「暗殺王に、私はなる!」

ザイードが遂に本気を出した。

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書きたかったから書いた。それだけ。
アニメしか見てないので割りとガバガバ。


ザイードを強化してみた。

暗闇のなか。遠坂時臣のいる屋敷を見下ろしながら、言峰綺礼は立っていた。その冷たい瞳に写るのは、果たして“敵”か“標的”か。

そして気付けばいつしか、彼の背後にはひとつの闇が無音のまま佇んでいた。全身を黒タイツに包み、顔を隠す髑髏の仮面をつけているそれの名は、ザイード。アサシンのクラスのサーヴァントであり、『百の貌のハサン』の内の1人格である。

綺礼はその視線を屋敷から動かすことなく、ザイードと二言三言言葉を交わした。そしてザイードは主の命を聞き、いざそれを遂行せんとその場を離れた。

 

“遠坂時臣の暗殺”その命を背負って。

 

 

これは、ifの話。本編では二話で殺られたザイード、彼が言峰綺礼やギルガメッシュ、そして遠坂時臣の予想を遥かに上回るほど強かったのならば。

彼は彼の代名詞たる台詞『他愛なし』をきっと連呼していたことだろう。

 

 

結界を張っている幾つかの宝石を指弾で破壊しつつ遠坂邸へと進入したザイードが向かうのは、屋敷の結界の中枢を担う場所。……つまり、庭のど真ん中である。指弾で結界に揺らぎを作り、そしてそれを掻い潜る。こいつが殺られたところで『ハサンの中でも最弱! 次はもっと強いハサンが(ry』とか言われるタイプのザイードではあるが、それでも流石はアサシンのサーヴァント。遠坂邸の結界などいとも容易く抜けていく。

一度結界の揺らぎを回避する毎に「他愛なし」と言うのは少し鬱陶しかったが、そこに突っ込むのは野暮と言うものだ。

 

そしてザイードが4回目の「他愛なし」を言ったその時、結界を展開している宝石が置いてある中心に着いた。

 

「……ふっ、他愛ない」

 

最後にもう一回例の台詞を決めると、ザイードはいざ結界を破壊せんと宝石に手を伸ばし――

 

「ぬ?」

 

その手を即座に引っ込めた。

直後、そのまま宝石を破壊しようとしていればザイードの手があった丁度そのところに、轟音と共に一本の剣が刺さった。

 

「ほう? 今のを避けるか雑種」

 

見上げたザイードの視界に、月夜の中でも眩い程に輝く金色の鎧が入った。それと同時、再び数本の剣や槍が降ってくる。

 

「誰の許しを得て面を上げる?」

 

一本一本の武器が宝具クラス。普通ならば彼はここで死ぬであろう。否、通常ならば死んでいた。

 

だがしかしッ!!

 

「他愛なし」

 

光る剣を回避し、

 

「他愛なし!」

 

三ツ又に別れた槍を避け、

 

「他愛なしィ!」

 

一度でも当たれば再起不能になるレベルの、飛んでくる数々の武器をザイードは紙一重で躱していく。ひらりひらりと軽快なステップを踏んでいるかのようなその動きは、なるほど“ハサンはダンスをしている”と言われても可笑しくないほどだ。

その回避を繰り返しつつ先程の金色の鎧の正体を見るに、その正体は――

 

アーチャー。

 

三大騎士クラスのサーヴァントで、個々の力がサーヴァント達の中でも高めになっているクラスだ。アサシンが得意とする回避や隠密では張り合うことも出来ようが、真正面から挑んで勝てるとは到底思えない。

ならばどうするか。

真正面から戦わず、搦め手を使うしか無い。具体的には――マスターを狙うしかあるまい。幸い、受けている命も遠坂時臣の暗殺である以上、一石二鳥である。

 

「他愛なしィィィ!」

 

無数の宝具を回避しつつも、ザイードは屋敷の方をちらと一瞥し、隙を縫った指弾で今度こそ結界の核であった宝石を破壊した。

そして何発目とも知らぬ宝具を回避したその時、唐突にザイードは物凄い不安を覚えた。

 

――いや、それにしても敵の宝具多すぎね?

 

普通のサーヴァントは宝具はひとつ、又は精々2つまでだ。それもそのはず、宝具と言うものはサーヴァントにとっての切り札。なのに敵が打ち出してくる宝具は既に10を遥かに越えている。切り札を何の迷いもなく湯水のように打ち出してくるなど埒外。武器一つ一つの形が違うことからして、分身しているというわけでは無い、ということもザイードを混乱に陥れている1つの要因であった。

それに、このままでは完全にじり貧。この硬直した戦局を打破するためには、こちらから討って出るしかない!

 

「他愛なしィィィィイ!」

 

叫びながらザイードは駆ける!

降り注ぐ無数の宝具を避け、屋敷へ向かって一目散に駆ける!

そしてその勢いのまま宙を舞い――

 

ガシャァン!

 

二階にある時臣の部屋へと窓ガラスを壊しながら突入した。

優雅にワインを嗜んでいた時臣も、これはビックリ。だが流石は手練れの魔術師、すぐに媒介である宝石を取り出し、ザイードを迎撃しようとする。

 

「甘いッ!!」

 

だがその隙を逃すザイードでは無い。懐に隠し持っていた短刀を取ると、彼の首を音もなく跳ねた。

力無く倒れ伏した時臣の死骸を見て、ザイードはポツリと小さく、

 

「他愛なし」

 

そう呟いた。

 

暗殺成功の旨をザイードが報告した際、言峰綺礼が唖然とした表情で固まっていたのだが、またそれは別のお話。

 

 

尚、時臣暗殺という命を遂行したザイード含むアサシンのサーヴァントは、後にライダー無双に寄って全滅させられ、かつマスターを失ったギルガメッシュも本来の歴史とは違って早々に退場した。その結果、第四次聖杯戦争の最後で最大のバトルはライダー対セイバーという、漢同士の血沸き肉踊る戦いとなったのであった。

 

 

暗殺王への道は遠い……。




結局ザイードは死ぬ運命である。
想像を遥かに越える強さ(回避力)ですから当然ですね。ライダーのあれには勝てない。

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