果音を立てながら、茨を切ったり、茨にナイフをさして止めたり、銃で撃って破壊したりして防ぐ。

中には防ぎながら銃を撃ってくるのもいるので、これまた音央とは相性が悪い。

やりづらい敵だ。

 

「あーもう!何で当たらない連中ばっかりなのよ!」

 

その無意味っぷりに、自分でキレた。

本人も混乱しているのかもしれない。

 

「はあ・・・よし、一回すっきりした!当たらないなら・・・」

 

そうでもなかったようで、音央は何らかの作戦を実行する。

それは・・・その場を動かない、というものだった。

 

もちろん、殺人鬼がその隙を見逃すわけがなく、銃で狙ってきたり、刀で切りかかってきたりする。

だが、音央は動かず、タイミングを待つ。

ほんの一秒待つと、音央は口を開き、この状況を突破する策を実行する。

 

「『真夏の夜の夢(ミッドサマー・ナイトドリーム)』!」

 

瞬間、一番遠くにいた殺人鬼の位置と音央の位置が入れ替わる。

そうなれば、入れ替わった殺人鬼は切りかかってきた殺人鬼に殺され、切りかかった殺人鬼は、一瞬の動揺の隙に銃弾を受けて死ぬ。

 

それと同時進行する形で、音央はすぐそばにいる殺人鬼の腕をつかみ、別の殺人鬼にぶつける。

二人はぶつかって倒れたので、運よく落としてくれた爆弾を投げつけ、死亡させる。

 

結果として半分の殺人鬼が死に、数が減ったので音央はギフトカードを掲げ、自分の有利なステージへと移動する。

 

「『妖精庭園(フェアリーガーデン)』!」

 

その瞬間に、周りの景色が変わる。

茨で囲まれた、かつては神隠しのゲームのステージの一つであった、音央の城へと。

 

この場でこの人数なら、音央に負けはない。

 

「スリーピングビューティー!」

 

先ほどは防がれた技だが、先ほどとは状況が違う。

音央の近くからしか出なかった茨が・・・全ての方向から襲い掛かる。

先ほども述べたように、ここは茨で囲まれている。その茨を操れば、逃げ場は、ない。

全ての殺人鬼を縛り上げ、そのまま圧死させるとフェアリーガーデンを解除する。

 

「ふう・・・これで終わりね。さて、どっちのほうに行けばいいのかしら・・・」

 

ヒュン!バララララララララララララッ!

 

音央が鳴央のほうに行くべきか一輝のほうにいくべきか悩んでいると、大剣が空に投げられ、それに向かって大量のお札が飛んでいくのが見えた。

 

 

 

         ================

 

 

 

また少し戻って、音央と分かれてすぐの鳴央は、恐竜と悪魔の二体と戦っていた。

 

「アビスホール。」

 

鳴央の周りにいくつかの黒い玉が、いつもより一回り大きくなって出現する。

そして、その一つを恐竜のほうに飛ばすが・・・

 

「グゲ、ゲゲゲ!」

 

横から悪魔が飛んできて、一口で食べてしまう。

 

「Gyaaaaaaaaaa!」

 

そうして出来た隙に、恐竜が突っ込んでくるが、玉をいくつか盾として使うことで、恐竜はその攻撃をやめる。

 

先ほどから、このやり取りを何度も繰り返し、一向に勝負が付かないのだ。

 

「さて・・・どうしましょうか・・・」

 

鳴央は、防御のためにいくつか玉を追加し、距離をとると、作戦を考え始める。

 

悩んで、悩んで、悩み続けた結果、一つの少し危険な作戦が思いつく。

 

「これは・・・出来ればやりたくないですけど・・・」

 

いくら攻撃をしても、全て防いでくる悪魔を見て、作戦を決行する。

 

「アビスホール。」

 

鳴央は自分の目の前に一つと、悪魔の周りに大量の玉を作り出す。

 

「グギャギャギャギャ!」

 

悪魔が一つずつ食べ始めるので、鳴央は全て食べられる前に次のやることを開始する。

 

「『奈落の門(アビス・ゲート)』。」

 

鳴央は、目の前にある暗黒の球体に右手を突っ込む。

突っ込んだ右手は指先から粒子になっていくので、相当苦しい。鳴央も玉のような汗を流している。

それでも手を抜かず、再生するようなイメージを持って入れ続ける。

すると・・・まだ食べられていない球体の一つから鳴央の手が伸び、悪魔の額に触れる。

 

「やっと・・・届きました。『真夏の夜の夢(ミッドサマー・ナイトドリーム)』。」

 

鳴央は手から直接『夢を見せる』力を送り込み、悪魔を眠らせる。

そのまま、手を抜きながら回りに残っている球体で悪魔を飲み込み、残りの敵へ目を向ける。

悪魔を攻撃している間、一切攻撃してこなかったのは、鳴央がうまく邪魔になるように設置した球体のせいで、ようやくそれを抜けてきた。

 

「Gyaaaaaaaaaaaaaaa!!」

 

散々邪魔されたストレスからか、一直線に鳴央のほうに向かってくるが、それでは何の意味もない。

 

「アビスホール。」

 

鳴央が目の前に奈落の穴を作るだけで、勝手に入っていき、消えた。

恐竜・・・たいした活躍してねえな。

 

「さて・・・これで全部ですし、音央ちゃんのほうに向かいましょうか。」

 

鳴央は音央の向かったほうに向けて走り出すが、途中で空に投げられた剣と、それに向かっていく大量のお札を見る。

 

「あれは・・・一体何を・・・」

 

少しの不安を胸に、鳴央は音央のいるほうに走っていく。

 

 

 

=================

 

 

 

また場所が変わって音央のところ。

音央は空にあるものに驚愕していた。

 

「あれって一体・・・」

「音央ちゃん!」

 

音央が唖然としていると、鳴央が音央のほうに走ってくる。

 

「鳴央!そっちは終わったの?」

「はい。音央ちゃんは?」

「こっちも今片付いたとこ。それよりあれって・・・」

「お札が飛んでいるということは、一輝さんでしょうね。何をしているのでしょう?」

「それは解らないけど・・・行ってみるしかないわ。」

「ですね。行きましょう!」

「ええ!」

二人は、一輝がいるであろう方向に走っていった。

 




一輝が一話まるごとでないのは初めてな気がする。



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