カレーの説明のとこは自己流です。あしからず
「みんなのところにはボランティアの人達が行くから分からない事があったら遠慮なく聞いてね、じゃあ気をつけて料理して行こうね!」
嵐山が小学生に声かけをすると『はい!』と元気な返事をしてきたのに嵐山は笑みを浮かべ
「じゃあみんな別れようか」
嵐山がボランティア組みに指示をするとみんなは小学生のとこに向かった。
「どれくらい炒めれば良いですか?」
「柔らかくなるまでね、今はシャキッとしてるけどすぐにフニャフニャになるから」
「っぷ!!」
「な、何ですか!?佐鳥先輩!!」
普段なら絶対に言わなさそうな言葉を話す木虎に佐鳥が吹き出したのだ。
「な、何でもない」
笑いをこらえながら佐鳥は木虎の側から離れた。
「えっと、これくらいで良いですか?」
「うん、良いよ。どんどん野菜入れていこうか」
オペレーターの綾辻が答える。
「うはぁ、綾辻さん手馴れてるね。あーしはいっぱいいっぱい」
「三浦さんも結構手際良いよ?」
「そ、そう?ありがとう」
「うむ、良い匂いがしてきたのだ」
「おぉ……」
材木座が鍋の蓋を開けるとカレーの良い匂いがあたりに漂い始め子ども達は美味しそうと口々に言う。ちなみに材木座は最初こそドモッたものの玉狛で鍛えられたのかすぐに慣れたようだ。
「留美ちゃんはカレー好き?」
班から1人離れぽつんとしていた鶴見に話しかける葉山。
「……カレー嫌いだから」
目を伏せながら言う鶴見に
「そっか……」
葉山はそれ以上何も言えずに去っていった。
それから小学生達の夕ご飯は何事もなく終わりボランティア組みの食事の時間となった。
「やっぱり気になるね」
食事もひと段落した後に由比ヶ浜がポツリと漏らす。
「ふむ、何か心配ごとかね?」
平塚が由比ヶ浜に聞く
「1人孤立しちゃってる子がいて」
葉山が答える。
「ここに私達は奉仕部として連れてこられました。彼女が助けを求めるなら手を貸したいと思います」
雪ノ下が言うと
「ふむ、助けは求められてるのかね?」
「それは……わかりません」
平塚の疑問に雪ノ下が答えると
「まぁ良い、後は君達で話したまえ。私は先に寝る」
そう言い立ち去ろうとする平塚に
「ちょっと待ってくれますか?平塚教諭」
嵐山が声をかけた。
「何だね?」
「他校のイジメの可能性が高い問題に首を入れようとしている生徒を放って離れるのは監督者として間違っているんじゃないですか?」
「ぐっ……私は生徒の自主性に任せようと……」
「それは問題の内容によるのでは?今回のようなデリケートな問題では自主性を重んじたなど、何の免罪符になりませんよ?」
「はぁ……分かった。では嵐山くん。君には何か考えがあるのかね?」
ため息をつき席に平塚が戻ると嵐山に聞く。その顔は良い案があるなら言ってみろと語ってる。
「林間学校の先生にこの件の報告をして、俺たちは手を出さないことです」
嵐山が答えると
「ハッ……何か?君はイジメられてる生徒を放っておくのか?私は彼女達なら問題を解決できると思い任せようと思ったのだがな」
嵐山を小馬鹿にしたように言うと嵐山隊の面々は平塚を睨む。
「仮にこの林間学校の期間に手を出して、その後は?何か起きたら平塚教諭達は責任を取れるんですか?」
そう嵐山が言うと小町が手をあげ
「じゃあ、もしその、奉仕部?に助けを頼まれた場合にどうするか聞いて見ると言うのは?」
平塚と嵐山の話は平行線だと思った小町はそう提案すると
「ふむ、雪ノ下、由比ヶ浜、まぁ厳密には奉仕部ではないが葉山、案はあるか?」
平塚が3人に聞くと
「私も過去何度かイジメに会いましたが全て反撃してきました。そのやり方を教えます」
「やっぱり生徒の話し合いの場を設けたいと思います。きっと根はみんな良い子だから仲良くできると思います」
「えっと、まず誰かに留美ちゃんから話しかけるとか?」
雪ノ下、葉山、由比ヶ浜の順に答えると
「雪ノ下嬢よ、もし反撃したとして問題が大きくなったらどうする?イジメがより過激になったら?皆が皆強くはないのだ」
「あんさぁ、葉山。みんなが話し合いをしただけで仲良くなれるわけないじゃん?そんな事で解決するならあーしと姫菜は隊をぬけてないし」
「結衣、そういうのは誰かに強制されてすることじゃないよ。自分から行かないと意味がないんだよ」
材木座、三浦、海老名がそれぞれ反論する。
「ふむ、話し合いは平行線だな。今日は解散だ」
それをきっかけに奉仕部は離れていった。
「結局、本気で解決する気なんてなかったみたいですね」
「そうだね、本気で解決したいならこんな早く解散しないでこちらにも意見を聞いてくるでしょうし」
時枝と綾辻が言う。
「現実をみない人達だもの。自分達の意見を簡単に通せそうにないから諦めたんでしょう」
木虎が続けて言った後に嵐山側のボランティアは基本的には嵐山の方針で行くことを確認して解散した。