特別S級隊員比企谷八幡   作:ケンシシ

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エネドラなら諏訪さんみたいに分かりやすくなかったらこうなるだろうなと言う妄想。


大規模侵攻⑦

「はっ!おいどうした!?玄界の猿ども!!さっきから逃げ回ってばかりじゃねーか!」

 

突如謎の攻撃で風間隊の隊長の風間蒼也は体の内部からトリオン供給器官を破壊され緊急脱出していたが、残った風間隊の2人がエネドラを足止めしていた。

 

「おー、そいつか?ブラックトリガーってのは」

 

そしてそこにあご髭を生やした二刀流の剣士がやってきた

 

「遅いですよ、太刀川さん」

 

「助かります」

 

やってきたのはA級1位の部隊隊長にして個人総合1位の太刀川慶である。

 

「おう、こいつは俺が斬る」

 

そう不敵に笑う太刀川だが

 

「猿が1匹増えてどうな……」

 

そこに弾丸の雨が降り注いだ。

 

「すまん、言い間違えた。俺達がだ」

 

そして太刀川の隣に出水が下りてきた。先ほどの弾丸は出水のフルアタックだった。

 

「三上、今ので弱点見つけられたか?あと菊池原の耳を『一応』俺達にもリンクさせてくれ」

 

『了解です、硬質化しているトリオン反応を見つけました。敵の核と思われます』

 

「それ映してくれ、斬る」

 

そう太刀川が言った時に

 

『敵のトリオン反応が広がってるよ〜』

 

国近の間延びした声が響く

 

『離れろ!恐らく奴のそれは気体に変化している』

 

「なるほど、少し離れてください」

 

風間の注意を聞いた出水が

 

「バイパー+メテオラ=トマホーク」

 

出水は十八番の合成弾を一瞬で作成、自分達の盾となるように爆風を起こした

 

「ちったぁ猿でも頭が回るみたいじゃねーか!」

 

「『旋空孤月』……物足りないな」

 

「なっ……」

 

出水の攻撃をただの足止めと考えていたエネドラは弱点である核は見つからないと慢心しきっておりダミーなどを生成しておらず、一瞬の隙を太刀川に斬られたのだ。

 

「さて捕縛するか……」

 

そう言って太刀川が戦闘体の解けたエネドラに近づこうとした時

 

「っち!……ミラ!!」

 

「まさかボルボロスを使って敗けるなんて……」

 

ゲートからミラが現れ冷ややかな目でエネドラを見下ろす

 

「なっ!」

 

太刀川達は驚いた、何故なら

 

「ぐあぁっ!!ミ、ミラ……てめぇ……」

 

「気づいてないのかしら貴方のその目、トリガーホーンが脳にまで根を張った影響で黒くなっているのよ?もう命はそう長くないわ。それにボルボロスを持ちながらノーマルトリガーに敗ける弱い奴はいらないの」

 

「て、てめぇら……っ!」

 

まず腕を切り落としボルボロスを回収したミラはすぐにエネドラに止めをさした。

 

「さようなら、エネドラ」

 

そしてミラは太刀川達を見ると

 

「貴方達の相手をしてる暇はないの、さようなら」

 

全員が行動に移る前にミラは再びゲートを開き去って行った。

 

 

 

 

八幡サイドでは

 

「ボルボロスの回収、終了しました」

 

「分かった」

 

ハイレインの横にボルボロスを回収し戻ってきたミラが現れた。

 

「あの金の鳥、神にするのは惜しいな……部下に欲しいくらいだ」

 

「!?ヴィザ翁とまともに打ち合うなんて……」

 

ハイレインの視線の先には八幡とヴィザが激突していた。

 

「これはお強い、剣の腕には自信があるのですが」

 

「本気を出してないくせによく言うな」

 

そうヴィザは持っている仕込み刀のトリガーをただの剣としか扱っていなかった。

 

「ふふっ、私の預かるこの『星の杖(オルガノン)』は少々加減が難しく、殺してしまいかねませんので」

 

「なるほどね」

 

八幡はヴィザの言葉に小さな希望を見出した。

 

「(こいつらは俺のトリガーにベイルアウトがないことに気づいていない!)」

 

だからこそ、少なくともヴィザは自分相手に全開を出せない。今はだが。

 

「奴のトリガーはあの巨大なブレードにランバネイン以上の砲撃にトリオンによる射撃を複合させた物のようだ……さて、俺達も動くぞ。逃げられたら元も子もない」

 

「了解です」

 

様子見で八幡を観察していたハイレインがついにそのブラックトリガー『卵の冠(アレクトール)』を起動した。


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