そして職場見学の日がついに来た。
「ボーダー本部長の忍田真史だ。今日は職場見学へようこそ。君達の入隊を歓迎しよう」
ボーダー本部長が挨拶を始める。
「ボーダーでは数多の隊員が日々研鑽を積み重ね、三門市の平和を守っている」
忍田は1度生徒を見渡すと
「そのボーダーの活動内容を少しでも多く学んで行って欲しい。それでは私はこれで失礼するが、この後は嵐山隊が案内してくれる。嵐山隊のみんな、よろしく頼む」
挨拶を終わらせた忍田は壇上を去り嵐山隊員が生徒の前にでる。
「「おぉっ」」
ボーダーの広報活動もしている嵐山隊はテレビなどにも出演しているためかなりの有名人である。その有名人が目の前にいると言うことで生徒から歓声があがる。
「総武高校の生徒の皆さんこんにちは!!紹介にあずかった嵐山隊、嵐山准だ。君達にはこれからボーダーの施設を案内するとともに、その施設で行う訓練をしてもらう。まずは訓練用トリガーを起動してくれ!!」
そう嵐山が言うとあちこちからトリガー起動と言う言葉が聞こえる。ちなみに各自の訓練トリガーは事前に学校で特徴などが説明が行われ、どれを使いたいか希望をだしたものがあてがわれている。
「みんな起動したかな?ではついてきてくれ!」
そう言い嵐山隊が先導する。そして程なくしてついたのは
「ここは仮想戦闘訓練の部屋だ!ここでは仮想戦闘訓練モードの部屋でボーダーの集積データから再現された近界民(ネイバー)と戦ってもらう」
そして嵐山がコントロールすると部屋の1つに捕獲用トリオン兵バムスターが現れる。
「今回戦ってもらうのはこの初心者級の相手だ。本物よりは幾分か小型化されており攻撃力ももたない近界民だがその分装甲が分厚いぞ!」
すると嵐山は
「では木虎、手本を見せてくれ」
「了解しました。」
嵐山隊のオールラウンダーの少女が答え部屋に入っていく。
『1号室訓練開始』
木虎が構えると機械音が鳴り響き戦闘が始まった。
『1号室訓練終了,記録1分50秒』
そして部屋から木虎が出てくる。
「彼女は本当の記録は9秒。今回はあくまでサンプルと言うことで長く戦ってもらった」
「あの、質問良いですか?」
1人の生徒が手を上げる
「何かな?」
「ボーダーで早い人だと他には何秒の人がいるんですか?」
「他だと、現在最速はA級草壁隊所属の緑川くんが4秒、同じくA級加古隊の黒江ちゃんが11秒。そしてこの後に紹介する葉山隊の由比ヶ浜さんが15秒といったところだね。」
葉山隊と言うのに少しざわつくが
「では次はみんなが近界民を倒す番だ。順番に部屋に入っていってくれ」
そう嵐山が言うと幾つかの部屋にバムスターが出現しみんなそこに集まる。
「来てたんですね、八幡先輩」
部屋のすみに隠れていた八幡を見つけた木虎が駆け寄る。
「まぁサボりたかったが残念なことに任務とかを入れられなかった」
「サボろうとは考えてたんですね……」
木虎が呆れた視線を向ける。
「当たり前だ」
「では私はもう行きますね、今度また稽古つけてください。では」
「おう、頑張れよ」
そう言うと木虎は少し笑みをこぼし、はいと返事をすると嵐山のところに戻っていった。
「では次の訓練に向かおうか」
少し時間はかかったが一通りの人が体験したのだろう。嵐山が前に立ち戦闘訓練の終了を告げる。
その後も地形踏破、隠密行動、探知追跡と各訓練を簡単に行いお昼が近づいてきた。
「昼からはランク戦と言う隊員同士による実戦訓練を行う予定だ。それでは午前はこれで終了だ」
そして嵐山が去るとそれぞれ案内された食堂などに行きお昼御飯を食べ始めた。
「では午後の部を始める。まずは個人ランク戦と言う個人対個人の戦いからだ。まずは木虎と時枝で手本を見せてくれ」
「「了解」」
2人が準備しているあいだにランク戦をするまでの工程を説明し
『ランク戦開始』
機械音声が響き2人が転送されモニターに映し出される。結果は木虎の勝利に終わった。
「これがランク戦の大まかな流れだ。ではみんな並んで入ってくれ」
そう言い数人づつ部屋に入っていき戦闘が始まる。
「よし、これで個人ランク戦は終了だ」
1時間ほどたち嵐山がみんなを止める。
「次はチームランク戦だが、これは正規隊員同士で観せたいと思う。組み合わせは俺たち嵐山隊と鈴鳴支部所属葉山隊だ。では葉山隊のみんな来てくれ!!」
嵐山が言うとF組から葉山隼人、三浦優美子、由比ヶ浜結衣、海老名姫菜が、J組から雪ノ下雪乃が出てきて歓声があがる。
「葉山隊隊長葉山隼人です」
そして全員が自己紹介をすると
「じゃあこれからチームランク戦を開始しようか」
そう言い部屋に向かおうとした嵐山を
「すいません、嵐山隊長。1つ提案があるのですが」
雪ノ下が止めた
「何かな?提案と言うのは」
「総武高校にはS級隊員がいますよね?せっかくのチームランク戦のデモンストレーション。せっかくですから総武生徒同士かつ滅多に観れないS級の戦いのが良いかと思いまして」
すると生徒からはS級?誰だ?と言う声とその提案を肯定する声があがる。
「それは正直やめた方が良いと思うけど」
嵐山が困りながらも止めようとするが
「嵐山さん、俺は構いませんよ」
八幡が生徒の中から現れる。
「良いのか?比企谷」
「こいつは嵐山さんが断れば生徒を使って攻めてきますよ、生徒全員そう言う雰囲気です」
簡単に、流されるでしょうし、これ以上嵐山さんを困らせたくないのでと言い
「あれがS級?」
「目が腐ってる」
などの声がちらほらでる。
「よく逃げずにでてきたわね」
「仕方ないだろ、出てこないと嵐山さん達に迷惑がかかりそうだったんでな」
八幡はこの暴挙を知っていたのかと他の葉山隊を見ると海老名は雪ノ下を冷めた目で見つめ、三浦は怒っていた。この2人にとっても寝耳に水だったのだろう。
「では特殊なランク戦だが始めよう。各自準備してくれ」
嵐山が言うと全員部屋に向かう
「ヒキオ、ごめん」
「三浦が謝ることじゃないだろ。まぁ勝負は勝負だ。手加減しないからな」
八幡と話して少し落ち着いた三浦は
「フフッ、わーってるし。あーしも全力で勝つつもりでいくし」
「それで良い」
『チームランク外対戦開始』
機械音声が響きわたった。