特別S級隊員比企谷八幡   作:ケンシシ

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玉狛支部④

そして本格的な訓練が始まった。

 

トレーニング1号室では三雲と烏丸がいた。

 

「まずはどれくらいやれるか見せてもらう。遠慮はいらない。本気でかかってこい」

 

「はい!」

 

そして三雲の地獄が始まった。

 

トレーニングルーム3号室では木崎が雨取にスナイパーライフルの使い方を教えていた。

 

「だいぶ的に当たるようになってきたな」

 

「は、はい」

 

そして木崎は改めてボーダーのスナイパーライフルのトリガーの説明をする。

 

「ボーダーの狙撃用トリガーは良くできている。ちゃんと狙えばちゃんと当たる。まずは止まっている的に確実に当てる練習だ」

 

「はい!」

 

雨取は元気よく答える。

 

「俺はこれから防衛任務だから出て行く。2、3時間もすればトリオン切れを起こすだろうから、切れたら今日の訓練は終わりだ」

 

「わかりました!」

 

やる気も十分で素直な子だが、正直戦闘には向かなさそうだと木崎は思いつつ防衛任務に向かった、

 

トレーニングルーム2号室では

 

「正直言って、あたし感覚派だから人を鍛えるのとかって苦手なのよね」

 

小南と空閑が訓練していた。

 

「好きなトリガーを選びなさい。ボコボコにしてあげるから。何で敗けたか後で考えなさい」

 

「ほう、見分けがつかん」

 

空閑は見た目は同じトリガーをみて呟く。

 

「ところで思いっきり戦っちゃって良いの?」

 

「今仮想戦闘モードだから思いっきりやって大丈夫だよ」

 

仮想戦闘モードとはトリオンを消費せずあくまで戦闘を疑似再現する状態である。

 

「ようするにあんたは安心して何回でも負けられるってことよ、おチビ」

 

「おチビじゃないよ、空閑遊真だよ。こなみ」

 

「なっ、何で呼び捨てなのよ!?あたしの方が先輩なのよ!?」

 

そう小南が言うと空閑は

 

「じゃあ、俺に勝てたら先輩って呼んであげるよ『こなみ』」

 

その言葉に冷ややかな目をする小南

 

「ボーダーのトリガーであたしに勝てるつもり?あたしは迅より先にボーダーにいるのよ?」

 

そして小南は

 

「いいわ、あたしに勝てたらちゃんと名前で呼んであげるわ」

 

そして戦闘が始まった。

 

 

 

 

 

しばらくたち

 

「三雲、弱いな。本当にB級か?」

 

烏丸の言葉が突き刺さる三雲。そこに

 

「あ、ありえない……」

 

酷く落ち込んだ小南がトレーニングルームから出てきた。

 

「勝った」

 

その後から酷くボロボロだがそう言う空閑が現れた。

 

「小南先輩、負けたんですか?」

 

「ま、負けてないわよ」

 

烏丸の質問に小南がムキになっていると

 

「10本やって最後の1本だけ勝てた」

 

「そうよ!トータルではあたしのが圧倒的に上なんだから!」

 

そう小南と空閑が話してるよこで三雲は驚いていた。慣れてないトリガーとはいえ、あのA級部隊相手に互角以上の戦いをした空閑が負け越したのだから。

 

「ちなみに小南『先輩』より強い人いるの?」

 

「いるわよ、『遊真』」

 

三雲はまた驚いた。この小南より上がいるということに

 

「A級1位の太刀川隊隊長の太刀川とか、昨日会わせた小町ちゃんの兄、S級隊員の比企谷八幡とかは強いわね」

 

そういうと空閑も三雲も驚いた。

 

「S級隊員って迅さんと同じ?」

 

「立場はね。でも八幡はノーマルトリガーを使ってブラックトリガーと同等の力を持つ化け物よ」

 

小南は心なしか自慢気にいう。

 

「へぇ、それは戦ってみたいな」

 

空閑が呟く。

 

「今は遠征に行ってるから無理ね」

 

そして訓練を続けるべく小南と空閑は再びトレーニングルームに入っていった。

 

「どうする?まだやれるか?」

 

烏丸が三雲に聞くと

 

「は、はい!!」

 

三雲達も訓練に向かった。

 

 

 

数時間たち、木崎が任務から帰ってきた。

 

「雨取は帰ったか?」

 

宇佐美に聞くと

 

「あれ?まだでてきてないよ」

 

「何?」

 

木崎は慌ててトレーニングルームに入ると

 

「雨取!!」

 

「あっ、もしかしてここを閉める時間ですか?」

 

朝から撃ち続けてたと思われた。

 

「(こいつ、まさか比企谷と同じ……)」

 

木崎は雨取の訓練風景をみてボーダーのトリオンの化け物を思い出していた。

 

「(化けるかもな、雨取は)」

 

そう考える木崎だった。


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