問題児たちが異世界から来るそうですよ?  ~無形物を統べるもの~   作:biwanosin

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今回から一輝vs湖札に戻ります。

では、本編へどうぞ!


Tain Bo Cuailnge ⑥ & 大祓 ⑤

一輝は、獅子王を構え湖札に対峙する。

 

「確かに、そんな奥義は見たことも聞いたこともないね。オリジナル?」

「ああ。俺が一番求める力の現れ。まあ、もう一つあるんだけどな。」

 

そう、一輝は自らを守り、仲間を守り、居場所を守る。そう願い、奥義を習得した。

それを満たす奥義がなければ、満たす奥義が出来て当然だろう。

 

「じゃあ、見せてもらおうかな!」

 

湖札は鬼を放ち、一輝に向かわせる。

数は少なくなっているが、その分一体一体の力は強くなっている。

 

一輝は冷静に鬼を見て、奥義を使っていく。

 

「霊格開放、牛鬼!」

 

一輝が獅子王を振るうと、獅子王から黒い霧が放たれ、鬼の一体を斬る。

そして、そのまま黒い霧は集まり、牛鬼の姿になる。

 

「鬼どもをぶっ潰せ!」

「GUGYAAAAAAAAAAA!」

 

牛鬼は一輝の命令に従い、鬼を倒していく。

牛鬼は奥義によって霊格を上げており、この程度の鬼では対処できるようなレベルにはいない。

 

「一応、ただの妖怪では対処できないレベルのを出したつもりなんだけど?」

「まあ、奥義の効果で強化してるからな。あの辺にいる鬼なら、納豆小僧でも潰せる。」

「納豆小僧って、ただ臭いだけの妖怪じゃなかった・・・?」

 

湖札の言うことはもっともだが、一輝は無茶苦茶なのだ。

 

「それでも、見た感じこっちに宿してる妖怪じゃ湖札には歯が立ちそうにないし、」

 

一輝は獅子王を納刀し、腰から八つ首の小刀と、翼を持つ小刀を抜刀する。

 

「こいつらでいってみるか!」

 

一輝はそのまま翼を持つほうを投げ、八つ首を振るう。

翼持ちは湖札を攻撃し続け、八つ首は伸びる。

そのまま二振りの刀は湖札を攻撃し続け、一輝に近づかせない。

 

「これ!凄く邪魔なんだけど!」

「邪魔するための組み合わせだ!当然だろ!」

 

湖札は刀をよけ続けるが、一輝はそれを追うように八つ首を伸ばし、鞭のように撃ち、隙が出来たところに翼持ちを飛ばす。

 

「この・・・吹っ飛べ!」

 

だが、湖札によって翼持ちを弾き飛ばされ、八つ首をつかみ、投げ飛ばされる。

 

「ひどいな!せっかくの武器を!」

「勝つために必要なら、こうするでしょ!」

「・・・俺もそうするな、うん。」

 

一輝は湖札の行動に納得し、一気に冷静になる。

 

「まあ、問題はないけど・・・霊格開放!八面王、是害坊!」

 

一輝の言葉と同時に、二振りの小刀は姿を変え、八つ首の大蛇、八面王と鳥人間、是害坊の姿を取る。

 

「二体とも、行け!」

「了解!」

「GYAAAAAAAAAA!!!」

 

是害坊は雷でコーティングされた木製の歯車、護法輪を湖札に向けて撃ち、八面王はそのまま湖札に向かう。

 

「わと、まずはこっち!」

 

湖札は護法輪をよけ、八面王を殴る。

そのまま八面王が何も出来ないうちにボッコボコにし、その巨体から離れる。

 

「あれ?神獣クラスにかなり近かったはずなんだけど?」

「何も出来ないただの大蛇だからね。これぐらいなら!」

 

といいながら、湖札は護法輪をつかみ、是害坊に投げ返す。

是害坊はそれをまともに喰らい、その場に倒れる。

 

「結構簡単に倒せるよ。」

「そうなるのか・・・なら、俺が使うのが一番かな。」

 

一輝が手を向けると、二体の妖怪は刀に戻り、一輝の手に納まる。

 

「まだ使えるんだ?」

「一応使えるけど、この状態じゃ大したことは出来ないな。別のでいこう。」

 

一輝はその二振りを納刀し、蛇腹剣と龍剣をとる。

 

「西洋の龍蛇二振り。試してみますか。」

「試すって・・・その表現おかしくない?」

「いや、この奥義自体、使うのは今回が初だ。こんなのが出来たってぬらりひょんから聞いてただけだけだ。」

「私もやったこと有るけど、新しい力をわざわざ戦場で試す?」

「面白いからだろ!」

「いや・・・でも、そうだね。」

 

一輝はまず、蛇腹剣を振り、斬激を飛ばす。

湖札はそれを防ぐが、

 

「あれ、弱すぎない?」

「早合点は止めてくれよ。」

 

一輝の言葉に湖札は首を傾げるが、

 

「あ、いっつー・・・なにこれ・・・・」

「コイツの斬激だよ。」

「でも、それ一回しか・・・」

「ああ。一回だけ通用する、不意打ちみたいなもんだよ。」

 

湖札は一度しか振っていないのに二回攻撃が来たことに驚くが、一輝は説明を始める。

 

「コイツのもとは大蛇、パロロコン。こいつは知ってるだろ?」

「うん、地震の神格を持つ大蛇・・・あ、そういうこと。」

「理解してくれたなら説明は省くけど、P波とS波ってだけだよ。」

 

地震には、初期微動を起こすP波と主要動を起こすS波がある。

名前の通り、P波とS波が引き起こす揺れの強さはS波の方が大きい。

そして、P波とS波ではP波のほうが進む速度が速い。

それを表した攻撃なのだ。

 

「でも、確かにそれなら決まるのは一回だけだね。さすがにそのことを知っていようといまいと、警戒はするだろうし。」

「だから、こんなことも試してみようかな、と!」

 

一輝は二振りの刀を振り、斬激をあわせる。

結果、起こることは、

 

「ちょ、これさっきの比じゃ・・・!」

 

前の攻撃より強くなった攻撃である。そして、これは合わせ方によって攻撃の型を変える。

湖札はそれをどうにか弾くが、先ほどのこともあり次の攻撃に備える。

 

そして、一輝はといえば、

 

「隙あり!」

 

そこに背中の刀を抜いて振り下ろした。

容赦なく、思いっきり。

 

「ちょ、こんなのあり!?」

「隙を見せたお前が悪い!」

 

ちなみに、一輝が使ったのはダイダラボッチをもとにした剣、ただひたすらに破壊力を備えた剣だ。

 

「それに、いつまでたってもS波が来ないんだけど!」

「ああ、それか。それなら龍の一撃と混ざってP波と一緒に届いたよ?」

「そんなのあり!?」

 

湖札は驚いているが、一輝はそんな人間である。

相手すら利用し、自らの勝利に繋げる。

 

「ありだよ。ここはルールの中なら何でもありの世界、箱庭だろ?

 だから当たり前のように俺に隷属とか起こってるんだし。」

「それ、ちょっと詳しく聞きたかったんだけど、何であんなことに?」

 

湖札の声が少し低くなり、剣を弾かれるが、一輝は気づかず、剣を納めて説明を始める。

 

「まず、音央と鳴央・・・俺と同い年の二人な?」

「あの、スタイルのいい二人?」

「正解。あの二人は魔王が設置したゲームに捕らわれてたんだけど、そのゲームに俺が挑戦して、無理矢理に二人とも開放してみた。そしたら、ゲームのルールで隷属することになった。」

「・・・それだけじゃない気もするけど・・・次は?」

 

湖札は表情を曇らせながら、次を促す。

 

「ああ。そのゲームを設置した魔王に俺と音央、鳴央の三人で挑むことになって、」

「そこから突っ込みたいんだけど。何でコミュニティで行かないの?」

「倒す理由が、音央と鳴央にやったことだからな。三人で行かないと。」

「相変わらず、兄さんらしいというか・・・何も考えていないようでものすごい考えてるというか・・・」

「まあ、白夜叉が許可出したから、大丈夫だろってことで。」

「・・・まあいいや。で?そこでは誰を?」

「残りの二人。順番に説明してくけど、まずはスレイブ・・・猫耳メイドな?」

「説明の前に、あの格好は何?隷属だからメイド服はまだいいとして・・・よくないけど、猫耳と尻尾。」

「ああ、似合ったから強制した。」

「・・・確かに似合ってるし、いっか。」

 

いや、よくないだろ。

《いいんだよ!似合ってるし、感情が分かりやすいし!》

《可愛いんだから、それが正義です!》

二人がかり!?

 

「で、アイツはかの有名な魔剣、ダインスレイブなんだけど、呪いを解いたら俺についてくれた。」

「・・・そのことがあってあれなら・・・まだ分かるかな。あの呪いはつらかっただろうし、解呪させてもらうまでに色々あっただろうし。」

「あいつの呪い、知ってるの?」

「ダインスレイブって北欧神話の有名な魔剣だよ?抜いたら必ず人を殺しちゃうことぐらい、陰陽師とかエクソシストなら知ってて当然だと思うけど・・・兄さんなら知らないか。」

「武器と戦うことはないからな。まあ、スレイブについては調べたけど。」

 

一輝はノーネームの書物の豊富な書庫でスレイブについての本を片っ端から読んでいる。

ついでに言うなら、ティターニア、神隠し、ノストラダムスの大予言についてもである。

 

「話を戻すけど、最後の一人ヤシロは、長い金髪のやつな?アイツが魔王で、そのゲームを完全クリアして隷属することになった。」

「今の話を聞いた感じだと・・・やっぱり兄さんは相変わらずか。私が旅をしてる間に聞いた噂でもそんな感じだったから、予想はついてたけど。」

「相変わらずって何のことだ?」

「お人よし。人助けすぎ。もう一つあるけど・・・これは言わないほうがいいかな。」

「湖札がいたころと、箱庭に来てからはそうだけど、もとの世界では・・・」

「結構信憑性が高い噂なんだけど、某国のお姫様。」

「・・・・・・」

 

一輝は何も言わず、目をそらす。

それでも湖札に攻撃し続けているのだが。

 

「兄さんが日本レベルだけで動いてれば誤魔化せたかもだけど、さすがにこのレベルはまずいよ?」

「仕方ないだろ。あれを見過ごすのは不憫すぎるし。」

「まあ、私もそう思うけどね。でも、そのまま連絡先交換して、関係を作ることはないと思うよ?」

「せっかく知り合えたのに、友達にもなれないって悲しすぎるだろ。」

「一国のお姫様だってことを考えようよ・・・」

 

湖札はあきれ返る。

一輝はそんな感じでいろんな人と友好関係を結び、人脈を広げていった。

それに必要な言語はそのときに覚えていくので、一輝は結構な量の言語を使うことが出来たりもする。

 

「さて・・・聞きたいことも聞けたし、本格的に再開しようか?」

「ああ。湖札が旅で何があったとかは、隷属させてから聞くとしよう。」

「さて、それは出来るかな!」

 

湖札は一輝に殴りかかり、一輝もそれを迎え撃つ。

そして、二人のこぶしはぶつかり、あたりを振動させた。

 




こんな感じになりました。


一輝がいろんなところを回った話とかは、また短編でやろうかな、と思ってます。



では、感想、意見、誤字脱字待ってます。
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