特別S級隊員比企谷八幡   作:ケンシシ

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戦闘って難しいです、はい


空閑遊真①

「そうだよ、近界民だけど……どうする?」

 

まるで挑発するように聞いてくる空閑だが

 

「ん?別にどうもしないが。別にこっちの世界に何かしようってわけじゃないだろ?桐絵」

 

「そこは大丈夫よ、保証する」

 

そう話していると

 

「おぉ八幡、来てたのか。そいつ空閑さんの息子だからよろしくな」

 

「空閑さん!?」

 

やってきた林藤の言葉に驚く八幡。

 

「親父を知ってるの?」

 

「話に聞いてたくらいだ。俺の親父とお袋が夢を語り合ったってな」

 

そう八幡は懐かしそうに言う。

 

「ところでハチマン、俺と勝負してくれない?こっちの世界の頂点を見てみたい」

 

「……お前も戦闘狂一族か」

 

ボーダー本部の太刀川や玉狛の小南を始めとしなぜ俺の周りは事あるごとに戦いたがるのか……

 

「まぁいいぞ、宇佐美。トレーニングルームを模擬戦状態にしてくれ。ステージ選択は空閑に任せる」

 

「アイアイサー」

 

そして宇佐美が準備に取り掛かると

 

「そうだな、お前はブラックトリガーを使っていいぞ、と言うか使わないとボーダーのトリガーじゃ話しにならないだろうしな」

 

八幡は事実を淡々と告げるが

 

「あ、あの〜。流石にブラックトリガー使った空閑には勝てないと思います?三輪隊を1人で倒せるそうですし」

 

三雲がそう言ってくる。

 

「ん?君は?」

 

「あっ、僕の名前は三雲修、空閑の部隊長です。そしてこっちは雨取千佳です」

 

「よろしくお願いします」

 

三雲と雨取が挨拶すると

 

「準備できたよ!!」

 

宇佐美が告げたのでそのまま戦闘に八幡と空閑は向かった。

 

「今から見てれば分かると思うけど、八幡は三輪隊相手するより強いわよ」

 

先ほどの三雲の質問に答えるように小南が言う。

 

 

 

「さて、ブラックトリガーで良いって言われたし、遠慮なく行きますか」

 

市街地Aと言う無難なステージを選択した空閑は言われた通りブラックトリガーで戦うことにした。小南より実力が上な相手だ。元より慣れないトリガーで勝てるとは思っていない。

 

『シールドだ!ユーマ!』

 

突如レプリカが叫ぶ。空閑は反射的に二重盾の印を使う。

 

『何という破壊力。S級隊員と言うのは伊達ではないらしい』

 

八幡の十八番であるアイビスの範囲攻撃を見たレプリカが言う。

 

「これ使ってなかったら何も分からず消えてたな」

 

そう呟くと第2射がくる前に空閑は動きだした。

 

「レプリカ、相手の位置は?」

 

『分かっている』

 

そう言うとレプリカは八幡の位置を教える

 

「じゃ行きますか」

 

弾の印を使い一気に八幡に近づく空閑。

 

「強化、二重」

 

より強力な一撃へと昇華した拳で八幡を叩こうとするが

 

「『シールド』」

 

面積を拳が防げる程度まで圧縮されたシールドは強化された空閑の一撃でも破壊できず、すぐさま距離を取った。

 

『あのシールドを破壊するにはさらに強化するほかないが』

 

「分かってる。そんな悠長に強化してたら倒される……『射』」

 

射撃の印を八幡に複数方向からだす。

 

「距離取ったとこ悪いが……射程範囲内だ」

 

八幡は射撃の印の攻撃をかわすと無造作に旋空孤月を放った。

 

「『盾』……速いなぁ」

 

強化してない楯のシールドは一瞬で割られた。その一瞬で何とかかわすが小南の重い一撃と同等かそれ以上の斬撃を高速で放つのは空閑にとってやりにくいことこの上なかった。

 

「『射』+『錨』」

 

鉛弾の強化版を放つが八幡には当たらず

 

「これは相性悪いな……」

 

距離を取ればアイビスでの強烈な一撃が、半端な距離は旋空による斬撃が飛び交う。

 

「『強化』 『三重』」

 

強化の隙を突き八幡が攻撃してくるがギリギリ強化を間に合わせ回避する。

 

「弾……せーっの!!」

 

同時に回避先に弾の印を出現させ自身を大砲の弾のように扱い八幡を襲撃する

 

「これは完敗だ」

 

八幡は僅かな動きでかわすとすれ違いざまに空閑を切り裂く。そして空閑の戦闘体が解除された。

 

「お前のブラックトリガー、中々面白いな」

 

「どうも、ハチマン先輩」

 

色々応用が効きそうな空閑のブラックトリガーを褒める八幡に初めて先輩呼びする空閑。

 

「(あ、あの空閑を倒すなんて)」

 

三雲は本当に空閑を倒してしまった比企谷に驚いていた。

 

「八幡の長い戦いの中で培われた経験と勘、元からある強い警戒心に磨き抜かれた反射神経……そう簡単には倒せないわよ」

 

小南が八幡について説明する。

 

「(こ、これがS級隊員……)」

 

底知れない八幡に恐怖すら覚えそうになる三雲だった。


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