特別S級隊員比企谷八幡   作:ケンシシ

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玉狛支部①

「まさか、ここ最近起きてるイレギュラーゲートの原因がこんなちっこいのとは……」.

 

「.驚いたでござるな」

 

数日後に突如、訓練生まで含めたボーダーの全隊員総出の害虫駆除が行われた。ここ数日頻発していた誘導のきかない異常なゲートの原因をS級隊員の迅悠一とC級隊員の三雲修が見つけたというお触れがあった。

 

「ここらへんは片付いたみたいですね!」

 

スコーピオンでラッドと呼ばれるイレギュラーゲートの原因を串刺しにして倒したばかりの小町が言う。

レーダーでは近くにラッドはいないようだ。

 

『みんな、よくやってくれた。作戦完了だ。お疲れさん』

 

そこに迅の通信が響いた。

 

 

 

 

 

「最近はおかしな事多すぎだし」

 

玉狛にいつも通りにいた三浦が先日のラッド討伐やバムスターの件を思い出しながら言う。

 

「みな、ご苦労だったな」

 

「何を偉そうにしてるかなぁ!?」

 

陽太郎を小町が捕まえ顔をムニムニしていると

 

「ただいま〜」

 

迅の声が響いた。横には眼鏡の少年と小柄て白髪の少年と小柄な少女がいた。

 

「しんいりゅか……」

 

小町に顔をイジられたままの陽太郎が言う。

 

「小町ちゃん、刑続行で」

 

「アイアイサー」

 

より激しくムニられる陽太郎であった。

 

「迅さん、おかえりだし。お客さん?栞ちゃーん迅さんがお客さん連れてきたよ〜」

 

「えぇっ……お菓子あったかなぁ……」

 

三浦の呼びかけに宇佐美が焦っていると

 

「大丈夫だし、材木座のお菓子がある」

 

そういうと急ごしらえだが少年達を出迎えた。

 

「ごめんね、慌ただしくて、アタシは宇佐美栞、よろしくね!」

 

材木座が溜め込んでいるお菓子とちょっと良いとこのどら焼きを出した宇佐美が自己紹介してると

 

「ウェッ」

 

白髪の少年のどら焼きに手を出した陽太郎にチョップをかましたようだ。

 

「ぐうぇっ」

 

「陽太郎、意地汚いことすんなし。さっき自分の食べたっしょ」

 

おまけに三浦からもゲンコツをくらった。

 

「あ、甘いなゆみこ。1つでまんぞくする、おれではない」

 

ゲンコツをくらってなお、この根性である。

 

「よかったら、私のあげるよ」

 

小柄な少女が自分にどら焼きを差し出す。

 

「きみ、かわいいね。けっこんしてあげてもいいよ」

 

「え……け、結婚?」

 

陽太郎の突然の言葉に困っている少女に

 

「俺と結婚すればらいじん丸のお腹触り放題だよ。けっこうきもちいい」

 

そういい陽太郎はカピバラ(陽太郎は犬と思い込んでる)を指差し言う。

 

「こうゴロんと……ゴロ……」

 

反応しないらいじん丸。

 

「けっこんしたらさわりほうだいだよ」

 

言うことを聞かないらいじん丸に涙目になる陽太郎であった。そして改めて全員が自己紹介し

 

「本部とは雰囲気が結構違うんですね」

 

「ここ、ちっちゃい支部だからね」

 

「スタッフ含めて10人くらいかな?ちなみにこっちの三浦さん率いる三浦隊は玉狛支部所属じゃないけど身内みたいな感じ。入り浸ってるし」

 

横で三浦が居心地良くてーと言っている。

 

「防衛任務にいくのも迅さん以外に3人しかいないけど全員A級のできる人達だよ」

 

「A級!?」

 

眼鏡の少年が驚いていると

 

「あの、さっき迅さんが言ってたんですけど、宇佐美さんや三浦さんも向こうの世界に行ったことあるんですか?」

 

「私はあるよ、1回だけだけどね」

 

「あーしらはまだB級だからないなぁ」

 

宇佐美と三浦が答える。

 

「じゃあ行く人はどうやって選ばれるんですか?」

 

「A級部隊の中から選抜試験をして選ばれるんだよね、部隊単位で選ばれるから私のもついてったわけ」

 

小柄な少女、雨取千佳が質問してくる。

 

「A級ってやっぱり凄いんですよね……」

 

「まぁね。400人のC級、100人のB級のさらに上をだからね。強者揃いだよ」

 

そうこうしていると迅がやってきた。

 

「よう3人とも、今日は親御さんに連絡して泊まっていけってよ。宇佐美、面倒みてやってくれ」

 

「了解!」

 

「遊真とメガネくんはついてきてくれ、支部長が会いたがってる」

 

そう言うと迅は2人を支部長の部屋まで案内した。

 

「失礼します、2人を連れてきました」

 

「お、来たか。俺が玉狛支部、支部長の林藤匠だ」

 

そう言い空閑をみると

 

「おっ、おまえさんが空閑さんの息子か、はじめまして」

 

「はじめまして」

 

そう挨拶したところで

 

「おまえのことは聞いている。うちは捕まえる気はないよ。ただ1つ聞かせてくれ。おまえの親父さんの知り合いに会いに来たんだろ?知り合いの名前は?」

 

「えと……モガミ ソウイチ と ヒキガヤフウフ」

 

「そうか……」

 

名前を聞いた瞬間、憂いを帯びた顔に一瞬なるが

 

「やっぱりそうか……皆ボーダー創設メンバーだよ。そして最上さんは迅の師匠だった」

 

そう言うと迅はブラックトリガーの風刃を机に置き

 

「最上さんはこのトリガーを残し死んだ。そして比企谷夫妻は大規模侵攻で亡くなられた。」

 

「そっか……」

 

顔を俯かせる空閑

 

「あぁ、ただ比企谷さんたちの息子は元気だ。今はいないが会ってみると言い」

 

そして本題だが、と前置きし

 

「玉狛支部に入らないか?俺は新人のころ空閑さんに世話になった恩もある。その恩を返したい」

 

どうだ?と聞く林藤に空閑は……


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