特別S級隊員比企谷八幡   作:ケンシシ

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比企谷八幡④

「すいません、遅れました」

 

あまりしないのだがこの日八幡は防衛任務もないのに学校に遅刻した。真夜中まで鬼怒田と新トリガーについて話し込んでしまったのがおそらく原因。

 

「重役出勤だな、比企谷。何か言い訳はあるか?」

 

「いえ、ありません」

 

殊勝な態度に平塚は何も言えなくなる。八幡としては平塚と関わりをもちたくないだけだが。

 

「君もかね、川崎」

 

「おはようございます、平塚先生」

 

八幡の後ろから青みがかった白い髪をポニーテールにした少女が入ってきた。

 

「2人とも反省文を後で生活指導部に提出するように」

 

「うっす」

 

そして2人が席につくと授業が再開された。

 

 

 

 

「はぁ、やっぱりここが落ち着く」

 

昼休みになり八幡はいつも通りに運動場脇にあるベストプレイスにきていた。校舎からは自販機などがあり見えにくく、校庭からはテニスコートを挟んでいるためこれまた見えにくい。だからか人があまり寄りつかないため八幡のお気に入りの場所となっている。

そしてそこで昼食を食べていると

 

「ヒキオ?」

 

「ん?」

 

声がする方を見るとミルクティー片手にもった三浦がいた。

 

「何だよ三浦、学校では話しかけるなっていっただろ?」

 

「今は周りに誰もいないし」

 

「てか何しにきたんだ?いつもいる連中は?」

 

すると三浦はキョトンとし

 

「飲み物買いに来ただけだし。戸部達は隼人が今日は教室いないから珍しく自主練するとか言ってたからいない」

 

「葉山と女子はどうしたんだよ?」

 

「あー……」

 

すると三浦は不機嫌な顔になり

 

「隼人も結衣も姫菜も雪ノ下さんとこ。あっ……姫菜ってのはあーしらの隊のオペレーターで結衣は昨日隼人に誘われてボーダーに入るらしいし。」

 

結衣のポジションの勉強するんだってと続け

 

「お前は行かなくて良いのか?」

 

「結衣はスナイパー目指すらしいんだけど、あーしじゃ何も分からないし……」

 

悲しげに目をふせ

 

「行っても雪ノ下さんはもちろん隼人もあーしの意見は聞かないから

。姫菜は行くつもりなかったんだけど結衣を放っておけないし、オペレーターだし色々知ってるだろうから行かせた」

 

「ふーん、お前も苦労してんだな」

 

「でしょー」

 

そんな話をしていると

 

「あれ?比企谷くんに三浦さん?」

 

八幡が声の方を向くと美少女がいた。

 

「あぁ、すまん。誰だっけ?」

 

そんな事を言う八幡に三浦はため息をつくと

 

「戸塚彩加、同じクラスの」

 

「と、戸塚か。すまん、女子の名前は覚えてないんだ」

 

それを聞き三浦はため息をつき戸塚は苦笑すると

 

「あはは、僕は男子だよ」

 

八幡が驚いて三浦を見ると

 

「ほんとにヒキオ、クラスメイト知らないんだ」

 

「改めて、戸塚彩加です。」

 

「あ、あぁ。比企谷八幡だ。よろしく?」

 

何で疑問系だしという三浦はツッコミつつ

 

「戸塚は昼練?」

 

「自主的にだけどね。僕たちのチーム弱いからぼくだけでもしないとって……あっそうだ!!」

 

戸塚は何か閃いたのか八幡を見ると

 

「比企谷くんってテニス上手いよね?体育の時、打つときのフォーム綺麗だし」

 

「そーなん?」

 

「いや、テニスなんてしたことないぞ。体育もいつも壁打ちしてるだけだし」

 

八幡が言うと戸塚はそうなんだ!?と驚き

 

「もし良かったら何だけどテニス部に入ってみない?」

 

「あー……すまん。放課後は色々あって部活できないんだ。」

 

そっかぁと落ち込む戸塚だが

 

「じゃあ昼休み手伝おうか?練習」

 

三浦がそう提案した。

 

「ヒキオは昼休みどうせ暇だろうし、あーしも当分暇。それにこれでもあーしは中学生の頃に全国大会でた事あるから練習相手になるくらいはできるっしょ」

 

「俺の予定を勝手に決めるな……まぁ暇だが」

 

「えっと……じゃあお願いしても良いかな?」

 

上目遣いで頼む戸塚に八幡は断われるわけがなかった。


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